その1にもどる ぶみの箱へもどる

あの時のあの思い、記憶に、そして記録に留めたい。だから書くことにしました。


  ぶみのぶんちゃん物語 2 
〜瞳を閉じれば二人だけの世界〜
『殉情』
1+1=2 というのは当たり前。まして、同じ組にすっごく好きな生徒さんが二人いたりすると、 一人の生徒さんを観れる時間が半分になってしまって、ちょっと厄介。 ぐんちゃん(月影瞳)の星組への組替えで、最初は私もそうでした。 でも、きっかけは『殉情』。この作品のお陰で、1+1が3にも4にもなったのです。

『殉情』 (震災の為中止 1995年2月バウホール公演予定)
 祝☆バウ初主役、となるはずでした。しかし1月に起こった震災の影響で公演は中止。 震災の時も、お稽古期間中で、メンバーはみんな宝塚にいるはずだからと、とても心配しました。 公演が中止、というショックよりも、皆が無事であったことの方に、とても感謝していました。 同年5月に、無事公演は行われ、さらに翌年、東京でも行われたので、本当によかったのですが、 そのまま流れていたら、私の人生も、今とすこしかわっていたかもしれません。 そのくらい、もう、何年もたった今でも、とても大切な公演の一つです。

『国境のない地図』 1995年4月大劇場公演
 震災から復活した宝塚大劇場の1作目。そしてマリコさんのトップお披露目という、めでたい作品でした。 ムラまでの道すがら、震災の爪あとを各地に見て、胸が痛かったり、 がらがらの2階席に(1階後ろも?)涙したりもしましたが。 ぶんちゃんの役は、マリコさん演じるピアニストへルマンを追っかける、新聞記者。 各国の記者や、レポーターが登場しましたが、ぶんちゃんはフランス人。 この記者集団は、音楽と共に現れ、歌って踊ってレポートしてを劇中繰り返してました(笑)。 もちろん、公の場でのヘルマンを見守っているところもありましたが、 やっぱりどうしても、歌って踊っている印象の方が強いです。
 お芝居のラストにくっついてくるフィナーレが、とても豪華で、 やはり星組公演にはショーがなくっちゃいけないわ。と、星組の魅力のありかたを再認識しました。 お芝居の幕が降りると、下手花道にノルさんがせりあがり、主題歌で銀橋を行き、 ロケット、群舞、デュエット、パレード、というこのパターンは、 以後『エリザべート』で、当たり前のように使われますが(確か『ダルレーク』もそう) 元はこの『国境〜』なんですよね。 もう、せりあがって来て♪私は〜夢みる〜と歌いだしたノルさんのかっこいいことといったら、それはそれは。 はっ!今は、ぶんちゃんの事を述べる時でした・・・ 大階段の“トッカータとフーガ”での群舞は、さすが星組〜!と、鼻血物でしたが、 ミナコちゃんとぶんちゃんの並びは本当に絶品で、 三角形の頂点部分のマリコさんはそっちのけで(すみません、マリコさん) 後ろの二人にクギヅケになってました。 やっぱり星組はショーよね〜。

『殉情』 1995年5〜6月バウホール公演
 *****書き出したら止まらない、終わらない・・・  管理人の裁量で、一時撤収(笑)後日公開、予定、多分。いや、絶対!!!

『国境のない地図』 1995年7月東宝公演
 そうそう、大劇場に続き、結構、たくさん、何回も、観たこの公演。 あまりに回数が多くて(2回公演常識だったから…)になると、 になっちゃったりも多くて(笑)。 それに3階席(懐かしい〜)で観てるから、だしね。 なんで、そんなに何回も観たのか、東宝の欄になって思い出しました。 理由は簡単。2幕頭のリドのシーンが目的でした! ここだけは、ぐんちゃんもそっちのけで、真ん中の美しいおねえさんにかかりきり・・・ ぶんちゃんのリドのダンサー、綺麗でした〜毎回、よだれをたらして観ておりました〜 あのシーンは、ぶんちゃん85%、ぐんちゃん8%、ともみさん3%、わたるさん2%、その他2%かな? 3人の中で、一番足がとか言われようと、なんだろうと、私はぶんちゃんが大好きよ〜〜〜
 上で少し触れてますが、1幕幕開きのマリコさんの美しいピアノにこころトキメキ、 ちっちゃいソフィ(ぐんちゃん)をオペラで観察し、レポーターの登場と共にイスに座りなおし、 2幕幕開けで変態になり、2幕ラストに号泣し、フィナーレに集中し、エトワール(ぐんちゃん)にドキドキし、 ラインナップでぶんぐんの並びをオペラに収める。 これが、私の『国境のない地図』でした。(いいのか、それで・・・?) 

