6月26日
ここんとこずっと雨だが、このくらいなら合羽を着ていれば防げるから大したことはない。
雨には4段階ある。
第0段階 合羽を着なくても平気な雨
第1段階 合羽を着れば濡れない雨
第2段階 合羽を着ても濡れる雨
第3段階 合羽なんざ着ようが着まいが一緒だ! パンツまでずぶ濡れだ! という雨
さらにこの上に
「第4段階 濡れるとか濡れないとか以前に、流されるんですけど! という雨」
もあるらしいのだが、幸いなことに経験したことはない。
とにかく今週・先週の雨は第1段階で、このくらいなら荷物の防水も楽だし、運転中に前がよく見えなくて困ったりもしないし、仕事に差し支えることはない。
しかし油断したころに第3段階あたりの、機関銃みたいな雨が襲ってくるもんである。
おととしの7月、よりによって合羽を持ってくるのをわすれた日に第三段階が発生。
渋谷の陸橋下、溜池交差点辺りが池になったあの日。
マフラーに水が入るかと心配したあの日。
私は、合羽なしで走っていた。
いや、それでもまだいいのだ。
問題は冬である。真冬に第三段階が発生するとマジで泣ける。
思い出しただけで体が震える。
本の感想。
北方謙三「三国志7」(角川春樹事務所)。
掲示板にも書いたんだけど、もう一回感想を。
戦争の形勢が逆転するときというのはこんなにあっけないものなのか!?
あれだけの優位がすべてパーに!?
現代の戦争では、「あそこで勝敗が決した」と言い切れるほどの決定的な瞬間はなく、じわじわと差が開いていくものだが。
それをひとつの戦闘でひっくり返そうとしてもできないもんだが。
いや、それは後知恵かな。
そのとき、戦いに立ち会っている人間と後から論じてる人間では感じ方が違うのは当然。
曹操が「老人」と呼ばれているのでわが目を疑ったが、確かにもう、この時代では老人だよな。
今野敏「ST 黒いモスクワ」(講談社ノベルズ)。
まあ、ミステリとしては、その、トリックがあまりにすぐわかって、ちょっと。
微妙にどんでん返しもあるけど。
ロシアという異国の描き方も、人種を超えた男の絆も、曲者ぞろいである「ST」たちのキャラ立ての仕方も、どうもいまひとつ。
読んでる間にストレスはない。それは立派なこと。
陰惨な出来事が作中で起こっても、読後感はさわやか。それもすごい。
でもなあ。
これだ、というものがない。すべて、さらっと流すだけで終わってる。
まあ、これはSTシリーズの第3作らしいから、1と2を読まずにこれをいきなり読んだ私に問題があるのかもしれない。
おなじ今野敏作品と比較すると、「ギガース」よりは上、「熱波」「アキハバラ」「慎治」なんかよりは下。
三木原慧一「クリムゾンバーニング3 日米開戦」(中央公論新社)。
真打登場! まってました!
これだ。これを私は読みたかったのだ。
遊び心全開。でもそれはただの遊びではなくて。
わくわくするのだ。先が読めないし、すでに魅力的な謎が提示されているし。
キャラもそうだ。たった一行、一言でもキャラを印象づけることはできる、その実例がここにある。
1巻は数値がうざったかったが、きっとあれも、いずれ必要だったとわかる日がくるんだろう。
とにかく、「いろんな意味で」架空戦記の常識を塗り替えるシリーズになりそうだ。
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