宙組全国ツアー公演
2000年7月
ミュージカル・ロマン うたかたの恋
脚本・演出 柴田侑宏
スペシャル・レビュー GLORIOUS!!−栄光の瞬間−
作・演出 藤井大介
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第一場 ぶみの期待‐観劇前のお話‐ フサちゃんのマリー フサちゃんのマリー フサちゃんのマリー フサちゃんのマリー フサちゃんのマリー フサちゃんのマリー フサちゃんのマリー フサちゃんのマリー ぶちっ!(切れた)
第二場 ぶみの感想‐観劇直後のお話‐
「極上品っ!」
なにがって、フサちゃんのマリー。これが17歳の男爵令嬢マリーだ!
第三場 作品について語ったりする 永遠の名作『うたかたの恋』を今更、私ごときが語る物ではないけれど。私自身、紫苑・白城・麻路(東京)絵麻緒・陵・神田(東京新公)紫苑・白城・稔(地方)真琴・檀・汐美(地方)と、5組目ということで、贅沢ですが、もう『うたかた〜』はいいわ。と思うわけです。(絶対うそ。)それは、今回の宙組チームがものすごくよかったから。なのですが。
第四場 メインキャストを語る
もう、一人で上演できるほど(ホントカ?)覚え尽くした作品ですから、自分でも恐ろしく批評家モードで観ていました。
ルドルフ‐和央ようか‐長身が舞台に映えて、とても凛々しい皇太子ぶりでした。やっぱり『エリザ』の東京ルドルフを思い出しました。(あの長い足…)
マリー‐花總まり‐上段でも述べてますが、あれが本当のマリーだ!と確信しました。ポスターを見たときに、少しだけ「とおがたってたらどうしよう」と心配していました。でも、本当にそんな心配はするだけ無駄でした。フサちゃんなら、演技力でそんなものはどうにでもなるっ。フサマリーの表情にとにかく引き込まれてしまって、その感情が手に取るように分かりました。だから余計にルドルフのこともとても素敵に見えたのかも、と思えるほど。印象的なのは、初めてルドルフの私室に行った場面。嬉しい、反面「皇太子様が私が思い描いていたお姿よりずっとお寂しそう」という台詞に繋がる哀しげな表情をみせていたこと。いままでのマリーには無かった。あの表情。あげていればキリがないけど、本当に素晴らしいマリーでした。もう“あやか(白城あやか)マリー”を越えたっ。と私は、言いたい。
ジャン・サルバドル‐湖月わたる‐プロローグ、ソロで踊るところがとてもかっこよかった。綺麗だった。それを観て、ふと、ワタルさんのジャンは私の観た中で一番大きいということに気づきました。それにダンスの人だから、バレエちっくな振りだから、余計に美しかった。ジャンとしてのワタルさんは、大公でありながら、自由人という大らかさがよくでてました。これは、ワタルさんの持つ人柄が醸し出してるものかも。ラストの「我々は信じている」は、旅立っていった友に贈るかのような少し笑顔。でも心の中は祈る気持ちでいっぱい。いい表情していました。そして、私に鼻血を噴かせたシーンは…後記で。
ヨゼフ皇帝‐大峯麻友‐やさしい夫・父でありたい。けれど、その前に国を治める皇帝である。まゆさんの陛下はそんな感じでした。お髭のまゆさんは、私個人的には大好きで、ふと『結末のかなた』の浪越警部を思いだした…けど、全然別キャラですね。
エリザベート‐陵あきの‐“フサちゃんのマリー”以上に、私を興奮させたのが、あっこちゃんのエリザベート。確かにタカちゃんの母、というのには多少違和感がありましたが、とても抑えた、地に足のついた、素敵なエリザベートでした。
