ぐんちゃん・てぃたいむ

大劇場公演・千秋楽
ぐんちゃん2001.11.12

 

2001年11月12日月曜日 天気くもり  雪組大劇場公演・千秋楽。そして、ぐんちゃんの大劇場ラストデイ。
その長い一日を追いかけます。

楽屋入り
 集合場所には、白のウエアを着た、FCスタッフさん・お手伝いの方・FC会員が、打ち合わせをしつつ、ぐんちゃんの到着を待ちわびていました。 その隊列の中に、ビデオカメラを構える美しい方と、両手でカメラを持ったまま放さないブロンドアフロヘアに黒のニット帽に黒ぶちめがねの方が・・・ ぐんちゃんの同期生、ちー坊さん(天希)とみやたん(風早)です。 スタッフさんから「お二人が入られますが、みなさんキャーとかワーとか、言わないで下さいね」というコメントがありましたが、 一番騒いでらしたのは、このお二人だったことを付け加えておきます・・・ お二人は、通りかかったコムちゃん(朝海)にコメントを求めたり(コムちゃんも白ウエアを着てくださってました)、「本当に気づいてくれなかったら、飛び出してもいい?」などと盛り上がったり大忙し。 掛け声の練習をしているうちにも時が過ぎ、10時過ぎにぐんちゃんの到着。 そして長い長い白の隊列は、隊長ぐんちゃんを先頭に、楽屋口へと進んでいきました。 隊列の中に、ちー坊&みやたんを含みつつ・・・
 花の道に差し掛かると、沿道から自然と拍手が起こりました。 楽屋口では、他の組や退団された同期生がお出迎え。ユリちゃん(星奈)・大ちゃん(大洋)・きんさん(朝峰)など等・・・ お手紙を手渡し、白の集団は、楽屋口に2列で座りました。 しかし、はしゃいでいるぐんちゃんは、ちー坊さんとみやたんに気づかず・・・ みやたんが、大アピールをはじめると、さすがのぐんちゃんもお二人の姿に指差して大笑い。 「月影さんかわいい〜」と叫びつつ、シャッターを切るのを忘れないみやたんでした。 そして、掛け声。
 せ〜の「やさしく、たのしく、うつくしい とんみちゃんは 私達の元気のミナモトです!!今日も一日がんばってください!!!」
ぐんちゃんは、私達の方をしっかりと向いて、全身で掛け声を受け止めて、「ありがと〜〜〜」と喜んでくれました。
 せ〜の「いってらっしゃ〜い!!」
の声に見送られ、ごきげんな最後の楽屋入りとなりました。

大劇場公演千秋楽
いつもに増して、情熱的な西施様(月影)。ぐんちゃんだけでなく、全員がこれで最後だ!と想いでか、とても熱が入っていました。 何度も観てきたこの公演。なのに、そんな生徒さんの気合の入り方のため、いつもとは全く違ったものを、観ている気さえしてきました。  范蠡さん(絵麻緒)に縋るシーンも、この日の西施様は、可愛らしさ、儚さ、そして悲しいまでの情熱で迫るため、范蠡さんいつも以上に、後ろ髪を引かれる表情で帰っていきましたし・・・  夫差王(轟)の「お前を信じている」という台詞も、心にぐっとくるようなやさしさに溢れていました。その後の西施様の台詞も、心から夫差王に縋る勢いだし・・・  燃え盛る城の中で、♪あぁ〜愛は〜という歌の後、登場する西施様の「夫差王っ」という台詞は、搾り出しの叫び声に近かったですし・・・  夫差王に切りかかろうとする越の将軍(天希)に「やめて〜」と飛び掛る西施さまも、それを跳ね除ける将軍も、二人とも遠慮のない突き飛ばしで、 突き飛ばされても、再び振り下ろされた刀に飛びつく西施様も、いつも以上の身のこなし。すごいものを観た気分になりましたし・・・  千秋楽ってすごいなぁ、と、改めて思いました。
 ショーは、退団者が、衣裳にお花をつけています。ちほちゃんは全場面つけていて、とても可愛かったです。ロケットの掛け声が「やっ!」ではなく「ちほっ!」となっていたのは、泣けました。
ぐんちゃんは、特別なお花はつけていませんでしたが、この日のぐんちゃんには、お花は不必要。ものすごいオーラに包まれていて、今のこの時を、本当に精一杯の気持ちで楽しんでいる、というのが 客席にも充分に伝わってきました。轟さんを見る笑顔。組のみんなを見る笑顔。客席を見渡す笑顔。最高でした。

