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■映画登場人物の結末
(意外と一回観ただけでは解らないからね。)
このコーナー作成に当たっては、シドニー在住の智恵さんに協力して頂きました。有り難うございました。
☆オリジナル登場人物
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ジャック・ドーソン Jack Dawson | レオナルド・ディカプリオ Leonardo DiCaprio |
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ローズ・デビット・ブケータ Rose DeWitt Bukater | ケイト・ウィンスレット Kate Winslet |
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カルドン(キャル)・ホックリー Cal Hockley | ビリー・ゼーン Billy Zane |
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マードックに渡した賄賂が役に立たないとなると、少女をだしに折り畳み式ボートA号に乗り込む。しかし、迫り来る海水によりボートは沈没寸前。溺れる人を乗せまいとオールで突き落としまくる。その後、ボートが漂流する場面で他人からウイスキーをもらう。 ローズが聞いたうわさ話では、ブラックマンデーでの株大暴落の折りにピストル自殺をしたらしい。 台本では息子達が財産を醜く奪い合うことも書かれている。 |
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ファブリツィオ・デ・ロッシ Fabrizio De Rossi | ダニー・ヌッチ Danny Nucci |
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ジャックと共にアメリカを目指してタイタニックに乗り込んだ友人。 ボートに乗れず、死んだトミーの血塗りの救命帯をはおって冷たい海を泳ぐ、急速に沈没するタイタニックの船窓を突き破って海水が流入する場面で、彼自身も船内に流されそうになるのをこらえる。しかし、ワイヤーが切れて倒れる煙突の下敷きになってしまう。 |
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スパイサー・ラブジョイ Spicer Lovejoy | デビッド・ワーナー David Warner |
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キャルの付き人でジャックを陥れる彼は、船が二つに裂けるときに、顔中血だらけにして手すりにしがみついている。裂けた後もモーションキャプチャー(CG)のちいちゃなラブジョイは裂け目ギリギリのところで必死に手すりに掴まっていたようです。 | ||
ルース・デビット・ブケータ Ruth DeWitt Bukater | フランシス・フィッシャー Frances Fisher |
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ローズの母親。救命ボートに乗る際に「混み合うのはごめんだわ」とのたまう。救命ボート上でタイタニックの沈没を鼻を真っ赤にし、涙目で眺め、ローズを失った(と思い込んでいる)ショックにモーリーにもたれている。 | ||
トミー・ライアン Tommy Ryan | ジェイソン・バレイ Jason Barry |
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ジャックが親子の絵を描く場面で、3等デッキで知り合う友人。残されたわずかな救命ボートへの乗船を巡って、押し合いの中、マードック1等航海士に射殺される。 | ||
ヘルガ・ダール Helga Dahl | カミラ・オーバーバイ・ルースCamilla Overbye Roos |
