Hitomi Tsukikage
STAGE HISTORY
  
  
  

ショー   デパートメント・ストア

作・演出/正塚晴彦
2000年6月30日〜8月14日/宝塚大劇場
ぐんちゃんの役/ジャネット
 『デパートメント・ストア』その名の通り、老舗デパートが好景気に踊り、バプルが弾け、リニューアルオープンするまでのお話。 正塚先生の初ショー作品。でもそこは正塚先生。ちゃんとストーリー仕立てなのです。 小粋なミュージカル、といった出来上がりで、休憩の後の重たい『凱旋門』との取り合わせもよいのでは。 ぐんちゃんは比較的、正塚作品にはよく出てる印象がありますが、それと同時に、しごいてもらってるという印象も。 多分新公時代によく当たったから、でしょうか。

 ショーとはいえ、お芝居仕立てなので全編通してエレベーターガールのジャネットを演じるぐんちゃん。 先生から言われたのは「普段の月影でやってくれ」とのことですが、普段のぐんちゃん=パワフル、で、先生の演出通り(?)劇中も弾けまくってました。

第1場 プロローグ  好景気のデパート。みんなが文字通り踊ってます。 ぐんちゃんもエレベータガールの制服・赤のチェックのハイネックのワンピース姿で負けずに踊ります。 デパートに遊びに来たフリーターのフレックス(轟悠)との出会いもあり、ショーのオープニングにふさわしい、わくわくするシーンでした。

第4場 ゴーストタウン
 「今日もまた、頑張りましょう」と一人元気なジャネット・ぐん。 この頑張りましょう、「ぐぅぁーんばりましょおー」と聞こえ、ぐんちゃんの底力がこもっています。 他の店員たちはお客が来なくてゾンビになっているというのに。舞台右手奥の階段から登場し、 本舞台から下手袖に下がるまで、ラジオ体操のような振りもあり、お掃除のテディーに90度の最敬礼で朝の挨拶をし、 大股で元気に歩いていく。なんて元気な・・・
 その後はフレックスがゾンビ店員に襲われている所に割って入り、無事救出。 フレックスの手を引っ張って、エレベータへ駆け込む姿は、かなり笑えました。 イシちゃん(轟)のアドリブにも大声で叫んで答え、でも引っ張って走るスピードは決しておちないのです。元気だ・・・

第5場 二人のデュエット
 屋上のおもちゃの飛行機に乗り、歌う二人。 飛行機を降りてからのデュエットも、さわやかで、そしてラブラブ度、大。 出合ったばかりで、お互いはにかんでのデュエットは、初々しささえ感じました。

第6場 社長の憂鬱
 リッチー社長(香寿)が、身も心もずたぼろになっているところに銀橋へ登場するラブラブカップル。 クリーム色のふわっとしたワンピースのぐんちゃんは、とっても愛らしかったです。 フレックスと手をつないで、銀橋を渡り、リッチーに、なんでそんなに楽しそうなのか訪ねられる二人。 デパートには夢があると答えるフレックスを、最初は「でも…」と不安そうに見つめる。 けれど、ジャネットの心にもどんどん懐かしい夢のデパートが広がるのが、表情からよく分かりました。

第7場 ハートフルドリーム
 華やかな頃のデパートの回想シーン。お衣裳も少しクラシカルな雰囲気でした。 明るいピンクに黒の水玉のタイトなワンピース。お揃いの帽子も似合ってました。

第9場 リゾート
 黄色のシャツに黒のスパッツと、珍しい衣裳のリゾートシーン。とにかく楽しそうだったのが印象的でした。

第10場 トイ・ファンタジー
 おもちゃ売場で、おもちゃたちが歌い踊るファンタジックなシーン。 ぐんちゃんは妖精の王女様のようでした。白にシルバーの装飾のわっかのドレス。 こんな所で、こんな衣裳で登場するなんて、びっくり。 手に持った星のステッキからは、きらきらがこぼれ出ていました(オペラグラスで見えるよ)。

第11場 ヒューマンサービス
 みんな、元の制服姿で、デパートの明日を見つめての、しっくりしっかりした合唱。 正塚先生らしい、メッセージのこもった歌に、少し、うるっ。

第12場 カミングスーン
 リニューアルオープン直前。 全員が主題歌を歌って舞台に登場したところで、フレックスと腕を組んでの登場。 ぐんちゃんの新しい制服は、ラベンダーパープルのワンピース。 前の制服が華やかで躍動的なのに対して、新しい制服はソフトでエレガンス。 モットーが“ヒューマン&ハートフルサービス”というのがよく反映された雰囲気です。 その後銀橋を全員わたりますが、行きはフレックスが先頭で、帰りはジャネットが先頭。 みんなを引っ張るような振りも、お茶目でした。 “Coming Soon”と書かれた幕が下がっても、紗の向こうで元気に手を振るぐんちゃんへの、 今日もパワーをありがとう!という感謝の拍手は、いくら贈っても足りないくらいです。

2000.8.26,

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