いよいよ改修作業の始まり
畳をはがし、建具を大切に取り外し、補修と清掃の為搬出
ここはリビングとキッチンになる為に、欄間の下がり壁も
取り外します。
縁側廊下のガラス戸です。
とても趣があるので是非とも再利用したいところ。
ガラスは斜めから見ると微妙に曲がって景色が揺れて
見える昔のガラスです。
割らないように慎重に作業します。
耐震補強のため、土壁の手前に筋交いが入ります。
場所により土壁は剥がして補強しています。
縁側廊下の角の補強です。
上には丸桁が乗ります。
雨戸を無くして、外に防犯と断熱のガラスが入った
アルミサッシを入れた為実現しました。
補強の為筋交いを入れるため、土壁を解体しています。
真壁(柱が化粧で出る収まり)のため、補強が収まるスペースを確保しています。
浴室などの入るスペースの天井は解体しました。
既存の電気配線は、昔の碍子を利用した物でしたが、
安全のため、いまどきの電線と設備に改修しています。
補強が進んできました。
完成すると見えなくなります。
柱は真壁で見えますが、その途中の鴨居なども一旦外して、
補強後再び戻されます。
玄関の框を一度取り外して、削りなおした状態です。
まるで新品みたいにキレイです。
玄関周りの床板も同様に、一度取り外して削りなおして
利用しました。
リビングに改装される床下地の改修作業です。
仕上がりは床暖房を組み込んで、無垢の桜の床材になる為
補強しながらレベルを合わせています。
浴室周りの排水等設備配管の改修です。
給湯給水配管も同様に改修しています。
筋交いの補強壁に、構造用合板をあわせて補強している所です。
天井まで3メートルあるので、筋交いや合板も背が高いです。
浴室等水周りの補強壁です。
新設された間仕切り壁を利用しています。
新たに土台も新設しています。
鴨居・長押等も一度取り外して、加工しなおしています。
木材は本当にすばらしいと思う一瞬です。
活き活きとした、木肌がまたよみがえります。
床断熱のポリエチレンボードを入れ込んでいます。
温水床暖房の設置が始まりました。
この上に仕上げの桜の床材を張りますが、床暖房パネルを
傷つけないように注意が必要です。
床が張り終わって、すぐに養生を行います。
元は畳の部屋でしたが、和室の柱に、桜の板目がなじみます。
玄関周りの、元々の板を削りなおして張り戻した床です。
自然塗料(アルドボス)を塗装して、保護しますが、深い木の
肌合いが出てきて本当にすばらしい風合いです。
写真は塗装前です。
既存の天井には、エアコンが入ります。
押し縁の桟の高さだけ、枠を作り納めます。
取り外した天井板は、傷んだ同室の天井の補修に利用されます。
塗り壁の改修が始まりました。
既存の塗り材を剥がし、アクが出ないようにと補強に、下塗りを行っています。
仕上げは、珪藻土のケイ砂の入った物を塗ります。
新設クローゼット天井。
断熱材で覆われています。

ガルコンUという制振ダンパーを取り付けています。
耐震補強の梁や桁の接続部分で威力を発揮します。
伝統工法のこの建物の、大きな梁と桁で組まれている構造に、粘りの有る補強を行います。
2枚の接続板の間に可塑性のダンパーが入っていて、ゆれによって起こる変形を軽減します
天井の断熱です。
小屋裏は人が充分立てる高さがあります。
電気配線を改修後、ポリエステル製の断熱材を敷きこんでいます。(パーフェクトバリアー)
屋根は瓦葺きで寄せ棟のため、通気がとりづらい構造ですが、元々から床下の空気を取り込むダクトが2箇所設けられていました。
改修後も、同じ位置に通気のダクトを再現しましたが、昔の人の知恵はすごいなと、勉強させていただく改修工事です。
床下の基礎と柱をホールダウンして補強しています。
ARS工法という、いつも施工させていただいている施工法ですが、このような変則的な施工にも充分対応していけます。
ケプラーのロープをエポキシ樹脂で埋め込み接着する工法です。
天井を清掃しています。
柱や鴨居などを含めて、長年の木材のアク等を落としています。
雨漏り等があって色が変わってしまった所には、自然素材塗装で調色したところもあります。
改修で埋め木をしたところなども同様、エイジングした塗装をしています。
床暖房上に、桜の床板を施工中です。
床板がほぼ張り終えた、洋間です。
元はコルクタイル張りでした。
そんな昔からコルクタイルあったんですね。
既存の建具は、使えるものは補修して全て利用しました。
写真は床の間の飾り窓で、投げ網というデザインだそうです。組子を補修して戻しました。
新規に造ると、ウン十万もかかるそうです。
昔の技術と素材はすごいですね。
外壁側で一部ホールダウンする為、銅版の羽目をめくったところ、土台等が釘穴から入った雨で痛んでいました。
補修しながら補強ですが、改修工事ではいつも、状況に応じた改修や補強が必要となります。
改装された縁側廊下です。
バリアフリーにするため、畳の間やリビングとも床高さを合わせてあります。
木製建具の外には、すでに断熱防犯ガラスのサッシが取り付けられて、隙間風が無くなり、あったかです。
改修後のダイニングキッチンです。
キッチン後ろの廊下出入り口と収納には新しい建具が入ります。
実は冷蔵庫を入れるため、既存の鴨居高さより高くする必要がありました。
改修後の玄関です
建具は全て既存利用です。
床板・敷き台・框も削りなおして利用しています。
玄関の天井の照明器具です。
改修に伴い解体される建物の中で利用できる物を探して利用しました。
この器具は、今でも北欧で繊細なデザインの、ルイスポールセンの器具に似ていると思いませんか。
見つけたときにには思わずうれしくて、ラッキー!
他の再利用の器具と共に会社に持ち帰り、汚れを落として、電気屋さんに配線等を直していただきました。
上記のアップです。
合天井の格子に組み込まれるブラケットも元々の物を利用。
乳白のガラスは本当に薄く繊細な光を通します。
改修後の玄関ホールです
点灯している照明と柱に付いているブラケット照明も、上記同様、他から外して再利用です。
既存の組子の障子によく合います。
改修後の洋間(応接間)です
絵のかかっている所には元は窓がありましたが、補強の為壁になりました。
残った額に絵がかかり、裏側は天井までの玄関収納になりました。
玄関ホールから縁側廊下です。
以前はつながっていませんでしたが、施主様の提案で左側の玄関収納へ引き込み戸を納めることで実現しました。
上記の引き込み戸です。
2枚の戸に分けて引き込まれます。
障子類は全て、和紙入りアクリルプレート等に改修されています。
改修されたトイレです。
暖かな縁側に囲まれた居室は、有る意味パッシブソーラーハウスのように、断熱されて、気持ちのいい暮らしを支えています。
生まれ変わる家 3
80年?ぶりの大改修。