Hitomi Tsukikage STAGE HISTORY |
グランド・レビュー 華麗なる千拍子'99 −高木史朗作品より−
監修/酒井澄夫 |
構成・演出/中村一徳 |
1999年11月12日〜12月20日/宝塚大劇場 2000年2月11日〜3月19日/1000days劇場 2000年4月14日〜5月7日/全国ツアー |
前作・『ノバ・ボサ・ノバ』に続いての再演物。そして1999年のラストを飾る作品。雪組の持っている パワーを総て出し切った公演で、観ているときも楽しく、観終わった後も心に心地よい楽しさを残して くれた作品でした。第1章プロローグ 第1・2場 淑女S 雪組の誇る、豪華男役スターさんの登場の後、舞台中央ゼリからのせり上がり。男役スターさん達に 迎えられて歌いながらの登場でした。前スリットのピンクのスレンダーなドレスも似合ってましたが、 なにより、貫禄があってかっこよかったです。♪幸福を売る人を歌いつつ雪組全員が銀橋を渡る有名な シーン。ぐんちゃんはもちろん先頭のトップスターイシちゃん(轟悠)に続いて、♪夢はいかが〜〜と 渡っていきました。
第3章スペイン 第6〜8場 恋人 上手花道からの登場。真っ白のスパニッシュドレス、髪は低いシニオンに赤い花。 前場のマタドールS(轟)の恋人で彼の勝利を祈りつつ歌い銀橋を渡ります。テンポの速い曲で後ろの裾の 長いドレスを巧みに操りながら情熱的な姿でした。本舞台に戻ると黒い影S(汐風幸)がからみ死の不安を 駆り立てます。マタドールの無事を必死で祈る恋人の、表情がとても良かったです。芝居が強い人には ストーリーのシーンはやはり、はっとさせられます。 マタドールが死に勝ち、恋人とのデュエットダンス。闘いに勝ち、生きる喜びを恋人と踊るので髪に 飾った花は先ほどの赤から、“生”の象徴のような白い花に代わってしました。イシちゃんの白い マタドールの衣裳とぐんちゃんの白いドレスが、デュエットになるとお互いを引き立てあって舞台に映え、 とても幻想的なデュエットになりました。
第4章リオのカーニバル 第9〜11・14場 リオの女S 最初にオレンジのドレスで♪リオのカーニバルをムーディーにしっとりとコウちゃん(汐風)とデュエット。二人の 掛け合いがとても良かったです。 このショーの見物の一つ、イシちゃんのパイナップルの女王の後、元のかっこいい男役に戻った イシちゃんと銀×赤のダルマ姿のぐんちゃんが爽やかに踊り、中詰めのパレードで銀橋へ。曲は やっぱり♪リオのカーニバルですが、銀橋中央でのぐんちゃんのダンスが公演が終盤になるに連れ、 何かおかしい。初日開いてすぐは確かちゃんと振りがついていたはずなのに、日を追うごとに変な振りに なっていき・・・私が見た限りでは、モンキーダンスを踊って隣のイシちゃん・タータン(香寿たつき)を 巻き込む始末。時には一緒に踊ってくれ、時にはあきれ顔で手拍子をされてました。他にはどんなパターンが あったのか?と思うのですが、ぐんちゃんをパワー爆裂させていました。
第5章ジャズの拍子をたずねて 第17場 踊る女S 第19場 ニューヨークの女S ジャズは雪組お得意のという感じで、激しく踊るぐんちゃんの姿も、やっと見慣れたような気がします。 赤いドレスに黒のソフト帽。伏せ目がちの視線だけど『ラヴィール』の『DANCE JAZZIN』のような挑む ような眼差しではなく、真っ直ぐだけど瞳の奥には楽しくて仕方ないという綺麗な目線でした。ここでも コウちゃんと組んで踊ってました。
第6章フィナーレ 第21場 デュエットの女S 第22場 パレードの淑女S イシちゃんとのフィナーレのデュエットダンスは4作品めですが(毎作品あって、嬉しい限りです)一番 ロマンティックだったのでは。水色のエンビとドレス。エンビのしっぽ部分ドレスのスカート部分が プリーツになっているとても素敵なお衣裳でした。それに二人よく似合ってるんです。大階段でイシちゃんが 歌い、途中でぐんちゃんが中央ゼリからせり上がり。『ラヴィール』の『テンプテーション』と同じ パターンですが、雰囲気は全く違いました。振りの中で私個人的にお気に入りの持ち上げてホーズの リフトがあり、ありがたやーと目を潤ませていたら、その後の振りで、リフトしてくるくる回った!!! ぐんちゃんがイシちゃんの首に腕を回して。私うるうるからとうとう泣いてしまいました。嬉しくて。 夢にまで見たリフトだわ。リフトというものはバウ『凍てついた明日』のフィナーレでタータンに持ち 上げてもらったことがあったけど、フィナーレのデュエットでは初めてのこと。私はただのファンに すぎないけれど本当に嬉しかったです。 パレードはこの公演でこれでもかと歌われた名曲たちでの華やかな物でした。ぐんちゃんも♪夢は いかが〜〜と元気に大階段を降りてきました。衣裳はポスターのドレスかな?
とにかくノリのいいショーで前作『ノバ・ボサ・ノバ』も見終わった客席もかなりの心地よい疲労感が ありましたが、今回もそうでした。 でも帰り道、♪夢はいかが〜〜と歌っている自分がいるんですよね。
2000.1