迷い人たち

  コンビニには道を聞きに来る人もいる。どこぞのコンビニも言っているように「街のホットステーション」たるや、店員も分かり易く道を教えられるよう日々努力している。(ホントか?)

  私がバイトしているコンビニは結構街中にあるので、様々な場所を聞かれることがあるが、聞かれる場所ベスト3といえば

  1. ホテル
  2. 酒を売っている所
  3. お好み焼き屋

である。1位のホテルというのは分かるであろう。どこかよその土地から来た人が、今夜泊まる所が分からなくても不思議ではない。地図で見たのと実際の街は違って見えるものだ。2位の酒の売っている所というのは、当店では酒を扱っていないので、酒を求めてきた人が諦めきれずに聞いてくることである。近くには残念なことに同じチェーンで酒を売っている店はなく、我々は苦汁を飲む思いでライバル店(?)を教える羽目になる。3位はまぁ土地柄ということで・・・。

  これら3つ(もちろん他にもあるが)の場所を教えるのに、初めはしどろもどろだったが最近では慣れたもので、その道を教えるやマニュアルのごときである。また、店には近所のちょっとした地図もあるので、それを見せながら教えればもう恐いもの無しである。

  しかし、道を聞きに来る客の中には、最後まで話を聞かないで行ってしまうものがいる。ある日自動ドアから体を半分だけ店に入れてきた男性客が「○○っていうホテルはどこ?」と聞いてきた。私は「この道をもう少し真っ直ぐ行って・・・」「真っ直ぐ、向こうね。」横やりで勝手に話を切って、男性客は出ていってしまった。彼がちゃんとホテルに行けたかは疑問である。「2つめの角を左、ですよ?」

  また道を聞きに来るのはいいが「あのねぇ、この辺にカイロなんとか、整体なんとかっていうところはない?」という聞き方はどうかと思う。あまりにも情報量が少ない。しかもそういう輩に限って、急いでいるのか、話の途中で店を出ていってしまい、辺りをきょろきょろしたりする。オマエは本当に道を聞きに来たのか?きょろきょろするのは話を聞いた後でもできるではないか。どうしても今きょろきょろしたいのなら、きょろきょろしてから店に入ってこい。そうすれば道が分からないという道理も通る。

  「続・休脳な人々」でも述べたが、道を聞いてくる客はそれが街であろうが店内であろうが、その場所が知りたいのではなく、それがある方向を知っただけで満足してしまっているように思う。オマエ等は本当にそこに行きたいのか?急いでいてもまた道を間違ってしまったら何もならないではないか。だったら一つの場所でちょっと時間を割いて確実に行ける道を聞いておいた方がいいとは思わないのか?     話の途中で出て行かれると教えているこちらも気分が悪い。その後は、また道に迷って「くそーあの店員」なんて思ってるさっきの客を思い浮かべ「バカめ、最後まで話を聞かないからだ。」という声を天から投げかける神になった自分を想像して憂さ晴らしをするしかない。

  道を聞くのなら教えている方の話を最後まで聞け!それがこちらが客として扱っていることに対する最低限の礼儀ではないのか!?このエッセイがなぜこんなにネタに困らないかといったら、オマエ等のような最低限の礼儀すらない輩が多いからだ!!うーん、世の中持ちつ持たれつ・・・。ちがーう、こんな事を書きたいんじゃない。とにかく、人の話は最後まで聞くように。

  最後に道を聞いてくる人でも、夜の9時10時頃にとある店とか施設を聞いてくる人はいったいどういう目的があるのだろう。そんな時間に行っても誰もいないだろうし、まず開いていないだろう。それとも次の日のための下見でもするのだろうか?どちらにしても謎である。うーむ、気になる。

 

 

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