泣き虫兵器ベルタ
(分割版)
第3章「鏡の中の勇者」その2
5
「整列!」
号令に応じて、部下たち20人がずらりと並ぶ。前列の男たちは透明な防弾盾、後列の男たちは銃を持っている。MP5短機関銃だ。
見事に隊列を組んだ男たちを、隊長は自信ありげに見つめた。
(この日を待っていた)
(我々の実力が発揮できる日を)
この事件を解決すれば我々は英雄だ。しかし手に負えなければ自衛隊の出番となる。キャンプ座間の空挺部隊が来るだろう。警察の威信は丸つぶれだ。
(なんとしても俺たちの手で)
そのときヘリから、インカムをつけた男が顔を出した。
「隊長! 市民の避難完了しました!」
警察の役割は犯人逮捕ばかりではない。一般市民を避難させるのも重大な役割だ。浜岡原発は住宅地に囲まれている。巨大ショッピングモール・メガマートが
となりにある。
隊長は報告を受けて大きくうなずいた。
「すばらしい、実に迅速だ」
部下の一人が笑顔を浮かべて言う。
「このへんは東海地震の件で、みんな避難慣れしてるんですよ」
「ああ、それはあるな。では、まずは交渉を開始する」
隊長は胸の無線機を手に問った。
しかしその瞬間、彼の目が細められる。
「む?」
隊長のいる場所からは管理棟の入り口が見える。今まさに管理棟の入り口が開き、一人の人間が出てきた。
巨体。数十メートル離れても、その男がプロレスラー並の体格である事がわかった。下半身はアーミーパンツ、上半身はタンクトップ一枚。丸太のような二の
腕を向きだしにしていた。
大男はのっしのっしと歩いてくる。だんだん顔が見えてきた。短く刈った金髪、四角い顔に猪のような太い首、太い眉毛に荒々しい顔立ち。隊長は、かつて知
り合ったアメリカ海兵隊員を連想した。
「手ぶらだ……投降でしょうか?」
部下の一人が首をかしげる。
「わからん。あれだけの大事をやらかして投降というのも解せんな。気を抜くなよ?」
隊長は部下たちに気合いをいれ、拡声機を大男に向けた。
「警察だ! 投降を望むか?」
大男は答えない。ゆっくり歩いているように見えるがよほど大股らしく、たちまち正門の手前までやってきた。
「よーう!」
大男は片手をあげる。白い歯をむきだしにしている。
「原発ジャック犯だな?
投降を決めてくれて感謝する。
我々は無意味な流血を望まない。直ちに投降してくれるなら……」
「アーッハッハッハ! ぐははははーっ!」
突然の笑声に、隊長は呆然とする。
大男は腹を抱え、身をよじって爆笑していた。
「い、いったいどうした?」
「どうしたって、そりゃおめェ……おめェらがあんまりバカだから笑ってんだよ!
投降するだと?
そんなことひとことも言ってねーっつうの、ボケッ!アーヒャヒャ!」
「では、何のつもりだ!」
隊長はバッと片手で大男を指し示す。
後列の隊員20人が、MP5の銃口をあげて大男に向ける。銃と男の間には正門があるだけ、距離わずか5メートル。警官たちが引き金を引けば数百の弾丸が
男へと殺到するだろう。
しかし20ならんだ銃口を前にしても大男の態度はまるで変わらない。
「なんのつもりかって?
