読書記録(2021年)


2021年に読んだ(読み終わった)本を紹介します。
最近読み終わった本が上に書かれています。



  本の名前 作者 出版社 感 想
131 ルパンの絆 横関 大 講談社 えっ!のっけからそうきたかという展開。読んでいて胸が締め付けられる。そして、絆という意味が最後に明らかになる。
130 歴史のミカタ 井上 章一
磯田 道史
祥伝社新書 対談でお二人の話が面白い。歴史のミカタは見方と解釈していいのだろう。歴史のミカタは単眼的な見方ではなく、複眼的な見方が必要だと説いている。違う見方を否定せず、「これもありか」と感心し、認め合い、柔軟にとらえていきたい。
129 ポーの一族
秘密の花園2
萩尾 望都 フラワーコミックス 秘密の花園1からだいぶ経ったので、もう一度読み直す。話が前後しているので、最初から読み直している。人間のウソや汚さ、ずるさを感じさせる。
128 ここで死神から
残念なお知らせです
榎木 ユウリ 新潮文庫 死神お仕事シリーズの第一弾。死神の天然なキャラが際立っている。
127 文豪と俳句 岸本 尚毅 集英社新書 夏目漱石や芥川龍之介、太宰治の文豪の面々の俳句を分析する。作品とリンクしているもの、生い立ちや境遇に繋がるもの、生き方に通ずるものがあって面白く読んだ。通常ボツになりそうな句もこの文豪だから『あじ』になっているようだ。俳句の解釈はそれぞれである。それを読み取り考えるのも俳句上達のポイントらしい。
126 元気が出る俳句 倉阪 鬼一郎 幻冬舎新書 暗いご時世、心がほっこりしたり、勇気をもらったりする俳句がある。お気に入りの句をノートに書きうつした。
125 隻眼の少女 麻耶 雄嵩 文春文庫 連続殺人事件を解決する隻眼美少女探偵。表紙に「ここまで恐ろしいヒロインは他には存在しない。」と書かれていた。推理が?態度が?と思っていたら、最後最後に大どんでん返し。ネタバレになるのでこれ以上は書けません。読み終わったとき、「はぁ」と力が抜けてしまった。
124 もしも徳川家康が
総理大臣になったら
眞邊 明人 サンマーク出版 ビジネス小説と書かれ、新聞に広告も出ていたので気になっていた。コロナ感染、クラスターで政府の機能が混乱。そこで、AIとホログラムにより偉人たちによる最強内閣ができて、政策を実行させる。しかし、だんだん不穏な動きが出て、ミステリーでもあり、歴史小説でもあり、エンターテインメント小説である。実写化したら面白そうだ。戦国時代と比べると今は自由を謳歌している。自分の自由の影には他人の不自由の上に成り立っていることを自覚し、自分も不自由の一部を受け入れること。この言葉がずしんときた。
123 子規365日 夏井 いつき 朝日新聞出版 34年に短い生涯で2万4000もの俳句を残した子規。この本は著者夏井いつきのYouTubeの中で知った。有名な句だけではなく、こんな句があったのかと新鮮な発見であった。子規の研究者ではなく、実作者の解説や感想が新鮮だった。俳句の製作年も書かれている。年表もあり、この句は最晩年の句であるとか、脊椎カリエスと診断され、体の自由がなくなりつつある時の句だと知る。弟子たちが子規に楽しんでもらおうと、珍しい物を持ってきたらしい。その関係も楽しい。
122 バチカン奇跡調査官
天使の群れの導く処
藤木 稟 角川ホラー文庫 墜落する旅客機を救う天使の群れが救うという衝撃的な内容。その裏にはバチカンの中にあるピタゴラス教団という異教徒が入り込む。そしてガルドウネのジュリアも絡んだ世界征服の狙いも出てくる。危機一髪のところをローレンが助け出す。これからもジュリアたちの陰謀が平賀、ロベルトのコンビを襲うことだろう。
121 チ。地球の運動について
第5集
作・画 魚 豊 小学館 拷問をして何が何でも異端とするやり方が無残だ。記録が全く燃やされたと思いきや、驚愕な展開。次回は25年後と書かれている。
120 月下氷人
金か国春秋外伝
篠原 悠希 角川文庫 本編の後日談と本編前夜の玄月、陽元、凛々の出会い。本編の謎だった部分がわかり腑に落ちた。
119 百鬼夜行抄29 今 市子 朝日新聞出版 今回の主役は司。大学の研究室での仕事。幽霊、生霊を出てきて、いつもの騒動。前回からの遠縁の親戚との因縁も引きづっている。
118 大事なことは
植物が教えてくれる
稲垣 栄洋 マガジンハウス 著名人の言葉から植物に関することが語られる。植物は奥が深い。植物のことと人の生き方と示唆される。
117 歪んだ名画 松本清張 他 朝日文庫 8人の作家による美術ミステリーアンソロジー。盗品とか贋作だけ思ったけど、耽美なエロチシズムな話もあったり、美術には不思議な魔力がある。
