Hitomi Tsukikage
STAGE HISTORY
  
  
  

ショー  イッツ・ア・ラブ・ストーリー

作・演出/横澤英雄
1993年8月6日〜9月13日/宝塚大劇場
12月2日〜26日/東京宝塚劇場
1994年2月*日〜*日/中日劇場
ぐんちゃんの役/第4場ラブストーリー 淑女
第5場夏の海 娘S
第6場ドリーミング・イン・ザ・レイン 娘S
第11場雪の宝石 雪の貴婦人
第12場赤い宝石 ボレロの女
第14場青い宝石‐パレード‐ エトワール
 エトワール!エトワール!!記念すべき初エトワールでした。しかも、後にも先にも例のない、 ゴージャスな衣裳。大階段を埋め尽くす長ーい広ーい裾のドレスで、若手の男役さんに裾を持たせての登場。 先に観た友人に話は聞いていたけれど、それにしてもすごかった。歌い出しも、歌詞ではなく「ア〜♪」と いうガデンツァ(っていうんですか?)で、フィナーレに度肝を抜かれるという、ぶみの観劇人生でも あまり例のない事態におちいりました。はじめにフィナーレの事を述べて、順不同になっていますが、 はっきり言うと他の場面のぐんちゃんは、印象があまりない・・・というのが正直なところです。光栄にも ヤンさん(安寿)とのデュエットダンスを頂いたのに・・・不届きなファンだ。

 記憶に頼るのをあきらめまして、ビデオを観てみました。

 第4場ラブストーリー バーのカウンター前での大人っぽいダンス。タイトのロングドレスで シニオンを下目に作ったヘアスタイル。(娘役さんはみんなそう) ビデオの画面には一瞬しか映りませ んが、思い出しました。確か、リカさん(紫吹淳)と踊ってました。

 第5場夏の海 浜辺でかっこいいお兄さん(紫吹)を取り巻いて女の子達が騒いでいるその中の 娘Sがぐんちゃん。前場とは全く違う、今度はかわいい女の子で登場です。白地にピンクのワンピースが すごく愛らしさを引き立たせていました。かっこいいお兄さんがプレスリー風に歌い、女の子達が右に左に 「きゃ〜!」とくっついて歩くのですが、その輪の中でもぐんちゃんは動きがはげしく、とにかく目立つ。 ま、衣裳が違うせいもありますが、可愛らしさでも目立ってました。結局かっこいいお兄さんは、ビーチの 女の人たち(男役さんが演ってました)に取り囲まれてしまい、女の子達は遠くから眺める、という コメディータッチのシーンが終わるのですが、その群衆から一人離れてストップモーションになるぐんちゃん。 そして紳士のヤンさんが思う娘の絵のようになって、次場へ続くのです。

 第6場ドリーミング・イン・ザ・レイン 幻想的なバレエタッチのシーン。雨の中、妖精風の 娘のぐんちゃんに紳士のヤンさんが出会い、二人で踊りました。リフトもあったし。そして、紳士の悪友で あるミキちゃんが現れ、ぐんちゃんを操るようにして、二人を引き離しますが、娘は紳士の元へ帰ってくる。 そしてつかの間、踊りますが、再び雨が激しくなり娘は幻の様に森の奥に消えていくのです。ストーリーのある ダンスシーンで、ぐんちゃんの表情や仕草、雰囲気はその時々で上手く変化して、メリハリのあるいい演技を してました。この時のぐんちゃんは研4。まだ、少しぷくぷくしていて、ダンスもそんなに上手ではありま せんし、ヤンさんやミキちゃんについて踊ることに精一杯の感じはあります。だけどストーリーのあるシーン ですからその芝居心はとても生かされていたと思います。

 第14場パレード 最初に述べたエトワール。ビデオに頼らなくても私の記憶の中にはしっかりと焼き 付かせてあります。改めて考えると、すごくのびのびと歌っていて、パワーにあふれたエトワールですね。

 このショーは当時劇場で観たときには、なんだか平坦でつまらないなと感じました。だけど、改めて ビデオで観てみると、主題歌を季節に合わせて歌詞をかえて繰り返し聞かせている点や、舞台全体を紗幕の絵画 に見立てて作っている点など、ひと味違ったショーで、また、今、劇場で観たら、きっと全く違った印象を 受けるんだろうな、と思いました。

   ぐんちゃんは抜擢に負けず、きちんと自分の役割を果たしているようで、今とは違った、がむしゃらで 一生懸命、というかわいい面がみられました。

1999.8.

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