宝塚歌劇88周年記念特別公演
2002年4月
雪組+専科 日生劇場公演
宝塚グランドロマン 風と共に去りぬ
原作 マーガレット・ミッチェル
脚本・演出 植田伸爾/演出 谷正純
第一場 ぶみの期待‐観劇前のお話‐ 轟さんの専科初公演が『風共』。うまく考えたなぁぁぁ。よし、私はこれで舞台復帰をしよう。いや、客席復帰だ。しかもアシュレがワタルさん(湖月)。メラニーが檀ちゃん。公演1ヶ月雪組・花組半分づつ。コムスカ・あさスカ。うわ〜〜ん!チケットないよぉぉぉ。
第二場 ぶみの感想‐観劇直後のお話‐
「心がいっぱい。胸もいっぱい。でも、カラダイタイ」
長い・・・とても長い・・・。オープニングもちゃんとは無くって、フィナーレはなんにもない。休憩25分の、3時間半の公演。それを全く知らずに観ていた私には、けっこうきつかった。(ほら、観劇2ヶ月ぶりだし)
頭はお芝居に没頭しているけれど、なにせ体は正直。
第三場 ザ・キャスト@
やはり御贔屓の雪組ですから、ほどんど下級生に至るまで、2階席の上からでも誰が誰だかわかりました。
そして、『風共』は何度も観た作品ですから、登場人物がちゃんとわかる。その2つが今回の強みで、作品自体を、とても楽しむことが出来ました。
レット・バトラー‐轟悠‐なんの欠落も無い、完全なるバトラーで、公演中、轟さんであることも忘れてしまいました。懐の広さ、男の悲しさ、スカーレットに対しての純粋さ、ユーモラスさ、どれをとってもすべて完璧です。
今までの、雪組トップとしての轟さんとは、また違い、専科という立場のトップオブトップという位置付けの役作りでした。ただ、完璧ゆえに、面白みが無かったのが難点。周りが雪組のメンバーだったから、あまり異質さが出なかったのかなぁとも思います。だから面白みとしては、花組バージョンの方が、あの作品でのバトラーの異質さ異色さがはっきりしたかも。
スカーレット−朝海ひかる−これでもか!というスカーレットで、とってもかわいかった!緑のリボンのティアードのドレスが、ものすごく似合っていて、スカーレットの純粋な強さや、若い娘らしいキラキラしたところが、あのドレス姿に凝縮されていました。もう、コムちゃんの女役大好き!!!
台詞も歌も本当に自然で、普段は男役というのが、本当に信じられないくらい。私にしてみたら男役の方が、むしろ不自然…(おいおい)
スカーレットU−白羽ゆり−あの強烈なコムスカに対抗するわけですから、大変だ、と思ってましたら、となみちゃんのUも、ものすごく強烈で、二人ともいい勝負だったのにびっくり。
もともと、ものすごい声量の持ち主ですから、台詞もはっきりしていて、とても余裕があり、となみちゃんの地声の部分が、よくいかされていたと思います。ちゃんとお芝居を観たのは初めてですが、これから先に楽しみが増えました。
アシュレ−湖月わたる−&メラニー−檀れい−出演者全員のものすごい意気込みで、濃〜い舞台になっている中、この二人だけが、す〜っと白い雰囲気で、二人の世界を築いていました。周りが熱い中、醒めているわけではなく、押さえているわけではなく、アシュレとメラニーだから、そうだったという感じ。つまりとても上手い、というわけ。
二人でいる図が、とてもほわーっとしていて、絵になりました。ワタルさんはあまり歌が無かったけど、芝居で充分魅せてくれました。コムスカじゃなくても、目がハートになっちゃうくらい、憧れの対象として立派でした。
だんちゃんは外部出演を経て、お芝居に磨きがかかった印象。私自身は、やわらかなだんちゃんよりも、2幕の女だけで家で待つシーンのような、きりっとした美しさが好きなのですが。ただ、歌は、だんちゃんの力量云々の前に、幕前で一人であの歌を歌う必要があるのかどうか…?