ステファニー‐彩苑ゆき‐キャストを見て、えっ?と思ったのですが、これはびっくり!素晴らしかった!本公演等で、あまり大きな役を見たことがなかったため、全く期待をしていなかったので、とっても驚かされました。横顔がシギさん(毬藻えり)似で、美しかったし。ステファニーのプライド、哀しさが痛いほど伝わってきました。プライドの高さ故、感情をむき出しに出来ない、哀しさをも押し殺さなければならない、誰にも、寄りかかることの出来ない、哀しい皇太子妃でした。それに登場するだけで、華やかさが広がってました。本当にびっくり。ここまでやれる方とは失礼ながら思わなかったので。本公演でも是非是非、活躍してほしいです。
ロシェック‐未沙のえる‐&ブラッドフィッシュ‐朝比奈慶‐この二人が良いコンビだと、この作品は面白い。そして今回もご多分に漏れず、面白かったです。マヤさん(未沙)のやりすぎない演技。ヒナちゃん(朝比奈)の軽快な台詞回し。絶妙です。やっぱり一番面白かったのは、ロシェックに鼻水をひっかけられるシーン。悲劇の前のこのひと笑いは、決して欠かすことのできない、名シーンです。
ジェシカ‐鈴鹿照‐月組に引き続き、ばあやを演じる鈴鹿さん。このぱあやの暖かみや、懐の深さは、右に出る者はいませんね。本当にほのぼの、いいばあやです。
マリンカ‐久路あかり‐待ってました。こういう役を。品があって「貴族出身の歌姫」という台詞がピッタリ。とても大きな期待をしてましたが、更にそれを上回って、嬉しいな。
第五場 もっと突っ込んでいきましょう とにかく、登場人物が多く台詞も皆に行き渡るこの作品。まだまだ、重要な人がいます。 ジャンの恋人ミリー‐花景みさき‐。ルドルフはこのカップルに憧れるわけで、つまりルドルフから見れば、ミリーはジャンの“小さな青い花”になるわけで。残念ながら、そこまではいけてなかった。かわいかったけど、かわいいだけ?今回、このミリーという役は本当に難しい役なんだなと、痛感しました。 マリーの母ヴェッツェラ夫人‐鈴奈沙也‐。落ち着いた、けれど華やかな母ぶりが、鈴奈さんの上手さを物語ってました。ふと、思い出したのが、ヴェッツェラ夫人も過去にルドルフに言い寄ったことが、あるとか無いとかと言う話(なんかの本に出てました)。そんな人ですから、華やかさももちろん必要ですよね。 ハンナ‐白河るり‐は、確かマリーの姉だったはずなのに、今回の設定は妹だったみたい。どう考えても、見た目も話しぶりも姉には見えない…と思っていたら、最後の舞踏会での「お姉さま素敵。」と言う台詞。やっぱり妹だったのね。 ルドルフにマリーをてびきするラリッシュ夫人‐双葉美樹‐。出しゃばらず抑えすぎずで、身分の高い(皇太子の従姉だもんね)夫人の役が板に付いてました。 今回の悪い人Y1フリードリヒ公爵‐越はるき‐は、適役でした。ぱるきさんは、ボケ役も良いけど、悪人すると、オーラがパワーアップします。 そして、その悪い人チームエミール‐風輝マヤ‐は本当に上手い人なので、普段たくらんでるシーンは、舞台上でそんなに目立たないように振る舞い、いざ、というときに、すごい押しの強さでした。 ツェヴェッカ伯爵夫人‐優花えり‐は、落ち着いた大人の役をこなしている、という印象だけで、ツェヴェッカの、女のいやらしさ・哀しさまではほど遠かったかも。 ツェヴェッカの侍女グレタ‐梶花空未‐は、それなりに印象に残ったけれど、くみちゃんならもう少し上手くできると思うんだけど。少し物足りなかった。 ルドルフとも絡みのあるゼップス‐夢月真生‐。さすが台詞回しもよくて、上手いな、と納得できました。 ルドルフに次いでの皇位継承者フェルディナンド大公‐月船さらら‐は少し気が弱すぎの印象が。フリードリヒ公爵に利用されるにしても、もう少し押しがあっても良いように思えますが。 皇帝の愛人シュラット夫人‐織花なるみ‐。見た目は“女優の愛人”ぶりが華やかで綺麗だったけど、台詞が少し長くなると、やっぱり若さは隠せないかな。 