……こういうつもりだよ!」
大男は叫んだ。そして跳躍した。2メートルの巨大が羽毛のように軽々舞った。正門を飛び越えて警官隊の真っ只中に男が着地し、
殺戮を振りまいた。
すべては一瞬のうちに行われた。
まず最初のコンマ1秒。大男は丸太のような両腕を時速200キロで突きだした。筋肉の杭と化した腕は強化プラスチックの盾を紙切れのように貫徹、勢いを
まったく現ずることなく警察官ふたりの顔面に突き刺さりヘルメットごと脳髄と頭蓋を粉砕、生卵のように砕け散った頭部が薄紅色の粥を撒き散らす。
次のコンマ1秒。太い足を振り上げて回し蹴りを放った。軍用ブーツに包まれた脚が地上1メートルの空間を時速500キロでなぎ払い、線上に存在するすべ
てのものをプリンか何かのようにはじけ飛ばした。警察官の持つ盾が破砕され破片がキラキラと飛び散り、膝がわき腹に打ち込まれそのまま内臓を潰しながら身
体にめり込んで脊椎をへし折って肉を裂いて反対側から飛びだす。
つまりキックが人体を腹の辺りで真っ二つにした。ひとり、ふたり、三人が同様に瞬殺された。
次のコンマ1秒。ここまで警察官たちはまったくの無表情だった。あまりに早すぎて「何が起こったのか」もわからなかった。しかし破砕された人体がしぶき
となって警察官たちの顔面にふりそそぎ、このときやっと彼らは「仲間が一瞬で殺された」と知った。
顔面を恐怖にこわばらせて、いっせいに銃の引き金を引いた。
ラタタタタタタ!
MP5短機関銃の発射音はごく軽いタイプライターじみたものだ。
銃口がいっせいに鉛弾を吐き出す。大男の上半身が無数の弾丸に包まれる。
1秒、2秒経った。警察官たちが引き金を緩める。
そして彼らは見た。
2メートル150キロの巨体、顔面や肩に銃弾の突き刺さった男の姿。
突き刺さっていただけだった。大男が頭を振るとポロリポロリと銃弾が落ちた。背筋を伸ばし、腰をひねり、胸板をパンパンと叩くと、すべての銃弾が大地に
落ちた。
白い歯を見せて笑う。
「お前らマッサージうまいな」
「……!」
警察官たちは唖然とする。
至近距離から叩き込まれた銃弾数百発は、この男の皮膚一枚に刺さっただけで蚊が刺したほどのダメージも与えられなかった!
「なんだ? こんなもんなのかよ? ガッカリしたなあオイ。もっとスゲーのはないのかよ?」
ぼりぼりと頭をかきながらこともなげに言う大男。
警官の一人がMP5を取り落とし、うめく。
「化け物だ……」
その一言が恐慌の引き金だった。
「ヒ、ヒィィィィ!」
「うわァァッッ」
銃を投げ出し、警官隊はいっせいに逃げ出す。
「こ、こら、まて、待たんかっ!」
隊長が部下に怒号を叩きつける。だが誰一人立ち止まらない。あるものは国道をそのまま走ってゆき、また別のものは近くの民家に逃げ込む。まるで統制が取
れない。
気がつくと、隊長はたった一人で大男と対峙していた。
国道150号線の真ん中。両者の距離は5メートル。
「勇気あるじゃん、あんた?」
でかい顔にニヤニヤ笑いを張りつけて、大男が言う。
隊長は男の発する圧力にまけじと胸を張って、
「……リーダーだからな」
「だが、人望はねえな。みんな逃げやがった」
大男の顔が嘲笑にゆがむ。隊長はギリギリと歯ぎしりをする。
「……この有様ではな」
隊長はあたりを見まわす。
周囲10メートルには赤黒い肉片が散らばっていた。真夏の日差しに照らされたアスファルトの上に、ペースト上の血肉がひろがってじりじりと熱されてい
た。
もちろん警察官たちは、ここまでの修羅場を経験した事などない。戦場ですらなく人間屠殺場である。
「『生き物としての格が違う』って感じだろう? だからオレは素手で闘ったんだよ」
白い歯をむきだしてニカッと笑う。
「……なめやがって」
しかし隊長は、大男の狙いが正しかった事を認めざるを得ない。拳銃一丁ナイフ一本使わず、素手で殺戮を繰り広げたからこそ絶対的な恐怖をおぼえたのだ。
「というわけで、お前たちはオレたちに勝てない。何人来ても無駄。思い知ったろ?」
しかし隊長は大男の顔から目をそらさず、精いっぱいの虚勢を張った。
「勝ち誇ってられる野も今のうちだ。自衛隊や米軍がきたら、お前らだって……」
