読書記録(2008年)


2008年に読んだ(読み終わった)本を紹介します。
最近読み終わった本が上に書かれています。



本の名前 作者 出版社 感 想
壊れる日本人
再生編
柳田 邦男 新潮文庫 世の中は閉塞感が増している。その中で新しい生き方、ものの見方考え方をを転回している方を紹介されている。暗い世の中だけど、勇気をもらった。
姥捨てバス 原 宏一 角川文庫 「床下仙人」の著者の作品。不謹慎な題名からいい加減な男達の話だと思いきや、今の老人問題や戦時中の話も絡んできて、不思議な世界感に引き込まれる。
うそうそ 畠中 恵 新潮社 以前、単行本を借りて読んだ。文庫本を買って再読。じっくり読む。若だんなが一生懸命役立つよう、努力する様子がいい。
僕の妻はエイリアン 泉 流星 新潮社 「高機能自閉症」との不思議な結婚生活という副題がついている。ノンフィクションだ。夫婦の意識のズレ、解決法が書かれている。苦労を楽しみに変えようと努力や工夫されていることに驚く。そして、誰もがあとがきを更に読んで驚くだろう。
縄文文化を掘る
三内丸山遺跡からの展開
NHK三内丸山プロジェクト
岡田康博編
NHK出版 少しは勉強をしなくちゃね。いつかは行きたい三内丸山遺跡。
心霊探偵八雲1
赤い瞳は知っている
神永 学 角川文庫 本屋さんでクローズアップして宣伝されていたので、気になっていた。シリーズにはまりそうだ。
ひかりの剣 海堂 尊 文藝春秋 「バジスタ・シリーズ」に出てくる主役達が学生時代の話。剣道のことはわからないが楽しめた。
とりぱん6 とりのなん子 講談社 とりぱんシリーズも6巻目になる。気取らない自然体の目線が好きだ。
百鬼夜行抄17 今 市子 ソノラマコミックス おじいちゃん、おばあちゃんの若い頃の話が好き。
彩雲国物語
黒蝶は檻にとらわれる
雪乃 紗衣 角川ビーンズ文庫 すごい展開!あとがきで読者からの手紙に「最高齢です」といただくそうだ。喜寿の方もいるそうな。これまたすごい。
史記の風景 宮城谷 昌光 新潮社 宮城谷さんの中国歴史小説が好きでよく読んでいた。この本はいろいろな場面や人についてのエッセイである。あっ、そうそう。読んだ、読んだ。と思い出す。また、数々の本編を読んでみようと思う。
オロロ畑でつかまえて 荻原 浩 集英社 過疎地の青年達が村興しの企画をつぶれそうな広告代理店に頼んだことから、どたばた騒動が起きる。
白川静さんに学ぶ
漢字は楽しい
小山 鉄郎(白川 静・監修) 共同通信社 漢字の成り立ちが祭りごとの儀式からくるものが多いと知った。漢字は旧字から新しくなって、字が変わり、本来のの意味がわからなくなってしまっているらしい。漢字は本当に面白い。
ゆれる 西川 美和 ポプラ文庫 同名の映画紹介で知った。幼馴染の死をめぐる真相を登場人物たちの語りで綴られる。兄弟・親子の確執、思い。重要ポイントのつり橋のように、それぞれの揺らぐ思いが表れていた。映像でも見てみたい。
雨の日も、晴れ男 水野 敬也 文藝春秋 「夢をかなえるゾウ」と同じ作者。どんな不幸な出来事が起きても、前向きに楽しく生きようとする主人公。「夢を・・・」と同様、幸せに生きるヒントがあるかも。
蒲公英草紙
常野物語
恩田 陸 集英社文庫 前述の常野一族をめぐる長編。時は明治時代。みんなが一生懸命に、そしてまっすぐに生きてきた。せつなくあたたかい気持ちになる。
光の帝国
常野物語
恩田 陸 集英社文庫 異能の常野一族をめぐる不思議な物語。悲しくも心優しくする短編集だ。最後のストーリーは思わず涙が出てしまった。