サヨナラショー
組長さんの挨拶の後、いよいよ『月影瞳サヨナラショー』の開幕です。
 ♪I Remembar You〜というコーラスと共に幕が開きました。大階段に白いドレスで一人立つぐんちゃん。
 雪組トップ娘役としてのお披露目公演『LET’S JAZZ』より I Remembar You を歌います。轟さんとの初めてのデュエットダンスの曲です。
 大階段を降り、本舞台中央に立つと、曲は流れるような3拍子、『パッサージュ』より 硝子の空の記憶 にかわります。 同期退団者のちほちゃん(愛田)・舞ぴー(舞坂)・こゆちゃん(白樺)が、『パッサージュ』オープニングのドレスで登場。同期とデュエットしました。 ぐんちゃんはちー坊(天希)・みやたん(風早)の二人にはさまれて、とてもいい笑顔で歌い、躍りました。 ♪パッサージュパッサージュ〜のところから、影コーラスになり、ラスト全員がポーズ。
 一人舞台に残るぐんちゃん。曲は懐かしい 『殉情』 です。 上手からぶんちゃん(絵麻緒)が登場。下手からぐんちゃんが歩み寄りながらのデュエット。 歌詞のとおり、本当に佐助と春琴、二人だけの世界で、あまりの懐かしさに、会場からも、むせび泣きが・・・(私か…) ぶんちゃんと抱き合った後、再びひとり舞台に残るぐんちゃん。
 御本人も大好きだった、『浅茅が宿』より 花故郷 を本舞台で。 劇場の空間が、桜の咲く、浅茅が宿に戻ったようでした。
 本舞台から、銀橋に出て歌った次の曲は、『再会』より モンテカルロの恋 。銀橋に出ると、会場からは、本当にあたたかい拍手がおくられました。 銀橋の真ん中で、♪これが恋なのか〜と、手を広げるぐんちゃん。 客席を包み込むようでもあり、客席から愛をもらっている様でもあり、そのすがすがしいぐんちゃんの笑顔に、客席は涙を拭いつつ、笑顔になってしまいます。
 本舞台の幕はいったんしまり、再び開くと、轟さんが大階段に。 前奏から、すでに泣きに入りそうな、『凱旋門』より 雨の凱旋門 を、たっぷりと歌いました。 轟さんは、本舞台から銀橋へ。ぐんちゃんは下手花道から本舞台へ。 その本舞台に戻るぐんちゃんの横顔は、すでにサンドリーヌの笑顔ではなく、ジョアンの顔になっていました。 本舞台で、轟さんの歌に合わせて踊るぐんちゃん。切なく、流れるようでした。 曲のラスト、♪恋の始まり〜は、ぶんちゃんの影ソロで、締めくくられました。
 しっとり歌い上げたソロナンバーのラストは、『凍てついた明日』より ブルースレクイエム 。 エレキギターの切ない伴奏にのせ、しっかり、一言ひとことをかみ締めながら歌っていました。 その歌詞は、とてもメッセージ性が強く、心穏やかに、しっかりと聴くことが出来ました。ぐんちゃんらしい、素晴らしい選曲でした。
 そして、舞台は一転。雪組一同が登場して 『LET’S JAZZ』 の主題歌を元気に。 客席も手拍子で盛り上がりました。 ぐんちゃんが下手袖から、ちほちゃん・まいぴー・こゆちゃんを引き連れて銀橋へ。 4人で銀橋で、元気に躍りました。 本舞台に戻ると、大階段に轟さんが登場。 ぐんちゃんは駆け上って、腕を組んで一緒に降りてきました。 みんな、満面の笑顔で、さっきまで泣き狂っていた客席も、手拍子、そして笑顔。
 そんな笑顔の中、元気印のぐんちゃんサヨナラショーは、幕を下ろしました。

ぐんちゃんからのメッセージ
先ほどまでの、華やかな雰囲気から一転。しっとりと、組長さんから、退団者のプロフィール、メッセージの紹介です。
「私の宝塚生活で自慢できることは 一度も休むことなく舞台に立ったことです
そんな丈夫な体に産んでくれた母に 心から感謝します
そして 舞台に立ちながら 演出家の先生をはじめ たくさんのスタッフの方々から支えていただき 大切なファンの方々からは 数え切れないほどの励ましのお言葉を頂きました
今こうして 月影瞳という生徒がいるのも 皆さんのお陰と 感謝の気持ちで一杯です
雪組に来て四年半 最高の仲間に出会い 共に泣き 笑い たくさんの思い出をもらいました
私にとって 何にもかえがたい財産です
また 轟さんの相手役を務めさせて頂いたことも 自分自身 一歩成長できたように思います
いつもやさしくあたたかく 私を見守り包んでくださった轟さんに 心より感謝いたします
大好きな宝塚
いつまでも充実した日々を送りたいのですが 私が先輩から伝統を受け継いだように 次の世代に引き継ぐことも また 私の使命と思い 退団を決意しました
今までは 自分とは別の役を演じることが私のすべてでしたが これからは自分の人生を生きていくことが 自分のすべてだと思っています
私を支えてくださった多くの方々に 心より ありがとうございました 月影瞳」