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「本当のパーティー」でファブリッツオと踊っていた女性です。彼女とは言わないようにしておきます。 3等客集会場で馴れ初めを描いたシーンがカットされているようです。 グランドフィナーレで登場と言うことは死亡したわけですね。 タイタニックの船尾が高く持ち上がった時に、バイルズ神父の近辺で斜めの甲板上に必死に貼り付いていました。 そして、沈没後にロウ航海士が生存者を捜すシーンで、うつぶせになって海に浮かんでいる金髪の編み込みが確認できます。 |
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カートメル親子 Bert Cartwell Cora Cartwell |
ロッキー・テイラー Rocky Taylor アレクサンドラ・オーウェン Alexandrea Owens |
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ジャックが甲板でモデルにしていた少女はコーラ・カートメルといいます。「本当のパーティー」のシーンで、ローズと踊ろうとしたジャックが「本当の彼女は君だよ」と言ってニッコリ微笑み返していましたね。目がくりくりっとした印象的な少女です。父親はバート。 3等客集会場で絵を見せる心温まるシーンがカットされています。 グランドフィナーレで登場と言うことは死亡したようです。 コーラちゃんの抱いていた人形の顔の部分が、冒頭の潜水艇探索シーンに出てきたのは彼女の死を象徴しています。 実はゲートに阻まれて父と共に溺れて絶命するシーンも撮影されましたが、残酷すぎるとのことでカットされました。 |
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オラウスとビョルンのグンデルセン従兄弟 |
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ジャックとファブリッツオと同室のスウェーデン人。実際にタイタニックにはオラウス・アベルセスというスウェーデン人で26歳の青年も乗っていた。 | ||
アイルランド系親子 Irish Mommy Irish Little Boy Irish Little Girl |
ジェニット・ゴールドスタイン Jenette Goldstein リース・P・トンプソン Reece P. Thompson III ララミー・ランディス Laramie Landis |
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そばかすだらけの母親と兄妹、数回登場しました。避難をあきらめて、ティアナン王国のおとぎ話をして子供を寝かしつけているラストがあります。3等ゲート前の立ち往生しているシーンで、「1等・2等の人たちの避難が終わったら、私たちの番よ」と言ったのに悲しいシーンでした。 白クマポーラーベアーを抱いて寝ているのは監督のお遊びです。 |
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キャルがだしに使った少女 Cal's Crying Girl | Alison Waddell・Amber Waddell |
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キャル・ホックリーが救命ボートに乗るために「この子には自分しかいないんだ」とだしに使った少女がエンディングタイトルで二人分名前が出てきます。双子の姉妹か何かでしょうか?顔が若干違いますね。 救いを待つ折り畳み式ボートA号上で、キャルの後ろに女性に抱えられているところが解ります。 |
人名 | 人物の説明 | 映画では | 実際は | 生死〜ボート名 |
J・ブルース・イズメイ J. Bruce Ismay as Jonathan Hyde |
タイタニック号の船主ホワイト・スター・ライン社の社長。 | 女性・子供がひとまず救命ボートに乗り終えたのをよいことに、まんまとそのボートに乗り込んで助かる。 | 左記同様 | 折り畳み式 ボートC号 |
トーマス・アンドリュース Thomas Andrews as Victor Garber |
タイタニック号を造船したハーランド・アンド・ウルフ社の主任設計者 | 船と運命を共にしようと喫煙室で時計と絵を見ながらその時を待つ。「もっと頑丈な船を造ればよかった」は印象的なセリフ。 | 最後まで多くの乗客を救おうと活動を行う。最後は喫煙室に立ちつくしているところを多くの人に目撃されている。 | 死亡 |