116 夏井いつきの俳句道場 夏井 いつき NHK出版 NHK俳句テキストで募集されたテーマで読まれた俳句が紹介されている。類想を避けるためのヒントもある。一般投稿者の句なので、現代風だし、面白く読める。
115 バチカン奇跡調査官
三つの謎のフーガ
藤木 稟 角川ホラー文庫 今回はアナザーストリーの短編集。怪物、暗号、殺人事件。キャラ総登場で事件解決。
114 もういちど 畠中 恵 新潮社 しゃばけシリーズ最新刊。今度は若旦那が赤ちゃんになっちゃった。赤ちゃんだけど、意識はもとのままだけど、体や言葉は子供。早く成長するがその度に困難が持ち上がり、解決に導く。子供時代は体が丈夫だったが、元に戻ったら、また病弱に。そして日常に戻っていく。
113 商売繁盛 朝井まかて 他 角川文庫 時代小説の女性名手5人によるアンソロジー。ちょっと不思議であったり、ほっこりしたり、ドキリとするバラエティ満載の短編小説である。
112 スイカのタネは
なぜ散らばっているのか
稲垣 栄洋
絵 西本 眞理子
草思社 今度は植物のついてである。著者の専門は植物学である。動けない植物(特にタネ)の戦略に書かれている。前に読んだ「生き物の死にざま」と比べると衝撃は少ないが、じわじわと伝わってくる。侮れない。挿絵の精巧な植物画もとても分かりやすかった。
111 俳句手帳 堀本 裕樹 東京書籍 「散歩が楽しくなる」というポケットサイズの本である。新年、春、夏、秋、冬の5つの季節の季語と俳句が紹介されている。季語の本意本情が書かれて、俳句の解説も書かれている。イメージの写真も素敵。
110 俳句でつくる小説工房 堀本裕樹
田丸雅智
双葉社 俳句をWEBで募集して、俳人が選句して、ショートショート作家がお話を作る。面白いコラボである。応募された俳句も個性的で秀逸で勉強になる。ショートショートは不思議な匂いがあって、どれも面白かった。
109 生き物の死にざま
はかない命の物語
稲垣 栄洋 草思社 前作からの第二弾。本能と言ってしまえばそれまでなのだが、必死に生きている。そうして、生き物たちが人間と大いに関係をしている。もちろん悪い意味の方が断然多い。人間の経済活動に左右される「牛」。土地が人間の開発によって生まれなくなる「蝉」。命に関することは美しいというだけではなく、ほとんど残酷である。植物に関することも書かれている。植物の専門家であり、今度はそれらの本を読んでみたいと思う。最後に人間について書かれている。ここにいることは奇跡なのだと実感する。他の生き物の生き死にを支配しようとする人間だが、私たち人間も生き物たちの一つだと思わなくてはいけない。
108 マイノリティデザイン 澤田 智洋 ライツ社 テレビ番組で紹介されていたので、ぜひ読んでみようと思った。広告業界ではマス(大勢の人)に訴えるものだが、内容は一時的に流され、忘れ去られてしまう。コピーライターが福祉の世界に入ってみた。弱みを強みに変える。ゆるスポーツを作る。視点の転換である。
107 あきない世傳金と銀11
風待ち篇
高田 郁 ハルキ文庫 話の最初に江戸の大火。ここでの商売の真価が問われる。悪手と妙手とは何か。音羽屋の汚いやり口。それを「買うての幸い。売っての幸い」を信条にして、大きな風を待つのだと思う。そして、心ある人たちは見るところをちゃんと見ている。こういう人たちに力をもらって、大きな波が来るのだろう。次の展開が楽しみだ。
106 生き物の死にざま 稲垣 栄洋 草思社 友人からの紹介で読んだ。生き物の生き死の見方が、ちょっと変わる。生き物の生態と言えばそうなのだけど。しかし、人間が生き物を利用し、影響を及ぼしていることが多い。人間が状況を悪くしていることも多いと思う。著者は静岡大学の先生である。市民公開授業があれば受けてみたいと思った。他の著書も読んでみたい。
105 オリンピア・キュクロス6 ヤマザキマリ 集英社 歌舞伎の次は路上ライブにお寺での釈迦との出会い、映画「七人の侍」に影響される。故郷復興のアイデアはあるのか。次回が楽しみだ。
104 雲上雲下 朝井 まかて 徳間文庫 民話を語る不思議な草「草どん」、話を聞くしっぽのない子ぎつねと山姥。次々に民話や昔ばなしが語られ、話の中の人物が登場して、不思議な世界に入っていく。草どんの謎が最後に暴かれる。そして、現在の世の中にワープする。神様とか昔話の不思議世界は人々が伝えていかなければ存在はしない。読みながら不思議な気持ちにさせられた。
103 侠飯7
激ウマ張り込み飯
福澤 徹三 文春文庫 今回は新米刑事が潜入捜査でヤクザの組事務所で張り込みをする。不器用ながら自分の正義を考え、成長していく。裏の裏を行く柳刃たちの警察の暗部も暴き出すところも、料理も格好いい。
