月影 瞳 Hitomi Tsukikage
うちはおまえのことを、ほんまは、おまえのことを・・・
春琴
「殉情」より
月影瞳 ミニプロフィール |
初舞台 1990年(H2)『ベルサイユのばら』
花組に組配属 星組に組替え 『誠の群像』『魅惑Uネオエゴイスト!』でトップ娘役に 雪組に組替え 2003年(H14)『愛燃える』『Rose Garden』で退団 愛称 ぐん・とんみ |
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何よりもまず特筆すべきは、新人公演・バウホール公演でのヒロイン経験の豊富さでしょう。
そして、星組・雪組と経てのトップ娘役としてのキャリア。
経験を総て役に投じ、全力で作り出す舞台姿には何度も驚かされました。
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私がそもそもぐんちゃんに惹かれた理由は、男役さんと並んだとき、 常に相手に合わせられることのできることでした。 だからどんな男役さんと並んでも、とてもお似合い、なのです。ぐんちゃんに関しては私の別ページ、ぐんぐんぐんを是非ご覧下さい。 アツーく語らせていただいてます。
たくさんいろんな公演を観てきましたが、一番好きだったのは『殉情』の春琴でしょう。 相手役が、ぶんちゃんだった、ということが大きいのですが(笑) 本当に星組っ子として受け入れられた、ターニングポイントだと思うのです。
ショー作品で好きなのは、『ジュビレーション』のスターメドレー。 白と紫のドレスで、「星に願いを」を歌いました。 まだ、2番手娘役の頃ですが、あースターさんだー。なんて実感したものです。
エトワールもこなしてきました。 『イッツアラブストーリー』『火の鳥』『国境のない地図』『エリザベート』。 大階段でひとり歌い上げる姿に、何度ドキドキしたことでしょう。 その経験はトップ娘役となった今、とても生かされていると思います。
とにかく、新人公演・バウホール公演とヒロイン経験が並みではないので、 組んだ男役さんも数知れず・・・ ここでずらずらあげるのもナンですから、あえてお一人。 雪組でトップコンビを組んでいる、イシちゃん(轟悠)。 私自身、星から雪への組替えにショックで大泣きした人なのですが、 コンビ一作目『春櫻賦』二人の息のあったところをみて、少しほっとし、 ラストの台詞に大泣きしました。 それがたとえ台詞でも、イシちゃんの口からでた、と言うことに月影ファンは泣いたのです。 そしてこのコンビ、公演を重ねるごとに、味を増し深みを増し、 その度、イチ月影ファンはイシちゃんを拝み続けるのです。
『凍てついた明日』のポニー・『再会』のサンドリーヌ等、 “娘役の殻を破った”と最近いわれがちなぐんちゃんですが、 やっぱり一番お似合いなのは『浅茅が宿』の宮木のような、 “あなたの幸せが私の幸せ”という慎ましやかな役所だと思います。 ご本人は、“パワー!!!”が口癖のハイパワーお嬢さんだったとしても・・・
今思えば、トップ娘役として以上に、演技者でありつづけた生徒さんだったのかもしれません。 最後のバウホール公演『Over The Moon−月影瞳クロニクル−』は、主演で組長公演でした。 ファンとしてもとても光栄な公演で、役者・月影瞳と共に歩んだ(大げさ?)自分のファン人生にも、なにかご褒美のようなものをもらった気がします。 そして演技者としての真髄は、やはり博多座『凱旋門』のジョアンではないでしょうか。 この役を得て、退団を決めたという意気込みと、大劇場、東京を経ての3度目の公演。 役を掘り下げて、なんども壁にぶつかり、そしてたどり着いた博多座でのジョアン。 ここまで演れる、ここまで演ってこそ、演技者なんだなと、その時客席で今更ながらに感じました。 本当に、本当に偉大で、そして忘れられない娘役さん、いや、一人の演技者です。
1999.12
追記2006.2