vs高校生

  下校時間ともなると、コンビニにも学生の姿が現れる。学校帰りの寄り道として、コンビニはうってつけである。運動部に入っている者でなくても、学校帰りはなぜか小腹が空いている。おにぎりやカップ麺、お菓子などを買うことができ、雑誌も読める。テスト期間中なら、休憩ついでに友達のノートのコピーも取れてしまう。このように学生もコンビニをよく利用する。むしろ、彼らの世代こそコンビニ世代と言えそうだ。生まれた時から当たり前のようにコンビニが存在していたのだから。しかし、彼らのそういう意識から、コンビニを利用する学生、主に中高生はどうもいい気になっているような気がする。今回は以前から腹に据えていたことをぶちかまそうと思う。

  夕方6時頃、高校生と思われる男子の集団が5,6人でやってきた。彼らはみなインスタントラーメンを買おうとしていた。カップ麺を持っている者もいたし、袋入りのものを手にしている者もいた。彼らがレジに来たところで、袋入りのものを持った一人が、おでんのカップを持ってきて「これ、もらってもいいですか?」と聞いてきた。なるほど、カップ麺より袋入りの方がはるかに安い。おでんのカップでラーメンを作れば、かなりお金が浮く。なかなか賢いな、と思った私は、苦学生を応援するような気持ちで「どうぞ。」と言った。するとそれを見ていた彼らの仲間が、俺も俺もと真似をし始めた。カップ麺を買った者までが、それを返品して袋入りのものに交換した。この時は皆が「もらっていいですか?」と声をかけたので、私としても「まぁいいか。」と思ったのだ。

  ところが、彼らはそれから毎日のように同じ頃に店にやってきて、同じように買い物をしていくのであるが、2回目からは黙っておでんのカップを持ち出し、黙って箸を取っていったのだ。一度いいと言ったら、それはオマエ等の所有物になるのか?おでんカップや箸だってただではないのだぞ!きっといいと言うと分かっていても、一言言うのが礼儀だ!!高校生にもなってそんなことも分からないのか!?

  最近頻発している、少年犯罪などの影響で、最近の中高生にはあまりいいイメージがない。偏見だとは分かっていても、独特の外見をしている者だけでなく、一見普通に見えても、何か裏があるのでは・・・と思ってしまう。もちろんすべての中高生がそうだとは思っていないが、やはりそういう雰囲気を持った者は目に付くのだ。実際上記の高校生たちは、一見普通の高校生だった。まぁ、「今時」という言葉で表せるだらしなさというか、真面目ではないという雰囲気はあったが。

  さらに彼らは、買ったラーメンを店の近くで食べて、そのゴミの後片付けを全くせずに帰ったのだ。これは1回目の買い物の時からのことで、その時から私は、なんだか嫌な予感はしていたのだ。だから、ゴミの件が分かった後で、彼らが来た時に直接「ゴミは片付けて帰って下さい。」と注意をしたのだ。それに対し、彼らは「はーい」と返事をしたので、言えば分かってくれるのだろう、と少しうれしかった。が、奴等はそんなに甘くなかった。返事をしたにもかかわらず、その日もゴミは散らかしっぱなしだったのだ。そんな日が何日か続き、彼らがラーメンを食べる場所としているビルの管理人からも苦情がきたりしたので、私を初め店員は頭を痛めていた。そんなときに、彼らが何も悪くないという面持ちで店にやってきた。買うものはいつもと同じである。私は、よし、今日こそは!と覚悟を決め、店を出てからの彼らをじっと観察していた。そして、帰ろうとした時にビニール袋を手に店を出て行き、彼らに直接「ゴミは片付けて。」と袋を突きつけた。彼らは一瞬、帰るのを邪魔された、といった迷惑そうな顔をしたが、どう考えても悪いのはそっちである。しかも一度注意したことを守らなかったのだ。そのくらいされて当然だ。

  その時はさすがに片づけて帰ったが、彼らのことである、この次からはまた片づけずに帰るだろう。そう思った私は、店においてあるカップ麺用のお湯が入ったポットを、夕方は出さないようにしようと提案した。彼らの素行に悩まされていた店は、すぐにそれを実行してくれた。その次の日、私がバイトに入っていない時にやってきた彼らは、ポットがないのに気づき、ラーメンを返品して「あの店員が言いつけたんだ。」と捨てぜりふを残していったそうだ。

  この際言わせてもらうが、オマエ等、何様のつもりだ!?ゴミはごみ箱へという当たり前のこともろくにできないくせに、我が物顔で店をうろつくな!!店だけではない、いっぱしの大人を気取っているつもりかもしれないが、オマエ等なんか格好だけだ。ちょっと悪ぶった、いわゆるアウトローをカッコイイと思う意識は悪くはないが、当たり前のこと、常識、礼儀が欠けていたのではカッコよくも何ともない。アウトローはファッションではない。生き方なのだ。生き方としてアウトローを選んでいる人は、アウトローとしての筋はきちんと通しているはずだ。中高生の憧れをつぶすつもりはないが、これだけは言わせてもらおう。調子に乗るのもいいかげんにしろ!!

  最後に、初めはこのエッセイ、ゴミはちゃんと捨てましょうということを書くつもりだったのだが、どういう訳かこういう内容になってしまった。もちろんすべての中高生がこのように悪いというのではない。また、このようなことをするのは中高生だけではない。いい大人がゴミを散らかしたまま帰っていくこともあるのだ。結局行き着くところは、もっと常識ある行動を!最低限の礼儀を!だ。

 

 

Back