御挨拶
こゆちゃん・まいぴー・ちほちゃんの後、ぐんちゃんが大階段に登場する時になってしまいました。
 組子全員が大階段下で見守る中、飛鳥組長の「ぐんちゃん!」という呼びかけに、「はーいっ」と、とても元気に答えるぐんちゃん。 その大きな声と元気のよさに、会場から笑いが起き、とても和やかな雰囲気に包まれました。
 宝塚歌劇団の正装・黒紋付と緑の袴を身につけ、大階段に登場するぐんちゃん。髪型はおでこ出しのトップシニオンで、袴とおそろいの緑のリボンがついていて、ぐんちゃんらしい、すっきりとした美しさでした。 大階段の中央に立ち、両腕は脇につけたまま、指先をぴっと伸ばし、礼をされると、会場からはあたたかい拍手が。
 大階段を降り、舞台に立つと、組からと同期からお花が贈られました。組からはトップスターの轟さんから。同期からはちー坊さんとみやたんから。お花は白いバラで、キャスケード型のものを左右2個合わせて、とても大きなブーケになりました。
 マイクの前まで歩み寄り、再び礼。とてもいい笑顔でした。
「わたくしは パワフルに 12年間歩んでまいりました
 諸先生方 スタッフの方々 大好きな上級生の方々 そして可愛い下級生
 そして いつでも どんなときでも 助けてくれた 同期の天希と風早
 そして 何よりも わたくしを優しく見守って下さり そしてわたくしを育てて下さいました 轟悠さん
 そして 最後にわたくしを一生懸命励まし 心から応援して下さったファンの皆様に 感謝の気持ちで一杯です
 わたくしは もうこの舞台に立つことはありませんが この景色を目に焼き付けて この大劇場とお別れしたいと思います
 本当に長い間 ありがとうございました」
一言一言、はっきりと、かみしめながら、そして何より笑顔で会場を見渡しながらの御挨拶でした。
 割れんばかりの拍手のあと、轟さんの御挨拶。そして、♪さよなら皆様 の合唱。轟さんとぶんちゃんの間で、元気に、大きな口を開けて歌っていました。 3人が、曲に合わせて左右にリズムをとっている姿は、とてもほほえましかったです。 途中から、隣の人と手を繋ぎだしたのですが、お二人は、お花を持っているぐんちゃんの後ろに手を回すような感じにして下さってました。
 カーテンコールは3回ありましたが、その3回目、轟さんが「あの、月影から一言いいます」と仰り、御自分のピンマイクをぐんちゃんに近づけると、 ぐんちゃんは超パワフルに「轟さんの相手役をさせていただいて、幸せでした〜!」と御挨拶。 会場は、拍手というか、叫び声というか、ものすごい状態になってしまいました。立ち上がってる方も多々みえました。  

パレード
 中央ゲート前に向かって、退団者を送り出す道が出来ました。駐車場側に退団者のFC、劇場側に轟さんFCが、それぞれガードに入りました。
 紋付・袴で、こゆちゃん・まいぴー・ちほちゃんが、何分か置きに、登場しました。最後にぐんちゃん。御挨拶の時のお花をそのまま持ち、終始笑顔で、みなの前を通っていきました。 いったん、中央ゲートや花の道付近まで、沿道のお客さんに姿を見せに行き、再び戻ってきました。 FC会員の前まで来ると、垂れ幕が出されました。“月影瞳に 愛燃える”という赤い文字に、白いバラが周りにつけてありました。
 そして掛け声。
「今までたくさんの愛をありがとうございました。私達のとんみちゃんへの愛は、燃えて燃えて燃え続けます!」
 その後、いっせいに隠しておいた赤い布を振り、「西施〜〜〜〜〜〜〜っ!」と叫びました。(気分は夫差王?)
ぐんちゃんは、両手を高くあげて喜んでくれました。もちろんお花を持ったまま・・・ (実はこのお花、キャスケードの同型ものを2個、左右に組み合わせて1個の大きなブーケにしてありました。 その2個を左右に切り離し、ぐんちゃんは手を振ってくれた、わけです。) その元気な姿に、沿道からは惜しみない拍手とフラッシュ!
 車の飾りは前のみで、ぐんちゃんらしく、すっきりとしていました。もちろん、ぐんちゃんの愛車でした。

長い長い一日、ファンの私達は、泣いたり笑ったり。そしてぐんちゃんは、終始笑顔で。
この長い一日は、これから先も、永遠に忘れることは出来ません。

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