『剣と恋と虹と』『ジュビレーション!』 1995年9月大劇場公演
 「私と伯爵とどっちが大事なの?あなた、本当に私を愛しているの?」 「愛しているよ〜コンスタン。」 と、一生、一人芝居ができそうな(?)私にとっては超ゴキゲンな配役でした。 なんといっても、大好きなぶんちゃんが、大好きなぐんちゃんのフィアンセなのですから〜〜〜 でも、個人的にはフィアンセのマルセルという人物は、あまり好きではありませんでした。 どうして「エドモンが気になる」と、あんなに可愛い婚約者をおいて、勝ち目のない戦いに行ってしまうのでしょう! そうなると、すべてが気にいらなく思えてきて(愛ゆえに…) 戦場のシーンで「突撃〜」と言ってるくせに、とつげかないのはナゼ?とか、 ラストシーンの衣裳がすごく変で似合わない。 フランス貴族の衣裳というより、どちらかというとラテン系で、 あんな衣裳で出てくるくらいなら、いっそ戦場で死んでしまったほうがよかった! とまで、言い出すしまつ。婚約者ゆえに。愛ゆえに… そして、 愛しいコンスタンとは、その後どうなったのでしょう。 私がコンスタンなら、とっくにアラン(ともみさん)と結婚してるわ!(だって、クールでかっこいいんだもん)
 ショー『ジュビレーション!』は、今でも私の大好きなショーの上位に入るものです。 仲良しのみなこちゃんとの兄弟のシーン、チャンネル戦争も、 素に戻ってるみたいで、二人ともすごくかわいかったし。 (因みにこの兄弟の両親、ノルパパとぐんママも最高!) フィナーレの3組のダンスでは、チヨさん(朋)と組んでいて、 リフトのときに、「よいしょっ」って顔で持ち上げていたのが、 失礼ながら(笑)印象的〜! みなこちゃんの歌声に酔いしれて、ノルぐんコンビも観なきゃならなくて、とっても大変でした。

『Action!』 1995年12月ドラマシティ公演
 12月の公演は、雪に閉ざされる新幹線との戦いで、この時も、いやというほど、それを思い知らされました。 余裕をもって、乗ったはずの新幹線が、止まりこそしなかったものの、 1時間半くらいの遅れで、新大阪に到着し、そこからタクシーでダッシュ。 ドラマシティには初めて行ったので、やはりタクシーが正解でした。 階段を転がるように降りて、客席に座ったと同時に開演。 幕開き、歌うマリコさんの後ろに、浮かぶシルエット。 男役さんと娘役さんなので、ノルさんとあやちゃんだと思っていたら、大間違い! ぶんちゃんとぐんちゃんでした。 瞬時にパニックの私。もう、なにを観たらいいのか、どうしたらいいのか。 と、している間に、二人、引っ込んじゃいました。 そんな、波乱にとんだ幕開けでした。
 1幕は3話のオムニバス形式。ぶんちゃんの登場は3話目。 かわいいハイスクールの生徒会長・ジミーくんでした。 黒ぶちのめがねをかけた、ちょっと気の弱いけど、めちゃめちゃチャーミング! そして、恋人のベティちゃんがいて。 またまたのぶんぐんコンビに、ワタクシ大喜び!!!(ホント、おめでたいわ〜) 惚れっぽいベティちゃんに、ジミーぐんは、ハラハラぎみ。 いろいろありましたが、最終的には、ベティちゃんの肩を抱いて、 ベンチに寄り添って座り、クリスマスソングを歌う、という、 本当に、私の為の様なツーショットでこのカップルは終わるのです(笑) 劇中、大変笑わせていただいて、二人はラブラブだし、本当に幸せでした〜
 2幕はショー。ここでも、ほとんどぐんちゃんと組んでいました。 ぶんちゃんが芯で、サイドにワタルさん・ぐんちゃんという並びは、 私に遠い夢を見せてくれているようでした・・・(遠い目…) 一番好きだったのは、ブラウンの衣裳でぐんちゃんと歌う曲。 とっても難しくって、最初全然歌えなくって、 ミナコちゃんにお稽古つけてもらったと、MCでお話されてました。
 ちょうどクリスマスシーズンの作品で、そのカラーを多く取り入れたものでしたが、 私が観たのは、クリスマス明けての26日。 でも、最高のクリスマスプレゼントになりました。