モーリス‐華宮あいり‐は、役に立つのかたたないのか分からないけど、ルドルフに、とにかく、くっ付き従う副官ぶりがかわいかった。 皇太子妃ステファニーの侍女エヴァ‐華絵みく‐は、ふとした表情や仕草がとても上手かった。主人が不機嫌なので、びくびくしている控えめな態度がよかった。 劇中劇でのオフィーリア‐芽映はるか‐は、あまりよく知らない子だけど“無垢で清純な”オフィーリアで、とてもよかった。 ホヨス伯爵‐初嶺まよ‐はショーだと目立つのに、お芝居だといつもあまり目立たないのが残念。 そして、エピローグ・雪のマイヤーリンクに響く影ソロ‐鈴奈沙也&朝比奈慶‐の素晴らしさは、この公演のいい締めくくりになりました。二人とも名シンガーですが、劇中は歌はなし。ラスト、ここぞと本領発揮してくれてました。
第六場 ちょっと気づいたこと あっこちゃん(陵あきの)演じるエリザベート。前回月組ではゆらさん(夏河ゆら)が演じてました。ゆらさんの時に気づいたのですが、たしか、前に観たときは“皇后”という役名だったような気がするけど。『エリザベート』効果でか、役名が名前になったのね。最後の舞踏会でルドルフの方へ歩み寄ろうとするエリザベートに皇帝陛下が「エリザベート。」とそれを制御する台詞もついたし。“皇后・ルドルフの母”から“エリザベート”という一人格へと、この『うたかたの恋』でも広がっていったから、かな。
第七場 ハプニング! ルドルフから手紙をもらい喜ぶマリー。ベンチに座って、ばあやのジェシカを引き留めるために、ばあやのスカートを密かに掴んでいるのですが・・・フサちゃんは掴み損ねて、ばあやのスカートを追っかけ、ベンチからコロリン。落っこちてしまったのです。あのフサちゃんが、ベンチから落ちた。一瞬、舞台も客席もあっけにとられ、そして、フサマリーは「いっ、いいえ、わたくしがめまいがするものですから…」確かに本当の台詞を言ってるだけですが、これがものすごいタイミングの良さ。フサちゃん、千秋楽なのに、身体を張った名演技をありがとう。
第八場 ぶみ・泣く とにかく過去に、泣いて泣いて泣き尽くしたこの作品。でもやっぱりラストのジャンの台詞でうるうる。♪花のごとく〜でぼとぼと。と、お約束でした。が、今回初泣きしたシーンが。マリーとエリザベートが会ってしまうシーン。あっこちゃん×フサちゃんの美しい女優の対決で、とにかく二人の美しさと上手さに、泣いてしまった。これも新しい『うたかた』の楽しみ方。
第九場 ぶみ・鼻血る‐鼻血る、とは鼻血を噴くことであります‐ 犯人はワタルさん。かっこよすぎ。そして、彩苑ゆきさん。上手すぎ。シーンは第14場 元の舞踏会。ジャン&ステファニーのダンスがすごく迫力があって。ジャンの、行かせない!という意志と、ステファニーのマリーへの青白い炎のような嫉妬の、ものすごい対決。二人共が上手だから、あんなに緊迫した雰囲気が生まれたのだと思います。そして、ステファニーが自分の手から放れそうな瞬間、彼女の目をみて“いけない!”と首を振るワタルさんに、客席でぶみ・御一行様はぴーっ。鼻血ったのでした。
第十場 ぶみ・辛口 あの少人数でやっていたとは思えない充実した公演でした。当然多分、本公演では台詞のない下級生の人たちも、今回は台詞があったんだと思います。だから時折「?」という台詞も回しの人も・・・何事も練習練習。
第十一場 ぶみの心残り なしっ。とっても満足させていただきました。
第十二場 そしてリピート 何てったって千秋楽。リピートしようにも、こればっかりは。でも、ぶみの思い出の中では、ロングラン公演になっているのです。
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