ぶみの観劇劇場  ぶみの観劇劇場  ぶみの観劇劇場  ぶみの観劇劇場  ぶみの観劇劇場

雪組大劇場
ショー デパートメント・ストア
作・演出 正塚晴彦
ミュージカル・プレイ
 凱旋門‐エリッヒ・マリア・レマルクの小説による‐
脚本 柴田侑宏 演出・振付 謝珠栄

2000年7月

凱旋門はこちら

 デパートメント・ストア 
第一場 ぶみの期待‐観劇前のお話‐  正塚先生のショーデビュー作品。正塚作品はお芝居だというのに、盆回しが多くて、だから舞台転換が早い!というイメージがあります。それがショーになっちゃうんだから、そりゃぁ期待大、でしょ。題名も、テーマがはっきりしていて分かりやすそうだし。

第二場 ぶみの感想‐観劇直後のお話‐  「たのしかったねーーーーっ!」
 と、友人Kさんと満面の笑みで顔を見合わせてました。正直、雪組のあのパワーに、やられた!!というところでしょうか。

第三場 作品について語ったりする  老舗デパートがバブルに踊り、バブルが弾けて衰退する。デパートに必要なものは何かを考え直し、リニューアルオープン。キーワードは「ヒューマンサービス」
 ストーリーにのっていく分かりやすいショー。ドラマ作家の正塚先生の頭の中で生み出されたショーならでわ。とっても楽しかったけど、期待していたほどではなかったのが正直な感想。(期待が大きすぎた、んだけどね。)ただ、雪組+専科のメンバーのものすごいパワーに引きずられて。あっという間に終わってしまいました。
 すべて歌で話が進んでいくわけで、歌詞が分からないと文字通り話にならない。観劇一回目は、何となくは聞き取れるけど、完璧ではなかった。話は分かるけど。それが二回目は、目からうろこならぬ、耳からうろこ(?)で、とってもよく分かりました。私、夕べ耳ほりしたかなぁと考えてしまったほど。

第四場 デパートを取り巻く、愛すべきキャラクターたち  トップコンビは、客席でつっこみたくなるほどのラブラブカップル。ショーだから許される、あのいちゃつきぶり。フリーターでデパート大好き青年のフレックス‐轟悠‐とエレベーターガールのジャネット‐月影瞳‐。若社長のリッチー‐香寿たつき‐は、自分がブルーなのに、二人が楽しそうなのを見て、デパートのあり方を考え直すわけだから、あのカップルが、ラブラブで楽しそうなのも、とっても役に立った。ということになりますが。先代社長の愛人で今は掃除のおばさんのディディー‐矢代鴻‐の個性も強烈。先代社長スタンボーン‐美郷真也‐は成仏できずにデパートの上を彷徨っている。羽のついたブランコに乗って、足をばたつかせてる姿が何ともいえずかわいい。デパートの定員の個性も豊か。マネージャー‐汐風幸‐は前髪にすこし赤が入っていて目立たせてるし。ゾンビのシーンも役者魂を感じました。男性店員も三兄弟‐安蘭けい・成瀬こうき・朝海ひかる‐をはじめ、雪組の誇るかっこいい男役さんたち。女性店員もキュート&セクシー。

