本の名前 | 作者 | 出版社 | 感 想 |
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それからの三国志 下 陽炎の巻 |
内田 重久 | 文芸社文庫 | 蜀の姜維を中心に三国の終焉を描いている。まるで表題のように陽炎のように崩壊していく。登場人物の思惑、誤算、理想と現実が哀しく空しく感じる。 |
侠飯 3 怒涛の賄い篇 |
福澤 徹三 | 文春文庫 | 今回はやくざの家に客人になって、賄いを作り、若者の家族の関係を修復していく。カッコいい。 |
まことの華姫 | 畠中 恵 | 角川書店 | 木偶人形遣い(今でいう腹話術師)と華姫という人形が周りの問題を解決していくという内容。「まことの」というのは人形の華姫に真実を見通す力があると周りから見られている。本当は人形遣いがすごいのだけど、影が薄い。実は人形に霊力があるという設定なのかなと最後まで考えてしまった。設定やキャラ作りがイマイチな気がする。問題を解決することで周りの人たちが癒され、立ち直ってくれることは救いだ。 |
侠飯 2 ホット&スパイシー篇 |
福澤 徹三 | 文春文庫 | 今回はブラック企業と対決。リストラされかかっている会社員が自らつよく変わっていく。今回も柳刃はカッコいい! |
それからの三国志 上 烈風の巻 |
内田 重久 | 文芸社文庫 | 以前、吉川英治の三国志は読んでいた。よく知られている三国志は五丈原の戦いで孔明が亡くなるところで終わる。この小説は、その後の世界を描かれている。三国の跡継ぎたちがあまり良くない。だんだん滅びの道に進んでいく。本来の三国志のダイナミックさはない。登場人物がだんだん小物になっていく。著者は小説家でも歴史家でもない。三国志が大好きな著者が会社勤めをしながら、書いたものだ。歴史的解釈を司馬遼太郎風に書かれている事は気になるが、面白かった。 |
ハリー・ポッターと呪いの子 | J・K・ローリング 他 | 静山社 | ハリー・ポッターシリーズの第8弾。19年後の世界を描く。中身を見て、びっくり。舞台の脚本で書かれている。ちょっと翻訳が変だなあ。日本語として?というところがあった。内容はお父さんになったハリー。親子の確執、子育ての悩み、自分自身の過去の後悔がえがかれる。世界観はよくわかった。 |
最悪の将軍 | 朝井 まかて | 集英社 | 徳川5代将軍綱吉は犬公方と呼ばれ、評判が悪いが、本来はどうだったのだろうか。武功政治から文治政治に移行していく時代、慈愛の精神をもって世を治めようとした。どこで間違ったのだろうか。正室とも仲が良く描かれているところがとても好感が持てる。 |
あらすじと イラストでわかる 三国志 |
知的発見!探検隊 編 | イースト・ブレス | 「その後の三国志」を読むのにあたって、おさらいの意味で読んだ。以前、吉川英治の三国志を読んだ。忘れていた部分もあった。 |
歌川国芳猫づくし | 風野 真知雄 | 文春文庫 | 私は国芳のファンである。ひとつひとつに有名な浮世絵が出てくる。国芳をめぐる事件がおこる。国芳の老いも感じさせる表現も衝撃的だ。 |
死神の浮力 | 伊坂 幸太郎 | 文春文庫 | 子どもをサイコパスに殺され、復讐を果たそうとする夫婦につく死神・千葉さん。すごく暗い内容だけど、死神・千葉さんと人間との感覚のずれが面白さを生む。しかし、不自然さもあって、ちょっと??と感じるところもあった。 |
とりぱん20 | とりの なん子 | 講談社 | 今回はキツネが登場。暖冬の東北は野鳥たちも大騒ぎ。 |
殺生伝1 漆黒の鼓動 |
神永 学 | 幻冬舎文庫 | 戦国時代ファンタジー。九尾の狐の怨念が宿った石を体に宿した姫。それを狙う敵、守る少年。今後どういう展開になるのだろうか。 |
紅霞後宮物語 | 雪村 花菜 | 富士見L文庫 | 女将軍が後宮に入る(皇后になる)という設定は面白い。何も悩まずサクサクと読める。 |
