読書記録(2017年)


2017年に読んだ(読み終わった)本を紹介します。
最近読み終わった本が上に書かれています。



本の名前 作者 出版社 感 想
イラストでわかる
日本のお寺と神社
日本の寺社研究会 KADOKAWA 神社やお寺の建物のこと、仏像のこと、ご利益のことがわかりやすく書かれている。今度旅行に行くときに、この本を持っていこうと思う。
肉小説集 坂木 司 角川文庫 肉食系女子というけど、この小説の主人公は男子、男の人。肉の部位にまつわる短編集。なにげない日常のなかに優しさがある。
あきない世傳 金と銀
貫流編
高田 郁 時代小説文庫 主人公の運命のジェットコースターのようなアップダウン。よかったなあと思いきや、また新たな問題が!次回作に期待が大きくなる。
素敵な日本人 東野 圭吾 光文社 東野圭吾の短編集。それぞれえっと驚く結末、だけど心がほっとするミステリー。
シャーロック・ホームズ
対 伊藤博文
松岡 圭祐 講談社文庫 モリアーティと対決後死んだと思われたホームズが明治維新後の日本に現れ、伊藤博文ともに事件を解決。時はロシア皇太子ニコライが日本で襲われた大津事件の真相、そこに隠された陰謀を解決する。虚実を織り交ぜ方が歴史好きもミステリー好きも満足させるものだった。
とりぱん22 とりのなん子 講談社 今回は猛禽類も出てき足り、新しいキャラが出てきたりで新しい展開です。作者の温かい視線にほっとする。
滔々と紅 志坂 圭 ディスカヴァー文庫 飢饉の村から吉原に売られた少女が花魁に上り詰めていく。そして、苦界から逃れて自分の幸せをつかむまで書かれている。全国の書店員が選んだ「世に出したい」新作!第1回本のサナギ賞優秀賞を受賞した作品。読みごたえがあった。
決戦!関ヶ原2 冲方 丁、葉室 麟 他 講談社 決戦シリーズは本能寺、川中島、忠臣蔵などがあった。時代作家の競作は作家それぞれの個性があっておもしろい。
新八犬伝 結 石山 透 角川文庫 リアルタイムでこの人形劇を見れたことは幸せだったと思う。
遺跡発掘師は笑わない
元寇船の眠る海
桑原 水菜 角川文庫 今回は水中発掘調査。JKが登場し謎の団体も明らかになり、窃盗団の影も見え隠れする。危機一髪で終わっているので、次回作が気になる。
とるとだす 畠中 恵 新潮社 今回は若旦那のお父さんが病気になる。若旦那がそのために奮闘する。
徳川がつくった
先進国日本
磯田 道史 文春文庫 明治維新で新しい日本を作られたと思われたが、日本人の良い特質を育んだのは徳川時代だというのが、この本の趣旨だ。
新八犬伝 転 石山 透 角川文庫 全体に当時の空気感を感じる。
新八犬伝 起 石山 透 角川文庫 私たち年代には懐かしいNHKの人形劇「新八犬伝」である。そのシナリオを担当した著者が書きおろした小説である。辻村寿三郎の人形、本文の言い回しは本当に懐かしいと思った。当時のドキドキわくわく感が思い起こされる。
縄文人からの伝言 岡村 道雄 集英社新書 縄文時代の第一人者が解説する縄文の姿。古代のことを言うとロマンとか言いますが、歴史から学ぶことが大事だと思う。縄文はその地域や風土に適した文化を1万年として、平和な世界を築いてきた。今私たちは縄文に見習うことはないだろうか。
短編工場 浅田次郎 他11人 集英社文庫 12人の作家が紡ぐ、それぞれ切り口が違う短編集。今まで読んだことがない作家の作品にも触れられて、競作の短編集は面白い。
ピアリス 萩尾 望都 河出書房出版 萩尾望都が初の書籍化した本。マンガでなくSF小説。初めは名前を変えて書かれたものだった。戦乱のため幼くして生き別れになった双子の兄妹。未来が見える兄、過去が見える妹。それを利用する者たち。しかし、話は未完のまま、書く予定もないのこと。すごく続きが気になり、書いてほしいと思うのは私だけではないだろう。
100歳になるための
100の方法
日野原 重明 文春文庫 先日亡くなった日野原先生のエッセイと対談で綴られている。パワフルな生き方、前向きな考えはすごいと思う。私も年を重ねたときに、前向きに生きていたいと思う。
天気を変えた世界の歴史 宮崎正勝 監修
造事務所 編著
祥伝社黄金文庫 今は温暖化と言われて長い。これは人間由来の温暖化であるが、今までの地球の歴史では太陽の状態や地球の火山などの状況に左右されていた。温暖なときは平穏な世の中で、寒冷化して飢饉になり、政情が不安定になる。戦いも天気、気象に影響されている。気象問題は大きく人間世界に影響を与えている。これからも与えていくに違いない。
百鬼夜行抄26 今 市子 朝日新聞出版 今回は過去の繋がりが現在に繋がって影響し合う。開の活躍もおもしろい。
戦国武将の死亡診断書 酒井 シヅ 監修
戦国☆保健委員会 編・著
