Tour de France観戦日記
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7月25日
 起床後、朝食を10分ほどで済ませ、スケッチのためにボルドー市街を歩きまわる。観光地図片手に歩いてたら、途中子供を連れたイケ面のお父さんが話し掛けてきて近くに博物館と教会があることを教えてくれた。コッチの人は本当に気さくで親切だ。教会前に座りスケッチをしはじめるも時間が30分ほどしかなかったため建物の境界線ぐらいしか描けなかった。ダメ過ぎる。
 ホテルに戻り荷物を抱えホテルを後にする際、エレベーター内で自転車(ロード)抱えた日本人の方と会う。なんでも、自転車でツールを追ってるとのことだった。ちょうど自転車に乗れない禁断症状が出始めだったので、”今、自転車乗りたくてたまんないですよ!”と試しに言ってみたら、”一回一万円でお貸ししますよ!”と冗談で返してくれました。その人が、熊本の元MTBエリートライダーで整形外科の方だと知ったのは帰国後サイスポの9月号読んでからだった。

 その後、バスで観戦地点へ移動。本日向かったのは集団が補給ポイントとして通過する村。オラが村にツールが来たということで、村中の人、近隣の人達が沿道に多く集まっておりました。しかし、そこは田舎らしく村外れまで来ると人もまばらとなっていましので、折角だからココを観戦ポイントにしてM尾さんと集団が来るまでの間スケッチをしたり、キャラバン隊が撒いていくグッズを拾ったり、それを近くの子供にあげたりして時間をつぶしておりました。例によってスケッチのためしゃがんでたら、これでもかってくらいにキャラバン隊からグッズをぶつけられそうになりました。またかよ。
 そうそうスケッチしてたものですが、私は風景を、M尾さんは道挟んだ土手の上で飲みながら観戦してた地元の家族をそれぞれ描いておりました。M尾さんは20分くらいで家族を描き上げ、その絵をプレゼントとしてその家族に見せに行ったらオオウケで、”おまえはピカソ並に何か描いてるかわからんヘタクソだ!”と好印象でイイ意味の誉め言葉を頂いて、コップ一杯のコニャックをもらって帰ってきました。で、そのコニャックに一口つけて一言、”うっこれすげえよ!!、キツクテ涙出た、すぐ暑くなってきたよ”みたいなこと言ったんで、一口貰ったら本当に凄いというか純度の高いアルコールのみを飲んでるみたいでした。
 おかげですぐに酔いが回り酔った頭でスケッチを続けていると、上空にヘリの音がこだまし集団が近付いてくるのが解りました。スケッチブックを置き、バックの中からBianchiのジャージを取り出し、先頭集団とその後来た後続に向かってジャージ振りながら大声で叫んでました。
 集団が通りすぎると沿道にいた皆さんはくもの子散らすように帰りだし、丘の上の家族もお父さん連中を抜かして家に帰ってしまいました。その親父連中が”描き終わったか”と私に言ったので、あらかたスケッチも終わっていたので見せに行ったら、親父連中は自分等が描かれていたのかとでも思ってたのか期待はずれのオレの風景画見せられて、”え、俺達じゃないの?。オレらこういうの好きじゃない。帰っていいよ君。”とフランス語解らん俺にも解るような態度で言ってくれやがりました。”別にオレもお前等のために描いてるんじゃネエンダよ!、オメエラが見せろといったから見せに来たんだろうが!。”とフランス語が解れりゃ言ってやりたかったですが、弱キャラなんで何も言わずに土手を下りました。フランスにまで行ってダメ出しされるとは。
 バスに戻ってくると、他所で観戦していた方々がそれぞれいろんな収穫をしていた。さすがに選手が捨てたボトルを拾えた人はいなかったが、選手が捨てた補給食(バームゼリーみたいなやつ)の残りを拾ってきてた人がいた。

 昼飯はコニャックのせいで悪酔いしてたんで、カナダドライジンジャーエール飲んだだけ。夕飯は同室の方とホテルの近くにあったクイックというハンバーガーショップでハンバーガーとポテトとドリンクのセットで済ませた。フランスまで来てファーストフードなんてと思う人がいるかもしれんけど、久しぶりに食った温かいパンと温かい肉、馴染んだ味というのは悪いものではなかった。
撮った写真
1.補給ポイント
2.リシャール・ビランクを応援したい少年
3.集団
今日の教訓
1.都市部は治安が悪いと聞いていたけれど、悪い人は朝早くにはいないというか行動しないみたいなんで街中でスケッチとかしたいなら朝早くAM8:00頃から描き始めるといいんじゃないかな。(PM8:00頃怪しげな人たちが街にチラホラ現れていたような)

2.スケッチは描いても現地の人間に見せるもんじゃない。見せれるのは現地の人間の絵を描いてる場合のみ。