続・休脳な人々

  予告を考えているときは、このタイトルのエッセイはやはりレンジ関係のことだった。会計の前に温めるな。カゴに入った他の商品のバーコードは読んだが弁当だけわざわざレジの目の前でレンジに入れるな。とか温めすぎてバーコードが黒くなった商品をレジに持って来るな。とかいうことを書こうと思ったのだが、今回それよりも休脳な人々の存在に気がついたので、レンジに関することは簡単に述べただけで終わることにしよう。

  さて、レンジ以外のことに対する休脳な人々とは、ホットドリンクを買いに来る客である。少し前まで当店のホットドリンクはレジの横に設置されたホットケースに入って売られていた。客は小型冷蔵庫のような形をしたの透明なホットケースの中から、自分が欲しいものを取り出してレジに持ってくる、というシステムだった。その当時にも自分で取らずに店員に取ってもらおうとする客がいたが、それはレジ横という場所柄、客もどうしていいのか分からなかったゆえであろう。

  ところが最近(と言ってももう1,2年前頃から)ホットドリンクの売り場に変化が起こった。今まで縦形だったホットケースが横形に、ケースと言うよりホット棚、語呂が悪い、ホットシェルフとでもいおうか、という感じで他のほとんどの商品と同じように陳列されるようになったのである。私も自分が客として他のコンビニに入ったとき初めてこのようにホットドリンクが売られているのを見て驚いた。何しろ買い物しながら店内をうろうろしていると、突然視界にコーヒーの姿が現れたのだ。これは予測できない。最近ではこうやってホットドリンクを売るのか・・・と感心していたら、私のバイト先も改装され、横形のホットシェルフが設置された。

  最近のコンビニはたいていこのようにしてホットドリンクを売っているのではないだろうか。しかし、客の方にその売り方が普及していないのか、店内を一回りし「あったかいコーヒーはどこ?」と聞いてくる客が結構いる。店員としては「いい加減こういう売り方に慣れて欲しいなぁ」と思う反面「やっぱり分かりにくいのか?」と疑問を抱きつつ、ホットシェルフの方向を指しながら「あちら、パンの隣の方になります。」と案内する。と、ここで休脳な人々の登場である。パンの隣だと言っているのに、なぜパンのない通りを進んでいくのだ?彼等は突き当たりの冷蔵庫を開け、またレジに戻って来て「あったかいのだよ?」と聞き返す。仕方なくホットシェルフの前まで一緒に行く。つまり、彼等は人の言うことを聞いていないのだ。あちら、と指した方だけを見て分かるだろうと大見栄を切っているのだろうか。それにこちらはちゃんとパンの隣の方だと言ったのに、なぜ批判的にまた聞き返されなければならないのだ!?ちゃんと聞いていないオマエ等が悪いだろう!分からなくて聞きに来たのなら、目からの情報だけでなく耳からの情報もしっかり頭に叩き込め!!

  中には店内を探しもしないで、入ってくるなり「あったかいコーヒー。」とか言ってくる客もいる。そういう客にもやはり「パンの隣です。」と言うのだが、別の通りを進んでいったり、目の前を通り過ぎて行ったりしている。オマエ等は本当にあったかいコーヒーが欲しいのか?探す気があるのか?こっちだって毎回棚の前まで行って「ここです」と言えるほど暇なわけではない。

  人に聞いたらちゃんと言っていることも理解するように頭を使え!そしていい加減ホットドリンクの売り方にも慣れろ。ああやって売っているのはうちの店だけではあるまい。

 

 

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