(株)エクスナレッジ 戦国武将は戦いで死んでると思われるが、だいたいが病気で死んでいる。文献から症状を紐解くといろいろな事実がわかるらしい。その人の生活、性格などから病気を解明。おもしろかった。
まりこふんの古墳ブック まりこふん 山の渓谷社 古墳好きな古墳シンガーが書いた古墳の解説本。面白くわかりやすく書かれていると思った。
鹿の王1 上橋 菜穂子 角川文庫 「守り人」シリーズの作者が人間世界の権力闘争とそれを取り巻く自然と謎の病気。この先どうなっていくのか、気になるところ。
若冲 澤田 瞳子 文春文庫 若冲は好きな画家の一人である。孤高の画家の生涯を新たな観点で切り込んでいる。不器用な生き方しかできなかった若冲その人を感じた。もう一度作品を見たいと思った。
どこかでベートーヴェン 中山 七里 宝島社文庫 音楽シリーズ岬洋介の最初の事件。岬親子関係も見逃せない。後や別な事件のリンクしていく。
遺跡発掘師は笑わない
悪路王の左手
桑原 水菜 角川文庫 「右手」に続く完結編。古代史の謎を解きつつ、台湾や中国などの国際問題や国際犯罪も絡んでいく。最後に謎の組織の存在も表に現れてくる。
陰陽師
玉手匣7
岡野 玲子 白泉社 シリーズ完結。いろんな事象や人々が解き放たれ、ふたたび繋がっていく。
ポーの一族
春の夢
萩尾 望都 小学館 ポーの一族は私たち世代ではど真ん中だった話。40年ぶりの新作だそうだ。時は第2次世界大戦のイギリス。もう一度前作を読みなおしてみた。
侠飯4
魅惑の立ち飲み篇
福澤 徹三 文春文庫 シリーズ第4弾、今回は政界にメスを入れる。立ち飲み酒屋で美味しそうなおつまみの数々がお客の心をとらえ、再生していく。汚職にまみれた政界にメス(包丁)を入れる。今の日本政界にも欲しいと思う。
日本一の女 斉木 香津 小学館文庫 「最強女の一代記」という帯に惹かれた。戦前戦中の子どもを産み育て上げ、事業も立ち上げる。事業が成功、サル似た容姿から女太閤と言われる。しかし、歯に衣着せぬ物言いや合理的な考え方、「忖度」ということは一切ない。実家にも子供たちにも嫌われても自分の考えを貫き一生懸命働き続ける。
自分の身近に居たら、やっぱり苦手な存在だろうと思う。全て本音で生きているので、生きづらい人と思うけど、この生き方しかできないのではないのか。人に良く見せることはしない。非人情でこわい人と思う反面、あっぱれな人だと思う。映像化したら面白いだろう。誰が演じるか想像しても面白い。
遺跡発掘師は笑わない
悪路王の右手
桑原 水菜 角川文庫 今回の発掘場所は東北。東日本大震災後の復興するための緊急調査。史学部出身の作者が発掘の様子や文化財レスキューの現状をきちんと伝えようとしている。舞台の背景に平泉・中尊寺、そして桓武天皇・蝦夷・征夷大将軍坂上田村麻呂というキーワードが出てくる。鬼の伝説に考古学をプラスしたサスペンス。今回は無量と忍の危機が迫って、次回「悪路王の左手」に続く。
炎路を行く者 上橋 菜穂子 新潮文庫 守り人シリーズ。ヒューゴとバルサの10代をえがく。悩み、葛藤し、成長していく姿に応援したくなる。また本編の作品を読みなおそうと思った。テレビドラマの役者をイメージして読むと面白い。
プリニウスX ヤマザキマリ
とり・みき
新潮社 ローマ帝国の博物学者は周りを大きく巻き込んで、真実を知ろうとする。カッコいいけど、ちょっと困ったおじさんかも。
短編復活 赤川 次郎 他 集英社文庫 ちょっと怖かったり、面白かったり、16人の作家の短編集。いろいろな作家を味わえるので、競作の短編集は好きである。
ツンドラモンスーン 森 博嗣 講談社文庫 この著者の本は全く読んだことがなかった。ドラマになったものは見たことがある。この本は題名の面白さに惹かれて、手に取った。エッセー集である。テーマが決まっていない。多岐にわたっている。読んでいて「へー」とか「そうそう」と感じたことが多かった。
ホセ・ムヒカ
世界でいちばん
貧しい大統領
アンドレス・ダンサ
エルネスト・トゥルボウィッチ
角川文庫 ウルグアイ前大統領を19年間取材したルポルタージュ。大統領は若い時にゲリラ活動に身を投じて、投獄された経験がある。なので庶民目線で改革をしていく。この人について初めて知った。国民のことを考え、どの人ともフラットな付き合いができる素敵なカッコいい人と思った。
鬼譚 夢枕 獏 編著 ちくま書房 新旧の作家による鬼に関する短編集。今昔物語から手塚治虫の漫画まである。どれも怖い鬼の世界。でも一番怖いのは人間の執着や怨念だと思う。
Mattyのまいにち
解毒生活
Matty 新潮社 今まで良いと思っていたことが身体によくなかった。全部は実践できなくても、少しずつやってみようと思う。
ゼロからやり直し!