楽士団 | ウォレス・ハートリー率いる8人の楽団、映画で最後まで演奏したのは5人だった。 ウォレスはモーリタニア号から引き抜かれた。 |
最後まで演奏を続けた彼らは後に英雄視された。 | 全員死亡 | |
トーマス・L・バイルズ神父 Father Byles as James Lancaster |
船尾の端で集まった100名ほどの二・三等の船客の告白を聞き、罪の許しを与える。 | 映画と同様 | 死亡 | |
パン焼き主任ジョーギン Chief Baker Joughin as Liam Tuohy |
傾くタイタニックを駆け昇っていくときに倒れたローズを「大丈夫ですか?」と助け起こす方です。 | 後尾手摺りに掴まってウイスキーを飲んでいました。沈没後ボートまで泳ぎ着く。まるでスーパーマンのような方です。ウイスキーで体が温まったのも幸いしました。 | 映画同様に後尾甲板から海に投げ出され、救命ボートへと乗り移っています。その際、頭さえも濡らさなかったそうです。 | 転覆した折り畳み式ボートB号→12号艇で生還 |
☆実在した人物クルー編
人名 | 人物の説明 | 映画では | 実際は | 生死〜ボート名 |
エドワード・ジョン・スミス Captain E.J. Smith as Bernard Hill |
タイタニック号船長。この航海ののち引退と言われていたが、定かではない。 | 茫然自失状態の彼は操舵室に入り込む。やがて周囲はガラスを覆う海水に包まれ、ついには水圧に耐えきれなくなり海水にのまれる。 | 救命ボートまで船長が泳いできたが「私は船と運命を共にする」と引き返していったという証言も複数あるし、自殺したという説もある。 デッキから飛び込む姿を目撃した人もいるわけなので、少なくとも最期は操舵室ではなさそうです。 |
死亡 |
ヘンリー・ティングル・ワイルド Chief Officer Wilde as Mark Lindsay Chapman |
航海士長 | 太い声で救命ボートでの避難誘導をおこないます。沈没後にジャックとローズの傍らでホイッスルを吹いている人です。何マイルも音が水面を走るホイッスルで助けを求めますが凍死します。 | 海上で凍死 | |
ウイリアム・マクマスター・マードック 1st Officer Murdoch as Ewan Stewart |
1等航海士 本来は航海士長のはずだったが、ワイルドが航海士長になったため、格下げで乗り込んだ。 |
キャルから賄賂を受け取り、乗客を弾みで射殺したあと自殺する悪役として描かれている。 | 彼の地元の町ダルビーディー選出の下院議員モーガン氏が事実無根を明らかにした結果、製作者が謝罪を表明、地元の基金に5000ポンドを寄付しています。自殺の原因は見張り役の警告をはじめの頃無視した事に責任を感じたらしいです。 | 事実もピストル自殺らしい。 |
チャールズ・ハーバート・ライトラー 2nd Officer Lightoller as Jonathan Phillips |
二等航海士 寸前まで賢明の避難誘導をしていたこの方、すごい演技でした。 |
救命ボートへの乗船は常に「女性・子供優先」を前提にしていた。ひっくり返った救命ボートの船尾側につかまり一命を取り留めています。 | 彼はこの時の海水が「数千本のナイフが体に突き刺さったよう」と形容している。(ジャックのセリフがそうでしたね) | 転覆した折り畳み式ボートB号→12号艇で生還 |
ハーバート・ジョン・ピットマン 3rd Officer :Herbert John Pitman |
3等航海士 | 彼は、早い時期に降ろされた救命ボート5号に、そのボートの責任者として乗り込みます。 | 溺れる人を助けるためボートを向かわせようとしますが、船客の反対にあい諦める。 | 救命ボート5 号にて生還 |
ジョセフ・グローブ・ボックスホール 4th Officer Joseph Grove Boxhall as Simon Crane |
4等航海士 | 救助信号を船長に命じられて、打ち上げていました。 | 上記5号ボートと同様。 | 救命ボート2号にて生還 |
ハロルド・ゴッドフリー・ロウ 5th Officer Lowe as Ioan Gruffudd |
