タバコの銘柄はちゃんと

  1998年12月1日、ほとんどのタバコが20円値上げした。前日のまとめ買いもかなりあったらしいが(実際、普段のタバコの売り上げ1ヶ月分の4分の1を一日で売ったそうだ。)のどもと過ぎればなんとやら・・・最近では1個2個買いにくる客もいる。ぶっちゃけた話、値上げの翌日から何事もなかったように買いにくる客もいたから、世の中のスモーカーたちには大した問題でもなかったようである。彼らにとっては、そう簡単にやめられるものではないらしいから、毎日のように買いにくるのだろう。

  しかしだ、買いにくるなら買いにくるで、最低限の礼儀は持っていただきたい。一応、毎日数え切れないほどの客を相手にする店員として、カウンターに立っているから、いちいち一人一人の相手をこまごまやっているわけではないが、あまりにもインパクトがあると、嫌でも記憶に残ってしまう。で、そういう客はタバコを買いにくる客に多いのだ。

  コンビニに来る客のたいていは、自分のほしいものを手に、もしくはカゴに入れてレジまで持ってくる。店員の「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」などの言葉があるだけで、客の言葉といえば、あったとしても「細かいの出します。」程度である。それもパターン化しているから、普通の客ではインパクトがどうのとはあまり言えない。

  ところが、タバコを買いに来る客は、店員に向かって自分の欲しいタバコの名前を伝えなければならない。その際さすがに「〜頂けませんか?」とまで言えとは言わないが、あまりに偉そうだとこれまたカンに障る。店に入ってくるなり「マイルドセブン」と変にカッコつけたように言う中年男性を相手にしたりすると、「オマエは小学生のとき『先生トイレー』『先生はトイレじゃないぞ』というやり取りを聞いたことがないのか!!」と言いたくなってしまう。私はもちろんマイルドセブンではない。もちろんキャスターマイルドでもない。ましてやパーラメントなどでもない。

  今挙げたのは、タバコの名前呼び捨て型だが、タバコを買いに来る客の中には、名前うろ覚え型というタイプもいる。後者の方が店員泣かせである。店に入ってくるなり「その線の細いのを・・・」とか言われても、こちらはどうしていいものやら。自分の感覚を信じて手渡したタバコが、相手の求めるものではなかったら、文句を言われるのだから、まさに踏んだり蹴ったりである。だいたい「ラークの白いの」なんて言われても、4種類あるうちの3つは白いラークなのだ。自分は吸わないけれど、人に頼まれた、といったタバコの銘柄に詳しくない人は、メモしてくるとか、その人からたばこの箱を借りてくるなどの工夫をしていただきたい。

  ひどいのになると「タバコちょうだい」と言われたりする。そんな事を言ってくる客は、それで分かると思っているのだろうか?それとも何か、オマエ等は自分の吸っているタバコの名前すら分からないとでも言うのか?あなたにとっては「タバコ」でも、我々にとっては、一つ一つの商品なのだから、タバコを買う際は、タバコの名前をきちんと言ってもらいたいものである。そうしなければタバコにも失礼だろう。あなたの名前を呼び捨てにされたり、間違えられたりするのと同じことなのだから。

  まぁ、中には小文字のl(エル)と大文字のI(アイ)を見間違えてか、「まりぼろ」と笑わせてくれる方もいらっしゃるので、コンビニでのバイトもやっていけるのだろう。

 

 

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