狙いはうっかり?

  両手にいくつかの商品を抱えた客が、会計を求めてレジにやって来た。商品を一つずつカウンターに置いていき、店員は一つずつバーコードを読んでいく。バーコードを読んだ商品は、レジよりから袋に入れる店員のいる方へ移動される。

  勘のいい、というか、たいていの客は、自分が商品を置く時にレジに近いところに置いてくれる。レジから離れたところとは、すなわちもう1人の店員が袋詰めの作業をするところであり、何よりバーコードを読むために、いちいち手を伸ばさなければならないところである。

  ところが、中には店員のことや店のシステムなど何も考えていないのか、抱えた商品をどさっとレジから遠いところに置く客もいる。どさっとまとめておかれた場合は、まとめてレジの方に寄せることができる。そして何より、その行動は客に対しての無言の抵抗にもなる。「オマエがそっちに置くから、こんなことしなければならなくなったのだぞ。」と。それでその客がこれからの行為を改めるかと言ったら、それは分からないが・・・。客も何も言わないのだから。まぁしかし、多かれ少なかれ、何らかの心理的効果は与えられるのではないだろうか。

  しかし、冒頭で述べたような客が、レジから離れたところに商品を置くのは、最近ではわざととしか思えなくなってしまった。     まず雑誌をカウンターに置き(もちろんレジから離れたところに)店員がバーコードを読んで、袋の方に移動する。と、その雑誌の上に次の商品を置く。店員が慌てて、まだバーコードを読んでいないものをレジ側に引き寄せるが、客はお構い無しに、袋側に商品を置き続ける。店員は客の手からカウンターに置かれる商品をしっかり見ていないと、うっかりまだバーコードを読んでいない商品を袋に入れてしまったり、同じ商品のバーコードを2度読んでしまう、ということになり兼ねない。

  後者の場合はともかく、前者の場合は客は得をするのだから、これは絶対に避けなければならないことである。しかし、店員のそんな思いをあざ笑うかのように、レジから離れたところに商品を置く客がいるのだ。オマエ等は犯罪を犯してまで、得をしたいのか?

  しかし、コンビニ店員はそんなに甘くないぞ。コンビニ店員としての勘とでも言うか、バーコードを読んだ商品とそうでない商品くらいは、手に取った時点でなんとなく分かる(ような気がする)。それに最近のレジはバーコードを読めば、その商品名まで画面に出てくるので、もし間違えたとしても、簡単に確認ができる。だから客が店員のうっかりを狙って、レジから離れたところに商品を置いても、客の期待はあっさり裏切られるだろう。     従って初めからレジに近いところに商品を置いた方が、店員も客も嫌な思いをしなくてすむというものである。

 

 

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