読書記録(2019年)


2019年に読んだ(読み終わった)本を紹介します。
最近読み終わった本が上に書かれています。



  本の名前 作者 出版社 感 想
103 すべての神様の十月 小路 幸也 PHP文芸文庫 八百万の神と人との関わりとすごくほっこりと描いている連作短編集。心が優しくなるお話。一年の終わりに、読むことができて良かった。
102 白銀の墟 玄の月 (四) 小野 不由美 新潮文庫 ついに完結!だけど、すんなりとは終わらせてくれない。麒麟が大きな勝負にでる。最後はみんな繋がって勝利に導く。みんな格好いい。
101 白銀の墟 玄の月 (三) 小野 不由美 新潮文庫 味方がだんだん増えてきた。パーツとパーツが繋ぎ合わされて、真実が見えてきた。王も復活して、いよいよ反撃がはじまるか。
100 白銀の墟 玄の月 (二) 小野 不由美 新潮文庫 消えた王を探して、襲われた山あたりの村を探し回る。いろいろな情報が入っていく。これらがまだどう繋がるかはわからない。最後に衝撃な展開があるがこれは何を意味しているのか。王宮に入る泰麒。国土同様、荒れている王宮。どう行動していくのか。
99 決算!忠臣蔵 中村 義洋 新潮文庫 残っていた。箱根神社に会計帳簿が遺っていた。山本博文氏の『「忠臣蔵」の決算書』を元に小説化、映画化された。映画も見た。面白かった。江戸時代は蕎麦の値段が16文、今の値段に換算すると480円。それをもとにして、現代の値段に置き換えて討ち入りを考える。普通の忠臣蔵なら松の廊下の所、堀部安兵衛の助太刀、最後の討ち入りがメインの場面だが、それは関係ない。番方(いくさ)と役方(経営)の考え方の違いも面白い。
98 マリー・アントワネットの日記Blue 吉川トリコ 新潮文庫 Rozeは王太子妃時代。Blueは王妃時代の日記になる。一気に革命に進んでいく。ベルばらと違ってオスカルやアンドレも出てこない。日記は砕けているけど、心は格好いい。
97 任侠学園 今野 敏 中公文庫 「任侠」シリーズ2作目。映画化もされた。W主役の西田敏行と西島秀俊をイメージして読んでみた。映画も見てみたかった。
96 憂国のモーリアーティ10 三好 輝 集英社 新たな敵の攻撃に大きな選択をする。これが吉と出るか凶と出るか。気になるところだ。
95 プリニウス\ ヤマザキマリ
とり・みき
新潮社 趣味や祭りにのめりこむ皇帝ネロ。名将を陥れる奸臣。いよいよ末期か?!プリニウス達一行にも変化がある。クライマックスはいつか?
94 宮廷神官物語8 榎田 ユウリ 角川文庫 2人の王子たちの王位継承問題。傀儡しようとする王の母の本当の狙いは?ひとつ解決したがまだ次なる危機が迫ってきている。
93 あきない世傳
金と銀7 碧流篇
高田 郁 ハルキ文庫 江戸店が開店して1年。『買うて幸い、売っての幸せ』という確かな信念をもとに商売をする。よく人を観察、知恵を出す。まごころを尽くして、いつか人の心を動かしていく。今回は大きな困難はなかったが、この先も苦難があるだろう。だけど乗り越えていくだろう。
92 マリー・アントワネットの日記Roze 吉川 トリコ 新潮文庫 マリー・アントワネットの王太子妃時代の日記。現代の女子高生風の書き方。本音をボンボンと出てきて、面白い。池田理代子のベルばらを読み比べて、時系列を確認してみた。その後の日記「Bleu」も気になる。
