読書記録(2011年)


2011年に読んだ(読み終わった)本を紹介します。
最近読み終わった本が上に書かれています。



本の名前 作者 出版社 感 想
土と役者と考古学 苅谷 俊介 山と渓谷社 先日、登呂博物館の講演会で苅谷さんのお話を聞いた。考古学に対する熱き思い、真摯な考え方に感心する。現代社会の唯物的な考え方を危惧されている。
確率捜査官
御子柴岳人
神永 学 角川書店 数学者・ゲーム理論と警察操作を組み合わせたミステリー。新しい切り口だと思った。八雲シリーズの登場人物もチラッと出てきて、コラボということもあるのかしら。
日本人はなぜ
日本のことを知らないのか
竹田 恒泰 PHP新書 元皇族が書いた日本論。この人の意見には賛成できる点とできない点(違和感を持つ点)がある。「古事記」は日本人の自然観・死生観・歴史観を養う教養書であるという点は賛成できる。しかし、皇室重視の考え方には違和感がある。
やなりいなり 畠中 恵 新潮社 今回は料理を軸に書かれている。友情や恋心が描かれている。
陰陽師
天鼓の巻
夢枕 獏 文藝春秋社 今回は蝉丸法師がキーマン。彼の過去も出てくる。大きく晴明や博雅に関わってくる。安心して読める本。
算法少女 遠藤 寛子 ちくま学芸文庫 この書名は江戸時代に実際に書かれていた和算書のタイトルである。作者が父親の書物から見つけたものである。それを素にこの主役の少女の和算に対する気持ちや行動を軸に書かれている。実際は30年前に書かれ、全般になっていたのを復刻されたものである。始めは和算の問題が多く書かれているものだと思ったが、全くの小説である。江戸時代当時の武家、商人の生活や考え方が垣間見れる。
ドングリの謎 盛口 満 ちくま文庫 副題に「拾って、食べて、考えた」とある。登呂博物館でボランティアをしているドングリを使って、ドングリクッキーを作ったことがある。作者は先生として生徒達にドングリを調理させている。その中からいろんなドングリの謎を解き明かしている。ドングリが子孫を増やす戦術が興味深かった。ドングリ(ナラ科)のはアクがあって渋い。ネズミは食べるけどいっぱい食べることができない。だから、土に埋めて貯める。その中から忘れられた実から芽を出す。精巧なイラストもわかりやすい。
空想妖怪読本 武村 政春 メディアファクトリー 分子生物学者が大真面目に妖怪を科学しています。ろくろ首の解剖学とかのぺっらぼうの消化器学とか図解付きでわかりやすい。作者が妖怪の古文書にも詳しいのにびっくり。
「聖書」入門 保坂 俊司 監修 光文社 副題で「図解とあらすじでよくわかる」とある。本、マンガや映画を見るときに、聖書及びキリスト教の隠喩が出てくる。読んでみて、「あぁ、このことを言っていたのか」と気がつく。聖書ミステリーというコラムで「ユダの福音書」があると書かれていた。実はユダは裏切り者ではなく、イエスの真の理解者で唯一の弟子であって、イエスはユダを信頼して自分を大司祭達に引き渡させたというそうだ。そう考えると奥が深い。
聖☆おにいさん7 中村 光 講談社 今回も天草四郎が出てきたり、ゼウスが出てきたりで、話題満載で面白かった。
心霊探偵八雲7
魂の行方
神永 学 角川文庫 八雲の父の謎が繋がっていく。見えなかった糸が新たに繋がった。今回のテーマは親子の有り様だ。子を思う親の気持ちにジーンと来た。次回はクライマックスになるらしい。
よいこの君主論 架神 恭介
辰巳 一世
筑摩書房 マキャベリの君主論を小学5年生のクラスに置き換えて書かれている。わかりやすいというか、ものすごく面白い内容だと思う。解説する先生と男の子と女の子がいるのだが、女の子がものすごく腹黒いのにびっくり。
文鳥様の私
文鳥王国誕生編
今 市子 エルジーエーコミックス 最初の「文福秘話」は読んだ事はなかった。おまけの文鳥のペーパークラフトの作り方に釣られて買ってしまったが、不器用な私に作れるものではなかった。
誘拐ラプソディー 荻原 浩 双葉文庫 冴えない男が誘拐したのはやくざの親分の息子だった。警察、中国マフィアも入り組んでの珍道中。映画もあったみたいでしたが、見れなかった。DVDを借りてみようかな。きっと笑えるのだろうな。