ドクターぶたぶた | 矢崎 在美 | 光文社文庫 | 消化器系内視鏡のスペシャリストは実はかわいいブタの○○だった!(○○はネタバレになるから)手術の他に訪問治療やボランティアもして、患者さんに寄り添う姿もすてき。ぶたぶたシリーズはこのほかにもあるのですね。主人公の存在だけファンタジーだけど、他は普通に現実。癒しを与えてくれる一冊。 |
ないたカラス | 中島 要 | 光文社 | 千里眼を騙る和尚と寺男。結構軽くさらさら読めたが、最後が尻切れトンボのようだった。 |
元号でたどる日本史 | グループSKIT | PHP文庫 | 元号と言えば、「大化の改新」とか「安政の大獄」とかが思い浮かぶ。今は1人の天皇に1つの元号だが、以前は災害時の凶事の時や瑞兆などの良いことが起きた時も変わっていた。中国の昔の文献からその時の願いを込めて作成された。もちろん願い空しく暗い時代になってしまうのは皮肉である。元号という視点で歴史を見るとまた別な一面が見えてくる。 |
引っ越し大名三千里 | 土橋 章宏 | ハルキ文庫 | 譜代大名なのに7度もの国替えをさせられた大名。支える家来たち。引っ越し奉行になったのは書庫に引きこもるの若侍だった。本の知恵と藩のチームワークで成長していく。映画化されれば面白そう。この役はこの役者かと考えるのも面白い。 |
殿様の通信簿 | 磯田 道史 | 新潮文庫 | 江戸時代に大名の行状を探索した報告書があった。時代劇ドラマで作られたイメージを覆す文献をもとに著者が紐解く歴史エッセー。えっ!と思う内容。とても面白かった。 |
生者と死者 | 泡坂 妻夫 | 新潮文庫 | サブタイトルは「酩探偵ヨギ・ガンジーの透視術」である。この本の大きな特徴は「消える短編小説」が入っていること。まずは、袋とじになっているので、そのまま読む。そして、袋とじを切って読むと、違う展開になる。紙の本だからできるトリックだ。著者は作家兼マジシャンである。小説の中でも読者を混乱させる心理トリックを使っている。2冊買って、袋とじとあけた後をもう一度確認するのもいいだろう。 |
おおあたり | 畠中 恵 | 新潮社 | 「しゃばけ」シリーズの最新刊。主人公の身体が弱い若旦那が少し成長して、役に立ちたいと奮闘する姿がよかった。仁吉と佐助と一太郎の初対面のシーンが良かった。人のという気持ちがよくわかる。 |
スキャナー 記憶のカケラをよむ男 |
古沢 良太 | 集英社文庫 | 同名の映画の小説版。映像で見た方が面白いのかも。 |
オリンピック | 千野 帽子 編 | 角川文庫 | オリンピックを題材に9人の作家による競作短編集。もっとスポーツの面白さなどが感じられるものが多いと思ったが、その内情、裏側のぐだぐだしているところが書かれていて、ちょっとげんなりした。そのなかで良かったのは、三島由紀夫の「東京五輪観戦記」だ。文章から著者の興奮が伝わってきた。この人がこんなに感動して熱くなっていることに驚いた。 |
先生のお庭番 | 朝井 まかて | 文春文庫 | 幕末、長崎出島でシーボルトの庭師として薬草園を育て、植物の収集に携わる主人公。優しい人たちに囲まれて、成長していくが、大きな事件が待っていた。あの『シーボルト事件』の真相は、シーボルトの真意はなんだったのか。日本をこよなく愛したシーボルトが垣間見れた。歴史と物語の間が面白かった。 |
腸のリンパを流せば、 病気が逃げ出す |
大橋 俊夫 | PHP | タイトルが気になって通販で買った。リンパを流す実践について書かれていると思ったが、体の仕組みについてのことがほとんどで、具体的なやり方については6分の1ほどしか書かれていませんでした。これはちょっと期待はずれだった。通販では内容を全部見ることができないので、いけませんね。食べ物について、生まれ育った地域の食べ物が一番体にいいことはわかった。 |
ジャングル・ブック | キップリング 訳 山田 蘭 |
角川文庫 | 映画の原作本。ちょっとわかりにくい翻訳だったような…。映像も見てみたい。 |
ヴィヴィアンの読書会 | 七尾 与史 | PHP文芸文庫 | 小説家の一周忌に読書会に招かれた読者たち。これからそれぞれの過去や小説家との関係が暴かれる。読みやすい。そして、設定が面白い。 |
