―――知らずにいれば…―――
ほんの少しの寂しさを胸に、ここを旅立てたのかもしれない。

―――でも、知ってしまった今…---
寂しさだけではない感情も、ここに残していかなければ…前に進めない…。

***

そろそろ草木も人も眠りに就く時間。
作業の進み具合の確認をしに作業部屋を訪れた俺に
「明日には完成するわよ」
そう呟いたアイツ。分かったと返事をし、俺は背中を向け部屋を後にした。

…ドアは少し空けたままで。

アイツは気が付かないだろう…それほど真剣に作業に集中している事を知っているから。


―壊れた腕が、明日には完成する―
それは…
―自分達がこの地を去る―
ことを同時に意味する言葉。

知らなければ、明日に向かって意気揚揚と眠りに就いていただろう…。
…でも、知ってしまったから。

僅かな隙間から漏れる、人工的な灯り…と共に、微かに聞こえる…アイツの声。

「                  」

その声、言葉を聞きた事を後悔する自分と、もっともっと聞いていたいと思う自分…
相反する思考が交錯する…


「…バカだな…」

それは彼女に向かって言った台詞か…またはこの場に居る自分に向けてか…。

様々な想いを紡ぐ…
―明日までの時間―

***

<23.明日までの時間>



■言い訳がましいコメント■
構図的にも内容的にも、暗いものを目指しました―!!(はっ?
そして見事に玉砕しております!イェーイ!!…やっぱ、自分には無理難題だった(倒
好きな想いと能力は比例しません…えぐえぐ(涙

23.明日までの時間
えーっと、一応<22.何も出来ないのなら>と連動しております。
どちらを先に見て(読んで)頂いても、差し障り無い程度ですが。
同じ空間(時間軸)で、こちらはエド視点となっております。(共に機械鎧完成前夜で…
ウィンリィが何を呟き…そしてエドは何を想うのか…。
あえて明記はしてませんので、見てくださった方の想像(妄想:笑)にお任せいたします。
まぁ、自分なりには考えてあるんですけどね(笑

ではでは。ここまで読んで頂き、ありがとうございました(ぺコリ

■鉛筆下書きを取り込んで、あとは全てペインターで主線起し&着色■
〈2004.11.5 UP〉


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