寂聴仏教塾 瀬戸内 寂聴 集英社文庫 仏教の入門書で一番わかりやすい本かもしれない。話し言葉で書かれているので、まるで説法をその場で聞いているようにスーッと入っていく感じがした。疑問であった事もちょっと晴れた感じ。
チーム 堂島 瞬一 実業之日本社 箱根駅伝の学連選抜のチームを描いている。寄せ集めの混成チームで数々の葛藤があり、それぞれの夢と意地が交錯する。最後までどきどきする。箱根駅伝ファンとしては見逃せない。
稲の日本史 佐藤 洋一郎 角川選書 佐藤先生はもと静岡大学の先生で講演会も聞いたことがある。日本列島の稲作の起源について、「DNA」でイネの謎を解き明かす。考古学と科学の間をどう繋げるか。課題であろう。
知れば知るほど面白い
朝鮮王朝
歴史と人物
カン ヒボン 実業之日本社 韓流歴史劇好きにはとって置きの1冊。年表も系図もあって、わかりやすい。あの風習はここから来るのかとか、時代背景はこうだったかと確認できるの良い。
11(イレブン) 津原 泰水 河出書房 11篇の短編集。11通りの不思議な世界。これらの作品はかなり好き嫌いが分かれるだろう。
ヘタリア4 日丸屋 秀和 幻冬舎コミックス 今回は新しい国がたくさん登場して、キャラクターの顔が似てて、どっちかな?と迷ってしまった。地理と世界史の勉強になるな〜。
鬼神曲
考古探偵
一法師全の不在
化野 燐 角川文庫 小説のテイストが京極夏彦の京極堂シリーズに似ていると思った。「何も不思議なことはない。」が共通のキーワード。
陰陽師
瀧夜叉姫 下
夢枕 獏 文藝春秋 20年の時を経て、よみがえる将門の魂。妖の世界が思う存分描かれている。
えてこでもわかる
笑い飯哲夫訳
般若心経
笑い飯哲夫 ヨシモトブックス 密教関係の雑誌を読んでいたら、この本が紹介されていた。以前、まじめが般若心経の解説本を読んで挫折した経験がある。これは読んでいてわかりやすい。驚いた。ちょっと例えが「ウンコ」だったり「インリン」だったり、ややこしくなるけど、面白く読めた。哲夫さんは東大で仏教の講義したり、写経が趣味だったりして、仏教通らしい。
葬神記
考古探偵
一法師全の慧眼
化野 燐 角川文庫 学芸員経験者の作者が書いただけあって、遺跡調査に関して詳しく書かれている。考古学と推理小説のコラボが面白い。伝承とオカルトを切り口したことに興味引かれた。
呪う天皇の暗号 関 裕二 新潮文庫 古代史に隠れた呪いと祟り。神とは恵をもたらすと同時に祟りも引き起こす、紙一重の存在。記紀に潜む矛盾点を鋭く描く。キーワードの「稲」には特に興味を持った。
陰陽師
瀧夜叉姫 上
夢枕 獏 文藝春秋 だいぶ前に出ていたのに、読むのを忘れていた。将門の変をベースにいろいろなことが繋がっているらしい。
神様のカルテ2 夏川 草介 小学館 映画も見てきた。地方都市の若き内科医の奮闘が温かく且つユーモアたっぷりに書かれていて、ちょっとだけうるっとくる。
ピース 樋口 有介 中央公論社 本屋さんの紹介で手に取った本。登場人物がみんな怪しく見えてくる。「ピース」の意味が最後にわかる。
みおつくし料理帖
心星ひとつ
高田 郁 ハルキ文庫 今回は主人公に大転機が訪れる。揺れ動く心。そして、自分だけの心星(ゆるぎないもの)を見つける。どんな選択であっても後悔は必ずある。主人公は料理人としての大きな成長をとげるであろう。
モルフェウスの領域 海堂 尊 角川書店 また医療と行政の問題を提議させてくれる本であった。ちょっとだけ近未来的な設定。でももうじきありえるかもしれない。
陰陽師
醍醐の巻
夢枕 獏 文藝春秋 陰陽師の世界はいろいろなことが起こるけど、時がゆったりと流れていていいなあ。安心して読んでいける。
天と地の守り人
第3部新ヨゴ皇国編
上橋 菜穂子 新潮文庫 チャグムとバルサはわかれ、己のやるべきことをする。人間チャグムの王様がまぶしい。
天と地の守り人
第2部カンバル王国編
上橋 菜穂子 新潮文庫 天と地の意味がわかってくる。もう1つの世界の変化がこちらの世界に大きく影響をあたえている。人間はどうするのか。
本当は謎がない
  「古代史」
八幡 和郎 ソフトバンク新書 歴史特に古代史は人によって解釈が大きく変わってくる。凝り固まった史観を切りまくっている。
天と地の守り人
第1部ロタ王国編
上橋 菜穂子 新潮文庫 いよいよ最終章。国々や人たちがいろんな所で絡み合って、大きなうねりになって、進んでいく。先が楽しみである。