動物農場 ジョージ・オーウェル 角川文庫 ロシア革命を風刺した大人の寓話である。ブタが人間に代わって農場を経営する話。ブタ版「さるの惑星」のような空想小説だが、人間の奥深い権力欲を鋭く著している。
陰陽師
太極の巻
夢枕 獏 文藝春秋社 安倍晴明と源博雅の妖な謎解きが魅力。
証し 矢口 敦子 幻冬舎文庫 一家惨殺事件の嫌疑をかけられて自殺した少年をめぐる謎解き。体外受精、不妊治療がからむ。少年をめぐる身勝手な大人たちに嫌悪を覚える。殺人を犯した少年が一番ピュアに感じられ、悲しさ・せつなさが伝わってきた。
生きて死ぬ私 茂木 健一郎 筑摩書房 著者が10年前に書いたエッセイ。ちょっと難しかった。でも、この一瞬一瞬が大事なんだと思った。
心訓小説
福沢諭吉は謎だらけ
清水 義範 小学館 福沢諭吉の「心訓」をめぐっての謎解き話。福沢諭吉といえば、「学問のすすめ」「慶応義塾大学」とか思い浮かばない。著作から福沢諭吉の実像に迫っている。そして、介護問題ともあわせて話が進められている。視点が面白い。
氷菓 米澤 穂信 角川文庫 「氷菓」「古典部」「カンヤ祭」というキーワードを元に30年前の謎・事件を解いていく。事実を知りほろ苦い思いを抱かせる。次回作も気になる。
三人目の幽霊 大倉 崇裕 創元クライム・クラブ 分類すれば落語ミステリーというのであろうか。落語をミステリーがうまくミックスされた作品。もちろん落語がわからなくても読める。
陰日向に咲く 劇団ひとり 幻冬舎文庫 単行本が出版されて気になっていた。評判が高かったので是非読んでみたかった。読みはじめはたいしたことないと思ったが、読み進めていくにつれ、ストリーの面白さがじわじわと迫ってきた。登場人物が不器用過ぎる生き方で胸がつまされるが、最後には日向のような温かさが残る。映像化されたのも見てみたい。
西の魔女が死んだ 梨木 香歩 新潮社 今年映画が公開されていたので、気になっていた。年代によって見方が違うのではないだろうか。私も孫ができたとき、あのようなおばあちゃん(魔女)になって、アドバイスができるだろうか。まだ、自分の修行が足りないか。
空の中 有川 浩 アスキーメディアワークス 上空に謎の生物。そして飛行機事故。ありえない設定だけど、引き込まれる内容。
錦繍 宮本 輝 新潮社 元夫婦の往復書簡で綴られている。始めのうちは昼メロのどろどろしているものだと思って読んでいた。書簡が進むにつれ、2人の心のわだかまりが消え、お互いに生き方に1本筋が通っていく。辞書で「錦繍」を引くと、紅葉とか美しい織物とか。または美辞麗句にいろどられた詩文ともいう。
別冊 図書館戦争U 有川 浩 アスキーメディアワークス 別冊T同じく本編のアナザーストーリー・恋愛編。今回は前作と違ってベタ甘モードではないが、いろいろな問題をはらんで、面白く読むことができた。
償い 矢口 敦子 幻冬舎文庫 本の帯についてた言葉「人の肉体を殺したら罰せられるのに、人の心を殺しても罰せらないのですか?」が気になって本と手にした。しかし重い内容だと思って読むのを躊躇していた。読みやすい語り口にどんどん読めた。主人公が現実に向き合い、魂が徐々に再生されていく。最後に心がほっとなった。
新・世界の七不思議 鯨 統一郎 創元推理文庫 「邪馬台国はどこですか」の第2弾。世界史バージョン。データから推理し、ぶっ飛んだ結論を導き出す。
20世紀少年
21世紀少年
