白城あやか Ayaka Shiraki

でも、このように終わるのですね。この世に悔いを持たぬ人などいないのでしょうから。
ふく
「若き日の唄は忘れじ」より
  

 


白城あやか
ミニプロフィール
初舞台 1988年(S63)『キス・ミー・ケイト』
花組に組配属
星組に組替え
『白夜伝説』『ワンナイト・ミラージュ』で星組トップ娘役に
1997(H9)年3月『エリザベート』で退団
愛称 あや

 

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“娘役トップ”と辞書をひくと、私の辞書には“白城あやか”と書いてあります。
そのくらい、“娘役トップ”だったあやちゃん。
大型で、華があって、それを生かすことのできる素晴らしい相手役さんに恵まれて。

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一番好きだったのは『若き日の唄は忘れじ』のふくです。 日本物ならならではのいいお芝居をしていました。 前半の子供のシーンは、すこーし無理がありましたが、やっぱり後半大人になってから、 特にラストのシーンは、心の動きが手に取れるようでした。 観ている私も、あー日本人だなぁと思えました。

お芝居でいえば、最後のバウ公演『武蔵野の露と消ゆとも』の和宮もよかったです。 上記のふくにも日本物ということで通じる物があります。 やはり、日本女性は耐えて、耐えてというのが主流なんでしょうか。 夫である将軍が、都に上ったまま亡くなり、おみやげの反物だけが手元に届き、 それを眺めながら語る姿は、哀しみ・寂しさというありきたりの言葉では形容できませんでした。 なにか、ぽっかりと穴が開いてしまった様な・・・。

あやちゃんらしい作品をあげるなら(作品としてですが) コスチューム物の『うたかたの恋』『カサノヴァ・夢のかたみ』『剣と恋と虹と』でしょう。 素敵なドレスもいっぱい着てましたし。 お衣裳が増えると、鬘やアクセサリーもたくさん必要になりますが、時代を考えて工夫されてました。 あえて、一点あげるとすれば『剣と〜』のクリスティーヌ。第7場の舞踏会のシーンが大好きでした。 髪型もみつあみをくるくる巻いてアップにしていて、白とラベンダーのお衣裳で、 その着こなしの見事さと、シーンのラストを華やかに飾る歌声に圧倒されました。 さすが、あやか様です。

相手役さん。つまり星組トップさん。紫苑ゆうと麻路さき。 全くタイプは違いますが、2人とも宝塚らしい、偉大なトップさんでした。 そんな偉大な大型トップさんの相手役を 見事に勤め上げたあやちゃんは、偉大だ!!と思います。

そして、さよなら公演『エリザベート』。 絶対に忘れられません。大好きでした。 一幕ラスト。扉が透けると肖像画のホーズのエリザベートが佇んでいました。 そしてものすごいオーラに包まれてエリザベートのあやちゃんが舞台に登場。 そのとき、客席から拍手があがりました。私も無意識にしてましたが。 客席から拍手を受けたあやちゃんの微笑み! 自信に満ちあふれ、美しく輝き、上手く表現できないのがもどかしいくらいですが。 やっぱりさすがあやか様!としか言いようがありませんでした。

1999.9

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