「ハン! 話にならないね。原発を攻撃する度胸なんてあるわけねぇ」
「いや、必ずやってくれる……」
「威勢いいけどさ、あんた。これから自分がどうなるかわかってんの?」
相変わらずの笑顔で言われて、隊長は背筋が凍りつくのを感じた。
震える手を腰のホルスターに伸ばす。
(勝てないのはわかってる。だが、せめて一矢報いたい)
「無駄だっての、拳銃なんて。さーて、どうやって殺してもらいたい? こいつらみたいに一撃じゃつまんないよなあ? 指を一本ずつもいでくってのはどう
よ? それでも泣き出さずにいられたら褒めてやるよ?」
両手を合わせてポキンポキンと指を鳴らす。
と、そのとき電子音が鳴り響く。
大男の腰の辺りから響いている。
腰の後ろに吊り下げていた携帯無線機を取り、なにやら会話をはじめる。外国語なのでまったく内容が分からない。大男は次第に苦々しい表情になってくる。
「……ちっ。命拾いしたな、あんた。『これ以上殺さなくていい』ってよ」
大男はくるりと後ろをむいて、わざとらしく屍を踏みつけにしながら去っていった。正門を飛び越えて発電所内に消える。
男の姿が見えなくなって、隊長はその場にくず折れた。
「……うう……」
涙交じりの嗚咽を漏らす。
「動けなかった……」
そうだ、彼は動けなかったのだ。
逃げなかったのは度胸があるのではなかった。体が硬直していたのだ。
あたりにちらばる骸のひとつを抱えあげる。
ヘルメットにボディアーマーの黒ずくめ、顔は若々しい。
まだ25になったばかりの若手隊員だった。子供が生まれたばかりだと語る彼の楽しそうな顔を、隊長は思い返した。
「……なにも……なにもできなかった……俺は何も……」
にらみ返して虚勢を張った、相手が見逃してくれたから死なずにすんだ、それがなんだというのだ。
自分の無力を、深く呪った。
6
ベルタは息を呑んで巨大モニターを見あげていた。
モニターの中には殺戮劇が展開されていた。高度2、300メートルからヘリで撮りおろしているため人間は豆粒のようだったが、ベルタの視力は飛び散る
血、切断されて路面にぶちまけられる臓物をしっかりとらえた。
通行人たちも「死んでる」「なにあれ」「警察やられてるじゃん」「ばけもの」と心配げだ。
一瞬にして仲間の半数を殺された警察隊が、蜘蛛の子を散らすように逃げ始める。なんの統制も取れずデタラメに逃げてゆく。通行人たちも「警察が負けた」
とわかったらしく「おお……」「やだ……」と失望の声をあげる。
警察官ひとりだけ残してアントンが去っていったとき、ベルタはほっと胸をなでおろした。
画面が切り替わる。青ざめたアナウンサーがスタジオで早口に喋りだす。
「……以上、上空からの映像でした。
犯人グループは常軌を逸した戦力をもっているようです。
ただいまの映像では、犯人の一人とみられる大男は、まったく武器の類を使っていません。
素手であの力です。
……続報がありました。犯人グループからまた映像中継の要請がありました。つなぎます」
画面が切り替わり、金髪の少年カエサルと少女ドーラが現れる。
ドーラとカエサルはなにやら不機嫌そうだ。
ドーラはマイクを手にして口をひらいた。
「……みなさん、ごらんになりましたね。わたくしたちの力を。アントンにいさまは少しばかりやりすぎましたが……まあ基本的には、今のがわたくしたちの意
思表示なのだと思っていただいて構いません。
つまり、交渉は無意味ということです。
あなたがたに与えられた時間はあと5時間50分。交渉のためではなく、いかに負けを認めるか、それだけのために使ってください。
ああ、いまごろジエータイや米軍が動いていることと思いますが。
空爆を行った場合、直ちにすべての炉を爆破します。原子炉5基の死の灰は、日本全土を汚染することでしょう。楽しみですね、みなさんの恐怖で引きつった
顔! くすくす。
ああ、そうそう。
わたくしたちの要求はもうひとつあります。にいさま?」
ドーラが隣のカエサルに目配せする。
急に神妙な顔つきになってマイクを受け取るカエサル。
見ていたベルタは首をかしげる。
(一体何を始めるんだ)
次の瞬間、カエサルは言った。
日本語ではなくドイツ語に切り替えて。
「ベルタ姉さん、見ているね?」
(……!)