浦沢 直樹 小学館 今、映画上映中の作品の原作。映画を見てから全巻を買った。マンガを見てから映画を見るとまた違った面白さを気づくのであろう。3部作の映画、次作が楽しみだ。
町長選挙 奥田 英朗 文藝春秋 とんでも精神科医のお騒がせの騒動。しかし、最後にはうまく納まっちゃうからおかしい。ニュースを騒がせた人たちもモデルとして出てくるので、またおもしろい。
虚空の旅人 上橋 菜穂子 新潮文庫 「精霊の守り人」シリーズの外伝的な話だが、ここから「旅人」と「守り人」が合わさって多き流れが出てくるそうです。主人公チャグムの心の成長・自覚が著しい。続きが楽しみだ。
のぼうの城 和田 竜 小学館 戦国時代の話、のぼうさま(でくのぼう)とよばれる男。得体の知れない不思議な魅力。周りの人物も魅力的。颯爽とした風を感じた。ドラマにしたらどんな役者でやったら面白いだろう。
まさかの結末 E・W・ハイネ 著
松本みどり 訳
扶桑社ミステリー ショートショート。外国特有のブラックが利いている。「こうきたか?!」と思える結末に脱帽。
動物園の鳥 坂木 司 創元推理文庫 引きこもり探偵シリーズの最終章。この小説を読むとこことがせつなくなる。主人公を支えるワトソン役の坂木は自分の心のずるさを正直に感じる強さがある。そしてやさしさがある。本当に強くなければ、やさしくは成れないのだ。登場人物の感情が私の心のひだに入り込んでくる。
ジーン・ワルツ 海堂 尊 新潮社 今回の医療小説は産婦人科問題。現在の産婦人科をめぐる状況が浮かび上がる。産婦人科に医療事故はちょうどニュースでやっていたことだ。ジーンとは、遺伝子。人工授精、代理母出産と出産を考えさせられる。
ここがおかしい菌の常識 青木 皐 集英社文庫 抗菌、除菌の常識が覆される。あまり神経質になることはないけど、やっぱり気にしなくてはいけない。基本は整理整頓だって!それから清掃。やれる事からやるしかない。
ヒミコの夏 鯨 統一郎 PHP文庫 前作「邪馬台国はどこですか?」を読んでいたので、これも歴史ミステリーと思ったら、農業ミステリーだった。食料問題や遺伝子操作がからむ。展開に引きづりこまれる。
ハリーポッターと死の秘宝 J.K.ローリング 静山社 とうとう最終巻。以前の話が次々に繋がっていく。読み応えのある最後だった。
悩む力 姜 尚中 集英社新書 著者の本は難しいと思っていましたが、これは読みやすかった。例として夏目漱石とマックスウェーバーをあげる。本書は悩むだけ悩め、とことん悩むことを、中途半端にするなといっている。今私たちは悩むことを諦めたり、切り捨てていることが多いと思う。
うわさの神仏
日本闇世界めぐり
加門 七海 集英社文庫 神仏とか闇とか民俗学・宗教的な怪しげなものに惹かれてしまう。軽いお笑いタッチでかかれ入るからわかりやすい。有名な観光地でも表の部分や裏の部分がある。裏の非日常の部分を覗く好奇心とこわさが垣間見れる。
なめくじ長屋捕り物さわぎ
くらやみ砂絵
都筑 道夫 桃源社 江戸の世の事件の謎解き。主役の砂絵のセンセーが使うのは怪しげな連中。
プロ論。情熱探訪編 B-ing編集部 徳間書店 プロ論の2冊目。著者の言葉を読んで、はっとすることが多かった。将来の道を探るこども達に読んでもらいたい。しかし、今この年齢になったからこそ、理解できることがある。
ダライ・ラマ自伝 ダライ・ラマ 文春文庫 は2001年に書かれた本だが、チベット問題は一向によくなっていない。状況は悪化している。チベットのことやダライ・ラマのことが少しわかった。