102 母ちゃんのフラフープ 田村 淳 ブックマン社 著者のお母さんとの思い出と芸能界のこと、家族のことが書かれている。お母さんが癌になった。その後コロナが流行して、会いに行くこともままならなくなる。「お母ちゃん」は生前の整理をし、遺言をし、気持ちを伝えてきた。そして、「お母ちゃん」はすごい太陽みたいだと思った。著者は大学院に入り、「遺書の新しいデザイン」について論文を書いている。すごい勉強家なんだと思う。
101 聖☆おにいさん19 中村 光 講談社 今回も新キャラが出てくる。イザナギ・イザナミが出てきてアウトドアを紹介する。なんでもありなところが良い。
100〜99 憂国のモリアーティ
14、15
原案 コナン・ドイル
構成 竹内良輔
漫画 三好輝
集英社 モリアーティとホームズがタワーブリッジから落ちて、第一幕は閉じる。その後の新シリーズがはじまる。残されたファミリーとホームズはMI6として、活動を開始する。原作とはまた違ったワクワクして格好いい展開である。
98 俳句脳 茂木 健一郎
黛 まどか
角川oneテーマ21 脳科学者と俳人とのコラボ。副題は「発送、ひらめき、美意識」とある。外国でも俳句が詠まれている。しかし、英語では俳句の「切れ」や発想の空間はなかなかつかみづらい。そして、茂木氏は「マルチカルチャリズム(多文化主義)」そして多様性がキーワードと言っている。異文化への目、俳句的な思考の特徴「小さなものへの慈しみ」「ふとした瞬間の気持ちを的確に捉えること」は日本人に特有なのだろう。こう一回読み直してみようと思う。
97 ぼくはイエローで
ホワイトで、
ちょっとブルー
ブレイディみかこ 新潮文庫 英国在住の著者が息子の成長を描く。その中学校は公立中学校で貧富の差が合ったり、人種差別をいう移民の子がいたり、世界の縮図のような場所。生き生きとしているが、悩みは尽きない。その中からたくましく成長していく。この本の中でキーワードになる言葉は「エンパシー」。感情や行為や理解のシンパシーとは違って、エンパシーは「他人の感情や経験などを理解する能力」だそうで、「自分がその人の立場だったらどうだろうと想像する能力」なのだ。これは目からうろこだった。英語の慣用句で「自分で誰かの靴を履いてみること」というのあるそうだ。検索してみたら、その言葉を関した本も書かれているようだ。そのことはこの世界で大事なことと思う。
96 モダン 原田 マハ 文藝春秋 ニューヨーク近代美術館(MoMA)を巡る短編集。近代美術と言えば、ピカソやマティスなど。その美術館を語るには9.11が大きく影響を及ぼしていた。そして、東日本大震災も関係していた。作者本人のエピソードも書かれていて興味深かった。
95 いつでも君のそばにいる リト@葉っぱの切り絵 講談社 テレビ番組で紹介されていて、気になって図書館で借りた。1枚の葉っぱを切り取り、1つのストーリーに仕立てている。バックに空や雲を配して雰囲気を醸し出している。作家の人は会社員だったがうまくいかず、ADHDと診断されて、辛くてうまくいかなかったことの原因を知って、アートに目指す。根気のいる作業がADHDの特性に合っていたらしい。作品の一つ一つにやさしさを感じる。作品添えられた文も優しい気持ちにさせる。
94 ひらめく!作れる!俳句ドリル 岸本尚毅
夏井いつき
祥伝社 前作の『「型」で学ぶ
はじめて俳句のドリル』の第二弾。一度読んだだけではマスターはできない。ドリルもなかなか言葉が出てこなかった。5文字で穴埋めというもの結構難しかった。ちょっと面白いと思ったことをメモして言葉を貯めていくことの大切と知った。
93 死神と弟子と
かなり残念な小説家
榎田 ユウリ 新潮文庫 「死神」お仕事小説というのに惹かれて手に取った。よく見たらこの本は第4段だった。前作も気になった。
92 超短編!
大どんでん返し
小学館文庫編集部 小学館文庫 30人の作家が4ページ分の短編を書く。一話4分と書かれている。バスの中で読んだり、待ち合わせの時に読んだり、途中で中断しなくても良い。短い話の中で伏線が張り巡らされている。あっ!騙された。と思うこと必至。
91 火定 澤田 瞳子 PHP研究所 時は奈良時代。藤原4兄弟が権勢をふるっていた時期、疫病(天然痘)が流行した。新羅の国から入ってきたのこと。舞台は施薬院、光明皇后が作った庶民の病院。しかし、働いているのは令外官の医者や使用人たち。その使用人の若い一人の目から語られる。彼はもうやめたい、いやだと思っている。しかし、いろいろなことを経験してたくましくなっていく。読んでいて、今のコロナ禍の様だとも思ってしまった。治療を模索し、必死に働く医療関係者の姿。「常世常虫」という怪しい宗教が流行る。そして外国人に対する偏見。役人の不徳。この本を出された時は2017年。コロナ禍のの前だったが、現在の写し鏡のように感じた。
90 遺跡発掘師は笑わない
九頭竜のさかずき