第四場 ザ・キャストA−お気に入りの方数名限定− ベル・ワットリング−未来優希−今回、はまこちゃんのベルを観に行った、といっても過言ではないくらい。そして期待以上観せてくれるから、うれしいことこの上なし。2階席からみていると、胸の谷間の刺青が…(変態・ぶみ)自然に女役なのもさすがだし、娼館の女主人としての余裕もあるし、人間的にもよく出来てるし。完璧だね。 ♪幸せは何処 のナンバーを楽しみにしていたのに、新曲になってしまって残念でしたが。 キャリーン−愛耀子−&スエレン−有沙美帆−姉妹も、きっちりと観せてくれました。コムスカとの3姉妹のやりとりは、本当に個性のぶつかり合いで、息をのみました。姉のスカーレットにも勝るほどの体面を気にする気の強いスエレンを、あみちゃんはその演技力で、わがままなお嬢さんとしてだけでなく、観ているこちらの同情をしっかりかうことのできる人物にしてました。 マコちゃんも、とてもかわいらしく、個性的な2人の姉のどちらにも流されず、ちゃんと中立的な立場にいられる偉い妹でした。 インディア−美穂圭子−スカーレットのせいで、いつもかわいそうなインディアですが、けいこさんの台詞がとてもやわらかい声なので、どんなにキツイことを言っても、品良く聞こえて、すこしすねたようなふくれっつらと合わせて、とても可愛らしかったです。 メイベル−山科愛−可愛かった〜。ただ残念だったのが、「私があなたの杖になります」っていう、メイベルのやさしさアピールのシーンが無かった事。だからファニーとの比較ができなくて残念。 ・・・それにしても娘役さんばかりになってしまった・・・
第五場 新曲について
今回、完全版にあたり、新曲がいくつか加わりました。それについての、私の超偏見個人的意見でございます。
アシュレとメラニーのナンバーはとても素敵でした。
ベルのナンバーは、上記のとおりです。
そして、最も、聞いていて不自然感が否めなかったのが、フランクと結婚したスカーレットを非難するナンバー。ミュージカル仕立てにしてみました。らしいけど、
『風と共に去りぬ』には不似合いです(きっぱり)。『風共』は、いわば“宝塚歌舞伎”の代表選手。
だから、台詞の後に歌、というのが、よく似合うのです。
普通の生活からは、そりゃ不自然ですが(文章変?)、この“宝塚歌舞伎”には、その形が最も適しているのです。
そこにいきなり、『エリザベート』のような多重唱が入っても・・・と、思うのです。
古いことに縛られてばかりいるのは良くないかもしれないけれど、古いものを守るのも、また、成長だと思いますが。いかがなものでしょう。
第六場 花組版 今回、やはり御贔屓の雪組版を選びましたが、花組版はいかがだったのでしょうか。コムちゃんの女役は、想像するのは簡単でしたが (想像をはるかに越えていた、というのが嬉しい事実)あさちゃんの女役・・・もれ聞こえた話では、コムちゃんはさばさばした役作りで、 あさちゃんは、より、女性らしかった、とのことですが、兎にも角にも観られなかったのが残念です。 轟さんのとこのコメントでも書きましたが、花組版での方が、轟バトラーの異色さが、きっと際立って見えたんだろうなぁと思うと、 また違った意味で、残念さがこみ上げてきます。両方ご覧になった方、感想聞かせてくださいませね。
第七場 コムちゃんにお願い そのA 以前、『月夜歌聲』の感想のときにもお願いしました。しつこく、今度もお願いさせてください。 娘役になろうよ。・・・でもね、今回は、轟さんとも、ワタルさんとも、ちゃんとキスシーンがあったから、ちょっとだけ満足。(やっぱり私、変。)
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