5等航海士 かなり気性のあらく、口の悪い方だったそうです。 |
沈没後、自分の乗る第14救命ボートをボート10、12と折りたたみ式ボートDを合わせて、14ボートの乗員を他のボートに移す。そして救命ボートの中で唯一、漂流している人たちを助けに向かいます。 | 左記同様 | 第14救命ボートにて生還 |
ジェームス・ポール・ムーディー 6th Officer James Paul Moody as Edward Fletcher |
6等航海士 | 衝突時カップをもって、見張りからの電話を受けている人です。ジャックとファブリツィオの乗船時に入り口にいたキュートな彼です。 | 衝突時に一等航海士マードックとともに当直に当たっていました。最後まで、乗客の避難誘導をするが死亡。 | 死亡 |
ベル Chief Engineer Bell Terry Forrestal |
機関士長 | 衝突時に機関室でスープをあたためていたひげを生やしたおじさん。 | 死亡 | |
ロバート・ヒチンズ Quartermaster Hichens as Paul Brightwell |
操舵手 | 氷山衝突時に舵を取っていた。ギラギラした目が印象的。 救命ボートでモーリー・ブラウンにむかって「黙らないと、もう一つ席が空くことになるぞ」と脅した。 |
溺れる人を助けようという勇敢な女性が多い6号ボートだったが、彼が強固に反対した。実に横柄な性格。のちにこのボートは女性達により5〜6キロ移動する。 | 6号ボートに て生還 |
ハロルド・ブライト Harold Bride as Craig Kelly |
二等通信士 | 船長にカルパチア号の到着が4時間後になると報告したキリッとした人です。 | 沈没10分前に船長から「自分の為に生きよ」と言われ避難を始める。押し寄せる波にのまれ、気付いた時にはひくり返った折畳み式B号ボートの下の空気だまりで息を付く。彼は後に40分以上そのままだったと証言していますが零下2度の水温なので錯覚でしょう。その後ボートに助けられます。 | 転覆した折り畳み式ボートB号→12号艇で生還 |
ジョン・ジャック・フィリップス Jack Phillips as Gregory Cooke |
一等通信士 | 無線室で実際にCQD信号を打っていた人です。 | 船長が任を解いても、通信をギリギリまで打ち続けていた。やがてブライト通信士と別れ、後部甲板に向かう。一旦ボートに乗り込みますが、ボート上で凍死してしまいます。 | ボート上で凍 死 |
フレデリック・フリート Frederick Fleet as Scott G. Anderson |
氷山を発見した時の見張り番。 | 氷の匂いが解ると言った方です。 | 生還 | |
レジナルド・リー Lookout Lee as Martin East |
氷山を発見した時の見張り番。 | フリートとともに見張り番をしていた彼もたすかっています。 | 生還 | |
フレデリック・バレット Leading Stoker Barrett as Derek Lea |
火夫長 | 2人がボイラー室で「お前らなにやってる」と言われた怖いおじさん。カルパチア号の甲板でキャルが階段を降りてくる脇で煙草を吸っています。 | 14号ボートの指揮を執ります。 | 13号ボートで生還 |
船員につきましては現在、act16 人名辞典を製作中。そちらも参考にして下さい。
☆実在した人物パッセンジャー編
●ベンジャミン・グッゲンハイム
船が沈みかけ、もはや救命ボートにも乗れないと覚悟した彼は救命胴衣を脱ぎ、夜会服に着替えて紳士らしく死を迎える。映画ではラウンジでイスに座ってブランデーを飲んで、召使いと共にいました。水に飲み込まれていく人々を、眼をまん丸にして見つめている姿が印象的。
実際は残された写真はもう少し若くてツルンとした顔立ちのプレイボーイ。愛人のレオンティーヌ・ポリーヌ・オペールと乗船する。マダム・オペールは生還する。
●ジョン・ジェイコブ・アスター大佐
シェルブールから乗り込む乗客一の金持ち。ニューヨーク・マンハッタンの土地のほとんどを所有していたらしい。若妻マデリンのみ救命ボートに乗せ、自分は船と運命を共にする。映画では大階段の天井ドームが割れるときにその場にいた。
スミス船長から氷山と接触した報告を聞かされると、「氷を持ってきてくれと頼んだが、これはまた滑稽だ」と皮肉ったという。