日本史見るだけノート
小和田 哲男 監修 宝島社 202の歴史の項目をざっくりとかわいいイラストで著している。興味を持ったことがあれば、別な本で詳しく調べるのが良いだろう。
ハリネズミの願い トーン・テレヘン 新潮社 自分の針が嫌いなハリネズミが自分の家に他の動物を招待しようか、どうしようか考え、妄想を繰り返す。初めは妄想が面白いと思ったけど、だんだん読んでくると、ハリネズミの妄想にイライラしてくる。もっと読んでいると、イラつかせるハリネズミは私と同じではないかなと思ってくる。大人の童話と言われるとおり、深い話だった。
発掘狂騒史 上原 善広 新潮文庫 副題に『「岩宿」から「神の手」まで」』とある。ノンフィクション作家が当事者や関係者に取材して。捏造事件が起こってしまった背景を探る。考古学会の体質、学閥、人間関係が深く関わっていく。捏造事件は日本の旧石器時代を大きく後退させた。いまだに後遺症があるように感じる。
ラストレシピ
麒麟の舌の記憶
田中 経一 幻冬舎文庫 著者は「料理の鉄人」などの演出を務めた人だ。料理とミステリーをどう結び付けるのか、読みながら引き込まれていく。本当にハッピーエンドになるのかと、心配だったが、いい意味でのどんでん返しにほっとする。読みごたえがある作品であった。
骨が語る
日本人の歴史
片山 一道 ちくま新書 人類学、骨考古学の著者がそれぞれの時代の人骨の特徴を紹介。そして日本史の常識数々の『○○史観』を検証し、矛盾を突く。
とりぱん21 とりの なん子 講談社 近くの生き物を愉しむように見る目と遠くに思いを巡らす感覚がバランスがたまらなく良い。
皇室の祭祀と生きて 高谷 朝子 河出文庫 皇室の祭祀をする「内掌典」という役割を57年務めた著者。その役目は伝統に基づき、清めの約束事が多い。読んでいて気が遠くなってしまった。
ぐっすり眠れないが治る本 福辻 鋭記 PHP文庫 眠りの質を上げることが大事、寝ている時間だけではない。という本を夜に読んでいるのもいけないことだろう。
あまからカルテット 柚木 麻子 文春文庫 アラサー女子4人組が幸せをどうつかんでいくのか、違う立場、違う仕事だけど、友達を思う気持ちは同じ。食をめぐる難題を解決して、成長していく。
ビブリア古書堂の事件簿7
栞子さんと果てしない舞台
三上 延 メディアワークス文庫 今回で完結。今回は全体の関係図も付いていてわかりやすい。シェークスピアの古書をめぐって、思惑が交錯する。悪意のある罠をどうかいくぐっていくか、その中で家族の縁を感じる。2人の仲もハッピーエンドでよかった。
心霊探偵八雲
ANOTHER FILES 亡霊の願い
神永 学 角川文庫 今回は学園祭にまつわる事件。3つの短編。怖いのは霊ではなく人間の歪んだ思いなのではないか。
敗者の古代史
戦いに敗れた者たちはどうなったか?