『殉情』 1996年2月青年館公演
 *****続・書き出したら止まらない、終わらない・・・  バウの方でも、語ることだらけ。まして青年館には、思い出多すぎ。 近日公開予定。でも、近日って、いつ?

『剣と恋と虹と』『ジュビレーション!』 1996年3月東宝公演
 そして、相変わらず、私の一人芝居が続く・・・ 「私と伯爵とどっちが大事なの?あなた、本当に私を愛しているの?」 「愛しているよ〜コンスタン。」 この、愛しているよ〜の、よ〜の部分が、なんだか妙に訛っていて(失礼)かわいかったの〜(放っておいてやってください)
 ぶんちゃんにとっては、仲良しのみなこちゃんのさよなら公演ということで、 多分、毎日毎日、精一杯に舞台を踏まれていたことでしょう。 WOWOWのスターの小部屋でちょこっと放送した千秋楽の様子では、 チャンネル戦争で、みなこちゃんに、ぎゅ〜っと抱きついている様子が映ってました。

『二人だけが悪』『パッションブルー』 1996年5〜6大劇場公演
 哀しいかな、とっても印象の薄いマルチネス。 リカさん筆頭のゲリラチームは、大体一緒に行動していて、 その中でも、一番物静か、というか、無骨物のような人で、 その正確故に、あまり台詞もなかった・・・台詞がなくても、感じるオーラのようなものもあったけれど・・・ (フォローになっていない) あ、確か最初の頃、ニット帽を被っていたような気がするけど、 いつの間にか、なくなっていて、少し安心しました。。。
 ショーは一転、華やかでおしゃれな、星組らしいショー。 幕開けがおしゃれで、水色のシャツにいろんな色のネクタイの男役さんと、ローズピンクのキャミソールワンピースの娘役さんが とても華やかに踊ってました。ああ、星組だなぁって感じ。 上手チームと下手チームが舞台中央ですれ違って入れ替わる時、 すれ違うぐんちゃんとの微笑み合い、というか、アイコンタクトが好きで、 その一瞬に集中する客席の私(笑)。 その他、ノルさんとのデュエットダンス(笑)も、二人ともいっちゃってて好きでした。 エコー役の黄色いドレスのぐんちゃんには、二人とも見向きもしないで!(ぐんちゃんに感情移入で、ノルさんに嫉妬!)  それから、初銀橋ソロ、おめでとう〜 ゆったりとしたバラードを聞かせてくれて、劇場がぶんちゃん色に染まりました。 銀橋ソロって、こんなにすごく価値のあるものだったんだ、と、初めて知った思いでした。

『剣と恋と虹と』『ジュビレーション!』 1996年7月相模原公演
 マルセルとコンスタンのカップルを追いかけて、行ってしまった、相模原まで・・・ それも、前々日の夜に、決定したりして。 しかも、小田急線で迷子になって、駅の売店のおばさまに、会館までの行き方を、 きっちり教わってしまった(ありがたや〜)開演に間に合ったのは、店員のおばさまのお陰ですわ〜 相模原まで行ってしまったのは、ひとえに、あのカップルのせい。 ミナコちゃんの退団で、ぶんちゃんの役がずれて、 リニエールになっていたら、行かなかったわ、相模原まで。 相模原まで行ったけど、相変わらず、マルセルは、どうでもいい男でした(本当に失礼だわ…私…) コンスタンは、パン屋でバイトしてたり、ガスコン青年隊に入っていたりしたのに、 マルセルは、マルセルだけでした(笑)。 でも、いいの・・・そんなマルセルでも・・・コンスタンの婚約者だから・・・