実際は、生還をあきらめた彼は、閉じこめた檻を開放して甲板上を飛び回る犬と共にいた。その場面をマデリーンは目撃している。
●マデリーン・アスター
アスター大佐の身重の若妻マデリン(18歳)。救命ボートに乗り助かる。
映画では夕食会のシーンでジャックに目配せをしている。
●マーガレット・ブラウン(モリー・ブラウン)
映画通り気丈な彼女は救命ボートで指揮を執り、海上に浮かぶ人たちを救いに行こうとする。後世「浮沈のモーリー・ブラウン」といわれる。彼女はこの事件後に名実共に社交界にデビューできるようになる。
2001/9/16追記:
元々はミズーリー州のまずしい家に生まれ、リードヴァル・ジョニー・ブラウン氏と結婚する。やがてリードヴァル氏は金鉱探しによって大金持ちとなる。デンバーの社交界はモーリーを成り上がりものとして扱ったため、ヨーロッパの社交界で磨きをかける。そして、単身アメリカに戻った夫を追いかけて乗ったのがタイタニック号だった。
救命ボート6号に乗ったモーリーは、船員たちを尻目に女性を励ましつつも指揮をとって、希望を求めてボートを4〜5キロ移動させたといいます。
その後のモーリーは英雄視され、デンバーの社交界でも認められ、夫とも再会します。
このモーリーを取り上げた「不沈のモーリー・ブラウン」というブロードウェイ・ミュージカルが、タミー・グライミズ主演で公開されました。なお、MGMでもデビー・レイノルズ主演で映画化された様ですが、ビデオ化はされていません。
●イジドア・ストラウスとアイダ・ストラウス夫妻
一度は救命ボートに乗った婦人だが、舟を下り夫と行動を共にする。映画では二人で部屋に戻りベッドで震えながらその時を待った。
●ロテス伯爵夫人
ローズの母ルースやモーリーとともに場面に登場していたロテス伯爵夫人。彼女は6号ボートで舵取りをしていた。彼女の指揮の元、多くの夫人や侍女がオールを漕いでいたそうです。彼女の行動はボートのどの男性よりも男らしく、そのボートの乗組員のジョーンズは救命ボートのナンバーを外し彼女に進呈しています。逆に伯爵夫人は彼にクリスマスカードを欠かさずに送っていたそうです。
●アーチーボルト・グレイシー大佐
船尾で逮捕されたジャックの疑いが晴れたとき、「命の恩人だ、喫茶室でブランデーを」と言った方です。彼は救命ボートに乗るのを諦めましたが、海に飛び込んだのち、転覆した折り畳み式ボートB号にたどり着き助かっています。その後、体験談の手記を出版させようとするが、見ることも出来ず、タイタニックの沈没後8ヶ月でこの世を去っています。冷たい海に長い間浸かっていたのが原因で、肋膜炎になったからです。
●コズモ・ダフ・ゴードン卿
イギリスの伯爵。救命ボートでは、溺れている者を助けないように言ったとか?ボートに同乗していた人たちにそれぞれお金を渡したり贈り物を後日贈る約束をしたのは口封じのためか? 生還
●コズモ伯爵夫人
上流階級のご婦人達のご用達の危ない下着をデザイン?の服飾デザイナー。夫と共にボートに乗り助かる。
このボートには救助のために引き返す事に反対のものはいなかったのに、「ボートが転覆するから」と強固に反対した。
映画「タイタニック」公開後に明らかになった事実
ブームも去ったが、タイタニック遺留品の引き上げ作業は続けられている。そこで明らかになった事実があります。
引き上げ作業によって三等船客の衣服のポケットから電報が発見されました。そうして解った事実が以下の通りです。
イギリス人の男性が、アメリカから移民の手続きのため妻を置いて単身イギリスへ渡っていた。彼は妻から「妊娠しています。早く帰ってきて」という電報を受け取り、急ぎタイタニックに乗船します。
しかし、彼は海に沈んで帰らぬ人となるのですが、残された妻は自分を捨てたと判断します。やがて、女の子を出産しますが、彼女にも父親についての恨みを伝えていきます。
そして、この女の子が84歳の時、養老院でこの事実を知り、ひとり涙を流したといいます。
強運な方々
☆その1:一等の客室係アニー・ロビンソン
タイタニック号一等の客室係アニー・ロビンソンは、カナダのレイク・シャンプレーン号の客室係としても乗り込んでいたが、同号は1907年に氷山に衝突して沈没。どちらも命拾いしている。
アンドリュースが避難誘導を命じたのは若いルーシーでしたよね。
☆その2:ヴァイオレット・ジェソップ
