Tour de France観戦日記
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7月26日
 旅も8日目になりましたが、正直朝食が辛くなって参りました。普段は毎朝暖かいご飯と味噌汁を食べている日本人には、8日間ずっとコーヒー以外暖かいものがないバイキングというのは辛いものでして。お腹は空いてるはずなんだけど全然食欲がないという始末。持ってきておいた日本食を全てあげてしまったことを後悔してみた。

 朝から酷い雨と風で、夏場とは思えないくらい肌寒い1日となりました。全然使っていなかったレインコートが役にたってくれたことが嬉しいやら悲しいやら。
 本日の観戦地点は個人タイムトライアルのスタートの街ポルニック。バスから降りスタート付近に着くと周りもう既に多くの人、人、人。街に架かる橋の上がスタート地点、選手の待機所になっていて、スタート台から先は厚めの人垣ができ近付けなくなっていたのでK沢さんと待機所の横で柵越しに出走時間になって召集されてきた選手をずっと眺めていた。その間、オフィシャルスポンサーのグランメールの女性がコーヒーをくれたり、周りの人からあなた達は誰を応援してるのか?等いろいろ話ができたりした。私とK沢さんはウルリッヒを応援して今日のTTでの逆転を祈っていたのだが、やはり大半の人達はランスを応援し本日のTTで総合優勝を絶対的なものにすることを確信しているようだった。
 1時間ほど経った時、背中のほうからなにやら騒ぎ声がする。正装の割腹のいい老夫婦が何やら叫んでいる。柵の中に入れろとか!、この多過ぎる人間の混雑をなんとかしろ!等の文句を関係者に怒鳴っているのかと思いうざいな〜と見ていたら、おじいさんの顔色が悪くなり表情が強張ったものに変化してきて何やらおかしい。まわりの人も異変に気付き始め”レスキュー”とか言い始める。これはと思った瞬間にはK沢さんと一緒に”レスキュー!、レスキュー!”と叫んでいました。それに気付いた関係者の方々が柵の前に駆けつけ、周りの人間と一緒になっておじいさんを柵の中に抱え入れてあげました。そして、そのまま救急車で運ばれて行ったようだった。どうやら、人が多すぎて行き来が思うようになった橋の上で体調が悪くなって”助けてくれと!”と叫んでいただけのようだった。

 雨足は強さを増す一方で観戦を続けるのが難しくなったため時間を早めに切り上げて観戦地点からTGV(フランスの新幹線)に乗るため駅のある、TTのゴール地点でもあるナントにバスで移動を開始した。のだが、ナントがゴール地点だったり、途中で事故があったり?で道路が凄い渋滞。進んでる途中で時間的にこりゃとても間に合いそうにない、時間になって乗るはずのTGV行っちゃうだろうと誰もが思った時、バスの運転手ジルさんの本気モードが発動。突如幹線道路から外れ、抜け道に出て畑の真中の田舎道を疾走。そうバスの運転とは思えないくらいの機動で、大型バスが普通そう通らない(通れないではない)道をどんどん進む。そしてついには信じられないことにTGV出発約5分前に駅前に到着。時間がなかったので駅前に堂々と逆駐だ!!。そして、手荷物のみを持ちダッシュし客車に乗りこみ、無事パリまで行くことができた。ただ、ジルさんに最後の挨拶ができなかったことが心残りだった。

 ホテルに着き、パリ市街に出掛けるも、お目当ての自転車屋さんはすでに閉まっていた。明日は日曜だからやはり休みなんてこった。飯を食いに行き、ホテルに戻ったら部屋に荷物が届いていた。
撮った写真
1.雨の中これだけの人が
2.編集長
3.出走前の選手(柵が邪魔だね)
4.CSCのトラックとアップ用の自転車
5.パリの自転車屋(19時過ぎて閉まっちゃってます。ウィンドウにはツールのコースが。)
今日の教訓
1.気候はいつ悪化するわからないので、雨具と替えのクツは必携。日本から持ってくのが面倒なら現地で調達し。使い終ったらホテルのゴミ箱にでも捨ててこよう。