新聞 NO.8
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命令内容(赤字は不履行)
トカゲ王軍
王軍 西の海(北) 援護 陸軍 マイアウォーター 援護 陸軍 ナマズ川 相互
陸軍 ポートブラックサンド 援護 陸軍 ナマズ川 陸軍 援護 マイアウォーター 相互
陸軍 ナマズ川 援護 陸軍 マイアウォーター 相互
陸軍 マイアウォーター 援護 陸軍 ナマズ川 相互
シャーリラ軍
王軍 カアド 待機
陸軍 異教平原 待機
陸軍 ストーンブリッジ 待機
陸軍 ファング 待機
陸軍 アンヴィル 待機
ザゴール軍
王軍 火吹山 援護 陸軍 氷結台地 移動 ゼンギス
陸軍 氷結台地 移動 ゼンギス(退去希望先 氷結台地 火吹山 アンビル 氷指山脈)
ケリスリオン軍
王軍 月岩山地 移動 火吹山(退却希望先 ダークウッドの森)
陸軍 ゼンギス 移動 氷結台地
陸軍 ゾルダンの塔 援護 王軍 月岩山地 移動 火吹山(退却希望先 ダークウッドの森)
ザラダン軍
王軍 チャリス 待機
陸軍 クモの森 待機
陸軍 シルバートン 待機
マルボルダス軍
王軍 オイスターベイ 援護 陸軍 シャザール 相互
陸軍 シャザール 援護 王軍 オイスターベイ 相互
陸軍 柳谷 移動 ヨーレの森
陸軍 ヴァトス 移動 どくろ砂漠(退却希望先 ヴァトス 南部平原)
バルサス軍
陸軍 ヨーレの森 移動 サラモニス(退却希望先 南部平原、どくろ砂漠、ギザ岩高地)
王軍 サラモニス 移動 柳谷(退却希望先 ヨーレの森、トロール牙峠)
陸軍 ギザ岩山 援護 王軍 サラモニス 移動 柳谷(退却希望先 ギザ岩高地)
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トピック
シャリーラの甘言に躍らされたザゴールは来るはずのない援軍を待ちつづけていたが、ついに火吹山を追い落とされる。
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出現! 空中要塞
本拠地火吹山が闇エルフの挟撃に遭いながら、ザゴールはなおも余裕の表情であった。火吹山周辺にはザゴール配下の7将軍の内、4人までが詰めており、その守備は鉄壁と言って良かった。しかも、間もなくシャリーラからの援軍も駆けつけるはずである。
南側より攻め来るリュグンゴル・カルハロスの部隊に対してはグッゼンを当たらせ、東から襲いかかるメネル・イシルキールの部隊に対しては《滴り顔の》ジュキバルを配した。全軍の指揮は《槌鉾の腕》ヌーバンスに取らせ、さらに火吹山内はダリゾーマ・ミハールに守らせた。ザゴールは火吹山内の玉座で戦勝報告を待つのみであった。
勇猛なミノタウロスのグッゼンは名乗りを上げている最中に毒矢に当たって死んだ。血に飢えたグールのジュキバルは自分が仕掛けた罠に追い落とされて自滅した。
ザゴールの元に弟子の魔術師ダリゾーマが駆け込み、間近に迫った闇エルフの2個軍をヌーバンスが何とか食い止めているが、それも時間の問題だと告げた。ザゴールにとっての大きな誤算は、火吹山に進入する冒険者に対しては無敵を誇る7将軍ではあるが、軍を率いた経験は乏しく、闇エルフの組織的な攻撃に抗する術など元よりなかったことだ。その上、シャリーラの援護の申し出を本気にしてしまったのも間違えだった。
そうこうしている間にも、剣戟の音が遠くから響きだした。ザゴールはこれ以上火吹山を守りきれぬと察し、私室の奥の扉を開けた。そこでは壁いっぱいに並んだコンソールが冷たい光を明滅させていた。ザゴールが触れるとパネルが次々と灯り、室内に機械の息吹が立ちこめた。
火吹山が大きく震え、山頂より3分の2ほどの所に横一文字の亀裂が走った。ふもとで剣を交える両軍の兵士たちは突然の出来事に我を失った。彼らが見守る目の前で火吹山はゆっくりと浮かび上がった。これこそザゴールが密かに開発を進めていた空中要塞ゴルゴサールであった。
未完成とは言えゴルゴサールの威容に気圧された闇エルフ軍は算を乱して逃げ出した。ゴルゴサールは呆然と見上げる味方のヌーバンス将軍を残して北の方へ移動し始めた。《アンガロックの脚》リュグンゴルは逃げ惑う自軍の兵を薙ぎ払いながら、悲痛な声でザゴールの名を叫んだ。しかし、ゴルゴサールは矢も届かぬ上空を悠々と逃げていった。
ザゴールを取り逃した《アンガロックの脚》リュグンゴルは、失意の中、兵を引くために点呼をとった。すると、斥候隊長のミラージェンの姿がないではないか。それもそのはず、ミラージェンはゴルゴサールが飛び立つ直前に火吹山に取り付き、不可視マントで身を隠して要塞内に進入していたのだ。
そうとは知らぬザゴールはゴルゴサールのコックピットで、先ほどの《アンガロックの脚》の悔しがる顔を思い浮かべて高笑いをしていた。まさにそのとき、ミラージェンはマントを脱いで姿を現すや、チカチカする操作盤に剣を振り下ろした。操作盤は細かい部品を撒き散らして弾け飛び、ゴルゴサールは大きく傾いだ。ミラージェンは詰め寄るザゴール一味に「良い旅を」と言い残し、操縦席のガラスを破って飛び降りた。ダリゾーマ・ミハールは悲痛な声で「氷血台地に激突する! みんな逃げろー!」と叫んだが、元より逃げ場など無かった。
リュグンゴル・カルハロスの部下の一人がゴルゴサールの異変に気付いた。ゴルゴサールの一角から火の手が上がり、北の空に見るみる滑り落ちていく。空中に白い花が咲き、一人の戦士が降りてきた。不可視マントを落下傘代わりにした斥候隊長ミラージェンだ。闇エルフたちは彼の英雄的行いを大いに褒め称えた。
一方、ゴルゴサールはヨロヨロと氷血台地まで這い進んだ。そこで待ち受ける味方と合流すれば、もう一度巻き返すチャンスもあるはずだ。ザゴールとダリゾーマは持てる魔力を全て注ぎ込み、ようやく《邪眼の》デュルゴ率いる別働隊が見える所まで辿り着き、そして力つきた。魔力を失ったゴルゴサールは右往左往するデュルゴ隊の真ん中に墜落した。この事故により、要塞内の兵士の9割、地上の兵士の6割が死傷した。ザゴールは奇跡的に無事であったが、ダリゾーマは死亡、デュルゴも意識不明の重体という有様であった。残存兵力をかき集め、何とか1個軍を仕立て上げたザゴールだが、その行く末には暗い影が差していた。 |
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