タイタニック号で救われ、のちに乗ったブリタニック号でも同じく沈没の憂き目にあうが助かる。
☆その3:フィリップ・アクス
三等船客だったリー・アクスはまだ1才の赤ん坊フィリップを抱えたまま、人波に押されながら救命ボートに乗る順番を待った。ところがフィリップはパニックになった男に奪われ海に投げ込まれてしまう。救命ボートに乗るものの我が子の生存をあきらめていたリーだったが、救助に来たカルパチア号の船上で再会する。男が投げ込んで落ちた先は、海ではなく降ろされかけていた救命ボートの上だったのだ、これでいいのだ。
最もドラマチックだった折り畳み式ボートB号
左舷B号エンゲルハルト製(折り畳み式)ボートは高級船員室の屋根からデッキに下ろそうとする際にひっくり返ってしまう。デッキを洗うように迫る海面により、強引に沈むタイタニックから切り離される。
転覆したままのB号ボートの腹の上に乗る者としがみつく者数名
まもなく倒れる大煙突が起こす波はこのB号ボートと、半ばまで浸水したA号エンゲルハルトボートを遠く押し流してしまう。
それから20分後、ボートの上には12〜13名が半死半生の状態で横たわっていた。
<ライトラー>
タイタニック号2等航海士ライトラーは、乗客の救助活動が救命ボートが無くなると同時に、いつまでも船に残っていても助からないと海に飛び込む。しかし、煙突の通風口に流れ込む海水に流されて、海中でその金網にへばり付けられる。しかし、今度は逆に吹き出してきた海水に押し出されて、水面に浮かび上がる。そこには折り畳み式ボートB号がありしがみつく。映画でも同じように倒れてきた煙突が間一髪でかすめる。
<ハロルド・ブライド>
ボートの下に気絶状態でいた無電士のハロルド・ブライドはようやく気が付きボート上にはい上がる。その時は、海上に漂う者達も加わってボート上は30名に達していた。
<チャールズ・ジョーキン>
タイタニックに最後まで居たパン焼き主任のチャールズ・ジョーキンもこのボートに泳ぎ着く。しかし、この時既に竜骨には人が一杯で登ることが出来なかった。だが厨房の友人ジョン・メイナードに救われボート上に乗ることが出来る。
<アーチーボルト・グレイシー大佐>
おおよそ、沈みゆくタイタニックから最後に脱出した人物。沈没時に海中に3分ほどいたと言うが定かではない。彼もボートに泳ぎ着き奇跡的に助かることが出来る。
<ジャック・セイヤー>
ジョン・B・セイヤー氏はフィラデルフィア・ペンシルベニア鉄道第二副社長で、その父と母とで乗船していた17歳の青年がジャック・セイヤー。彼はロング判事の子息ミルトン・C・ロングとともに海面に飛び込むまで行動をともにする。そしてロングはそれっきり姿を現さなかった。対するセイヤー青年はボートに泳ぎ着く。
船体の下から空気が漏れるとボートは少しずつ沈んでいった。少し大きな波が来る度に竜骨を洗う。これを防ぐため、2等航海士のライトラーは船上の者達に波に対応した移動を命ずる。
それでも凍りつくような波がすねやひざを洗う。1時間もこれを続けると体力が保たなくなってくる。すでに力つきて10人ほどが海に落ちている。
暁の中にカルパチア号を認めるが、6キロも先に停まっているため素直に喜べなかった。到着するまで保ちそうもなかったからである。しかし12号艇が救助に来てくれた。ひとりひとり船を揺らさないように12号艇に乗り移る。
ライトラーは最後まで残り、一つの遺体を手渡して自分もようやく乗り移る。
こうして12号艇はカルパチア号にこぎ出したのはタイタニックが沈没してから4時間後の6時半になっていた。
生還したタイタニック航海士のその後
●ライトラー2等航海士
1920年代前半に船から下りたが、生涯冒険への情熱を燃やし続けた。1940年には所有するサウンダウナー号でダンケルクへ向かい、ドイツ空軍の空爆と銃撃をかいくぐって131名のイギリス兵を助けている。1952年死亡。
●ピットマン3等航海士
視力低下のため見張りが出来なくなり、同社のパーサー部門に配置替えをする。オリンピック号にも乗船し、事故後も35年間勤める。引退後1961年12月に亡くなる。
●ボックスホール4等航海士
1930年キューナード社のアキタニア号の一等航海士を最後に船を下りる。1963年に死亡するが、彼の遺言どおりタイタニック号の沈没現場に遺灰がまかれた。
●ロウ5等航海士
第一次世界大戦でイギリス海軍に仕えた後下船する。故郷のウェールズに引退し、1944年に死亡。