『二人だけが悪』『パッションブルー』 1996年8月東宝公演
 大劇場に引き続き、私の中ではあまり評判の良くないマルチネス。 いや、良くないというのとは少し違うのですが… (できれば、ノーコメントで乗り切りたい・汗) …開き直って(笑)今なら、多分、ずっとオペラで追いまわして、 小芝居とか、ちゃんと観ると思うのですが、 当時はあまりそうしてなかったんですね。 だから、ちゃんと台詞もあって、芝居を左右している、 月影ジョアンに忙しかったの〜〜(若干、懺悔。)
 はっきり言うと、この時点で、私の心は、 次作『エリザベート』に吹っ飛んでました。 これが事実。

ディナーショー『ショー・イズ・オン』 1996年9月エスプリホール
 ぶんちゃんの初めてのDS。なんのためらいもなく、大喜びで行きました。 しかし夜はとれず、昼。ランチショーになってしまいましたが(笑)。 エスプリホールには、初めて入りました。4人掛けの正方形のテーブルが、確か3列に並んでました。 私はちょうど会場の真ん中辺の席でした。 サミーさん(千晄)が来られてましたが、それが後から大きな事件を巻き起こす結果に・・・
 オープニングから、きっちり私の心を掴んでくれて、超集中して観てしまいました。 すごく記憶に残っているのが♪マッカーサーパーク。 それから、ラストに歌ったオリジナル曲♪私の中の私。 スローで聞かせる曲なのかなと思いきや、すごく元気のいい曲でした。 そして中詰、わざわざ着流しで歌ってくれた♪殉情。 泣いた〜〜。ここで泣かねば、私ではないぞ。 その後の着流しのままの、朝宮くんとのデュエットはホモネタで、おいおい、と突っ込みを入れたかったけど(笑)。
 さて、上で少し触れた“事件”ですが、 ぶんちゃん客席降りの時、会場を回りながら、お客さんに何か手渡していました。 (何だったか、思い出せない…) サミーさんの所へ来た時、サミーさんがぶんちゃんに、 テーブルの上に飾ってあった、ピンクのバラを手渡しました。 ぶんちゃんは、そのバラをしばらく持って歩き、 なんと、私のテーブルのところで、 我が友人Y嬢に手渡したのです。すごくいい微笑で! その時は、驚きと戸惑いで、私たち二人、かなり動揺してしまいました。 そして、良い子ぶみは、ホントに素直に、「すごいね。よかったね。」と、 まるで自分のことの様に、Y嬢を祝福したのです。 サミーさんのファンでもあったY嬢。 あのピンクのバラは、サミーさんからのもので、 ぶんちゃんが運んでくれたのよ。って。(おめでたい二人) しかしっ!今となってみると、自分がもらえなかった悔しさで、 Y嬢に大変嫉妬しております。 ・・・この事件は、“ぶんちゃんバラの花事件その@”として、私の心に、 とってもちっちゃなキズ痕を残しています。