桑原 水菜 角川文庫 今回は福井県九頭竜湖付近、恐竜発掘で有名なところ。朝倉氏の居城である一乗谷も近くにある。発掘現場から恐竜の椎骨の化石を使ったさかずきが出てくる。それが盗まれ、事件に巻き込まれていく。朝倉氏の元家臣団と欲にまみれた人、固定概念に縛られている人たち、その絡まった糸をほぐしていく。
89 食卓で読む一句、二句。
お腹がぐぅ〜と鳴る、17音の物語
夏井 いつき
ローゼン千津
ワニブックス 第一弾の時と違って今回はコロナのためにZoom対談になる。俳人姉妹が食べ物対談。姉妹だけど、食べ物の好みも考え方も違う。食べ物の俳句もいろいろあると知る。食べ物の句にはその人の生き方も反映される。
88 フルーツポンチ村上健志の
俳句修行
村上健志
アサヒ新聞社 加藤千絵
春陽堂書店 「プレバト」で俳句で活躍しているフルポン村上がウェブサイトの企画でいろいろな句会に参加したことを書籍化したものである。いろいろな方向性のある句会に参加し、吟行にいき、戸惑いながらも俳句を作っていく。わたしもいろんな方の作品に読めて勉強になった。句会に参加する方の句に対する読みも各々違ってとても深いと思った。俳句は鑑賞することも大切だと思った。句会の中に尻子玉俳句会というのもあり、河童や宇宙人を読んでいる。とても面白い。そして、どの句会も魅力的だった。最後に俵万智さん、又吉さんとの対談も面白かった。
87 龍に恋う
贄の乙女の幸福な身の上
道草 家守 富士見L文庫 不思議なタイトルに惹かれた。龍とは、贄とは何か。妖が見えてしまう女の子。そのことにより今までも仕事がうまくいかなかったが、不思議な口入屋と巡り合えたところで運命が変わっていく。少女も自分の意思を持ち始める。
86 寝る前に読む一句、二句。
クスリと笑える、17音の物語
夏井 いつき
ローゼン千津
ワニブックス ローゼン千津は夏井いつきの妹である。姉妹のぶっちゃけ軽妙なトークで俳人たちの俳句や季語ついて解説、鑑賞・・・二人の人生観や家族観が垣間見れるのが面白い。
85 デトロイト美術館の奇跡 原田 マハ 新潮社 実際の話をもとにして書かれている。デトロイト市は財政破綻に美術館の所蔵品が処分されそうになる。後期印象派のセザンヌの「マダム・セザンヌ」の絵がキーポイントになる。絵画たちを友達という。皆の情熱と知恵で美術館と絵画と市の財政を守っていく。短編なので一気読みだった。胸が熱くなった。
84〜83 オルフェウスの窓8〜9 池田 理代子 集英社文庫 ストーリーは終末に向かう。ロシア革命は終盤を迎えて運命の歯車が大きく回り始める。幸せの方向に行くと思いきや破滅に向かう。しかし、イザークの息子が希望の星になって未来に羽ばたく。
82 食の人類史 佐藤 洋一郎 中公新書 副題に「ユーラシアの狩猟・採集・農耕・遊牧」である。4つの生業を分析して解説している。生業はその地区の文化や国民性が関係していると思う。地球全体のことを思うと多様性が必要と思う。しかし、現在経済や合理性が優位になってしまい、偏ってしまうこともあるようだ。
81 プリニウスXI ヤマザキマリ
とり・みき
新潮社 今回からプリニウスの幼少期から青年期を描いている。小さいときから博物学者になる萌芽があった。不器用なゆえに恋に失敗する。そして、戦いの中で活躍するようになる。そういえばプリニウスは総督の地位であった。今までもプリニウスがどう出来上がったのか、わかりそうである。
80〜79 オルフェウスの窓6〜7 池田 理代子 集英社文庫 舞台はロシアへ。クラウスの幼少期からロシア革命の至る様子を描いている。そして、ユリウスもロシアに。ロシア皇帝家族とかラスプーチンも登場。各自の思惑や確執や嫉妬が入り乱れる。
78 チ。地球の運動について
第4集
作・画 魚 豊 小学館 またまた、新しい展開。どうするのか。真実を見極めることが果てしなく遠そうだ。
77 飼育員さんの
すごいこたえ
淡路ファームパーク
イングランドの丘
ワニブックス 子どもの素朴な質問に真剣に答えてくれる。質問も「ええっ?!」というのもあり、答えもクスっと笑ってしまうのもある。
76 オルフェウスの窓5 池田 理代子 集英社文庫 舞台はウィーン。主役の一人、イザークの栄光と挫折を描いている。愛憎関係が入り乱れて、各自の運命を翻弄する。これで第2部が終わる。次巻は舞台はロシアに移る。
75 百年先
地方博物館の大きな挑戦
地球環境史ミュージアム 静岡新聞社 地球環境史ミュージアムは我が家の近所にある。100年後の静岡、地球と言ってもピンとこない。しかし、確実に分岐点には来ていると思う。何かを変えなくてはいけない。そのヒントがミュージアムにあるのではないか。いい未来にするために、無理や我慢で守ることは長続きしない。楽しく工夫してできることが大切と説く。
74 五七五で毎日が変わる!