病気にならないための
免疫生活のすすめ
安保 徹 中経文庫 健康は基から改善しなくてはだめなようで、西洋医学・薬に頼ってしまうのは結局自分の体を弱くするというのが持論のようだ。しかし、なかなか実行ができないのが今の現状。体を温めることが基本らしい。せめてこれからやっていこうと思った。
ブラックペアン1988 海堂 尊 講談社 「チームバチスタの栄光」シリーズの20年前の病院を舞台としている。シリーズの主役達が学生として登場する。もう1度、前の作品を読みたくなった。
切れない糸 坂木 司 創元クライム・クラブ 「青空の卵シリーズ」と同様、殺人がない推理小説。やさしい人間関係が「糸」のように繋がっている。繋がっている安堵感。
許してガリレオ! ゲッツ板谷
(絵)西原 理恵子
角川文庫 ハチャメチャな著者とその家族・友人の生活を綴った壮絶エッセイ集。落ち込んだ時に読むと笑えるかも。
図鑑に載っていない虫 三木 聡 幻冬舎 これも映画のノベライズ版、すごいどたばた劇なので映像で見たほうが面白さがわかると思う。
阿弥陀堂だより 南木 佳士 文藝春秋 ビデオ屋さんで見かけていた題名だった。夫婦や村の人たちの穏やかなやりとり。季節の移り変わりと同時に心の変化が描き出されている。
妖怪変化
京極トリビュート
あさのあつこ 他 講談社 京極夏彦の作品をモチーフにそれぞれの作家が競作。化学反応されたおもしろさがあった。
神様のパズル 機本 伸司 ハルキ文庫 映画の予告編を見て面白そうだったので、原作本を読んでみた。しかし、物理の話は難しい。
大江戸リサイクル事情 石川 英輔 講談社 江戸時代は貧しかった。リサイクルといっても生活のための必死の方策だった。今の世の中から江戸時代の生活に戻ることは無理だ。しかし、その生活を少しでも生かすことは出来るかもしれない。
世にも珍妙な物語集 清水 義範 講談社 世の中を斜めに見ている目線が好き。
この子を救えるのは、
わたしかもしれない
ワールド・ビジョン・ジャパン編 小学館 ワールド・ビジョン・ジャパンとは、キリスト教精神に基づき、開発援助、緊急援助、アドボカシー活動(市民社会や政府への働きかけ)を行う国際NGOだそうだ。図書館で初めて手に取った本だった。戦争、貧困によってまず最初に被害を受けるのは子供たちだ。子供たちが傷つき、そして再生していく姿を追う。この本の売り上げ100円が子供たちのために使われるそうだ。ごめんなさい、図書館の本だった!
プロ論。才能開花編 B-ing編集部[編] 徳間文庫 各界の著名人による仕事の話。娘に読んでほしいと思いながら、自分がはまってしまった。今の年齢の私でもうなずけること、実行可能なことが多いと気付く。
雑学のすすめ 清水 義範
(絵)西原 理恵子
講談社 絵の西原さんのはちゃめちゃなツッコミが文章に花を添える。
仔羊の巣 坂木 司 創元推理文庫 以前読んだ『青空の卵』の次作。引きこもり探偵の活躍。主人公の心の扉を開けることができるのだろうか。
とりぱん 5 とりの なん子 講談社 野鳥との関わりから、漫画化アシスタント時代の苦労話まで、やさしい目線が好きだ。
別冊 図書館戦争T 有川 浩 アスキー・
メディアワークス
一連の『図書館』シリーズの外伝。と言うか"ベタ甘"恋愛バージョン。不器用な恋愛模様が胸キュンかも。
彩雲国物語
黎明に琥珀はきらめく
雪乃 紗衣 角川ビーンズ文庫 前作から間が空いていました。待っていました。主人公の成長も見られる。
