ぶみの初めて物語り
初めて中日劇場へ行くの巻
作品:雪組『華麗なるギャツビー』『ラバーズ・コンチェルト』1992.2.12

 宝塚市と有楽町以外に約一ヶ月の定例公演をしているところがあったのね。名古屋市栄の中日劇場。 ぶみの中日デビューは大好きな月組から、お嫁に行ってしまった紫ともさんを追っかけての雪組公演だった。 正しく言うと、ともちゃん(紫)は出戻った、ということになるわけですが、ぶみが初めて観た月組にはともちゃんがいたわけで、それがぶみの当たり前だったのだ。

 ぶみを中日劇場へ導いたキーパーソンは、上記の通りともちゃんです。ぶみは中日デビューと同時に組替えショックデビューも体験したわけで、 中日劇場を語るのに、組替えショックのお話を語らずにはいられません。
自力でチケットをとるの巻でご承知の通り『銀の狼』に大変感動していたぶみは、すっかり月組ファン。中でもともちゃんが好きだった。 丁度、ラジオ番組“ビバ!タカラジェンヌ”にともちゃんが出演したので、聞こえないラジオを片手に、それでも電波のいい玄関でその夜ぶみは頑張っていた。 当時、関西のAM放送を東海地区のぶみが聞くには、ラジオを抱いて、自分がアンテナになるくらいの気合いが必要でした。 (今はありがたいことに、SBSラジオ(静岡のラジオ局)でも一週遅れではありますが放送しております) そして、雑音と共にともちゃんのかわいいお声がラジオから流れ、喜んでいたのもつかの間。 ともちゃんのお声は、組替えのニュースをぶみに伝えたのです。ショックだったー。 雪組にトップ娘役として凱旋するんだから、喜ばしいことなんだけど。R嬢からも電話がかかってきて、二人で泣いた(いや、泣いたのはぶみだけか?)。 組替え後の舞台は、年明け2月の中日劇場からとのことで、12月に退団するミキコちゃん(鮎ゆうき)のやっていたデイジーを演じると、ともちゃんはラジオでいっていた。 「お話は聞いていたので、雪組公演は袖からちょっと観ただけで、自分のデイジーを作っていきたい」みたいなことも。 かくしてぶみの中日劇場行きが決定したわけです。長い前置きですが。

 さて、名古屋を自力で歩くのは、なにせ初めて。栄ってどこ?地下鉄で行くの?歩いていけないの?と、?を並べてみたものの、 結論としては、誰かに聞くのが良策と、名古屋在住経験(大昔)丸二年のぶみぱぱの登場となったわけです。 

ぶみ「ねえねえ、中日劇場って名古屋駅から歩いていける?」
ぶみぱぱ「歩いて、行ける、よ。」

 聞きました?名古屋駅から歩いていけると!一度中日劇場へ行ったことのある方は、ぷみぱはの極悪非道ぶりがおわかり頂けると思いますが。 歩いて、は、行けます。確かに。地面はつながってますから。静岡からだって歩いて行けるわよっ!

 しかし、いたいけなぶみは、ぶみぱぱの言葉を信じ、JR名古屋駅から、中日劇場のある栄の交差点目指して、果敢にも歩き出した(よい子は決してまねしないでください)。 同伴者はR嬢ではなく、友人M子。今考えると、同伴者がR嬢だったら、きっと地下鉄に無理矢理乗せられた、と思う。でもM子は、ぶみの言葉に従い、一緒に歩いてくれた。 M子よ。申し訳なかった・・・何分くらいかかったか、もう今となっては、よく覚えてないけれど、確か、開演時間がどんどん迫ってきて、途中から超早歩きになった。 ぶみは普段から、交通手段は徒歩の人。でもM子は自転車の人。ぶみが全速力で歩いていて、ふと振り返ると、M子が遙か後ろ、ということが何度もあった。 だから途中でM子を先に歩かせた。(当然スピードダウンしたけど) そして、二人は歩いて歩いて歩きまくって、やっと中日劇場へたどり着いた。無事でよかった。 今でも中日劇場へ行くと、あの悪夢の名古屋市街地競歩レースを思い出します。もう二度とやらない・・・

 地下鉄で行くようになっても、普段乗り慣れていないため、地下鉄の改札の出たとこ勝負で、ここはどこ?ということがたびたびあった。 それも毎年2月に行くわけではなかったので、2年ぶり、3年ぶりということも。それでもやっとここ何回かは、迷わず中日ビルへ行けるようになったけど。

 中日公演は、大劇場との役代わりがやっぱり見物。初めて行った公演も、ともちゃんのトップお披露目で、素敵なデイジーを観せてくれた。 それから月組の『ME AND MY GIRL』は、のんちゃん&ゆうこちゃん(久世星佳&風花舞)のお披露目で、ゆりちゃん&よしこちゃん(天海祐希&麻乃佳代)とはまた違ったおもしろさを観せてくれた。
中日で初めて観た、という作品は雪組『ヴァレンチノ』。カリンチョさん(杜けあき)退団前の幻の名作の再演。 バウでは観れなかったけど、やっと中日でルディ(ルドルフ・ヴァレンチノ=カリンチョさんの役名)に会えた。 ともちゃんのジューン、大好きだった。ユキちゃん(高嶺ふぶき)のナターシャも綺麗だった。大泣きしたっけ。
 そうそう、中日劇場は設備もしっかりした劇場なので、座席も座りやすくて好き。セリがあったのには驚いた。銀橋はなかったけど。 聞いた話だと、全国の劇場ランキングで、舞台の見やすい劇場でいつもとりあげられるらしいです。 でも、ビルの上階にあるので、改札までエレベーターで行かなければならない。 係員の手際はいいし、EVもたくさんあるけど、ちょっとだけ並ぶのがめんどくさいなぁ、なんて。

 ぶみの超個人的“中日劇場はこれがいい!” 2階の売店で“梅こんぶ”が買えること。美味しいので大好きです。 それからいまだに回転展望へ行ったことがないので、今度は行きたいなぁって、毎回思ってたりして。

2000.5.20.

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