衝撃が走った。目を見開いてまじまじと画面をみた。
まるで画面のこちら側にいるベルタが見えたかのように、カエサルは満足げにうなづく。
「そう。間違いなく見ているはずだ、姉さん。
これから姉さんに呼びかけます。
……こっちに来ないか?
ボクたちと一緒に闘わないか?
人間に反旗をひるがえさないか?」
とっさにベルタは叫ぶ。
「バカな!」
当然だ。あんな殺戮に手を貸せるものか。
むしろ止めたい。どうすれば止めにいけるか。
「……姉さんは、うんと言ってくれないだろうね。
人殺しがしたくない、優しい人だから、姉さんは。
でもさ、ねえさん。
そうやって生きて、なにかいいことあった?
『人間を殺したくない』『戦争したくない』『平和に生きたい』
それが姉さんの願いだったよね。でもその願いはかなった?
人間社会の片隅を逃げ回って1年、きっとかないはしなかったと思うんだけど、どうかな?
そんなに人間って大切かな。殺しちゃいけないって、今でも思う?」
カエサルはあくまで冷静だった。感情をあおりたてるような口ぶりではなかった。
それでも彼の言葉はベルタの胸を串刺しにした。ベルタは息を呑み、拳を硬く握り締めた。
「……あ……」
(そうだ)
ベルタの胸の中に暗く重い記憶が蘇る。
(演技だよ、すべて)
(君が手に入るからさ)
「そうだ……」
ベルタのかわいた唇から声が漏れた。
「そうだ。誰も、誰もわたしを必要としてくれなかった……」
ひたすら逃げ回るだけの毎日。やっと見つけた「愛してくれる人」も、実は実験台を探していただけ。
それなのに、わたしはあの人の愛とやらを信じてしまった。
(人間は、人間は……)
ベルタは胸の奥底から声をしぼりだした。
「にんげんは……まだ、ころしたくない」
ぼそりとした小さい声だった。ぞっとした。その声の小ささにぞっとした。あまりにかすれて生気のない声だったのでぞっとした。そしてなにより、まるっき
り嘘臭い言葉だったので背筋が凍りついた。胃の中にドロドロした重いものがはりついていた。
ベルタはうめいた。
「そっか……」
顔を伏せた。カエサルと目を合わせたくなかった。
(わたしは、もう、人間なんてどうでもいいんだ)
どうでもいい。そう気づいた瞬間、胸の中の重いドロドロがはっきり形になった。
そうだ。自分はもう人間のことが好きじゃないんだ。
あたりをみまわした。駅前だから歩道を歩く多くの人がいる。
この人たちがアントンやカエサルに教われ臓物を撒き散らして死んでいく姿を想像した。まさにここに原子炉の死の灰が降り注ぎ通行人全員が血を吐いてのた
打ち回って死んでゆく姿を思い浮かべた。
(……胸が痛くならない。助けたいって思わない)
愕然とした。
だが「ああ、なるほど」とも思った。
(わたしの心は折れちゃったんだ)
心の底に「それじゃ駄目だ。人間が死ぬのは悲しいじゃないか」という思いもあった。だがその思いは消える寸前の炎だった。マッチ一本の火力もなく、冷え
きったベルタの心をまるで溶かせなかった。
うつむいたままのべルタに、アントンの声が降り注ぐ。
「姉さん、聞えているかい姉さん? ボクたちのところにきてくれるかい?」
(きこえてるよ、カエサル。
そっちにはいけない。参加しない。もう疲れたから。でも邪魔もしないよ。
勝手にやってくれ、テロでも爆破でも。疲れた、そう、疲れたんだ……)
そのとき、ベルタのすぐそばに何かが投げつけられた。
(ん?)