91 白銀の墟 玄の月(一) 小野 不由美 新潮文庫 待ちに待った新作。謎が少しずつ垣間見れてくる。そして新たな謎が顔をのぞかせる。題名の意味も気になる。どうなるのだろう。
82〜90 憂国のモリアーティ 1〜9 三好 輝 ジャンプコミックス 娘から漫画を借りた。シャーロックホームズの宿敵モリアーティ教授が主役。物語、映画、ドラマなどではモリアーティは爺さんだったり、変なキャラだったりするが、ここでは全く違う。モリアーティ達が当時の歪んだ貴族社会にメスを入れる。
81 妖星は闇に瞬く 篠原 悠希 角川文庫 仲間に裏切られ、危機に遭遇するが、自分の知恵と知識で乗り切る主人公。良かったと思いきや、大きな敵が押し寄せて、運命の波が登場人物たちを飲み込もうとする。思わず応援したくなる。
80 バチカン奇跡調査官
アダムの誘惑
藤木 稟 角川ホラー文庫 今度はバチカンの正式な調査ではない。盟友のビル捜査官が行方不明になる。知らべていると、また黒幕が見えてくる。
79 アルテミスファウル
妖精の身代金
オーエン・コルファー 角川文庫 主役は犯罪一家の若き当主であり天才少年。妖精も出てくる。妖精を捕まえて身代金を取ろうとする。その妖精もかわいいものではなく、ハイテク危険な軍団である。ちょっとダークなファンタジー
78 遺跡発掘師は笑わない
縄文のニケ
桑原 水菜 角川文庫 シリーズ9弾。今回は縄文の土偶をめぐり、新興宗教が関わり、騒動に巻き込まれる。新興宗教の教祖がしたおぞましい事実が明らかになる。主人公の幼き頃、祖父が犯した捏造事件の関係者と再会。新しく歩み始めるきっかけになる。
77 むかしむかしあるところに、
死体がありました。
青柳 碧人 双葉社 昔話とミステリーのコラボ。一寸法師、桃太郎、鶴の恩返し、花咲爺さん、浦島太郎の5作に殺人事件が起こる。昔話がブラックな作品に変身する。謎解き、復讐劇も面白い。
76 後宮の烏3 白川 紺子 集英社オレンジ文庫 烏妃をめぐる新たな敵。烏妃の存在とは何か。これからどうなるか、気になるところである。
75 ルパンの帰還 横関 大 講談社文庫 ルパンの娘の第二弾。第1段から4年位経つ。新たな登場人物が出てきて、大波乱の予感。
74 任侠書房 今野 敏 中公文庫 「任侠シリーズ」が映画化されるという本屋さんのポップを読んで、読んでみた。任侠道をわきまえたヤクザが主役。倒産寸前の出版社を立て直す。親分は文化事業が好き。振り回せられる代貸。映画の配役を頭に描いて読んでしまう。カタギの人よりカタギらしいやくざ。ちょっと格好いい。大親分の気まぐれに振り回せるところに、小林信彦の「唐獅子株式会社」のシリーズを思い出した。唐獅子シリーズの方が軽妙洒脱。任侠シリーズは世直しに重きがある。
73 2分間ミステリ ドナルド・J・ソボル 早川書房 名前の通り、2分間で謎解きをする短編71点。ちょっとした時間で楽しめる謎解き。短い文章の中にヒントが隠れている。時々西洋の習慣や考えがあるので分かりにくいこともあるが、トレビア的におもしろい。
72 てんげんつう 畠中 恵 新潮社 しゃばけシリーズの最新刊。若旦那は相変わらず病弱で寝込んでいる。その中でも自分ができるか模索する。失敗しながらも前進していくようになる。がんばれ!