俳句入門
堀本祐樹 監修 朝日新聞出版 吟行を通して、俳句のことを教えてくれる。マンガと物語仕立てで、添削例もあり、わかりやすかった。堀本氏の俳句本は物語仕立てで恋心や胸キュンが必ずありますね。
73 黒田杏子句集
水の扉
黒田 杏子 巴書林句集文庫 俳人の夏井いつき氏が師と仰ぐ黒田杏子氏の俳句を読んでみたかった。丁寧な写生。私は物事を深く見ること、それを表現する力がない。何事も勉強である。
72 花のいのち 瀬戸内 寂聴 講談社 花にまつわるエピソードを綴るエッセイ。90歳を超え知人友人を見送った著者、小説家、僧侶のならではの視点が美しい。最後は源氏物語と花に対する話。源氏物語の訳本を書いた著者だからの視点である。瀬戸内寂聴氏の小説はあまり読んでいないが、エッセイや対談集を読むことが多い。小説もひも解いてみようとも思う。
71〜70 オルフェウスの窓3〜4 池田 理代子 集英社文庫 ユリウスの周りに死者が続出。それは過去のスパイ事件が関わっていた。真相を知るユリウス。ユリウスをはじめ、音楽学校を離れる。4巻はウイーンに移ったイザークを中心になる。音楽自体の話は難しいが、大いに引き込まれる。
69 夏井いつきの季語道場 夏井 いつき NHK出版 脱初級ということをうたっている。季語を視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚、連想力の6点の成分を分析して、そこから句を作る方法や似て非なる季語たちを説明してる。一度読んだだけでは理解できるものではないので、何回も繰り返して読みたい。
68 句集 ひとり 瀬戸内 寂聴 深夜叢書社 僧侶である著者、年を重ねて、知人友人を見送った経験で紡ぎだした俳句である。読んでいて、心がずきーんとした。
67 ソラヨミのススメ。 ウェザーロイド TypeAAiri
監修 潟Eェザーニューズ
KADOKAWA バーチャルキャラクターによるお天気解説。雲のことをキャラクターに置き換えて面白くしている。最近、天気のことが気になる。雲の様子で明日の天気が読めると面白いだろう。
66 任侠浴場 今野 敏 中公文庫 任侠シリーズの第4段。今回は銭湯の再建。映画の配役の西田敏行と西島秀俊のことを当てはめて読んでいた。今回も格好よく解決する。
65 浮雲心霊奇譚
火車の残火
神永 学 集英社 浮雲の出生の秘密を探るために、京に上る。土方歳三と一緒に旅に出る。早くも川崎宿で事件に巻き込まれる。そこで名前を変えた坂本龍馬もでてくる。心霊探偵八雲に出てくるの医者 畠と同じ名前の人物でてくる。なかなか京都にはたどり行きそうもない。
64 クイズで楽しく俳句入門 若井 新一 飯塚書店 クイズ形式で名句を学べるのがいい。一回読んだだけでは身につくものではないが・・・
63 毒を持って毒を制す
薬剤師・毒島花織の名推理
塔山 郁 宝島社文庫 薬剤師シリーズの第三弾。今回の舞台は去年の3月コロナウィルスが流行し始めた頃、主人公の働くホテルでコロナ疑惑が起こる。その危機を薬剤師の毒島さんがリモートで解決する。実際の去年のことを思い出しながら読んだ。
62 鹿の王 水底の橋 上橋 菜穂子 角川文庫 「鹿の王」の続編のような、世界が続く。征服者と征服される側の微妙な関係。医術に対する考え方の違い。それが大きな事件へ、次期皇帝選びにの政争に巻き込まれる。そして、それぞれの道に進み始めた。
61 とりぱん28 とりのなん子 講談社 毎回思うことだが、動物ネタを面白く描かれているのだが、最後の季節のコメントが身に染みる。この言葉は俳句に通じている感じがした。私もそのような感性がうらやましい。
60 1日1杯脳のおそうじスープ 内野 勝行 アスコム この手のハウツー本に惹かれてしまう昨今です。認知症予防の料理が紹介されている。脳トレについても書かれている。脳の老化には効果ないのこと。一番大切なのは脳の栄養と脳のおそうじだそうです。実践していきたいと思う。
59 オリンピア・キュクロス 5 ヤマザキマリ 集英社 前回はプロレスに出会い、今回は歌舞伎に出会う。中村勘九郎が「ヘラクレス歌舞伎」を演ずる。オリンピックと町おこし、そして意外な組み合わせが面白い。
58〜56 チ。地球の運動について
第1〜3集
作・画 魚 豊 小学館 マンガ大賞2021の第2位だそうだ。本屋で気になって買って読んでみた。時代は中世、天動説が当然ながら信じられていたころ、天文学を研究し、地動説を唱えるものが異端と言われ、拷問されて処刑されてしまう。しかし、また新たな人が登場して、地動説の研究を繋げていく。続きが気になる。信仰と真理、希望と絶望が入り乱れる。
55 俳句随想
四季のはな
関森 勝夫 静岡新聞社 著者は静岡の大学の教授であり、俳人である。娘が置いて行った本である。改めて読んでみた。お花に関する俳句とそれにまつわるエッセイである。私の知っている寺社仏閣や観光地も書かれているので、親しみがわいた。そこのお花を見に行きたいと改めて思った。
54 仏像さんを師とせよ
仏像修理の現場から
