ぶみの初めて物語り
初めて新大劇場へ行く
作品:月組『グランドホテル』『BROADWAY BOYS』1993.5.2

 新大劇場オープン10周年も過ぎ・・・ということは、新大劇場オープンは、もう一昔前になってしまったわけね。 月日が経つのは早いもので。しかし、記憶は色あせないもの。 あの時のロビーと客席の赤い絨毯のまぶしさは、きっとずっと忘れないと思います。

 ファンになってから、月組公演は毎回ちゃんと大劇場へ行ってました。 というわけで、新大劇場デューももちろん月組。初めての海外ミュージカル。 そしてかなめさん(涼風真世)と、はねちゃん(羽根知里)のさよなら公演でもありました。

 しかし、オープンしたとはいえ、改札は今までの旧大劇場の改札。そこからぐるっとまわって新大劇場のロビーにつながっていたのかな? 確か。ん?やはり一昔になってしまうと、記憶があやふやなの?(笑)
 あやふやながらも、少し整理してみよう。 『ブルボンの封印/コートダジュール』の時、旧改札を入って、左に折れて、右に折れて、ずっと歩いて行きました。 『エールの残照/TAKARAZUKAオーレ!』の時、新改札だった気がするけれど、正面の階段はまだロープがされていて上がれず(もちろんエスカレーターも) 斜め左に進んで階段を上がっていきました。改札を通って少し進み、広いロビーとシャンデリアに感動したのよ。それは確か。 えっと、その間の記憶がありません・・・

 あの頃、もうすでに東宝劇場に何度も通っていたし、旧大劇場の記憶もはっきりしていたためか、 2階席からだと、客席がすごく遠く感じ、寂しかった、かな。
 しかし、作品はものすごくインパクトがあって(上記のとおりだし)、あの、初めて座った席からの舞台の眺めは、 記憶というより、私の細胞に記録されたって感じがします。未だにあの眺めを、ふと思い出すこともあるし。

 ロビーや客席の絨毯がふわふわで、まぶしくって、新しいって素敵!と思った反面、 観劇はほんの数回だったけど、旧大劇場に対する、愛着とノスタルジックなよさが懐かしく思われたりもしました。
 オープンから2年後の平成7年の大震災の時、旧大劇場のままだったら、3ヶ月での復興は無理だったし、 もっと大きな被害が出ていた、とよく言われました。 私自身、新大劇場にも慣れ、全組制覇もしたのがちょうどその頃だったため、震災の時は、本当に我が身を割かれる思いでした。(静岡県民にとっては、世界中の地震が我が身のことのように思えるけど…) あの日の朝は、月組の『ハードボイルド・エッグ/EXOTICA!』の発売日で、早起き予定で家にいて、まだよく状況がわからないまま、一応チケットを買ったりしてました。 その公演は中止になってしまったけど、震災後の復興作『国境のない地図』はちゃんと観に行きました。(星組っ子のぐんちゃん(月影瞳)大劇場1作目だったし) がらがらの客席の背もたれの赤い色は、初めての新大劇場の絨毯のまぶしさと、同じくらい、忘れがたいかもしれません。

 もう、あれから10年以上経つのね・・・観にいった作品は数え切れず。そして感動と涙と笑いの思い出も。 最近は特に(OGの女優さんを追いかけて)いろんな劇場へ行くけれど、あんなにいいところはないなーと、つくづく思います。 初めて行く人も、通い慣れた人も、あの改札を抜け、シャンデリアの下を通り、あの劇場に入れば、みんな夢の国の住人になれるし。 そして、幕が開けば、3時間の夢が待っていて・・・その一体感や充実感は、なかなか外では味わえるものではありません。 あ・・・私ってば、発想がOG感覚になってる(笑)

2006.5.14 

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