71 ヒポクラテスの誓い 中山 七里 祥伝社文庫 法医学教室に入った研修医の目から見た世界。初めは戸惑うばかりの現場だったが、だんだん死んだ人の声を拾い上げようとする意志が芽生えていく。著者の他作品の登場人物もでていて、かつ法医学の先生も他作品に出ている。世界がリンクしているので、おもしろい。
70 祇園白川
小堀商店
レシピ買います
柏井 壽 新潮文庫 「レシピを買う」とは何?立ち行かなくなったお店から人気レシピを買い取る。伝統の味を途切れさせない。訳ありの料理人たちを新しく旅立たせるために、レシピを買い取る。人間模様がそこから垣間見れる。
69 立身いたしたく候 梶 よう子 講談社文庫 時は幕末。商家の五男から御家人の婿になる。しかし、無役無勤の小普請組なので、役を求めて体当たりの就活。自分は何か、何ができるかを考える主人公たち。まさしく時代版お仕事小説である。
68 大正天皇
婚約解消事件
浅見 雅男 角川ソフィア文庫 大正天皇は病弱だった。皇太子時代に婚約者が伏見宮禎子女王から九条節子(貞明皇后)にかわった。女王に病気が発覚したからだ。しかし、これから周りの皇族、華族、政治家の思惑が入り乱れた。皇族、華族と言っても品行方正でも心身健康でもないことに驚いた。明治時代のいろいろ混乱した時代背景を知った。
67 異邦人 原田 マハ PHP文芸文庫 芸術、美は魔物。西洋画家の生涯をえがく著者だが、今回は日本。新人画家と美を求める女性が出会って、化学反応がおきる。最後に過去と現在が交差する。
66 アリス殺し 小林 泰三 創元推理文庫 本の帯封に「悪夢×メルヘン×ミステリ」とある。アリスが住む不思議な国が現実の世界と夢に中で繋がっている。不思議な国で死ねば現実世界で死んでしまう。どちらが裏で表なのか。何が何だかわからなくなってしまう。登場人物も読者も迷い込む。続編として、「クララ殺し」と「ドロシー殺し」があるらしい。これらも気になるところだ。
65 連続殺人鬼カエル男 中山 七里 宝島社文庫 ある街に現れた連続殺人鬼。パニックになる住人が警察に対して暴動。悪意の連鎖。そして繰り返しのどんでん返し。読者は二重三重にだまされる。
64 曽呂利 谷津 矢車 事業之日本社文庫 副題に「秀吉を手玉に取った男」である。曽呂利新左衛門という名前は聞いたことがある。頓智があるというぐらいの知識だった。秀吉や周りの人間が彼の巧みな話術やしぐさで彼の企みにからみ取られていく。
63 宮廷神官物語7 榎田 ユウリ 角川文庫 王位継承者が2人。この先どうなるのかと、気になってしまう。黒幕の思惑が蜘蛛の糸のように張り巡らせて、絡み取ろうとしている。その絡まった糸を切って、黒幕を倒すことができるのか?!
62 宮廷神官物語6 榎田 ユウリ 角川文庫 不思議な世界に進み、自分の必然を探す旅である。その旅で各々が成長していく。その中から争いの種が表に出てくる。
61 ジーバスの事件簿
才智縦横の巻
P・G・ウッドハウス 文春文庫 本の帯に「皇后陛下もご愛蔵(現 上皇后)」に書かれていた野に、興味を持ったからだ。きっと美智子さまは原作を読まれていると推測するのだが。内容は20世紀初頭のロンドン、お金持ちのボンボンと友人が巻き起こす問題を有能な執事が解決するのはなし。100年前という時代的且つ、イギリスの上流階級の生活の違和感がなかなかぬぐいけれない。
60 オリンピア・キュロス3 ヤマザキマリ 集英社 今度は2020年の東京にタイムスリップ。オリンピックの変貌に驚く。ソクラテス、プラトンと手塚治虫も登場して、「魂の配慮」という哲学的な命題を考える。主人公は頭でなく体で行動で体現していく。しかし、陶器の絵師としてはまだ発展途上。
