読書記録(2025年)


2025に読んだ(読み終わった)本を紹介します。
最近読み終わった本が上に書かれています。 



  本の名前 作者 出版社 感 想
72 笑う子規 天野祐吉 編
南伸坊 絵
筑摩書房 子規はたくさんの句を残しているが、ちょっと毛色の違った句を紹介されているように思った。
71 笑う漱石 編、絵 南 伸坊 七つ森書館 夏目漱石の面白い句を南伸坊がチョイスして紹介する。こんな句もあるのかと、おもしろい。
70 烏衣の華 2 白川 紺子 角川文庫 新らたの怪奇問題が浮上。
69 烏衣の華 白川 紺子 角川文庫 後宮の烏シリーズの後の世の設定らしい。自分の気持ちに不器用な若い巫術師たちの活躍。
68 赤ずきん、イソップ童話で
死体と出会う
青柳 碧人 双葉社 昔話とミステリーのコラボ。今回はイソップ物語。奇想天外すぎる展開である。
67 侠飯11 福澤 徹三 文春文庫 何しろ格好いい。悪い奴を絡めとる。
66 幽世の薬剤師2 紺野 天龍 新潮文庫 異世界と医療ミステリーの第2弾。伝承を読み解き、隠された謎を解決する。生き方や村の在り方を問う。
65 小泉八雲とセツ 伊藤 賀一 リベラル新書 朝ドラで注目されている八雲夫婦のことのトリビア。
64 雑草と日本人 稲垣 栄洋 草思社文庫 日本文化を植物、農、自然を絡めて、雑草の強さを知る。
63 生きねばや
評伝 村越化石
荒波 力 工作舎 村越化石氏は私が気になる俳人の一人である。化石氏は藤枝市岡部町出身。若い時にハンセン病にり患。療養所に隔離される。厳しい環境だったようだ。その中で俳句を作り始める。特効薬で菌はなくなったが、失明する。大野林火氏を師として、大きく飛躍する。心眼で詠まれた句に心揺さぶられる。
62 死神と天使の円舞曲 知念実希人 光文社文庫 「死神」シリーズの第3弾。今回はレオとクロが協力し合って、大きな事件に臨む。
61 定命 瀬戸内寂聴 小学館 作者が亡くなってから、原稿用紙や新聞の切れ端から句稿が見つかった。最晩年の俳句だ。読んでみると無季の句が多いと思った。やっぱり死や老いを意識した句が多かった。
60 任侠楽団 今野 敏 中公文庫 「任侠」シリーズの第6弾。義理人情に厚い親分に振り回される。
59 青い壺 有吉佐和子 文春文庫 青い壺をめぐる13篇のオムニバス形式の短編からなる。決してハッピーエンドでもなく、人間の心をひだを探るような話であった。
58 三橋鷹女の100句を読む
俳句と生涯
川名 大 飯塚書店 私は鷹女の句が好きだ。この本は単なる句の解説ではなく、鷹女の生涯から句を読み解いている。鷹女は孤高の俳人である。俳句も一味も二味も違う感じた。
57 バチカン奇跡調査官
精霊に捧げられた大地
藤木 稟 角川ホラー文庫 今回はオーストラリア。奇跡の謎を解いていく途中、アボリジニと教会との確執を修復をしていく。
56 女の俳句 神野 紗希 ふらんす堂 女性俳人の句ではなく、女の人の生活、一生などを詠んでいる句である。詠んでいる時期もあるが、男女によって女の人のことを詠む感じは違う。今はもっとジェンダーレスに詠まれているらしい。
55 句集 縹色 杉山とし子 宇宙叢書 結社の大先輩である。自然体で心を動かされた。
54 とりぱん34 とりのなん子 講談社 癒される漫画である。
53 博物館のファントム
箕作博士の事件簿
伊予原 新 集英社文庫 自然史博物館で起こる文物の謎を変人博物学者(ファントム)と新人分類学者のコンビが解いていく。自然史の知識があって面白かった。
52 俳句と暮らす 小川軽舟 中公新書 会社員であり、俳人である作者。単身赴任で生活しつつ、俳句を詠んでいるのに共感した。
51 セシルの女王8 こざき亜衣 小学館 とうとうヘンリー8世が死んだ。新しき王エドワード6世は幼く波乱の予感。
