無理な注文

  「エコライフしましょ」で客からの袋についての注文について述べたが、今回は袋について一言言ってくれるものの、少し困るという例を書こうと思う。

  ここでまず知っておいてもらいたいのは、コンビニにある袋の種類である。コンビニを利用したことがあるものならば、コンビニの袋は大きく2種類に分けられることはすぐに分かるかもしれない。白いものと茶色いものである。(店によっては色の違うものがあるかもしれないが、私が知っている限りではたいていこの2色である。)白い袋は、コンビニでの一般的な買い物、雑誌やジュースお菓子などを入れるためのものであり、無造作に、というと言葉が悪いが、横になってもひっくり返っていてもたいして気にせずに入れることができる。一方茶色い袋は、弁当を入れるためのものであり、底が広く開けて弁当を平らに入れることができる構造になっている。大きさも白い方は5種類、茶色い方は3種類あり、店員は客の買い物に合わせて臨機応変に袋を選ぶ。余談だが、バイトを始めた当初はこれがなかなか難しい作業であった。この作業は、商品の大きさや重さを熟知して初めて完璧にこなせるものなのだ。(大袈裟だ)

  ではここで袋詰めの練習問題を出してみよう。 @ある客が大きな弁当と缶ジュースを買いに来た、あなたならどのように袋に入れますか? 私なら弁当を弁当袋Mに入れ、ジュースを白い袋SSSに入れます。弁当を温めるかもしれないので、弁当とジュースは基本的に分けて袋に入れるのです。 Aある客がサラダとカップ麺と500ミリペットのジュースを買いに来た、あなたならどのように袋に入れますか? 私ならすべてを白い袋Sに入れます。弁当袋Sという手もありますが、ペットボトルを横にするのはかえってかさばるので、サラダなら多少横になっても大した支障はないし、それだけ別に入れる必要もない。 Bでは弁当とカップ麺を買いに来た客には? 私なら弁当の袋に一緒に入れます。 まぁ、これは私の意見であるから他の入れ方があっても一向に構わない。時には面倒臭くなって弁当とジュースを一緒に入れてしまうこともある。ただコンビニの袋はこういう風に使われるのだという例えを表したかったのだ。

  このように店員は気を遣って袋詰め作業をするが、客の方から袋詰めに関して注文をつけてくることがある。弁当を別の袋に入れなくてもいいとか、人に頼まれたものなのか、指定した商品を分けて欲しいとか。店員にとってこれは非常にありがたいことである。その場合、自分で考える時の半分のパワーで済む、ような気がするのだ。

  ところが、客に注文されてもかえって困るものがある。ある客が小さい弁当と、1リットルパックの麦茶を買いに来た。私は弁当Sの袋と白い袋SSに入れようとした時、客の方から「一緒でいいですよ。」と声がかかった。ちょっと待て、それはいかんせん無理じゃないか?弁当が平らになるように白い袋に一緒に入れたとしても、麦茶の下敷きになる、弁当は麦茶の重さに到底耐えられるものではない。弁当の袋に入れても同じことである。弁当の袋の下に麦茶を入れ、その上に弁当を入れるのはアンバランスだし、1リットルパックが横にすると一回り大きい袋に入れなければならない。私は普段の2倍頭を使うようになる。

  客としては袋を2つもらうという無駄なことをしないようにと、気を遣ったのかもしれないが、かえって店員を迷わす結果となってしまった。コンビニの仕事を知りもしないくせに!などと言うつもりはないが、袋詰めの注文も状況を見て言ってもらいたいものである。さすがにほかほかの肉まんとアイスは一緒には入れられない。そのくらいのことは客の目から見ても分かるはずである。

 

 

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