59 とりぱん25 とりのなん子 講談社 今回は鳥だけではなく、猫との生活とか、怖い話とか、他誌で描かれた小作品も載ってて、面白かった。
58 ガンコロリン 海堂 尊 新潮社 表題作を含む短編5作品。今までの作品に出てきた登場人物の意外な面が見えたり、ちょっとの場面で出てきたりする。現在の医療に関する問題がこの5作品から垣間見える。
57 日本坊主列伝 榎本 秋 徳間文庫 歴史を動かした坊主と言えば、誰を一番に思い起こしだろうか。まずは道鏡かな。政治の裏にも表にも影響力を及ぼした坊主がいかに多いと改めて実感した。
56 ルパンの娘 横関 大 講談社文庫 今、テレビドラマをやっているので、さっそく原作を読んでみた。テレビドラマがどう表現するか興味がある。軽く読める。第2弾、第3段があるので、楽しみである。
55 知られざる弥生ライフ 譽田 亜紀子 誠文堂新光社 國學院大学の博物館に行ったとき、ミュージアムショップで見つけた。素朴な質問で「弥生ライフ」をわかりやすい文章とイラストで解説している。
54 デフ・ヴォイス
法廷の手話通訳士
丸山 正樹 文春文庫 作者には聾者の家族や知り合いがいると思っていた。よく取材されて描かれていると思った。聾者の家族に育てられた聴者の主人公。こういう存在は「コーダ」というらしい。心を閉ざす主人公の苦悩がみれる。マイノリティーの社会を描くだけではなく、しっかりしたミステリーになっている。読みごたえがあった。
53 からだの免疫
キャラクター図鑑
岡田 晴恵 監修
いとうみつる イラスト
日本図書センター キャラクター図鑑はユニークなイラストと子供向けの解説がわかりやすいですね。
52 ポーの一族
ユニコーン
萩尾 望都 小学館 時は2016年。ミュンヘン。音楽がつなぐ40年の月日。バンパネラにもいろいろな一族があり、考え方も違うのですね。
51 宮廷神官物語 5 榎田 ユウリ 角川文庫 都を追い出され、修行に行く。慧眼児とされたもう一人の少年と家族をたすけて、宮中に帰って、解決していく。しかし、最後のページで「ええっ!?」という場面があり、ちょっとショックな展開になりそうな予感。
50 宮廷神官物語 4 榎田 ユウリ 角川文庫 慧眼児がもう一人?宮中にうごめく権力闘争。
49 殺生伝 三
封魔の鎚
神永 学 幻冬舎文庫 事態はまたまた悪くなっていく。救いはまだあるのだろうか。
48 浮雲心霊奇譚
呪術師の宴
神永 学 集英社 時は幕末。討幕の機運が高まってきていた。浮雲たちが巻き込まれていく。浮雲の出自が高貴の出?という話が出てくる。最大の敵、狩野遊山が浮雲の友であったことも知られる。
47 天下無双の
建築学入門(増補版)
藤森 照信 ちくま文庫 建築学と歴史のコラボ。磨製石器で丸太が伐れるかとか、御柱のこと、校倉造りのことなど、古代に好きにも興味を引く。近現代の住宅の変遷、内情も興味深い。
46 日本史の探偵手帳 磯田 道史 文春文庫 歴史探偵の手帖をのぞいているような感覚で読める。他の著書と比べるとちょっと荒削りな気がするが、臨場感があった。
45 浮雲心霊奇譚
白蛇の理
神永 学 集英社 心霊探偵の江戸バージョン。今回は妖怪紛いの事件が3件。しかし、一番恐ろしいのは人間の心。幕末の雰囲気がじわじわ出てくる。
44 萬葉集に歴史を読む 森 浩一 ちくま学芸文庫 考古学の先生が萬葉集を読み解く。文学の観点ではなく、考古学の観点で地形や遺跡と萬葉集を比べて読み解いている。ほかの書物では権力者におもねる内容になるときもあるが、歌だと素直な本音が垣間見れる。
43 今川義元
知られざる実像
