タイタニック号船長&航海士 全7人

エドワード・ジョン・スミス Captain E.J. Smith as Bernard Hill

船長
死亡
映画:茫然自失状態の彼は操舵室に入り込む。やがて周囲はガラスを覆う海水に包まれ、ついには水圧に耐えきれなくなり海水にのまれる。
タイタニック号船長。恰幅がよく長身で顎髭を蓄えて、一般にはE・Jと親しみを込めて呼ばれていた。
1850年、イギリス中西部スタッフォードシャー州ハンリーで誕生。12歳の時から横帆艤装船にキャビンボーイとして乗り込み修行を積む。船長の免許をとると27歳でホワイトスターライン社に入社。
威厳と人柄で乗客の人気者となり、スミス船長乗務の船でしか大西洋を渡らないと心に決めている人までいたという。ホワイトスターライン社はそのせいか、マジェスティック号・アドリアティック号・オリンピック号等常に最新鋭船を歴任させた。この航海ののち引退と言われていたが、定かではない。
船長もピストル自殺の噂があるが、ハロルド・ブライド通信士他が沈みゆくブリッジの上で彼を見ているし、海中に沈みつつ苦闘している姿も見たという。救命ボートまで船長が泳いできたが「私は船と運命を共にする」と引き返していったという証言も複数ある。デッキから飛び込む姿を目撃した人もいるわけなので、少なくとも最期は操舵室ではなさそう。

ヘンリー・ティングル・ワイルド
Chief Officer Wilde as Mark Lindsay Chapman

航海士長
死亡
映画:太い声で救命ボートでの避難誘導をおこないます。沈没後にジャックとローズの傍らでデッキチェアに掴まりホイッスルを吹いている人です。何マイルも音が水面を走るホイッスルで助けを求めますが凍死してしまいます。
普段はオリンピック号に乗り込んでいたが、彼の経験がタイタニックの処女航海で生きるとホワイトスターライン社が判断し、航海士長として急遽タイタニックに乗船する。1時40分頃、左舷に傾いていた本船の平衡を保つために、甲板の全員右舷への移動を命じる。

ウイリアム・マクマスター・マードック
1st Officer Murdoch as Ewan Stewart

一等航海士
死亡
映画:キャルから賄賂を受け取り、乗客を弾みで射殺したあと自殺する悪役として描かれている。
本来は航海士長のはずだったが、ワイルドが航海士長になったため、次席一等航海士として格下げで乗り込んだ。
彼の地元の町ダルビーディー選出の下院議員モーガン氏が事実無根を明らかにした結果、製作者が謝罪を表明、地元の基金に5000ポンドを寄付しています。自殺の原因は見張り役の警告をはじめの頃無視した事に責任を感じたらしいです。

チャールズ・ハーバート・ライトラー
2nd Officer Lightoller as Jonathan Phillips

二等航海士
転覆したエンゲルハルト・ボートB号→12号で生還
映画:避難誘導時に空砲で乗客を統制していた。アンドリュースの抗議に目をむいて言い訳していて依怙地な人物に描かれていた。
長身で陽に焼けハンサム。耳に心地よい低い声で話す。
子供の頃からオーストラリア航路の快走帆船で海に出ていた。その後23歳までスリースカイスル快走帆船の二等航海士を努め、船長の免状も持っていた。ホワイトスターライン社に入社後はブール戦争での手柄で北大西洋航路に配置替えとなる。マジェスティック号とオセアニック号で一等航海士を勤めてから転属となる。
警戒を10時にマードックと交替し、航海士室で休んでいるところで衝突にあう。ボックスホールの連絡により、救助作業を開始する。
左舷を担当していた彼は、救命ボートへの乗船は常に「女性・子供優先」を前提にしていた。救命ボートは当初ダビットやロープが乗客の重さに耐えられるかどうか不安だったので満杯に出来なかった。そのかわり下部の舷門からも人を乗せるつもりだったらしい。
沈没間際まで乗客の避難誘導をしたあと、船尾に避難することは致命的と判断し、ブリッジ最前部から真っさかさまに海に飛び込む。煙突の通風口に流れ込む水流に巻き込まれ水中の金網にたたきつけられるが、熱風により再び海上に吹き上げられると、ひっくり返った救命ボートの船尾側につかまり一命を取り留めています。彼はこの時の海水が「数千本のナイフが体に突き刺さったよう」と形容している。
映画「SOS!タイタニック」では主人公となっている。
1920年代前半に船から下りたが、生涯冒険への情熱を燃やし続けた。1940年には所有するサウンダウナー号でダンケルクへ向かい、ドイツ空軍の空爆と銃撃をかいくぐって131名のイギリス兵を助けている。1952年死亡。