森 浩一 角川文庫 正史の上で戦いに敗れたものは損をする。正史は勝者が自分達を正当化するために書かれたものである。しかし、別な視点から見ると権力者が隠してきた本当のことが見えてくる。
暗幕のゲルニカ 原田 マハ 新潮社 話はピカソがゲルニカが描かれた第2次世界大戦の頃と9.11の美術館のキュレーターが再びゲルニカをアメリカで展示しようと奔走する姿が書かれている。ゲルニカがいかなる戦争にも反対することを訴えている。読みごたえがある作品だった。フィクションだけど、本当にあったような臨場感がある。
浮雲心霊奇譚
菩薩の理
神永 学 集英社 今回は新たな敵の存在が見え、そして近藤勇や沖田総司らも出てきてこれからの展開が面白くなりそう。浮雲の出生の秘密も何やら気になるところだ。
全ての疲労は脳が原因2
<超実践編>
梶本 修身 集英社新書 キーワードは「イミドペプチド」。イミダペプチドは疲労を軽減する機能性表示食品です。長い距離を渡る渡り鳥の羽の付け根の筋肉を解明しようと思って、わかった物質だそうです。実践編として鶏肉の胸肉が良いと言っています。食べ物の他には睡眠のこと、エアコンのことなどが書かれている。クールビズで28℃にするのがエコと言われているが、この本では25〜26℃が疲れを軽減すると書かれていました。
バチカン奇跡調査官
ゾンビ殺人事件
藤木 稟 角川ホラー文庫 今回は本編ではなく、奇跡調査官の周りにいる人たちのアナザーストリー。意外な繋がりに楽しめた。
珈琲店タレータンの事件簿5
この鴛鴦茶がおいしくなりますように
岡崎 琢磨 宝島社文庫 今回の話は源氏物語の話が根底にある。源氏物語に囚われてしまった女性。珈琲についてのうんちくもあり、京都についての特徴も出ていて、面白かった。
江古田ワルツ
喫茶ひとつぶの涙の事件簿
鯨 統一郎 中公文庫 日本茶専門店を舞台に常連客達の悩みを謎ときしていく。この作家さんの作品は好きなのだが、今作はあまり面白くなかった。日本茶専門店が舞台だが、日本茶専門店という特質をうまく使われていない事が残念だと思った。もう少し日本茶のうんちくを加えてほしかった。
幕末単身赴任
下級武士の食日記
青木 直己 ちくま文庫 筆まめな武士の日記である。備忘録として書かれているので、当時の食文化や風習がよくわかる。ドラマ「ブシメシ」の元の本みたいだが、内容的には違っている。
あきない世傳 金と銀 三
奔流編
高田 郁 ハルキ文庫 お店の御寮さんとして順風満帆で幸せになったとほっとしたものの、運命はそうはさせてくれなかった。次回作が待たれる。
あきない世傳 金と銀 二
早瀬編
高田 郁 ハルキ文庫 主人公が商いの道に入っていく。商いの戦国時代に自ら進んでいく。誰もが主人公を応援したくなるだろう。
吾輩も猫である 赤川次郎 他 新潮文庫 夏目漱石没後100年生誕150年を記念して出版されたアンソロジー。夏目漱石の「猫」に臨んでいる。猫を飼っている人なら「あるある」と思われることもあるだろう。
バチカン奇跡調査官
楽園の十字架
藤木 稟 角川ホラー文庫 今回は休暇中の出来事。とんだ休暇になる。そして、新たな敵の姿も浮き彫りになる。相手は一枚も二枚も上手。「平賀とロベルト。気をつけて!」とつい思ってしまう。
仁義なきキリスト教史 架神 恭介 ちくま文庫 キリスト教の歴史を極道になぞられて書かれている。現在の教皇の平和な振る舞いの印象があり、ちょっと混乱する。中世では結構えげつないことをやっていたことがわかる。そういえば、以前この著者の「よいこの君主論」を読んだことがある。これもおもしろかった。
歴史の愉しみ方
ー忍者・合戦・幕末史に学ぶ
磯田 道史 中公新書 この著者の本はわかりやすいし、面白い。忍者の話は興味深かった。歴史の面は一つの面でなく別の切り口もわかるとまた面白い。
聖☆おにいさん13 中村 光 モーニングMC お母さんたちも良いキャラだしている。
未来のだるまちゃんへ かこ さとし 文春文庫 著者かこさとしの自叙伝。だるまちゃん、カラスのパン屋さん、どろぼう学校などの作品で有名な絵本作家だが、ずっとサラリーマンと二足のわらじを履いていたことを初めて知った。セツルメント活動で子供たちと実際に接していたからこそできた作品だと思った。
働かないアリに意義がある 長谷川 英祐 メディアファクトリー新書 働かないアリがいることにビックリした。働かないのではなく、時間差で働けるようにしているのだ。それは巣を維持するためのシステムだった。しかし、全く働かず卵を産むアリも出現する。この巣が将来的には滅んでしまう。癌細胞みたいだ。アリの不思議な世界に引き込まれる。



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