一円を笑う者は・・・

  「一円を笑う者は一円に泣く」日本人なら誰でも一度は耳にしたことがあることわざであろう。消費税の導入に伴い、一円を使用する率は跳ね上がった。私もスーパーやコンビニで「あと一円あればちょうどなのに・・・」という思いを何度かしたことがある。しかし私は別に一円を笑った覚えはない。まぁこのことわざも一円でもいざというとき困るよということを言いたいのであって、笑う笑わないはあまり関係がないのだろう。

  しかし、コンビニには一円を大事にしすぎる客が来る。そりゃぁこちらも客商売だからある程度は許すのは当たり前だが、これはひどいという例を一つ。 ある時私がカウンターに立っていると、50代後半〜60歳くらいの女性客がやって来た。その時の買い物は700円ちょっとだったと記憶しているが、値段を伝えるとその客は「ちょっとこれから取って。」と持参した貯金箱二つをおもむろにカウンターにぶちまけたのだ。カウンターには一円と十円がすきまもないほど散らばった。その時はちょうどレジ点検の時間と重なっており、二つあるレジは一つしか使えない状態だった。夜とはいえ、ひとつのレジでは当然客も2,3人並ぶようになる。その女性の後ろにいる客を気にしながら、私は一円と十円を数え、一円と十円で700円ちょっとを受け取った。一円は70枚近くあったと思う。その間その女性客は「細かくてすみません」などの一言のお詫びもなく「小銭がたまっちゃってねぇ・・・」と薄ら笑いであった。後ろに並んでいる客など目に入らないようである。オマエのせいでこんなに並んでいるんだぞ、店員はとりあえずいいから、まず他の客に謝るくらいはしてもいいのではないか? そう思いながら「ありがとうございましたー」

  待っていた2,3人の客をさばき終え一息ついたとき、レジ点検をしていたもう一人の店員が一言「迷惑な客だね・・・。」 その通り、コンビニは両替商ではないのだ。たまっちゃった小銭をここぞとばかり持ってこられても、それには限度がある。財布を覗いたら細かいのがあったから「出していいですか?」という程度が普通だろう。しかし、初めから小銭を処理するためにコンビニに来るな!!しかもたいていそういう客は小銭を自分で数えようとしない。持っているだけ出して「これから取って。」である。もう一度言う、コンビニは両替商ではない。小銭を出すなら出すで、あらかじめ数えて来るなどのマナーを持て!!(まぁ客が「いくらあります。」って持ってきてもやっぱり確認のため数えなきゃいけないんだけどね。)

  私は「小学何年生」系の雑誌で、細かいお金は出していい数が決まっているというのを読んだことがある。私の記憶と現在の制度が変わっていなければ、それぞれ上限が21枚くらいだったと思う。それ以上なら受け取る側は拒否してもいいのだ。 お客様は神様だ、と言うがそれは店員のみが思うことであって、客が「俺は神様だ、だから何をしてもいいのだ。」と思うのは間違いである。そういう意識でコンビニなどを利用している者は、いつか落とし穴に落ちるぞ!

  最後にこれは店員のわがままと言えばわがままなので、参考までに聞いていただければいいのですが、小銭で払う際、手渡すのはやめて下さい。300円400円、いや、500円までは許そう。しかし全部100円、10円などで手渡されても、確認のため数えなければならないので、カウンターに直接置いて頂いた方が数え易いのです。手の上だと落ちる可能性もありますし、またカウンターに戻して客に不快感を与えることもあり得るので・・・。お札と小銭をあわせて渡す際はえてしてそうなり易いです。あなたはいくら渡したか分かっていても、店員はマニュアル的に、仕事として確認しなければならないので・・・。

 

 

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