ホルモー六景 万城目 学 角川書店 前作「鴨川ホルモー」のサイドストーリー。あぁ。これが繋がっているのだとわかる。主人公達が切なくも真剣に青春している姿に共感する。
人は「感情」から老化する
前頭葉の若さを保つ習慣術
和田 秀樹 祥伝社 老いてから感情を枯らしてはいけないのだろう。好奇心が若さの源。前向きに生きていきたい。
沖縄ノート 大江健三郎 岩波新書 裁判で問題になっていたので、図書館で予約して読んでみた。難しい内容、文章で戸惑った。1970年に発行されたものだが、沖縄の内情は変わったのだろうか。まだ、米軍の駐留があり、米兵による被害も絶たない。日本政府の対応も変わったのだろうか。考えさせられた。
鼓笛隊の襲来 三崎 亜記 光文社 題名からして不可思議。日常の中にわずかにできたブラックホールのよう。昔のドラマで言うと、『ウルトラQ』。
ガラスの地球を救え
二十一世紀の君たちへ
手塚 治虫 光文社 手塚治虫が亡くなってもう19年が経つ。しかし、書かれている内容は今現在を強烈にくい込んでくる。
死神の精度 伊坂幸太郎 文藝春秋 映画で話題になっていたので、興味を持った。読んでいて全体の雰囲気がやわらかく、いい感じ。映画は終わったので、DVDでも借りようと思う。
バーティミアス
プトレマイオスの門
ジョナサン・ストラウド 理論社 バーティミアス3部作の完結編。やっと読み終えた。ハリーポッターとは違う魔法の世界。最後の最後になって主人公達の気持ちが重なり合ってくる。現実の政治に重なるような腐敗やエゴ。
邪馬台国はどこですか? 鯨 統一郎 創元推理文庫 歴史ミステリの分野になるのだろうか。歴史好きには知的好奇心をそそられる連作集。奇想天外な発想プラス専門的知識に驚く。荒唐無稽な作者の仕掛けに遊ばれるのも面白い。
山本一力の江戸の品格 松枝 史明 sasaeru文庫 山本一力の作品はまだ読んだことがない。江戸時代の庶民の心意気が感じることができる。今忘れかけている人の智恵がある。
イン・ザ・プール 奥田英朗 文芸春秋 空中ブランコの前作。軽い作品なので1日で読んでしまった。ぷっと吹き出してしまうので、人前で読むのは注意。こんな先生面白いけど、やっぱり主治医にはいやかな。(笑)
夢をかなえるゾウ 水野 敬也 飛鳥新社 お決まりの自己啓発本じゃなくて、笑える小説になっている。1日1日の課題もわかりやすい。ドラマにもなるらしい。配役は?と考えると面白い。
文豪のミステリー 山前 譲 編 集英社文庫 夏目漱石・芥川龍之介他9人の短編を掲載。ちょっと昔風の文章や時代設定が戸惑うが、読み応えはあった。
タオ 老子 加島 祥造 筑摩書房 老子の教えを詩の形にして意訳。老荘の考えが大きな道になって流れている。小賢しい事は何もいらない。でも、これが難しいだなぁ。
となり町戦争 三崎 亜記 集英社 日常の中にある非日常。非日常である戦争は私達の住む世界にはありえないが、どこかで繋がっている。本中に「僕たちは、自覚のないままに、まわりまわって誰かの血の上に安住し、誰かの死の上に地歩を築いているのだ。」とある。私達は世界のどこかで起こっている戦禍を他人事のように感じているのだ。
「食い逃げされてもバイトは雇うな」
なんて大間違い
禁じられた数字(下)
山田 真哉 光文社新書 上巻も買った。題名を見て「あれ〜?!」と思った。違う人が書いた批判本と思ったら、これが下巻だった。数字のマジック。騙されないために勉強しなくては!