第五場 場面を追っかける
 第1場 プロローグ 迷子のお呼び出しに、客席は意表をつかれ、笑いが起こる。舞台では迷子の子供(山科愛)母親(毬丘智美)に会えた!と思いきや、群衆に引き離されてしまう。お客様が踊って踊っての幕開き。そして制服姿の定員の登場。誰も彼もバブルに踊る。フレックス(轟)は迷子の母子には気も留めない、売って買ってに夢中の人々に疑問を感じる。そんな彼は、母子を慰めるエレガのジャネット(月影)に出合う。踊る踊る人々に目を奪われてると、この二人の出会いを見損なうかも。そのくらい迫力ありました。
 第2場 フレックスのテーマ ゆったりと自分のテーマ曲を歌う姿に、今回のフレックスは、タイプ的には『再会』のジェラールに似てるのかなという印象を持ちました。
 第3場 ディディーの唄 あの若社長(香寿)も一応好景気に踊るデパートを心配していたみたいで、ディディー(矢代)に相談したいような、そうでないような振りも面白い。この二人のデュエット(全然違うことを歌ってるけど)は、話の筋には関係なく、本当に鳥肌もの。そこに、ブランコに乗った先代社長(美郷)の「おーい。」の声が絡み、鳥肌になりつつも、顔がぐにゃっとなってしまいました。
 第4場 ゴーストタウン 不景気になり、お客の来ないデパートで、店員たちはゾンビになってる。その中でジャネットだけがカラッと明るく元気。そのジャネットを探しにやってきたフレックスは、ゾンビの店員に捕まってしまう。餌食になってる光景に、いるいるこういう店員!と納得しつつ、自分も某Iデパートでゾンビ(じゃないけど)店員につきまとわれたことを思い出し、寒気がしたりして。
 第5場 二人のデュエット ラブラブデュエット第一弾。屋上のおもちゃの飛行機に二人は乗って、愛を歌う。ちょっとやってみたくなった・・・
 第6場 機械室の謀議〜更衣室〜失業者の街〜社長の憂鬱 曲が関西弁のラップで、ここが最初一番聞き取りにくかった。迫力は満天だったけど。失業者たちに囲まれたぼんぼん社長は、かわいそうとしかいいようがなく、たーたんの迫真の演技に、笑っちゃいました。そんなブルーなリッチー社長をよそ目に、銀橋ではラブラブデュエット第二弾。社長の「なんなんだろう。」というつっこみも面白い。そこで社長は二人からデパートの楽しさを教えてもらい、自分も意気投合してしまう(つもり。あの二人の間には、誰も入れません。)
 第7場 ハートフルドリーム 夢に溢れていた頃のデパートの回想シーン。回転ドアが廻り、歌の通りゴージャスなディディーが歌う。今回が見納めの、ミリちゃん(貴咲美里)がイシちゃんに絡むシーンもあり、下手そでに下がるミリちゃんの表情に見入ってしまいました。ああ、涙。三兄弟(安蘭・成瀬・朝海)もドアマンとして「俺が一番いかしてる」と歌い、三人ならでわの雰囲気も微笑ましい(これも見納め・涙)。
 第8場 ディディーとスタンボーンのデュエット 前場の夢のようなシーンから一転、一人一人がデパートのこれからについて考える。しっとりとした場面。リッチーとディディーのデュエットは第3場のものより、しっとりと歌いあげていて、またまた鳥肌。
 第9場 リゾート 海岸でみんなが歌い踊るシーンで、フレックスがリゾートの夢にいざないワープする、らしい。けど、あまり繋がりが感じられなくて、意味の分からないシーンになってしまったような。次場のように、デパート内のどこかの売場を舞台にした方がいいんじゃないかなと思った。
 第10場 トイ・ファンタジー おもちゃが踊るファンタジーなシーン。このごろあまり見なかったけど、宝塚らしくて私は好きです。客席もノリノリ。
 第11場 ヒューマンサービス 全場を通して、ここが一番メッセージ性が強いなと、歌詞を聴き入って思いました。フレックスのソロから、合唱へ。正塚先生の色が反映されてました。
 第12場 カミングスーン 全員が新しい制服の店員になって主題歌を歌いつぐ。銀橋を順番に渡ってショーを締めくくりました。幕が下がっても、紗の向こうで最後まで一所懸命手を振る出演者に、精一杯の感謝の拍手を贈ってしまいました。

第六場 ぶみの選ぶベストカップル  残念ながら、今回がさよなら公演となってしまったミリちゃん。第7場でイシちゃんに絡むシーンは涙もの。その前に、しいちゃん(立樹遥)とデュエットダンスがありました。大柄なミリちゃんが組んで踊るには、長身がっしり型のしいちゃんはぴったり。まして、この二人は同期。先生の粋な計らいに、はい、泣きました。

第七場 ぶみ・辛口  上段でも述べてますが、リゾートのシーンの意味がやっぱり分からない・・・デパートの売場で、何か物語になるところはないのかなぁ(考。)泥棒が出てきて、店員とお客様で協力してつかまえる、なんていうのはどうでしょう(案。)

第八場 ショーが先行、について  最初、なんで?と思ったけれど、ショーと芝居と公演を観てみて、今回そうしたわけが分かるような気がしました。幕開きからハイテンションでショーが進み、わーっと終わった後、しっくりとお芝居。ショーの印象を残しつつ、お芝居に浸って帰路につけるという、ある意味、粋なはからいだなぁと、私はとりました。

第九場 そしてリピート  ショーはいつもそうだけど、きっと何度観ても楽しいと思います。観れば観るほど歌詞もしっかり伝わるだろうし。

ぶみの部屋 入口へ ぶみわーるど 入口へ 観劇劇場 表紙へ