50 セシルの女王7 こざき亜衣 小学館 エリザベスの姉弟の運命が大きく変わりつつある。セシルも身辺にも変化が。
49 とりぱん31 とりのなん子 講談社 今回の大きな目玉の一つは「蜘蛛」の観察である。次回、今年の暑さをどう表現されるのだろうか。鳥や獣、昆虫などが変わっていくのだろうか。
48 遺跡発掘師は笑わない
イクパスイの泪
桑原水菜 角川文庫 舞台は函館。戊辰戦争、沈没船、アイヌ問題が絡み合う。ちょうど最近函館に行って、五稜郭や元町の雰囲気が思い出す。
47 赤と青のガウン 彬子女王 PHP文庫 オックスフォード留学記の副題である。皇室の一員であり、日本文化の研究者でもある。留学で博士課程をとるための悪戦苦闘を綴られている。
46 ちゅんトーク3 初丸うげべそ イースト・プレス 今回はイラストが多いような気がする。
45 句集 羅針盤 滝浪 武 牧羊舎 静岡県現代俳句協会の会長であった滝浪氏の句集である。今年初めに亡くなわれた作者の遺句集である。生前、大会をお手伝いした時の作者の優しいソフトなイメージが感じられた。
44 人悲します恋をして 鈴木真砂女 角川文庫 好きな女性俳人の一人である。気持ちをふわりとある時は強く詠んでいると思った。
43 眠れないほどおもしろい
やばい文豪
板野 博行 王様文庫 この本を読んでいると、文豪と言われる人はまさに「やばい」人たちだった。今でいうとコンプライアンスに問題あり。セクハラ、モラハラだらけである。いい小説を書くためであるとしても余りにも「やばい」面々だったことに、驚いた。
42 決定版
女人源氏物語三
瀬戸内寂聴 集英社文庫 玉鬘から女三の宮までの話。特に紫の上の嫉妬や苦悩をシビアに語られる。
41 眠れないほどおもしろい
古今和歌集
板野 博行 王様文庫 選者の一人の紀貫之がナビゲートする形でつづられる。その時代の空気を感じられた。
40 岡田志乃の百句 辻村 麻乃 ふらんす堂 母と同じ俳人である娘が母の句を読み解く。母が詠む娘のこと、それを娘が読み解く。家族の思い出もつづられている。
39 出家とその弟子 倉田 百三 新潮文庫 学生時代に読んでいると思う。歳を経てじわじわとその話がしみてくる。
38 句集 顔の原理 石井 稔 俳句アトラス 第2句集。プロフィールを見ると私と同じ年齢であった。新しい見方があった。
37 句集 メーデー 柏原日出子 文學の森 第2句集。著者のプロフィールを読むと、私の母と同じの大正15年生まれだそうだ。宮城県在住で、東日本大震災のことを詠まれている。
36 句集 藍 深沢暁子 東京四季出版 「深吉野」の主宰。第4句集。自然体で深い句集と思った。
35 眠れないほどおもしろい
おくのほそ道
板野博行 王様文庫 曽良の目線で「奥の細道」を解説している。その裏話が面白い。
34 続 テルマエ・ロマエU ヤマザキマリ 集英社 今回も日本各地の温泉にタイムスリップ。温泉宿も紹介されている。役行者も登場。ローマの政治事情も深く絡んでいて気になる。
33 橋本多佳子全句集 橋本多佳子 角川ソフィア文庫 橋本多佳子の忌日が父の忌日と同じと知った。先生から読むようにアドバイスされた。しかし、難しくなかなか詠むことができなかった。
32 母の待つ里 浅田次郎 新潮文庫 故郷のない大人、人生に疲れた3人が作られた故郷に帰り、母と過ごして、自分を取り戻していく。去年NHKで放映されたらしいが、見ることがなかった。登場人物に俳優を思い浮かべて読んでみた。映像も見てみたい。
31 プチ哲学 文と絵 佐藤雅彦 中公文庫 テーマをかわいいイラストで分かりやすく解説。
30 ヨイヨワネ
うつぶせ編
ヨシタケシンスケ ちくま文庫 弱音を素直に吐けることは強いことだと思った。共感ばかりである。