侠飯(おとこめし) | 福澤 徹三 | 文春文庫 | 就活が全然決まらない三流大学生がやくざの抗争に巻き込まれ、自分の家に匿うことになる。そのやくざは料理にこだわる料理上手だった。任侠と料理のコラボ小説。料理の他の生き方、働き方を考えさせる小説だった。ラストも面白かった。読みやすかった。続編も出ているので読んでみたい。 |
剣と紅 | 高殿 円 | 文春文庫 | 副題は「戦国の女領主・井伊直虎」である。来年の大河ドラマの話。徳川家康に仕える前の井伊家は一族郎党の男性が次々に死に、風前の灯だった。知恵と勇気と女たちの情報ネットワークで幼き直政(後の徳川四天王)を守り抜く。来年の大河ドラマが楽しみだ。 |
暴走する正義 | 日本SF作家クラブ | ちくま文庫 | 副題は「巨匠たちの想像力 管理社会」である。筒井康隆、星新一、小松左京が書く近未来的な短編集。書かれたのは1970〜90年代。しかし、どの作品も古びた感じはなく、現代に通じる怖さと滑稽さを感じる。 |
百鬼夜行抄25 | 今 市子 | 朝日新聞出版 | 今回は何となくわかりやすかった。律と青嵐の関係も微妙に変わっていくのか。蝸牛の昔の話はいつも好きな話。 |
西原無量のレリック・ファイル まだれいなの十字架 |
桑原 水菜 | 角川書店 | 同シリーズの第3段。今回は島原。島原の乱、太平洋戦争、遣欧使節、イエズス会、隠れ切支丹、世界遺産、イコモスそれに遺物ねつ造問題もからめて展開する。謎解きをしていくといろいろなものがつながってくる。その陰で動く忍と謎の団体の存在。次回作に繋がるのか?考古学において、遺物は国の威信や領土を左右する問題にもなる。その怖さを気づかせる。 |
家族はつらいよ | 小路 幸也 作 山田洋二・ 平松恵美子 原案 |
講談社文庫 | 同名の映画のノベライズ。結婚問題と離婚問題で大騒動。笑って、ほろりとして、家族ってめんどくさいけど、面白くてやっぱりいいなあと思わせる作品。 |
GHOSTS 幽霊たち |
ポール・オースター 柴田 元幸 訳 |
新潮文庫 | ピース又吉のお勧めと帯にあったので、手に取った。探偵小説だが、読んでみると「なんなんだ?!」と思ってしまう。とらえどころのない話。登場人物は全員ブルーとかブラックとか色の名前も何か意味があるのか?幽霊とは何を意味しているだろうか?と探りながら読む。この本の口コミを読むと、再読すると書かれている。一度読みではこの世界観はつかめない。 |
苅谷俊介の考古学対談 | 苅谷 俊介 | 新日本出版社 | 俳優であり実際に発掘にも参加して、考古学関係の本を書いている著者と考古学の著名な研究者との対談集である。2足のわらじというか、俳優業も考古学も100%の力で取り組んでいる。自ら土を掘ることと俳優という感性で考古学に新たな風を吹かせているように感じる。 |
黒白 下巻 | とりのなん子 | 講談社 | むらの秘密が明かされる完結編。封じ込められているのは、人間なのか魔物なのか。今市子の百鬼夜行抄にも通じるあやかしの世界。とりぱんの最後のページに書かれる自然を著者が見つめる視線の先にこの村はあるかも。 |
赤米のたどった道 もうひとつの日本のコメ |
福嶋 紀子 | 吉川弘文館 | 登呂遺跡を勉強していると水田稲作で赤米が出てくる。この本で書かれているのは中世に中国から輸入された大唐米と言われる赤米のこと。2つの赤米があったという事は、混乱する。赤米は食味は劣るがどんな悪い土地でも栽培で来て、庶民は助かった。しかし、換金すると価値が低いので駆逐されてきた。私たちはこのお米の存在を忘れてはいけない。 |
陰陽師 玉手匣6 | 岡野 玲子 | 白泉社 | 酒呑童子の問題もクライマックスを迎える。世界観が宇宙、哲学的で理解がなかなか難しい。 |
がんにならない整腸術 | 藤田 紘一郎 | PHP文庫 | 今、私は腸の具合があまり良くない。腸は免疫力を上げるための大事な臓器。免疫力を上げるためには腸内フローラを良くしなくてはいけない。そのために、日本人にあった食事が必要。長年培った体は欧米人のとは違う。日本人の体に合った海藻やキノコ、味噌なのどの発酵食品が良いらしい。食べているだけど、今いっそうの食生活の改善が必要なんだろうな。 |