小和田 哲男 静岡新聞社 義元は桶狭間で信長に敗れ、軟なイメージだが、実像は有能な大名でもあった。それを支えたのは軍師雪斎禅師であった。今川家のルーツもわかり、知らないことも多かった。少しでも今川義元復権につながると良いと思う。
42 石仏のこころ 若杉 慧 鹿島出版会 昨年亡くなった父の本箱から見つけた本。父は生前山歩きが趣味でした。そこで石仏を見つけたのであろう。ページの一部に栞がはさまれていた。この本の他に仏像の本もあった。父は石仏を見て何を感じたのであろうか。石仏は主に屋外にある。風雨にさらされ、朽ちている。しかし、そこの人たちや旅人を見守っていると思った。
41 漫画版 日本の歴史2
飛鳥朝廷と仏教 飛鳥〜奈良時代
山本 博文 監修 角川文庫 理想の政治とは何か。各々の思惑が交錯する。本格的な権力闘争が始まる。
40 漫画版 日本の歴史1
日本のはじまり 旧石器〜縄文・弥生〜古墳時代
山本 博文 監修 角川文庫 日本の古代がマンガでどう描かれるか興味があった。古代史のエッセンスがぎゅっと詰まった1冊だった。
39 幕末まらそん侍 土橋 章宏 ハルキ文庫 幕末、安中藩で実際に行われた「安政遠足(とおあし)」という史実をもとにした小説。60年前にも勝新太郎で映画化された。また映画化される。それぞれの思いで遠足(とおあし)に参加。エンタメ性もあって面白い。
38 プリニウス[ ヤマザキマリ
とり・みき
新潮社 皇帝ネロがいよいよ狂ってきたのか。ローマがくるっているのか。権力の罠が何重も張り廻られている。プリニウスは今後どう関わっていくのか。気になるところだ。
37 百鬼夜行抄27 今 市子 朝日新聞出版 謎の少年が律の前に出現。律は危機が続く。飯嶋家は親戚の存在を意識する。今後律たちにどう影響するのか。気になるところだ。
36 あきない世傳金と銀 六
本流編
高田 郁 ハルキ文庫 大きな災難がまたもや降りかかる。六代目の死。それを乗り越え江戸店を開店させる。これから商いをどう発展させていくのか、またどんな苦難が降りかかるのか、どう成長させていくのか、楽しみである。
35 人斬り以蔵 司馬 遼太郎 新潮文庫 表題作を含む短編集。幕末と戦国時代にいた人物を掘り下げて書かれている。その人物たちは歴史物語ではサブキャラやチョイ役の人たちである。彼らをクローズアップしている。人斬り以蔵は今でいえばシリアルキラーで、大村益次郎は頭がいい、できる人だが人の気持ちがわからない空気が読めない人と思った。全く知らない人物もいて面白かった。
34 天下一蹴
今川氏真無用剣
蝸牛くも GAノベル 今川氏を滅亡に導いた義元の息子氏真。彼ら夫婦の冒険譚。題名に一蹴があるが、氏真が蹴鞠が得意ということを著してる。
33 したたかな植物たち
春夏編
多田 多恵子 ちくま文庫 動けない植物も色や形や匂いで子孫を残そうとする。本当にしたたかである。これを欺こうとする虫たちもいる。狸と狐の化かし合いのようで面白い。これから草花をよく観察してみたい。
32 裏関ヶ原 吉川 永青 講談社文庫 関ヶ原にいなかった武将もそれぞれの場所で個々の事情で戦っていた。面白い視点である。
31 からだ事件簿 酒井 建雄 ダイヤモンド社 マンガで小学生にもわかるように書かれた体のしくみ。こどもの素朴な疑問「おなら、朝を起きられない、記憶できない、虫歯」などをわかりやすく説明している。今度孫が来たとき、見せようと思う。
30 総理にされた男 中山 七里 宝島社文庫 総理の替え玉にさせられた売れない役者の男。政治知識がゼロの男が次々に大きなミッションをこなしていく内に、自分の気持ちに正直に行動していく。自分であったらどうするか考えながら読むのも面白い。中山七里の作品はいろいろ読んでいるが、また新たな切り口が見えて良かった。