空中ブランコ 奥田英朗 文春文庫 暴走精神科医が縦横無尽に動き回る。デタラメ?それとも名医?くすっと笑える。
心のお医者さんが教える
「プチ・ストレス」にさよならする本
保坂 隆 監修 PHP文庫 この本を選ぶと言うことは自分が疲れている証拠なのか。気は持ちようというが、朝、寝足りないと思っても、「よく寝た!すっきりした!」と口に出してみることが大事と書かれていた。脳を言葉で騙すのだ。感謝の気持ち、自信を出す言葉を大きく声で言うことも勧めてあった。「言霊」と言う言葉を思い出した。言葉には意味があり、魂があるのだ。実行する価値がある。前述の「色の暗号」ともかぶるのだが、色の効果も大きいらしい。
夢の守り人 上橋 菜穂子 新潮社 守り人シリーズの3段。日常と非日常の境目を行き来する。私も夢の中に引きずり込まれる可能性があるのか。日常生活を営むことの強さを感じる。読んでいると白い花、むせ返る香を感じさせる作品だ。
色の暗号
カラーセラピーで知る本当のあなた
泉 智子 大和書房 こういう自分分析の本は好きですね。ちょっと当たっているところもあるよ。まだ自分を分析しきれてない自分もいる。気持ちを高揚するために暖色系の色を用いると言うのは普段にも使えそうだ。
悪魔のドライブ 木下 半太 幻冬舎 どたばた劇。またもやどんでん返し。本よりドラマにすると面白いかも。
青空の卵 坂木 司 創元推理文庫 推理小説に分類されると思うが、その中で異色な作品だ。主人公・僕の友達・・・自称「ひきこもり」が謎解きをしていく。その中で人と出会い、彼と僕が次第に成長していく。僕は自分の心の中の醜さ、無力さを自覚しているからこそ、人にやさしく接することができる。不器用ながらも一生懸命に生きていく姿に心が動かされる。その醜さ、無力さを自覚することは私自身にも投げかけられているのだ。ずしんと心に響く。1話ごとの最後には主人公・僕の心の軌跡をあらわす文章が書かれている。それが好きだ。とりのなん子さんが書くマンガ「とりぱん」の毎号の終わりのページの「心象風景」に共通する素直さと温かさがある。(この2冊を読んでいる人がどれだけいるだろうか?)2008年第1四半期、一番心に残る1冊。
有頂天家族 森見 登美彦 幻冬舎 狸一家の話。それに対立する一家と天狗や人間が入り乱れ、てんやわんやの騒動も巻き起こす面白ストーリー。
悪魔のエレベーター 木下 半太 幻冬舎文庫 話の展開が面白い。読み進めるごとに「悪夢」が加速。どんでん返しがあるので、最初から順に読むことが肝要。
大人の見識 阿川 弘之 新潮新書 読みやすい。著者の考えを押し付けてこない。だから読みやすいのか。今、見識を問われる。大きな視野で物事を見ることができる政治家がいるのか。また間を置いて読み直してみたい本である。
螺鈿迷宮 海堂 尊 角川書店 「チームバチスタ」シリーズの外伝的な話。生と死をめぐる繊細でダークな話だが、小気味よいテンポで話が進んでいく。今後に問題を投げかけている。
こころげそう 畠中 恵 光文社 「しゃばけシリーズ」は妖怪だけど、この話は幽霊がキーマンになる。事件と恋物語が絡み合う。著者の温かい人柄が感じさせる。淡くて切ない気持ちが交錯する。
鹿男あおによし 万城目 学 幻冬舎 今ちょうどドラマをやっている。ドラマが始まる前に読みたかったが、図書館の予約がいっぱいあって今になってしまった。原作とドラマの設定が違うところもある。充分ふしぎ世界を堪能できた。
不思議の国のトットちゃん 黒柳 徹子 新潮社 テレビ創世記の話、現在の舞台の話、ユニセフの話と盛りだくさん。またもや不覚にもバスの中で、難民の子供たちの様子にうるうるしてしまったり、ずっこけ話にふきだしてしまったり、泣き笑いの本である。
アルテミス・ファウル
北極の事件簿
オーエン・コルファー 角川文庫 シリーズの第2弾。妖精とアルテミスが手を組んで事件に取り組む。アルテミス・ファウルがたくましく成長していく。妖精たちとの関係にひやひやしながら、徐々に安心に変わっていく。またもや人間臭い妖精たちに苦笑。
図書館革命 有川 浩 メディアワークス 図書館シリーズの最終章。主人公の成長と恋の行方が気になっていた。ああ、すっきりした!