八坂 寿史 淡水社 公益財団法人 美術院というところで、文化財である仏像を修復するお仕事をする方の手記である。修業時代の話や、修復の実情を語る。仏像を「仏像さん」と呼び、真摯に向き合う。修復師は職人でも芸術家でもない。技術者である。後世にこの文化財を伝えなくてはいけない使命を感じた。
53 静おばあちゃんと要介護探偵 中山 七里 文春文庫 要介護探偵は「さよならドビュッシー」に登場している。静おばあちゃんは岬洋介の司法修習生の時の話に登場してくる。登場人物がリンクしているのが、興味深い。短編で次々に事件を解決していく。ちょっと過激なじいさんだけど、悪者をばっさばっさやっつけるところは小気味いい。もう一度、「さよならドビュッシー(前奏曲)」を読んでみたいと思った。
52 違いがわかる
はじめての五七五
俳句・川柳
上野 貴子
江畑 哲男 監修
メイツ出版 上達のポイント、コツがわかるを解説されている。川柳も興味があるので、図書館で手に取った。こんなパターンもありかと新しい発見であった。添削例も書かれているので、勉強になった。
51 宮廷神官物語12 榎田 ユウリ 角川文庫 前巻の11巻から12年が経った世界。藍晶が王になり、王妃をめとる。天青は師範神官になり、鶏冠を支えている。鶏冠は次期大神官になる予定なのだが、王妃の父申氏が反対している。申氏はいろいろ画策してお貶めようとする。櫻蘭と曹鉄の12歳の娘 翠嵐の視点から話が進んでいく。真の完結編と書かれているが、最後にあの人が登場する。まだ続くのであろうか。
50 オルフェウスの窓2 池田 理代子 集英社文庫 登場人物の隠れた人間関係が徐々に明らかになっていく。人々の思惑が交錯する。
49 「型」で学ぶ
はじめて俳句のドリル
岸本 尚毅
夏井 いつき
祥伝社 対談で「型」で考えることをパターン別に解説している。一度読んだだけでは使いこなせない。図書館で借りたのだが、活用するには買った方が良いかもしれない。
48 くそじじいと
くそばばあの日本史
大塚 ひかり ポプラ新書 タイトルの奇抜さで、思わず買ってしまった。したたかに貪欲に生きた老人たち。昔、強い人とは「嘘つきでずるがしい」ことが、知恵が回ることであった。日本武尊もしかり、海彦山彦もしかりである。まだまだ力強い年寄りがいっぱいいた。
47 知識ゼロからの国宝 小和田 哲夫 幻冬舎 国宝の紹介のほか、国宝にまつわる裏話がとても興味深かった。
46 オルフェウスの窓1 池田 理代子 集英社文庫 この作品を最初に読んだのは中学生の時だった。その時は友人から借りて読んでいた。その時の感情が沸き上がってきた。登場人物の運命にロシア革命が大きく関わっていく。
45 殿様は「明治」を
どう生きたのか
河合 敦 扶桑社文庫 廃藩置県になって殿様たちは大きな転機を迎えた。大波に翻弄されながら、宮司になったり、外交官になったりした。生きざまを見た。
44 川柳人が楽しむ
エモい漱石俳句
いわさき 楊子 飯塚書店 新聞で「エモい」という言葉をキーワードで紹介されていたので、読んでみた。漱石は子規の友人であり、俳句を作るようになった。ほんわかとしたり、ピリリとしたり、くくくっと笑えたりできる俳句だった。川柳人の目で読みとると面白い。著者の川柳もある。
43〜42 マンガ古典文学
古事記 上、下巻
里中 満智子 小学館文庫 「こじき」と読まれているが、ここでは「ふることふみ」と読む。古事記に書かれている重要なエピソードがマンガとして描かれている。単元ごとに、著者の里中満智子の解説やコメントがある。わかりやすかった。
41 陰陽師 女蛇の巻 夢枕 獏 文藝春秋 短編が繋がっているので、読みやすい。安心して読める。優しい気持ちにさせてくれる。
40〜38 魔女をまもる。上中下巻 槇 えびし Nemuki+コミックス 本屋で見てタイトルが気になった。時代はヨーロッパの中世。魔女裁判があり、ペストが流行り、人狼の噂。教会は腐敗している。主役は実際にいた医者である。精神医学の先駆者らしい。変な言動があると魔女に疑われる。大体これは精神疾患の鬱病などがある。それを医術、薬、食餌療法で解決しようとするが、抵抗勢力は教会出あるが、市民の無知も大きい。無知が怖れを呼びそれが魔女や悪魔を作るのである。読みごたえがあった。抵抗勢力と一人戦う姿が格好良い。
37 知識ゼロからの
肖像画入門
木村 泰司 幻冬舎 肖像画にまつわるエピソードをつづる。時代背景やお国事情や画家の人間関係を知ると、興味は倍増する。
36 千年鬼 西條 奈加 徳間文庫 少女を救うために小鬼は千年の旅に出た。心に「鬼の芽」を宿し、それを爆発させると「人鬼」に変わる。小鬼は少女を守るために奔走する。小鬼の純情と少女の純心。
35 知識ゼロからの
困った巨匠たち対決
山田 五郎 幻冬舎 テレビで見せる軽妙な語り口で画家たちの困った行状を絵とともに紹介する。対決形式にすることで違いや面白さが鮮明化する。
34 7人の名探偵 綾辻 行人 ほか 講談社文庫 アンソロジーのテーマは名探偵。アンソロジーはいろんな作家さんの作品が読めるから面白い。最後の綾辻行人の作品は他の作家も実名で出て、推理を繰り広げる。本当の話なのか、作り話なのか?