29 縄文時代の不思議と謎 山田 康弘 実業之日本社 歴博の教授が書いた「縄文時代」。今まで縄文時代に抱いていたイメージが覆るかも。考古学は物を研究する学問であるが、縄文の人たちがどう考えていたかはわからない。物から精神を導き出す面白さがある。
28 宮廷神官物語三 榎田 ユウリ 角川文庫 宮廷の外に出てふとしたことで誘拐される主人公。世の中は猛暑で水不足。そこで視野が広がり、成長していく。宮廷内でも貴族と王族と神官の思惑が入り乱る。次回の展開に続いていくのだろう。
27 歴史の読み解き方 磯田 道史 朝日新書 「江戸期日本の危機管理に学ぶ」が副題。特に感心したのは、地震や津波の危機管理である。江戸期にも地震、噴火などの自然災害があった。後世のために克明に記録した人がいた。記録を残すことが後世にまた災害に遭った時に役立つように考えた。これはすごいことだと思った。
26 宮廷神官物語二 榎田 ユウリ 角川文庫 宮廷神学院に進学した主人公。またもや大騒動を巻き起こす。しかし、そこから新たな事実が見えてくる。軽くわくわくするファンタジー。
25 後宮の烏2 白川 紺子 集英社オレンジ文庫 烏妃の第2弾。また、新たな敵が後宮の中と外にいる。それは烏妃が自ら招いたものなのか。過去の烏漣娘娘のせいか。次回が気になる。
24 億男 川村 元気 文春文庫 映画にもなった本。3億円あてた男の悲喜劇。お金と幸せの関係とは?落語と数々の偉人たちのお金にまつわる言葉が出てくる。お金に振り回されない自分らしい生き方があるのだろうか。
23 とり研の空とぶ事件簿 鳥飼 否宇 ポプラ文庫 鳥が出てくる小説を見つけたので、さっそく手に取った。大学の野鳥研究室、通称とり研のメンバーがあれやこれや日常の謎に推理を展開する。しかし、推理は的外れなこともあったり、思いが空回りしていることもあったり、青春だと思った。野鳥に関するトリビアも知られて良かった。
22 心霊探偵八雲10
魂の道標
神永 学 角川文庫 ついに最終章に突入。八雲が呪われた運命や父を認めて、自分を肯定していく。最大の敵、美雪との対決が次作に繋がっていく。
21 新章 神様のカルテ 夏川 草介 小学館 新章とつくのは、前回から2年が経ち、主人公は大学病院で大学院生として、研究と臨床、研修医指導にアルバイトをこなす。大学病院という世界の中で患者に真摯に向き合う臨床医を描く。1人の若い癌患者の治療と看取りを軸に展開する。医療とは何か、その人らしい生き方は何かも問うている。
20 故宮は黄砂に微睡む 篠原 悠希 角川文庫 消えた公主を探し、死の砂漠に幻の村を探しに行く。無事に役目を終えたと思ったら、思わぬ敵が潜んでいて、危機一髪。次回の展開に続いていく。ひ弱だった主人公が心身ともにたくましくなっていく。
19 信長の原理 垣根 涼介 角川書店 この話のもとには生物学の本「働かないアリに意義がある」がある。そこに書かれている「2割のアリは一生懸命働き、6割のアリは日和見で働いて、2割のアリは働いていない」という事を信長は気づいたことを書いている。家来をアリたちの行動に例えている。話は信長、光秀、秀吉、勝家らの証言や心の声で綴られている。それぞれの思いが入り乱れて、話が進められている。
18 恩讐の鎮魂曲 中山 七里 講談社文庫 贖罪の意味を問うリーガルサスペンス。今回は恩義のある教官を弁護する。次々に明かされる過去の事実と介護施設の現実。最後の最後に闇も見えて怖く感じる。しかし照らす光も感じられえて、ほっとする。
17 pen BOOKS
神社とは何か?
お寺とは何か?
