カゴの存在

  コンビニにもスーパーのようにカゴが用意してある。しかし、コンビニである。その利用法は、ちょっとした物を買うということであり、スーパーのように何かを大量に買い込むことはあまりないであろう。私も客としてコンビニを利用したときにカゴを使うことはほとんどない。このように、コンビニのカゴを活用する客はあまりいないように思う。もちろん中には、これからパーティーでもするのか、お菓子やジュースをカゴいっぱいに持ってくるものもいる。コンビニにおけるカゴの存在はそういうふうに、使っても使わなくてもよいというものである。スーパーなどにカゴを持たずに入っていくのはなんだか恥ずかしいような気もするが、コンビニではどちらでも構わない、むしろ持っていない方が自然な気さえしてくる。

  そのような意識が高まってか、コンビニではカゴを持っているのが恥ずかしいと思わせるのか、カゴを活用できない、正しく使えない客が目につく。1リットルの牛乳パックを2つ両腕に抱え、その上にパンを数個置いてカウンターに落とす。雑誌の上にお菓子を乗せ、500ミリのペットボトルを指でつまんで持ってくる、なんてのはまだいい方である。カウンターに置くのが大変そうなら、こちらも手助けのしようがある。また、ホットドリンクの棚には「熱くなっております、カゴをご利用ください」との注意書きがあるが、たかがコーヒー1つ買うのにカゴを使うまでもないと思うのにも同感できるので、「あつっ、あつっ・・・!」と言いながら持ってくるのも許せる。

  しかし、一通りの買い物が済んだかのように、様々な物をカウンターにおいて店員がバーコードを読み始めたとき、なぜまたカウンターを離れるのだ!?それがすぐ後ろのお菓子を取るくらいならまだいい。そこを通りかかるときに、気になってしまったお菓子があったのだろう。それは店員の作戦勝ちといったところか。だが、もう一度店の奥まで戻り、ジュースを3,4本持って来て「これも」とか言うな!!こっちは用意していた袋に入りきらずに、ひとまわり大きいものにそっくり入れ替えなければならないではないか!!更にひどいのになると、もう一度買い物をし直すかのように店内を徘徊し始める。カウンターは一時預かり所ではない。持ち切れないほどのものを買うつもりなら、初めからカゴを持って買い物をしろ!

  以前私は「まだ買うからここに置かせてね。」と言って、カウンターにいくつかのお菓子を置きっぱなしにして買い物をする客を相手にしたことがある。その時はこれといった問題はなかったのだが、その客はその後も何度かやって来て、いつも「ここに置かせて。」とカウンターを一時預かり所として扱っていた。その時から私は「迷惑だなぁ・・・」と思っていたのだが、ある日、その客が商品を置きっぱなしにしている間に他の客が会計を求めてカウンターにやって来た。当然置きっぱなしの商品は邪魔になる。恐れていたことがついに起きてしまった。そこで私はその客が最終的にカウンターに来たときに「他のお客様の迷惑にもなりますので、次回からはカゴの方をご利用下さい。」と言ってやった。

  コンビニでカゴを使うことは何も恥ずかしいことではない。たしかにカゴにおにぎり1つ入れられて持て来られると、心の中で舌打ちもしたくなるが、買おうと思っていたものがなかったのかもしれないので、腹が立つわけではない。それよりも大量に買い込むのにカゴを使わない方が腹が立つのだ。コンビニのカゴは然るべき時に然るべき使用をして欲しいものである。間違ってもカウンターを一時預かり所にはしないで頂きたい。

 

 

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