29 ヨイヨワネ
あおむけ編
ヨシタケシンスケ ちくま文庫 新作スケッチ集である。弱音を描かれているが、「あるある」「わかる〜」とと共感する。
28 あした死ぬかもよ? ひすいこたろう ディスカヴァー・トゥエンティワン 人生最後の日に笑って死ねる7の質問。という副題がついている。まだ深刻にこだわって生きていないなあと実感する。
27 戦国の新説 谷津矢車 他9名 静岡新聞社 アンソロジーしずおかである。歴史の定説、通説は時にして、新しい文献などが出ると変わる可能性がある。それに肉付けをして10人の作家が紡ぎだす。静岡ゆかりの今川、徳川、武田、北条、井伊のショートストーリーである。
26 しかもフタが無い ヨシタケシンスケ ちくま文庫 作者が絵本作家になるきっかけになったデビュー作。心が疲れた時もクスっとしてしまう。
25 はじめての短歌 穂村 弘 河出文庫 俳句のほか、短歌にも興味を持った。作者の著作は何作か読んだことがある。入門編とあるが、応用編みたいだった。「改悪例」が載っていて、どの部分がダメか書かれている。
24 龍に恋う7 道草家守 富士見L文庫 銀市のルーツを探る旅。半妖編の完結。次回から生贄だった珠の「雨女村編」が始まるらしい。
23 もっと!にゃん! あさのあつこ 祥伝社文庫 「にゃん!」の第二弾。みんなと協力して難題を解決していく。ちょっと脱線や混ぜっ返しが多いので、しつこいように感じた。
22 わらべうた 谷川俊太郎 集英社文庫 声を出して読んでみると面白い。内容は結構ブラックだったり、クスっと笑えたりする。読んでいてリズムを思わずとってしまった。
21 ノボさん
小説
正岡子規と夏目漱石
伊集院 静 講談社 ノボさんとは正岡子規のこと。二人の交流そして子規の一生を描く。子規は病気になる前から、結構わがままな生活をしてきたなあと思った。情熱のために寝食を忘れて作品を作っていた。その生活が体を壊してしまっただろう。
20 殺人事件に
巻き込まれて走っている
場合ではないメロス
五条 紀夫 角川文庫 「赤ずきんちゃん死体と出会う」シリーズのメロスバージョンである。謎解きをしながら、友を助けていく。
19 ショートケーキ 坂木 司 文春文庫 「ショートケーキ」をめぐるオムニバス形式のお話である。ショートケーキは小さな幸せを紡いでいく。この著者の作品はどれも優しい気持ちにさせてくれる。少し不器用な登場人物が悩みつつ頑張っていく姿に共感する。
18 決定版
女人源氏物語二
瀬戸内寂聴 集英社文庫 二巻は朧月夜から初瀬まで。前半部分のヤマ場である。女人の悲しみ、苦悩を感じた。。
17 東京俳句散歩 吉行 和子
冨士 真奈美
知恵の森文庫 東京各地を吟行するという設定である。吟行ガイドは編集部が書き、お二人のエッセイと俳句、対談がある。わたしが若い時やコロナ前に行ったところがいっぱい載っていた。約20年前の本である。今はないところもあるかもしれない。懐かしい東京の様子である。私も詠んでみたいと思った。
16 短歌と俳句の
五十番勝負
穂村 弘
堀本 祐樹
新潮文庫 以前、図書館から借りて読んだのだが、手元に置いてじっくり読もうと思ったので、購入した。いろいろな人からお題をいただき詠んでいくという異種格闘技的な本である。お題も「挿入」とか「謀反」とかその言葉を直接使うことで、作りやすいものでない。読んでいると、自分の想像力が書きたてられた。
15 生き物が老いるということ 稲垣 栄洋 中公新書ラクレ 副題に「死と長寿の進化論」とある。著者の本はとても読みやすい。専門書ではなく一般人でもわかりやすく端的に書かれている文章である。生物学や進化論ではなく、哲学書のような生き方を示唆するような本である。普通の生き物たちは繁殖ができなくなると老いて死を迎える。しかし、そうではなく、繁殖機能がなくなっても生き続けるのは,「ヒト」「シャチ」「ゴンドウクジラ」だけだそうだ。おばあちゃんが子ども(孫)の面倒と見たりする。特にシャチのおばあちゃんは群れの中心にいて司令塔的に活躍する。そして知恵を群れに伝えていくそうだ。