新・日本の七不思議 鯨 統一郎 創元推理文庫 今回はおちゃらけた部分が少ないかな。「真珠湾攻撃の不思議」は戦争の真理をついて、よかった。
百鬼夜行抄20 今 市子 ソノラマミックス シリーズは20巻になる。今回の要はおじさんの開さん。
とりぱん11 とりのなん子 講談社 作者の日常が(気候的には寒いけど)温かく描かれている。北東北に住んでいる作者なので、3月11日のことも描かれている。日常の幸せが尊いものと感じられる。
天地明察 冲方 丁 角川書店 江戸時代前期、日本独自の暦を作った渋川晴海の物語。青春像とも思えるし、読み応えあり。晴海に影響を与えた人がみんな良い人で、言葉の一つ一つがあたたかく感じる。。
地震イツモノート 地震イツモプロジェクト編 ポプラ文庫 キモチの防災マニュアルという副題。地震が起きる可能性を「もしも」と捉えないで、「いつも」起こるとかんがえる。私たちの生活の一部として考えている。この本は阪神淡路大震災を経験した人からそれぞれのキモチ焼く風をまとめた本である。第1刷は2010年の12月に発行されている。この先も私の手元に置いて参考にしていきたい。
彩雲国物語
紫闇の玉座(下)
雪乃 紗衣 角川ビーンズ文庫 これが最後の大団円。あぁ、こうきたか!とホッとした展開だった。終わるとなるとちょっとさびしいな。
ちょちょら 畠中 恵 新潮社 町人の世界を描いていた著者だが、武士の世界をどう書くか、興味津々だった。新しい切り口が見えた。
僕僕先生
先生の隠しごと
仁木 英之 新潮社 今回はまた違った展開。王弁の苦悩と成長がみれる。
日本考古学の通説を疑う 広瀬 和雄 洋泉社新書 考古学は発掘により新しい遺物・遺構が出てくる。これらをどう解釈するかで大きく違ってくる。研究者の歴史観にも解釈が左右されると思う。
偉大なる、しゅららぼん 万城目 学 集英社 万城目ワールド全開。青春の揺れ動く心情もよく書かれている。
信なくば、立たず 江上 剛 光文社 サラリーマン「論語」小説。世間を賑わしている事件や人物も登場。わかりやすく小説の中で説明されている。今の世に一番必要なことは「信」なのかもしれない。
ガンが消える食べ方
ガンを防ぐ生き方
済陽 高穂 静山社文庫 食事で末期ガンが消える?!読んでみるとかなり制限があって難しそう。お世話にならないように祈るのみ。
虐待児童お助け人
Dr.パンダが行く!
上村 佑 宝島社 顔は凶悪だけど心は優しい心理カウンセラー。パンダのぬいぐるみを着ていても怖い。おバカキャラとのコンビで子供達や親達も救っていく。
彩雲国物語
紫闇の玉座(上)
雪乃 紗衣 角川ビーンズ文庫 いよいよ最終章。この先どう展開するのか。主人公がどうなってしまうのか。気になるところだ。
鬼宿の庭1〜3 佐野 未央子 集英社 今年から使っている日めくりは「二十八宿」のことが書かれている。もちろん、「鬼」宿もある。28日のうち一番いい吉日である。そのことを知っていたので、本屋でこのマンガを見たとき、気になって購入した。28日に一度人界に現れる精霊の庭。精霊の姫と若き絵師の話。
さんすくみ2 絹田 村子 小学館 (マンガ)へたれな3人の様子を見て、毎回「しょうがないなぁ」と思ってしまう。
さびしい女神 仁木 英之 新潮社 僕僕先生シリーズ第4弾。今回は主人公の王弁の成長に目を見張る。
ぼくの手はきみのために 市川 拓司 角川文庫 あまり恋愛小説が読まないのだが、ふと手に取った本であった。苦手意識を持ちながら読んでいったら、この世界に引き込まれていった。あまりにも不器用な愛。不安定で壊れそうな愛だけど、見えない糸で強く繋がっている。。
テルマエ.ロマエV ヤマザキマリ エンターブレイン 実写映画化されるんだって!どうするのだろう。気になるな。
薄紅天女 上下 荻原 規子 徳間書店 勾玉シリーズ3部作の三話目。割合とわかりやすい展開だった。
月の街 山の街 イ・チョルファン
訳 草なぎ 剛
ワニブックス スマップの草なぎ剛が日本訳をした韓国のお話。貧しい人たちが主役の短編集。温かい気持ちになる。ちょっと道徳の教科書みたいだった。
神様のカルテ 夏川 草介 小学館 以前から気になっていた。今回映画化されるということで、読んでみた。地方病院の内科医の日常が描かれ、主人公のユーモアたっぷりな言い回しと真摯さに心温かくなる。