カラスの教科書 | 松原 始 | 講談社文庫 | カラスを研究する動物行動学者の著者がわかりやすく解説。我が家の近所のゴミの集積所にはカラスが餌を探しに行ってくる。ゴミに網を被せておいてもなんのその、網もボロボロになってきた。先日網が新しいのに交換された。しかし、隙間を探してゴミを引っ張り出してくる。カラスがどうしてこのような行動をするかを知っていれば、解決できることもあるだろう。カラスがかわいく思ってしまう入門書。 |
プリニウスW | ヤマザキマリ とり・みき |
新潮社 | 皇帝ネロの時代、地震、火山と災害に見舞われ、そして政治に陰謀。その中で総督でがり、博物学者のプリニウスはどう動くのか?!キリストの影が見え隠れする。この後どうかかわっていくのか、楽しみだ。 |
ランクA病院の愉悦 | 海堂 尊 | 新潮文庫 | 「チームバチスタ」シリーズのアナザーストーリー短編集。奇想天外なフィクションだけど、なんかありえそうだと思ってしまう。 |
植物図鑑 | 有川 浩 | 幻冬舎文庫 | 久々に有川浩のに胸キュン小説を読む。野草を愛でて食する。野草のほろ苦さにも通じる恋愛小説。 |
あきない世伝 金と銀 源流編 |
高田 郁 | 時代小説文庫 | 「みおつくし料理帖」の作者の新作。料理の次は商い。主人公が持ち前の知恵でどう難題を解決していくのか。次作は彼女の運命が大きく変わる予感。今作も主人公を応援していきたいと思わせる作品である。 |
ラスト・ワルツ | 柳 広司 | 角川文庫 | 「ジョーカーゲーム」の第4弾。戦争の色濃くなったときは、スパイはだんだん機能しなくなる。スパイが集めた情報も使う方がちゃんと使えないとどうしようもない。次作もあるのだろうか。 |
黒白(こくびゃく)上・中巻 | とりの なん子 | 講談社 | とりぱんの作者が贈る不思議世界。とりぱんとは全く別なタッチと内容にもう1人のとりのなん子に驚く。「黒白」は「とりぱん」の最後のページの自然を描く感性に通じていると感じた。 |
水木しげるの古代出雲 | 水木 しげる | 角川文庫 | 鳥取県境港に育った著者が出雲神話をわかりやすく掘り下げて描いている。オオクニヌシの怨念を昇華するような作品。 |
卑弥呼 封印された女王の鏡 |
関 裕二 | ワニ文庫 | 出雲、北九州、ヤマトを繋ぐ卑弥呼とトヨの関係。そして鉄鏡の謎。ここから大学の考古教室の闇も絡んでいたのには驚いた。歴史にはロマンもあるが、どろどろとした闇があることを知った。 |
バチカン奇跡調査官 ソロモンの末裔 |
藤木 稟 | 角川ホラー文庫 | 今回はインディージョーンズ並みの大冒険。見え隠れするジュリアと謎の組織。ローレンもちょっとだけ登場。今後の展開がまた気になるところ。 |
「暮しの手帖」とわたし | 大橋 鎮子 | 暮しの手帖社 | 朝ドラ「とと姉ちゃん」のモチーフ本。自伝。著者・大橋鎮子さんは2013年に93才で亡くなった。90才まで出社し、アイディアを探していて、何にでも興味を持ち、バイタリティがあり、面倒見のいい人だったようだ。ドラマでは設定がだいぶ違うが、すごい人だったらしい。 |
無私の日本人 | 磯田 道史 | 文春文庫 | 映画「殿、利息でござる」の原作の評伝。面白い話だと思ったら、実際江戸時代中期、仙台藩であった話。村のために自らの破産や一家離散も辞さない覚悟で難題を解決する話。。無私ということはこういう事だと知った。ものすごい人たちがいたものだ。ずしんと胸を打つ。 |
しろくまカフェ | ヒガアロハ | 集英社 | なぜだか動物と人間が普通に対等に暮らす街。ゆったりほっこり感に癒される。 |
美しの首 | 近藤 ようこ | KADOKAWA | 大坂城落城や安寿と厨子王などの話をベースに夢語り。あやかしの世界に引きずりこませる。 |
浮雲 心霊奇譚 妖刀の理 |
神永 学 | 集英社 | 浮雲シリーズの第2作目。八雲シリーズと比較しても面白いし、主人公の浮雲と八十八の関わりも面白いし、八十八のやさしい人間性にも惹かれる。 |
箱根たんでむ 駕籠かきゼンワビ疾駆帖 |