『エリザベート−愛と死の輪舞−』 1996年11〜12月大劇場公演
 私の大好きなルドルフ。小さな時も、大きくなっても。 というわけで、ついにぶんちゃんとぐんちゃんが、同一人物になってしまいました〜(拍手)。 歴代ルドルフ子ルドルフの中で、一番スムーズだったのは、やはりこのコンビではないでしょうか。 (私の贔屓目、抜きにしても、絶対そうだ!) 一幕は、オープニングのみの登場で、あとカゲコーラス。 そう、この公演のカゲコは、とても豪華でした。 ルドルフが二人で、カゲコボックスにいると思うと(二人きりじゃないよ〜!) それだけで、目より耳が発達したりして。うふふ。(舞台に集中しましょう!)
 問題の二幕。「ママぁ〜」という登場から(子ルドルフだけど)、 銃声とトート閣下のくちづけと共にセリ下がるまで、短時間集中、一本勝負。 ♪闇がひろがる の銀橋デュエットも、髪が乱れるほどの熱演で、 本当に汗が飛び散っていました。 目も虚ろで、あのヤバサが、本当になんとも言えなく、 ぶんちゃん自身、相当のめりこんでるんだなぁと思いました。 ♪僕はママの鏡だから も、本当に虚ろで、かわいそうで、 子ルドルフが、ひざを抱いて座っていた姿が、だぶってみえました。 ピストル自殺の後、マリコさんトートに抱きかかえられて、 キスされながらセリ下がる姿を、悲痛な思いで見送りつつも、 「いいなぁぁぁ〜」と思っている自分もいたりしました(どちらに対してもだわ)。 なんといっても、この短時間限定勝負。 大変でした。客席でも(笑)。いや、二人のルドルフは、もっと大変だったでしょう・・・。 その後のお楽しみは、『国境のない地図』のフィナーレ・トッカータとフーガに匹敵する 闇が広がるのナンバー。かっこよすぎ〜〜。 ぶんちゃんだけじゃなくって、みんな! 星組はやっぱり、こうでなくっちゃね〜  パレードは、再びルドルフの軍服に戻って。 軽めの金髪に、ブルーの軍服が良く似合ってました。 そうそう、その金髪の話。 ぶんちゃんの金髪は、とても軽い金だったのですが、 子ルドルフぐんちゃんは、金というより、茶髪でした。 同じ人物なんだから、同じ色に染めてくれればいいのに〜 と、ずっと思っていました。 年とると、髪の色って軽やかになるのよね…なんて、自分を丸め込んだりして(笑)。
 なんだかんだ、ミーハーモードで書きましたが、 正直に言えば、この『エリザベート』という名作は、そう簡単には、 ミーハーモードでの観劇を許してはくれませんでした。 ぶんちゃんとぐんちゃんだけをオペラで観ていたいところではありましたが、 そんなことしているのはもったいなくて、 実際は、舞台全体を観ていることが多かったですし、 物語に入り込みすぎて、すっかり頭は100年前。 そんなことは度々でした。 『エリザベート』大好き!って人、とってもたくさんいると思います。 私もその一人ですが、ここまで大好きになれたのは、 やはりあの時、あの星組で上演してくれたから、というのが、とても大きいです。 めぐりあいに、本当に感謝しています。

『武蔵野の露と消ゆとも』 (病気のため、休演 1997年1月バウホール公演予定)
 当時はまだ、今の様にネットが普及したわけでもなく、 とても親しいファン友達がいたわけでもなく、何も知らずにムラまで行ってしまいました。 1泊2日の予定で、1日目は月組の大劇場を観て、2日目に初観劇の友人と合流して、大劇場→バウと観るつもりでした。 ムラに到着した日に、バウの階段下に貼ってあるポスターの下に、なにか紙がぶるさがっていて、 なにかしら〜と、近づいていき・・・それは、ぶんちゃん休演を告げる紙でした・・・  誰か、友人がその場にいたら、きっと、すがり付いて泣き崩れてしまったかもしれません。 でも、幸いな事に(?)一人だったので、とりあえず半ば腰の抜けた状態で、 大劇場の方まで歩いて行きましたが、どうにも我慢が出来ず、 仕事中の友人Y嬢に電話してしまった・・・泣き声で・・・(ごめんね。Y嬢)  公演自体は、ものすごく素敵な作品でした。(ぶんちゃんがいなくても観るのよ!) それに、ぶんちゃんの休演で、役がずれて、有栖川宮を演じたかよこちゃん(朝澄)がとても素敵だったし、 ともよ王子(眉月)も台詞いっぱいあって、大活躍だったし。にゃんちゃんもいい味出してたし。 なによりも、主役二人がとても美しかったし。 ぶんちゃんがいなくっても、大満足でした。 だから、この休演は、私のなかでは、割合となかったことになっていたりするのです・・・