鴨川ホルモー 万城目 学  産業編集センター 式神を駆使して戦うゲームをする大学のサークルが舞台。人間の感情が入り乱れる青春群像。甘ずっぱくもさわやかな感じがした。
へんないきもの三千里 早川 いくを・作
寺西 晃・絵
バジリコ株式会社 「へんないきもの」の小説版。女の子がふとした事からミクロの世界や体の中、海底の世界に迷い込んでしまう。その中から、自分達人間が他の生き物の命を食べていること、人間が環境を破壊し生態系を乱していることを知る。身勝手に生きていた家族が成長していくところがいい。
風邪の効用 野口 晴哉 筑摩書房 風邪は万病の元といわれるが、この書では、「風邪をうまく経過させて、体のゆがみ、偏りをただし、風邪が体の掃除になる」とといている。今までの常識を覆す内容に、頭の中が混乱する。だけど読むほどにうなずける点が出てくる。私は風邪を長引かせてしまう。それは無理に治そうとしているからだ。水分の取り方、足湯のやり方、体の温め方など利用できそうだ。
「登呂」の記録 森 豊 講談社 登呂遺跡がこの世に報道されたのが昭和18年(1943年)。この本が出版されたのが昭和44年(1969年)。新聞記者の著者が熱い情熱で書かれた作品。40年余り経った今、この思いは通ずる。現在の日本でも経済成長が重視され文化財行政があまりにもお粗末。周りの不理解。登呂遺跡は今リニューアル工事中。遺跡がハードおよびソフトの面でどう変わっていくか見届けたい。
1秒の世界 山本良一(責任編集) ダイヤモンド社 以前「もしも世界が100人の村だったら」と言う本があった。その時間バージョンとも考えられるか。テレビ番組でも今年1月に同名のドキュメント番組があった。地球環境は恐ろしいスピードで変化している。それぞれの人やものには独自の時間を持っている。しかし、それらの土俵・・・地球は1つしかないのだ。
最後の記憶 綾辻 行人 角川文庫 若くして脳の病気になる母。徐々に記憶がなくなる母だが、最後の記憶に残るのは幼い日の怖い記憶。息子が母の記憶の謎を探ろうとするが、彼の中にも心の闇が迫る幻想的なホラー。読んでいくうちに切なくなってきた。主人公は自分の存在を確かめる旅だったのだ。
ジェネラル・ルージュの凱旋 海堂 尊 宝島社 「チームバチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」に続く作品。救急医療の理想と現実、大学病院の「内情」を鋭く切り込んでいる。前作の「ナイチンゲールの沈黙」と同時進行で話が進んでいる。
あきらめない 鎌田 實 集英社 前作「がんばらない」に続く医者でもある著者のエッセイ集。どう患者と寄り添っていくか、「虫の目」で患者を診る。もし、最後を看取られるならこんな病院で看取られたい。
女子大生会計士、はじめました
藤原萌実と謎のプレジデント
山田 真哉 角川文庫 女子大生会計士シリーズの1つだけど、入門書と言うより(お笑いあり涙ありの)小説に重きを置いた作品。
登呂遺跡 森 豊 ニュー・サイエンス社 著者は登呂遺跡発見の最初の一報を報じた新聞記者。昭和54年の著。久々のボランティアに備えて再び勉強中。
駅前旅館 井伏 鱒二 新潮社 新年早々に昔の小説・・・去年の読み残し。駅前にはビジネスホテルが席巻し、旅館なんてないですよね。まさに昭和って感じ。「黒い雨」とは別な趣き。



home home