今回は以前みたいに、右腕を根こそぎにぶっ壊した訳では無く…。

…ただちょっと…ただちょ――っと…

「ただちょっと、何?」

「………売られた喧嘩を買って、関節部分がちょっとひん曲がった…だけ…です…。」

「………………ほぅ。」(にっこり)
「……ウ、ウィンリィ…さん…?」

「本当に学習能力ないのかぁ――!!!このミジンコ馬鹿たれ豆が―――――!!!!」

…例によって熱烈なスパナの歓迎を受けた…。

■■■

「でもまぁ、この位なら直す作業は大変ではないわね.。ただ、関節部分にどの位の負荷が掛かったかが分からないから
一応、神経回路までの確認するんで腕は外さなきゃ、だけど」
「げっ!マジで?!」
外すとなると…またあの激痛を伴う接続をしなくちゃいけない訳で…。
「うぅぅ―――――…」
思い出しただけでも嫌な汗が出る。
「自業自得でしょ、我慢しなさい!」
…確かにそうなんだが…いつまでたってもアレだけは慣れないんだよ…なぁ。

「さて!どこかのお豆さんの為に作業開始しますか!!」
「…っ豆は余計だ!!っと…そうだ、ウィンリィ」
「ん―、何?」
「徹夜までして、作業しなくていいぞ」
「何で?」
「今回はそんなに急いで出発する予定も無いし、そこまでしなくても2〜3日位で直るだろ?」
「まぁ確かに、以前の木っ端微塵の全壊よりは全然作業自体は楽だけど…」
うっ、まだ根に持ってるなコイツ。
「まぁ、そういう事でヨロシクな。ウチの整備士さん!」
「………う、うん…。」


■■■

【徹夜までして作業しなくてもいいぞ】


「…って確かに言ったよな、俺」

現在時刻は午前1時15分。
「あははははは……」

「目線を逸らすな、コラッ!」

…コイツちゃんと俺の話聞いてたのかよ?

いつもいつも俺の為に無理をさせているのが、分かっているから。
今回は前もって余裕があることを教えておいたのに。

…この機械鎧オタクが…!!

なんか…なんか分からねーけど…無性に腹が立つ……。

目線を合わせないウィンリィにズカズカと近づき、有無を言わさずバンダナと結わえていた髪を同時に解く。
(…んでもって、次は…)

「…っと!ちょっと!!エド!!??」


「ほらっ!もう寝ろ!!続きは明日だ!!」
「えっと……もう今日…だけど?」
「おーまーえーな――――……」

人の揚げ足取るんじゃねーよ……とブツブツ言いながら俺はウィンリィをベットに運び、無理矢理寝かしつける。
ウィンリィが何かを言いかけた様子だったが、『なに言っても聞く耳は持たないぞ!』という俺の態度に閉口し…
俺に背を向けて横になった。何故か頭まですっぽりと毛布を被ってしまって。
…その内に静かな寝息が聞こえてきた。
それを見届け、俺は満足してウィンリイの部屋兼作業部屋を出る。
「これで良しっと…………これで俺も安心して寝られる…ぜ…」
そこではたと気がつく。
これまでの行動は、良く分からない怒りに対してほぼ無意識、自覚無し。身体が勝手に動いていた。

んでもって。今、冷静に考える。
…あれってーのは…えーっと……俺はさっきまで…ウィンリィの事、抱きしめて…た…?
そして、寝る間際のウィンリィのあの態度……

…………………。

朝になったら殺されるかも知れない…俺…………。

一晩中言い訳を考えていた俺に…翌朝、見事な一発がお見舞いされた。

>おわれ。

***
機械鎧に無意識に自覚無に嫉妬する、エドワード・エルリック君。思春期真っ只中の15歳。
…を、お送りしました(笑)(マテ
そう言う君は、何故こんな時間まで起きていたんだい?(A:錬金術オタ…

お互いがお互いを大切にし過ぎて、すれ違ってます。
エドは『ウィンリィに無理をさせたくない』で、ウィンリィの方は『なるべく早く直してあげたい(目的の為やその他諸々)』
ウィンリィの夜を徹しての作業は度を過ぎた機械鎧好きもあるけど(笑)、全てはエド(&アル)の為かなっと。

イラスト。本当はメインのイラストは3枚目(一番大きい画像)だけでした。
が、これだけだと「?」って感じがしたので、急いであと2枚描き足しました。
付け足した2枚はペインタで一発描きです。1&2枚目と3枚目との間に結構時間が空いているので絵柄が変です…(涙
まぁいいか。(よくない!
駄文(文と言えるのかも謎:爆)…推敲って何ですか…?(マテ
***

■1&2枚目 ペインター6のみ使用■
■3枚目 鉛筆下書きを取り込んでそのまま主線として使用。微妙な主線修正&着色ペインター6使用■
(2004.08.16 UP)


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