『エリザベート−愛と死の輪舞−』 1997年3月東宝公演
 バウ公演の休演を経て、ぶんちゃん復活のルドルフです。 休演の理由事態は、はっきりとは知らないのですが、 やはり、一公演休演してでも、この『エリザベート』には、出ていただいて正解でした。 (上記のとおり、ぶんちゃんなしの『武蔵野〜』を満悦したから、そう言えるのかもしれませんが…) エリザベートを演じる、トップ娘役のあやちゃんのさよなら公演。 そして大好きなこの作品の見納め、ということで、 東京公演は、正直、ぶんちゃんが〜とか、ぐんちゃんが〜とか、言っている場合ではありませんでしたが。 それは、これからのお楽しみ〜ということで。 (といっても、次公演から、ぐんちゃんがトップになるということも、 そんなこと言ってる場合じゃなかったけどね。)
 そういえば、初演雪組のときも、この後に再演をした宙組でも、大劇場と東京では、 ルドルフがかわっていました。(雪・タータン→タカちゃん 宙・コムちゃん→じゅりぴょん) そして細かい話ですが、『うたかたの恋』の時も、 本役ルドルフはマリコさん→シメさんとかわっていました。 なので、“ルドルフ”を通しで全部演じているのは、ぶんちゃんだけ、ということです。 それこそ、まさに運命だわぁ〜と、勝手に思っているファン・ぷみでございます。

『誠の群像−新撰組流亡記−』『魅惑U ネオ・エゴイスト』 1997年5〜6月大劇場公演
 日本史のなかで、およそ全く興味のなかった“幕末”という時代に、 私の目を向けさせ、興味を持たせてくれた作品です。 『武蔵野〜』の時は、理解しようとしたけれど、 そこから先の、興味の部分まではいけなかったし。 それほど、何も知らなかった私でさえも、 ポスターが公式HPに出たときに、 ぶんちゃんのこの頭は、沖田総司だっ!とわかりました。 沖田総司という人に対しての私のイメージは、 ひたすら爽やか、だったので、ワタルさんなんかがよいのでは、と思っていましたが。 そして男の世界において、ぐんちゃんの役は誰? 懐剣をさしているから、武家の娘なんだなぁ位しか、分かりませんでした。 でも、もうぐんちゃんはマリコさんのお嫁さんだから、 ぶんちゃんと絡んで〜とは、おそれ多くも口に出す事は出来ませんでした。 いえいえ、今までで、充分でございます(感謝)。
 ひたすら爽やか、というイメージを持っていた沖田。 ぶんちゃんの沖田は、優しく、柔らかく、可愛く、真直ぐで、切なく、苦しい。 そんな人物でした。 そして、目がすごくよかった! 土方さんを見る目と、山南さんを見る目。 そして自分の運命を語る時の目。 その目の中に、いろんな感情がうつり、ひきつけられました。 この沖田は、私の中のぶんちゃんランキングで、 ずっと上位に居座る人になりました。 すごく素敵だったし、大好きだったし、思いでも多いし、ねっ。 好きだったのが、山南さんを追いかけての、琵琶湖のシーン。 ぶんちゃん沖田が云々を通り越して、ノルさんとの掛け合い、そしてチヨさんの登場。 何度みても泣けました。 だからこそ、その後の山南さんを介錯した直後の沖田は、 幕前に飛び出してきて、暗転までの一瞬も、目が離せなかったんです。 ただ哀しいだけではない、凄まじい感情に泣き崩れる沖田を、 客席で何度も抱きしめてあげたくなりました。 その他、上記の山南さんとの掛け合い意外にも、 誰かと会話をしている時の相槌や、つづく台詞が本当に間がよくて、 芝居をしている、というよりは、沖田になってしまっているぶんちゃんは強いな、と、 つくづく思えた公演でした。
 男役ばかりの幕開きとなったこのショー。 これが星組よ〜と大喜びでしたが、 しかし、月影ファンとしては、トップお披露目なのに・・・と、少々哀しかったりしましたが、それは余談。 このオープニングのぶんちゃんの歌詞は、今でもずっとお気に入りで、 へこんだ時、よく、自分に言い聞かせています。 大好きな場面が多かったこのショーですが、 ナンバーワンは、やっぱりビギン・ザ・ビギン! なんたって、リカさんとぶんちゃんに挟まれて踊っちゃったんだから。 あっ!主語はぐんちゃんが、でした。 といっても、オペラで凝視しているときは、 ぶん×ぐんのセットでなので、ほとんどリカさんの入る隙間がなく、 二人のデュエットダンスでした。 リカさん、ごめんなさい。ファンとは、そういう勝手な生き物なのです。 それから、フィナーレのI'm proud of myself。 マリコさんの歌で、ぶんちゃんとぐんちゃんのデュエットダンスでした。 これは、オペラの成せる技、ではなくて、本当にそうだったんだからっ! (と、言い切る自信はどこからくるのか、ぶみよ。) ぐんちゃんに、関して言えば、トップお披露目、らしからぬ扱いで、 かなり寂しい思いをしましたが、 ぶんちゃんとの数々の絡みに、心癒されて、 ショーとしては、大好きなものになりました。 