老いの才覚 曽野 綾子 ベスト新書 まだ早いかなと思ったけど、手に取った。自立を可能にする自律。死の直前まで生き直すことができる。身の丈にあった生活。日常の営みを人任せにしない。今の私でもはっ!することが多かった。
江戸の女子力 氏家 幹人 新潮文庫 副題に『大奥猛女列伝』とある。大奥はまさしくキャリアウーマンだった。従順な女性像というより猛女であったり賢女であったり、バツイチ・バツニは当たり前で男の人を立てながら実は手の中で転がしている。女の底力を感じさせられた。
プリンセス・トヨトミ 万城目 学 文藝春秋 映画化もされる。会計検査院とトヨトミとの組み合わせが奇想天外である。
逆説の日本史1
古代黎明編
井沢 元彦 小学館文庫 ノンフィクションの歴史の謎解き。歴史の闇の部分が事細かく解説されててわかりやすい。興味深く読めた。歴史は本当に奥深い。
アリアドネの弾丸 海堂 尊 宝島社 「バジスタ」シリーズの最新刊。白鳥・田口コンビが今度は警察と対決。私たちの知らない医療界と警察との関係が垣間見られるようだ。
いっちばん 畠中 恵 新潮文庫 (再読)以前に単行本を図書館で借りて読んだ。主人公の親友栄吉の話がいい。心の葛藤が好く描かれている。そういう思いは誰でも経験していると思う。
小夜しぐれ
みおつくし料理帖
高田 郁 ハルキ文庫 登場人物がみんな不器用ながら一生懸命に生きているからいい。優しさが伝わってくる。厳しさの中に優しさがある。相手を思いやる優しさが伝わってくる。主人公が何とか幸せになって欲しいと願う。

贋作・里見八犬伝
桜庭 一樹 文藝春秋 本当の里見八犬伝に出てくる登場人物が犬人間になって狩られる立場になる。奇想天外の展開であった。
ぬるい生活 群 ようこ 朝日新聞社 著者とその友人の更年期の経験が書かれている。私は余りひどくはないが、「ある。ある。」と同感してしまうことがいっぱいあった。余り気張らず、のんびりゆるく生活していきたい。そう上手くできないとは思うけど。
かたみ歌 朱川 湊人 新潮文庫 昭和40年代の商店街に起こる不思議な話。短編で綴られるが、1つ1つが少しづつ繋がっている。胸の奥が締め付けられるような、切なくなる。
なるほど
国民性ファイル
造事務所 編著 PHP文庫 副題は『こんなに違うよ!日本人・韓国人・中国人』である。データをもとに国民性が明らかにされる。違いを知ることでお互いの理解に繋がると思う。
もろこし銀侠伝 秋梨 惟喬 創元推理文庫 中国の古典をベースにした推理小説。探偵役が謎解きをする。別な時代ごとの短編集だが、繋がりがある。
真夜中の五分前
side-A.B
本多 孝好 新潮文庫 久々に恋愛小説を読んだ。ちょっとぞくっとしてふわっとした感覚におちいった。
ヘタリア1〜3 日丸屋 秀和 幻冬舎コミックス 各国を擬人化したマンガ。国民性や歴史が面白く描かれている。
白鳥異伝
  上・下巻
荻原 規子 徳間書店 日本神話「ワマトタケルをベースに作られたファンタジー。人間の強さと弱さがよく描かれ、最後にほっとする話になっている。/td>
県民マンガ
うちのトコでは
もぐら 飛鳥新社 県民性を扱うテレビ番組も好きだが、このマンガもよくあらわしていると思う。神戸と大震災と明石海峡大橋のことは、そこへ行って渡ってきたこともあり、感動した。
SENGOKU 上・下 山科 けいすけ 新潮社 以前読んだサカモトが幕末4コマ漫画なら、これは戦国時代バージョン。ここまでやるかというパロディ、武将ファンは怒る?笑う?
銀二貫 高田 郁 幻冬舎時代小説文庫 一気に読んでしまった。そして、涙してしまいます。今回も新幹線の中でうるっときてしまった。巻末の解説を書いている人も同じように書いていた。この作者の話は、一途な主人公に思わず応援してしまう。読後感がとてもいい。
舞い降りた天皇(上下) 加治 将一 詳伝社文庫 副題は初代天皇「X」は、どこから来たのか、である。ルポタージュだと思ったら、小説仕立てであった。内容は衝撃的。歴史の常識に真っ向から反対である。頭が混乱する内容だった。
聖☆おにいさん6 中村 光 講談社 またまた神の力がバージョンアップしている。



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