14 新章 神様のカルテ 夏川 草介 小学館 主人公の一止は結婚して、一女をもうけた。そして大学病院勤務になる。大学のしがらみにガイドラインに思うように治療ができないというジレンマ。大学病で研究者であり、臨床医との間に苦労する。患者さんのためを芯にしている。そして、いざというときの言葉が心を打つ。
13 黒猫の小夜曲 知念 実希人 光文社文庫 「死神」シリーズ。この世をさ迷う地縛霊の未練を解決して、霊を天に送る。今度は黒猫になって、事件を解決に導く。前作のゴールデンレトリバーの死神も登場して、協力して解決していく。
12 陰陽師 烏天狗ノ巻 夢枕 獏 文藝春秋 安定の面白さ。いろいろな言い伝えから題材とっている。
11 名探偵じゃなくても 小西 マサテル 宝島社 レビー小体型認知症の祖父が難問題を解決する。その中で主人公の母を殺して、主人公をストーカーしていた男が登場。完全に逮捕解決をする。
10 寂聴つれづれ草子 瀬戸内寂聴 朝日新聞社 1991年に出版されたもので寂聴さんが70歳代に書かれたものである。始め徒然草は面白くなかったと書かれている。その後大人になって読み返すと面白く魅力を感じ、親しみを感じると書いている。徒然草の寂聴風解説書として読むと面白い。
騙る 黒川 博行 文春文庫 古美術業界を舞台に人を欺こうとする。貴重なものに安く買いたたいて儲けようとしたり、安物を売りつけたりする。結構驚かされる作品であった。
アウトロー俳句 北大路 翼 編 河出書房新社 新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」のアンソロジー。歓楽街の住人の本音の言葉が紡がれている。有季定型ではない句が多い。内容は「?!」というのもあるので、刺激的である。
富士山で俳句教室 堀本 祐樹 角川文庫 句友から紹介された本である。亡き主宰の句も載っている。富士山の句の紹介のほか、俳句のイロハも教えてくれる。図書館で借りたが、買って手元に置いて読み返したいと思った。
ことばの歳時記 山本 健吉 角川ソフィア文庫 季節の言葉、季語は日本の風土に根付いた言葉であると再発見できる。季語を使いこなすには、まだまだ難しい。
現代俳句V 島村 正 「現代俳句V発行所」 亡き主宰の最後の本である。エッセイもあり、先達の俳句の紹介、主宰の俳句と圧倒さる本であった。
古池に
飛びこんだのは
なにガエル?
稲垣栄洋 辰巳出版 副題に「短歌と俳句に暮らす生き物の不思議」とある。俳句にも多くの生き物が登場する。昔ほど今は生き物にとって生きづらい世の中なのか。昔も虫など違う虫と誤解されて詠まれていることもある。生態と相反するように詠まれていることもあり、興味深い。
赤ずきん、
アラビアンナイトで死体と出会う。
青柳碧人 双葉社 「赤ずきんちゃんシリーズ」の最新版。アラビアンナイト自体も奇想天外な何でもありの話だが、赤ずきんちゃんと合体させるとより一層ミステリーがパワーアップして展開する。
蔦屋 谷津矢車 文春文庫 今年の大河ドラマの主役蔦屋重三郎。ドラマとは細かいディテールが違うのかもしれない。単行本は10年前に刊行されて、文庫化に当たって改稿されたらしい。
香君4
遥かな道
上橋菜穂子 文春文庫 新しき香君の誕生である。王様も動かして国の仕組みも変えていく。



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