『誠の群像−新撰組流亡記−』『魅惑U ネオ・エゴイスト』 1997年8月東宝公演
 この年限りで取り壊され、新しく生まれ変わる東京宝塚劇場。 その最後の観劇が、あのような悲劇に見舞われるとは、私はツイテいるのか、ツイテいないか? 東京にも、何度か通ったこの公演。 ほら、なんたってトップ娘役だし(しつこい様だが、主語はぐんちゃん)。 最終観劇の日、その日は2回公演で、大休憩に地下にある友の会にふらふら〜と行ってみたのが運のつき。 そこには掲示板があって、いろいろなホットなお知らせが度々張り出されてました。 ネットも今ほど普及しているわけではなく、情報は「歌劇」か「グラフ」から得てましたし。 そして、その時目にしたお知らせの紙には、組替えのお話が・・・

月影瞳 星組→雪組
もうね、私を殺してくれって感じ。 ぶんちゃんとぐんちゃんが、同じ組にいたからこそ、 私の人生、明るいものだったのに、 それが、よりによって〜! なぜ、トップになった人を組替えするのだ〜〜がおぉぉぉぉぉぉ! そして、私以上に星組ファンな同伴の友人Y嬢は、
香港公演メンバーは新組へ
というのにぶち切れ。 私はさめざめ泣いているし、Y嬢は激切しているしで、 一番かわいそうだったは、無傷のM子。 私とY嬢は、御贔屓の生徒さんが星組から出て行かなければならないという、 最悪のコンビになってしまったのです。 実はこの組替え発表、この前日に生徒さんにはいきなり発表になったらしく、 ぐんちゃんは泣いちゃって泣いちゃってで、舞台は大変な事になっていたそうです。 そして次の日、今度は私たち客席が大変な事になっておりました。 例の組替え発表の紙は、私たちが見た少し後に、ものすごい混乱の上、一時撤去されたようでもありました。 でも、このニュース、劇場で知って、よかったと今では思っています。 自分の観劇の終わった後だったら、多分もっと半狂乱になっていたでしょうし。
 上記のような、どうしようもない精神状態の中、 最後の“同じ板の上公演”の観劇となりました。
 沖田ぶんちゃんが下手から登場し、土方さんが女連れなのを珍しそうに見ていて、 そして、小夜ぐんちゃんに、ぴょこっ挨拶する。 それから、「お前は特別だよ」の、ホントにとくべつな台詞。 いつもはその一瞬のアイコンタクト(?)に、胸をきゅんとさせているくらい だったのに、この日の私は号泣。なんでそんなシーンで泣かなあかんのやろ・・・ 土方さんが荷物持ってくれても号泣。(これはぐんファンの台詞だけど)
 ショーでも、それは変わることなくつづき、 2箇所のデュエットダンス(上記参照…)なんて、もう泣きすぎで、記憶がない! (意味ないじゃんね〜)そしてその日、どうやって家に帰ってきたのかも、全く記憶がないのです。
 物は考え様ですが、ぶんちゃんとぐんちゃんが同じ組にいたその3年弱。 私はすごく幸せでした。というよりも、幸せを教えてもらった、というのが正しいかも。 まだまだずっと続く、と、当たり前のように思っていたものが、 本当に突然に“おしまい”になってしまったのだから、 当時は、何でなの〜と、何を恨んだらいいのかも分からない常態でした。 でも、ホントに物は考え様。別々の組になってしまったら、 楽しみが倍になったと思えばいいのですし。 ・・・というのは、今だから言えること。かな。
♪わた〜し だ〜けの〜〜〜〜♪
ぶみのぶんちゃん物語3 〜うるわしの君はまぼろし〜 につづく