33 比翼は万里を翔る 篠原 悠希 角川文庫 シリーズの完結巻。公私にわたって難題が襲い掛かるが、みんなの智恵で解決していく。皇帝も大きく成長して、自分の道を見つけていく。
32〜31 陰陽師
 龍笛の巻
 天鼓の巻
夢枕 獏 文藝春秋 このシリーズは短編読み切りでサクサクと読めるので、読みやすい。蛇にまつわる話、神様仏様に関わる話も出て、面白い。蝉丸の過去が明かされて、博雅の優しさが際立った。
30 地形と地理で分かる
古代史の謎
千田 稔 監修 宝島社新書 古代史について地形と地理から掘り下げて、説明している。土地の事情に必然があると思った。
29 知識ゼロからの古墳入門 広瀬 和雄 幻冬舎 登呂博物館で前方後円墳について企画展があるので、古墳のことをおさらいしたいと思った。
28 絵ことば又兵衛 谷津 矢車 文藝春秋 戦国時代の終わりから江戸初期の絵師 岩佐又兵衛の半生を彼を取り巻く絵師や大名、商人たちの関りを描く。又兵衛は吃音であった。そのことでかなり辛い思いをする。又兵衛は荒木村重の遺児である。は肌と思っていた人が母ではなく、そして乳母であった。そして何者かに殺されてしまう。絵師の世界で、また大名との関係でも運命が大きく振り子が振れる。そして自分の運命から解き放たれて、本当の絵師になる。読んでいて、胸が痛くなる場面が多々あった。
27 悪徳の輪舞曲(ロンド) 中山 七里 講談社文庫 御子柴シリーズ。ドラマでも見ていたので、そのイメージが強い。被告人は母親。各々の闇の部分が見え隠れする。不利の状況をどんでん返しする展開。最後に倫子ちゃんが登場する。この子の自然さが御子柴を変えていく力になるのか。
26 まりこふんの古墳ブック まりこふん 山と渓谷社 古墳大好きの歌手が分かりやすく古墳について説明する。古墳や埴輪に対しての思いが熱くコメントがユニークである。
25 第2図書係補佐 又吉 直樹 幻冬舎よしもと文庫 著者による本の紹介だが、書評とか解説ではない。本にまつわるエッセイである。少年時代、思春期、売れない時代のエピソードが面白い。知っている本には「あるある」と思ったり、エピソードに思わず吹き出してしまうことも。物事の視点がユニークでさすがだと思う。
24 あきない世傳金と銀 十
合流篇
高田 郁 ハルキ文庫 前巻で踏んだり蹴ったりの展開だった。しかし、腐らず、耐えて耐えて忍んで忍んで、小さい流れが流れを結んで合流していく。胸をなでおろした。でも、この話のことだから、もう一山ふた山の困難があるのだろう。
23 縄文土偶ガイドブック 三上 徹也 新泉社 副題として「縄文土偶の世界」である。国宝もあり、よく知られた土偶からいろいろな地区の土偶を紹介している。土偶の意味として土器への守るものとして、書かれていた。土器や土偶を作るものはシャーマン(女性)と書かれていた。変な顔の土偶の存在はシャーマンは「人であらず」ということを意味しているらしい。いろいろな土偶を見て、少々おなか一杯になった。
22 ルパンの星 横関 大 講談社文庫 シリーズ第4弾。娘の杏の小学校生活、運動会と元警察官の殺人事件の二つを軸に展開していく。ドラマはかなり設定が違うけど、ドラマの役者をイメージして読んでいた。今回もLの一族の影、玲がモリーアーティ教授のように犯罪立案者であった。
21 縄文土器ガイドブック 井口 直司 新泉社 副題として「縄文土器の世界」である。縄文土器と言ってもすべてが縄文がついているわけではない。地域によって大きな違いがある。時期によっても違う型式もよくわかった。しかし、土器型式は混じりあっている場合もある。縄文人の生活の一部が分かり、精神性を感じられた。
20 現実入門 穂村 弘 光文社 歌人であり、エッセイストである著者。私がこの人を知ったのは、俳人 堀本祐樹との共著「短歌と俳句の五十番勝負」で知ったからだ。サブタイトルで「ほんとにみんなこんなことを?」である。40歳にして初体験のことをリポートする企画。感性が面白い。鋭い観察力と大いなる妄想の世界。短歌でも視点が面白いと思ったが、この本から見る独特な感性からくるものと思った。
19 連続殺人鬼
カエル男ふたたび
中山 七里 宝島社文庫 前巻カエル男の続編。どんでん返しの名手。誰もが騙される。復讐が幕を開く。去年買っていたが、なかなか読めないでいた。しかし、読み始めるとサクサクと読み進められる。
18 浮世絵の解剖図鑑 牧野 健太郎 (株)エクスナレッジ 浮世絵から見た江戸の生活。浮世絵の中には隠された暗号のようなものがある。江戸時代の人はその謎を読み解いて楽しんだとであろう。浮世絵に描かれた名所旧跡、寺社仏閣は上京した時に行きたかった所がたくさんある。今度はいつ行くことができるだろうか。
17 遺跡発掘師は笑わない
あの時代に続く空
桑原 水菜 角川文庫 アナザーストリーの短編集である。無量の少年時代の遺跡発掘師になる前夜のことが良く分かった。『笑わない』という意味が分かった。他の短編では無量が明るくなっていくのがわかる。希望であるが、次回の展開がまたれる。
16 読むだけですっきり
わかる日本史
後藤 武士 宝島社文庫 子供にもわかる平易な言葉で、且つぶちゃけて書かれている。もちろん大人もおさらいという意味で分かりやすい。