ちらりそちらを見た。
『少年フラッシュ』。
分厚いマンガ雑誌だ。
通行人が投げ捨てていったんだ。
なぜだかべルタの目はその雑誌に吸い寄せられた。目を放せなかった。
(……なぜだろう?)
雑誌の表紙をしげしげ見つめ、
気づいた。
『新人読みきり 倉本祐樹』
とくん!
心臓が高鳴った。
おのれの目を疑った。だが間違いない。
この名前をベルタは知っていた。
あのいじめられっこの少年だ。
体が勝手に動いていた。マンガ雑誌に飛びついて、拾い上げて、目次をみる。
(315ページか。)
むさぼるように読んだ。32ページの読み切りなど5分とかからずに読み終わってしまった。もう一度頭に戻って読んだ。コマの一つ一つ、ヒロインの微妙な
表情の変化に気を配りながらじっくり味わった。
目頭に熱さがにじんだ。マンガ紙面が涙で歪んで見えた。
ページをめくるごとに涙が激しさを増した。くすんくすんと鼻をすすりながら、何度も涙をぬぐいながら読んだ。あたりの通行人が奇妙な眼で見ていたが、気
にしなかった。
それほどの感動をあたえてくれるマンガだった。
あの日、公園で見せてくれたのと同じ、熱い物語。荒々しい描線と繊細で詩的な台詞回し。
すべてがベルタの胸を打った。
読み終わり、ページを閉じて、大切な宝物のように雑誌を抱きしめた。
「……すごい……やったんだ……漫画家に、なったんだ」
ベルタの口からかすれた声が漏れた。
そうだ。あれからたった1年で、少年はマンガを雑誌に載せた。少年フラッシュは100万部以上売れている大雑誌だと知っていた。そんな雑誌に載るなん
て、どれほど努力したのだろう。泣き言ばかり言っていたあの少年が。
(闘ってるんだ)
(彼は、闘ってるんだ)
(私との約束をまもってるんだ。もう逃げないって)
ベルタはきつくきつく、薄汚れた腕でマンガ雑誌を抱きしめた。ページの端をぎゅっと握り締めた。
ずっと伏せていた顔をあげる。
巨大モニターが目に飛び込んできた。
モニターに浮かんでいるのは深刻な顔のアナウンサー。
「……エインヘリヤルを名乗るテロリストたちは篭城をつづけています。総理大臣は全力で解決に当たるとのコメントを発しました。なお、さきほど声明発表中
にドイツ語の部分がありましたが、あの内容は『ベルタ』という人物に対して共闘を呼びかけるものでした」
ベルタ、すっくと立ち上がる。
もちろん、彼らのテロに参加するためではない。
「……いかなきゃ」
声に出して確認した。小さな拳を握り締める。
「……わたし、いかなきゃ」
(彼は逃げなかった。約束を守り、闘い続けてる)
(だったら私も逃げない!)
カエサルたちのテロを止めてみせる。あの3人を倒す。
あたりを見回して、クレープ屋を見つけた。
「いらっしゃい」
薄汚れたベルタの風体を不審に思いながらも店員が声をかける。
「バナナクレープください。10個」
「え?」
まずは腹ごしらえだ。
気力を取り戻したとたん、猛烈に腹の虫がぐうぐう鳴りはじめた。
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