とんとんとん 春ですよ  TEXT  BY  ぴかちゅう樣
 森の中に、あたたかな風が、ふきはじめました。
  枝の先には、ちっちゃな木の芽が顔を出し、小川には、雪どけの水が、流れこんでいます。
  一番さいしょに、春のけはいを感じとったのは、うさぎさんです。
小さな鼻を、ひくひくさせると、
かすかな春風が、うさぎさんの鼻を、なでていきました。
  うさぎさんは、うれしくなって、ぴょんぴょんと、とびはねました。
「うれしいな。もうすぐ、みんなも起きてくるぞ。」
  うさぎさんは、冬の間、とてもたいくつでした。仲のよい動物たちは、みんな冬眠していたんですもの。
「そうだ。りすさんに、春がきたよって、教えてあげようっと。」
  りすさんは、うさぎさんの一番の仲良しです。
  うさぎさんは、もう一度、ぴょーんと高くはね上がると、りすさんの家に、とんでいきました。

   とんとんとん 春ですよ

  りすさんの家につくと、うさぎさんは、とびらをたたきました。
  とびらの向こうは、しんとしています。りすさんはまだ、ぐっすりとねむっているようです。
  そこで、うさぎさんは、もう一度たたきました。

   とんとんとん  目をあけて
   ぽかぽか春風  やってきた

  しばらくすると、中から、りすさんの声が聞こえてきました。

   まだまだ寒いよ  もう少し  もう少し

  そうして、またとびらの向こうは、しんとなってしまいました。
「りすさんは、寒がりやさんだなあ。」
  うさぎさんは、がっかりしてしまいました。


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