桑原 水菜 | 集英社文庫 | 駕籠かきのコンビが旅人や仲間を助けて、2人の成長をえがく。まだ、主人公の謎が残っているから、続編があるか、気になる。 |
弥次喜多化かし道中 | 桑原 水菜 | 講談社文庫 | 狸と狐が人間になるためにお伊勢参りの珍道中。旅の途中に化けて人助け。まだ、伊勢にはたどり着いていないから、続編があるかな。気軽に読めて良かった。 |
明治・金色キタン | 畠中 恵 | 朝日新聞出版 | 『明治・妖モダン』の第2弾。江戸から明治の代になっても、妖(あやかし)、人ならざる者も住んでいる。因縁の祟りの謎を紐解いていく。 |
もうひとつの日本史 闇の修験道 |
関 裕二 | ワニ文庫 | 修験道というと山伏というイメージだけだが、深く日本史の闇と関わっているらしい。権力闘争に敗れたものとの繋がり、日本人の信仰や習俗に結びついている。教科書に載らない部分をえがいている。だから、面白い。 |
とりぱん19 | とりの なん子 | 講談社 | 連載から500回を超えたそうで、よかったです。ゆるく自然に関わっていく姿と最後のページの詩情あふれる何とも切ないページが好きです。 |
坊さんとお茶を 孤月寺茶寮はじめての客 |
真堂 樹 | 集英社オレンジ文庫 | お茶関係のお話だと思ったら、違った。要領が悪く気の弱い主人公がお寺の修行や近所の人たちと関わりながら、成長していく話。まだ設定があいまいなところがあるような。 |
探検隊の栄光 | 荒木 源 | 小学館文庫 | この作品も映画のノベライズ。テレビ番組の探検隊の裏側が見えて、えっ!と驚きつつ、ゲリラとの遭遇。読みづらいところもあったので、映像化の方が面白さがわかりやすいのではないか。 |
エイプリルフールズ | 古沢 良太 脚本 山本 幸久 小説 |
ポプラ文庫 | 同名の映画のノベライズ。4月1日にいろんな人におこった出会いでウソが奇跡にかわっていく。映像で見るとまた面白いのだろうな。 |
カサンドラ | 桑原 水菜 | 角川書店 | 「カサンドラ」とはギリシア神話のトロイア王の娘。国家滅亡をしたが、アポロンの呪いによって、誰にも聞き入れられなかった。 昭和28年の米ソ冷戦中、豪華客船が秘密を抱え出航する。その中で繰り広げられる諜報戦。誰が敵で味方はだれなのか。読みながら騙される。 |
天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災 |
磯田 道史 | 中公新書 | 古文書から地震や津波などの災害を読み解く。歴史と言えば過去のことと侮られるが、現在の安全を守るため、昔の知恵や情報を見直すことが大事だと気づかされる。 |
うずら大名 | 畠中 恵 | 集英社 | 以前は大名家の部屋住みと名主の三男が、しばらくして隠居した殿様と名主になって難事件を解決。泣き虫名主と表題となる勇猛果敢な「うずら」の絡みがおもしろい。 |
蓮華の契り | 高田 郁 | ハルキ文庫 | 「出世花」の続編。自分の生きる道を模索して、悩んで悩んで見つけた道。この著者の書く作品には主人公を見守る暖かさがある。 |
西原無量のレリック・ファイル 出雲王のみささぎ |
桑原 水菜 | 角川書店 | 考古学好き、ミステリー好きにはたまらない組み合わせ。しかし、真相は旧家の過去と陰謀が哀しい。 |
バチカン奇跡調査官 悪魔達の宴 |
藤木 稟 | 角川ホラー文庫 | 今回は極悪な事件。宿敵のジュリア神父が出てくると思ったら、今回は違った。科学は悪魔に勝つ。 |
千年茶師の茶房録 | 道具小路 | 不二見L文庫 | 静岡市が舞台。人生の目標を持てかかった大学生がお茶の世界に導かれていく話。しかも、ファンタジー。静岡市の地名や事柄、静岡まつり、呉服町、静岡大学と満載。お茶のことがわかる。 |
五代友厚 | 高橋 直樹 | 潮文庫 | 副題に『蒼海を超えた異端児』とある。朝ドラのイメージと違うだいぶダークな部分も。幕末に渡航したことが大半をしめる。明治に入った時もこんなことがあったのかと驚くことが多かった。 |
聖☆おにいさん12 | 中村 光 | 新潮文庫 | 今回も新キャラ登場で下界は大騒ぎ。 |