ドラゴンクエスト3 2000/9/2
人生には忘れられない瞬間がある。それはいつ訪れるのか予想はつかない。
中学生時代、球技大会のサッカーで好きな女の子が見ている前で、偶然にもヘディングシュートが決まった瞬間、
大学時代、初めてバイクの後ろに女の子を乗っけて走った瞬間、
大人になり、営業で初めての注文書をクライアントからもらった瞬間・・・
私の場合、そして、
ドラゴンクエスト3で、勇者ロトが初めて空を飛んだ瞬間である。
ドラゴンクエストは、ちっこいキャラクターが地面をはいつくばって旅をする物語だった。山や海にぶつかると進めないので向きをかえなくてはいけない。うろうろしていると次から次へ怪獣たちが襲ってくる。そして行く手をはばむ山のむこうに謎のちいさな町が見えていたりする。行きたいのだ。どうしてもその町に行かなくてはいけない。トンネルをくぐって行くのだろうか?それとも道具や呪文を使ってとんで行くのだろうか、と長時間プレーの疲労とストレスをかかえながら思いをめぐらしていた瞬間にそれはおこったのだ。
そう、まずサウンドが最高だった。
まあじっくり聴いてみてくれ、この曲・・・・・・インターネットは便利なものだ。聞かせてあげるよ。
癒し系だろう、たまらんよこのメロディー、坂本なんてめじゃないね。こっちは長時間の連続プレーのため本当に疲れているのだ。その時、突然目の前に鳥の形をした飛空艇が出現し、勇者ロトを乗せて大空に羽ばたいたのだ。その飛空艇は山だろうが海だろうがことごとく一足飛びにまたぎこし大空を自由に動き回った。恐る恐る動かしてみても、空中ではモンスター達はいっさい襲ってこない。自由だ。そしてその時のサウンドがこれだ。わたしは疲れきって復活の呪文でも書き移そうとノートを開こうとして思い直し、再びドラクエの世界に埋没した。そして、敵のいない大空を縦横無尽に飛びまわり、下界の荒れ果てた状況を哀れみつつ、次なる大地を求め旅立ったのである。
え、幼稚かい?
理想を追求する、ハードボイルドなジャズバーテンダーがそんなことでいいのか・・・って?
じゃあ君もドラクエ3やってみな・・・・・・えっとやる前アドバイスすると、1・2をやってからのほうがいいな、いっぱい苦労したやつだけ飛ぶ資格が与えられるな・・・きっと。