ハーバート・ジョン・ピットマン 
3rd Officer Herbert John Pitman

三等航海士
救命ボート5号にて生還
映画には登場しません。
5号ボートを降ろすのを手伝い、婦人客の姿を見かけなくなると、数名の男性の乗船も許した。この時イズメイ氏がせかしてきたが、彼がイズメイだとは知らなかった。しかし、もしやと思いスミス船長に訊ねた。早い時期に降ろされた救命ボート5号に、そのボートの責任者としてマードック航海士に命令されて乗り込む。タイタニック号沈没の最後までを100ヤード離れた地点で見届けている。そして、溺れる人を助けるためボートを向かわせようとするものの、船客の反対にあい諦めた。
後年は視力低下のため見張りが出来なくなり、同社のパーサー部門に配置替えをする。オリンピック号にも乗船し、事故後も35年間勤める。引退後1961年12月に亡くなる。

ジョセフ・グローブ・ボックスホール
4th Officer Joseph Grove Boxhall as Simon Crane

四等航海士
2号ボートで生還
映画:キャルが操舵室を右舷から左舷に横断しようとするときに、「ここは通れません」と言った後ろ姿の人でしょうか?
操舵室で事態の急を知った彼は船長に報告。郵便室を調べ、船の位置を割り出すために海図をチェックし、救助船を求めるべく通信士に渡す。非番のライトラー二等航海士に「氷山にぶつかり、水は郵便室のFデッキまで来ている」と連絡しに行く。そののち救助信号を船長に命じられて、打ち上げていました。
救命ボートにはビスケットの箱と間違えてのろしを運び込む。これを打ち上げたため、カルパチア号が2号ボートを真っ先に助けた。
1930年キューナード社のアキタニア号の一等航海士を最後に船を下りる。1963年に死亡するが、彼の遺言どおりタイタニック号の沈没現場に遺灰がまかれた。

ハロルド・ゴッドフリー・ロウ
5th Officer Lowe as Ioan Gruffudd

五等航海士
14号ボートで生還
映画:海に降ろされようとする救命ボート上で外側に向けて威嚇の発砲をします。また、沈没後自分の乗る第14号救命ボートをボート10、12と折りたたみ式ボートDを合わせて、14号ボートの乗員を他のボートに移す。そして救命ボートの中で唯一、漂流している人たちを助けに向かいます。
気性があらく、口の悪い方だったそうです。救命ボートへの避難作業を手伝うイズメイを何度か叱責しています。
救命ボートでは他のボートと離れて、漂流物の間を縫うように漕いで、4人ほどを救い上げます(1名はその後死亡)。
ウェールズ出身、14歳の時に父親がリバプールの商人に従弟奉公に出そうとしたが断る。そののち、スクーナー船乗り、横帆船乗り、アフリカ西海岸に向けた便の船員を5年間経験した。タイタニック乗船時は28歳。
第一次世界大戦でイギリス海軍に仕えた後下船する。故郷のウェールズに引退し、1944年に死亡。

ジェームス・ポール・ムーディー
6th Officer James Paul Moody as Edward Fletcher

六等航海士
死亡
映画:衝突時カップをもって、見張りからの電話を受けている人です。ジャックとファブリツィオの乗船時に、入り口で検疫を受けたかどうか聞いた目のクリッとした人です。衝突時に持っていたティーカップの紅茶をマードックにこぼされた後、根性で(?)ティーカップを持ち続けています。
衝突時に一等航海士マードックとともに当直に当たっていました。最後まで、乗客の避難誘導をするが死亡。