―さあて、最初のライブは渋谷センター街からだ。
ライブの主役は内田保くん二十二歳、ちょっと壊れた元自動車整備士だ。
内田くん、聞こえるかな。
内田くんの出しものは王様のパレード。
王様に扮した内田くんが渋谷の街をねり歩くよ。
内田くんを見かけたら、ばっちり声援を送てくれよ。
シャイな内田くんが素敵なパフォーマンスのお返しをしてくれるよ。
それじゃ、内田くんスタンバイ、OKかな?
内田保はセンター街入口に停車してあったマイクロバスの座席でかすかに頷いた。
窓ガラスには銀色のマジックミラーとなるフィルムが貼られ、ボディにはあさひ幼稚園の文字がある。

津葉倉の父が経営していて、とうに人手に渡った幼稚園の送迎バスだ。
「台本はちゃんと呼んだかい」
津葉倉が緊張で額に脂あせを浮かべて小刻みに震えている内田保に近づいて優しく声をかける。
腹話術の人形のようにこくんと内田保は頷く。
上半身は裸でパーティ・グッズの付け髭を鼻の上と顎に張りつけている。頭にはカールした金色の鬘。ちょうどトランプのキングのカードのよういないでたちだ。
「これは私からのささやかなプレゼントだ」
津葉倉は王冠を内田保の頭にうやうやしく被せた。
「あ……ありがと……」
内田保の口許が引きつるように綻んだ。それが彼なりの精いっぱいの笑顔であることを津葉倉は知っている。
「もう会うことはないだろうが、君の魂が癒されることを祈る」
内田保は無言でワゴン車の扉を開き素足でセンター街のアーケード下のアスファルトの上に立った。
センター街の風景がぐりゃりと歪んで見えたが、それが夏の陽炎のせいなのか、それとも本当に世界が歪んでしまっているのか内田保にはわからなかった。
所在なげに立ち尽くしている内田の姿に最初に気がついたのは制服姿の女子高生の三人組だった。内田の付け髭と王冠を指さして「何あれ」と笑いあい、そして一人は内田の両手に握られたものをみてきょとんとした。
内田の手には二振りの日本刀が握られていたのだ。
内田は彼女たちと視線が会うと、例によって引き攣った笑いを返して近づいた。
少女達は困惑した表情を浮かべながら後ずさりする。
だが、内田の裸の胸にワイヤレス・マイクがガム・テープで張りつけてあるのを見つけて安堵の表情を浮かべる。
マイクやテレビ・カメラさえあればどんなことでも起こって不思議はないし、同時に絶対安全地が現れると彼女たちは信じて疑わない。だからむき出しの日本刀にさえ何の危険も感じない。
「これ、テレビ?」
「ううん、ラジオ」
少女たちの表情は困惑から一挙にメディアへの媚びに変わる。
内田は彼女たちがメディアへの好奇心を剥き出しに近づいてくるのを見計らって、日本刀を正面の少女の肩口にふりおろす。
噴水のようにぴゅー、と彼女の頚動脈から血が噴き出す。
切られた少女も残る二人もキョトンとしている。これってギャグじゃないの? 何かオチがこの後にあるんでしょ、という顔で内田を見つめる。
しかし、オチもギャグもない。少女は崩れ落ち、痙攣する。
ようやく数秒の間の後、残る二人の少女のうち一人が「ひい」と声を絞り出した時には数メートル先のOLの背中を切りつけていた。

―さあて、聞こえたかな。内田くんは一年前のとある土曜日の夜、渋谷にちょっとおめかししてやってきたんだって。
その日より三日前、内田くんは地元春日部のテレ・クラで渋谷の女子高に通うA子ちゃんをゲット、デートの約束にこぎつけたんだ。
待ち合わせ場所はセンター街のファースト。
キッチン前。
相談相手になってくれるお兄さんのような人にあこがれるってA子ちゃんはいってたんだって。
内田くんはその時まで彼女いない歴21年、つまり生まれて初めてのデートだったらしい。
内田くんは胸に約束の赤いバラを指してDCブランドのスーツを着てなってたっていうんだから笑っちゃう。