15 鬼絹の姫
ソナンと空人2
沢村 凛 新潮文庫 ソナンと空人の第二弾。第1弾で領主になった空人。思いの姫と一緒になって新天地に向かう。しかし、そこは貧しい土地であった。そこでみんなを巻き込んで改善していく。展開はテンポよく進む。しかし、国が外国と付き合うことになり、運命が大きく動き出す。そして、過去に引き戻される。次回はどうなるのだろうか。
14 日本史の論点 中公新書編集部 中公新書 「邪馬台国から象徴天皇制まで」という副題がついている。古代史には興味がある。近現代史は難しい。歴史を知ることは現代に生きる知恵につながるのではないか。
13 王都の落後者
ソナンと空人1
沢村 凛 新潮文庫 堕落した生活から死に瀕した青年が空鬼と呼ばれる神の気まぐれで、見知らぬ異国の落とされた。そこは反逆者によって、統治者が追い詰められた砦であった。その中であって、徹底的な勝利の決め手を放つ。その後の恩賞や儀式でもうひと騒動がおきる。ソナンとは以前の主人公で空人は恩賞で与えられた新しい名前である。ソナンの時はどうしようもなく読んでいて苦々しかった。空人も慣れない世界で危なっかしく感じる。このファンタジーはまだまだ続く。
12 縄文ZINE(土) 望月 昭秀 ニルソンデザイン事務所 「都会の縄文人のためのマガジン フリーペーパー縄文ZINEの1巻から4巻までも合本である。ちょっとおふざけの感じと思いきや、まじめな記事もある。北海道の縄文文化とアイヌ民族との関係の記事は興味深かった。数々の土偶や土器の写真も見られてよかった。
11 おもちゃ絵芳藤 谷津 矢車 文春文庫 国芳の本や漫画を読んでいるが、この本は国芳が死んでからの話である。若頭格の芳藤が世話役になる。弟弟子たちが才能を開花していく中で、才能がないと鬱々している。時代は幕末から明治への大転換期。周りから取り残されているように見えるが、黙々とおもちゃ絵を描く。時代に合わせない、合わせられないからつかめたものがある。絵師の執念が最後の最後に花開く。
10 後宮の烏5 白川 紺子 集英社文庫 烏妃に隠された歴史、謎を解く仲間たち。しかしそれは困難の道。また最初から読み直したくなった。
まさかジープで来るとは せきしろ ×
又吉 直樹
幻冬舎文庫 この二人の第2弾。自由律俳句を読んでいると、なんだか不安定であり、言葉通り自由であったりする。前にも書いたが、定型俳句にできるものもある。このことは解説に歌人の俵万智も書かれている。散文を読んでいると、二人の観察眼や自分の心を掘り下げる力はすごいと思った。私も自分の考え、思いをきちんと表現できたいとおもった。
ねこもかぞく
ほんのり俳句コミック
堀本 裕樹
ねこまき
さくら舎 今回は家族のテーマの俳句。家族の暮らしのあれこれを俳句を詠まれている。家族のあるあるがよく詠まれていると思った。俳句には猫は出てこないが、コミックには猫が登場し、俳句の味を増幅させている。
ねこのほそみち
春夏秋冬にゃー
堀本 裕樹
ねこまき
さくら舎 猫をテーマの俳句にコミックとコラボ。俳人の方も猫の俳句をよんでいるですね。コミックもほのぼの、ほっこりさせられた。俳人堀本祐樹の解説やストリーがわかりやすかった。
感染症の日本史 磯田 道史 文藝新書 コロナが世界中で猛威を振るっている。感染症の脅威は今に始まったことではない。感染症が歴史を大きく左右してきた。時代によって感染症を収める対策をした。江戸時代の対策は現代でも通用する政策がいっぱいあった。近代になってからは作家や一般人の詳細な日記からスペイン風邪の流行について書かれている。これからも新しい感染症が出るだろう。それらの対処も歴史の中にある知恵を学んでいきたい。まさしく温故知新であろう。
アンソロジーしずおか
戦国の城
芦辺 拓 他9名 静岡新聞社 今川義元が織田信長に打たれてから、静岡は武田や徳川に蹂躙されてきた。のちには北条氏、豊臣氏も入ってくる。10のお城にピックアップして、その戦い、人間模様が良く描かれている。今川氏真は無能と思われていたが、したたかであると思った。小説の最後にその城や戦いの情報が書かれている。城の絵図や地域の地図があればもっとわかりやすいと思った。
カキフライが無いなら
来なかった
せきしろ ×
又吉 直樹
幻冬舎文庫 二人の自由律俳句と写真とエッセイ。自由律俳句は何だかクスっとしてしまう。俳句を作る「俳句のタネ」になると思った。エッセイは二人の観察眼が鋭いとおもった。
3〜2 憂国のモリアーティ
12,13
原案 コナン・ドイル
構成 竹内良輔
漫画 三好輝
集英社 犯罪卿の正体がいよいよ世間に明らかにされる時が来た。最後に向けて突き進んでいくのか。
朝井 まかて 集英社 森鴎外の末っ子 類が主役。画家を目指すが大成せず、随想家となる。しかし、家族、兄弟との確執を残す。森家は鴎外を亡くした後も高級遊民として暮らしている、特権階級である。苦労しててもなんだかふわふわしているように感じた。読んでいると、ちょっと苦い感じがした。だけど、人物描写はとてもよく書かれていると思った。



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