武光 誠 監修
ペン編集部 編
CCCメディアハウス 神社仏閣のことを歴史、成り立ち、建物、儀式などを比較している。ビジュアル的に書かれてわかりやすい。
16 日本人の叡智 磯田 道史 新潮新書 98人の先達の言葉を解説。すごい先見の明があった。しかし、時代の流れの中に打ち消されてしまい、敗戦に突き進んでしまったこともあった。
15 身近な鳥のすごい辞典 細川 博昭 イースト新書 人間の間近にいる鳥たち。鳥の見分け方がわかると楽しいと思う。生存戦略も知れば意外の一面もあり、面白かった。
14 漢方薬キャラクター図鑑 新見 正則 監修
イラスト いとうみつる
日本図書センター 児童書なので、わかりやすい。小学生高学年向きだけど、小学生が漢方薬に興味を持つかな?漢方薬の奥深さがわかる。
13 縄文探検隊の記録 夢枕 獏
岡村 道雄
インターナショナル新書 考古学は物を実証するもので、心を証明することは難しい。作家の夢枕獏と縄文時代の専門家の岡村道夫との対談で縄文時代を新たな切り口で探る。縄文時代の死生観、幸福感、神々をも見えてくる。夢枕獏の縄文を題材とした小説を書くらしい。読んでみたい。
12 天文キャラクター図鑑 渡部 潤一 監修
イラスト いとうみつる
日本図書センター キャラクターシリーズの天文版。宇宙の仕組みなどが子供向けに書かれているので分かりやすかった。
11 感染症キャクター図鑑 奥田 春恵 監修
イラスト いとうみつる
日本図書センター 本のジャンルは児童書。キモかわいいキャラで怖い感染症を紹介。かわいいから病気が怖いと思わなくなると困る。感染を防ぐには手洗いの励行が必須のようだ。
10 宮廷神官物語1 榎田 ユウリ 角川文庫 今、アジアン・ファンタジーが熱い。アジアのちょっと知っている雰囲気がおちつく。まだ、この先に山あり谷ありの展開がありそう。
丁先生、漢方って、おもしろいです。 丁 宋鐡
南 伸坊
朝日文庫 漢方医との対談。南伸坊がわかりやすく質問するから、読者もよくわかる。西洋医学との差、体の仕組み、病気のこと、薬のことがわかりやすく、面白く読めた。目からウロコのことがたくさんあった。
幻影城市 柳 広司 講談社文庫 時は1947年の日中戦争最中の満州が舞台。若き脚本家志望の男性が主人公。満州映画協会の撮影所にうごめく陰謀、復讐、抗日スパイが入り乱れて、主人公を翻弄する。
知っておきたい日本の皇室 皇室辞典編集委員会 監修 角川ソフィア文庫 今年5月に代替わりするにあたって、出版された本だと思ったが、10年前2009年に出された本だった。今までまた、これからの皇室の役割を知るためにも助けになる本である。
神社のどうぶつ図鑑 茂木 貞純 監修 二見書房 神社にいる動物と言えば、狛犬、稲荷神社の狐、八幡様の鳩が思いつくが、まだまだいっぱいある。マグロやタコもあるのには驚いた。その歴史的意味を知ると面白いし、動物がもたらすご利益の謎もわかってくる。これから神社めぐりをするとき、神社にいる動物たちを探してみようと思う。
らんちう 赤松 利市 双葉社 新聞の書籍広告で「62才、住所不定、無職の大型新人」という文言が目を惹いた。どうしようもない総支配人を6人の従業員が殺して、自首する。彼らの供述、参考人たちの証言で綴られている。そこからあぶりだされる真実。自己啓発セミナーのマインドコントロールや黒幕の正体がわかってくる。証言という話し言葉なので、サクサクの読み進められる。マインドコントロールの底知れない怖さを感じると同時に人間のもろさ、滑稽さを感じた。
むすびつき 畠中 恵 新潮社 しゃばけシリーズの最新作。今回は前世の繋がりや生まれ変わりついてのことが書かれている。人間は早く死んでしまうが、妖は長生きである。しかし、この中からむすびつきを求めている。
バチカン奇跡調査官
天使と堕天使の交差点
藤木 稟 角川ホラー文庫 今回は4つの短編である。この本の主役はサブキャラも含まれている。彼らの意外な一面が見えたり、今後の展開につながるような場面があったりして、次回の展開が楽しみである。
セイント☆おにいさん16 中村 光 モーニングKC 新しいキャラが出てきて、面白かった。マーらが良いキャラをだしていた。キリスト教の弟子や天使たちや悪魔の元の歴史やキャラクターなどを知りたいと思った。
とりぱん24 とりの なん子 ワイドKC 鳥以外の話題も増えたけど、面白い。



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