 ここから腐った物語が始まります


約束の時間、A子ちゃんはやってきた。
なぜか手には検便が。
しかも、透明の袋に…。
彼女が近づくにつれ、匂いが漂い始める。
彼女は席につくと弁当を広げた。
きょうの弁当は検便だ。
検便だけに便当!!
さらに彼女は、水筒を取り出した。
紙コップに注がれる液体は黄色かった。
アンモニアの鼻を突くにおいが広がる。
それがまた、食欲を誘う。
僕はそれだけでご飯3杯いけた。
へそのごまのふりかけをかければ、5杯はいけそうだ。
僕は店内にいる人達にへそのごまをわけてもらえないか交渉してみた。
しかし、不思議なことに、みんな掃除したばかりだという。
「そんなのはウソだー!」
僕は一人の中年男性の服をまくりあげた。
ところが、へそ毛が邪魔してうまく取れない。
ここへ来る途中コンビニがあるのを思い出した僕は、カミソリを求め駆け出した。
僕は必死になって走り、いつしかマッハ10を超えていた。
そう、ぼくは北斗神拳の伝承者。
すでに、ケンシロウよりも強くなっていた。
そろそろ点火しよう。
ポケットからマッチを取り出し、点けようとしたが思いとどまり、売ることにした。
「マッチ買えやコラ!」
早速売れた。
どこから出したかわからないが、1兆ほど売れた。
1つ10万で1兆個。全部で100京円。国家予算だとかそんなちっさい事を言ってるような額ではなくなっていた。
そして、最後のマッチで金に火をつけた。
世の中の金は消えた。これからは暴力が世を支配するのだ。
まず、手当たり次第にブスを殴った。
「いてぇ!」ブスは死ななかった。
仕方ないので、贅肉を取り焼き肉にした。
ブスは太っていたので、たくさん焼き肉ができた。今夜はパーティだ。
それに、ブスも痩せることができたので喜んでいた。
いいことをしたなーと思った。
おやじを蹴った。
そしたら、ズラが飛んだ。
おやじは走った。ズラを頭でキャッチするために。
そう…、太陽が沈む前に…。
「メロスー!!!」と、叫びながら。
もちろん裸だ。
その姿をみて勘違いしたものは感動を覚え、後についていくのであった。
おやじを見送った後、僕は瞑想に入った。
しばらくして宙に浮いた僕はそのまま国会へと赴いた。
小渕がいないものかと、ほふく前進で進んだ。
今、僕は狙われている。どんな時も警戒を怠ってはならない。
しかし、あそこがこすれる感触は忘れられなかった。
いつのまにやら電柱に股間を擦り付けていた。
「あぁ〜〜っ!」
その後ろで、犬も僕に股間を押し付けていた。
このまま二人(?)で草むらへ消えた。
そしたら、小渕が野グソをしていた。
紙が無くて、困っていた。
ぼくは気を利かせてひとつ駄洒落をいった。
「オオカミがトイレに入って言いました。おー紙―!」
辺りが一瞬にして、氷点下100度まで下がった。
野グソ中の小渕のケツにはクソが凍りつき、取れなくなってしまった。
マニアにはたまらないお宝だ! このまま冷凍庫に保存し食したいときに電子レンジでチン! いつでもほかほかの小渕のうんちが食べれます。
僕は町内の皆さまに宣伝してみた。
また、凍ったままでもカナヅチの代わりとしても使えることもアピールした。
町内の小渕派の奥様方がたくさん集まってきた。
これは一儲けできそうだと思い、オークションを開催した。
その中に、サッチーもいた。
反対側にはミッチーも。
熟女の熱くて激しい戦いが始まった。
「私は平成の前からファンだったのよ!」
最初に口を開いたのはサッチーだった。
しかし、ミッチーはそれを無視し、裁判所へ行った。
一人残されたサッチーは奥様方に袋叩きにあい、病院送りになった。
その後、サッチーのCDは500億円の売上げを記録したそうな。
そんな光景を「なんでこんな事してるんだ」とまだ踏ん張ったままの小渕は思った。

寒(完)

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