教育係じゃありません

  暦の上ではもう春になったようですが、まだまだ寒い日の続く今日このごろ。みなさまいかがお過ごしでしょうか。コンビニでも未だ冬限定の商品は、好調な売れ行きを見せております。    今回はその冬限定商品の代表ともいえる、中華まんについてのお話です。

  中華まんを入れてあるケース(スチーマー)は、どこの店でもたいていレジの横に置いてある。うちの店も例外ではない。ただ、うちの店の場合、主に使われているレジカウンターではなく、もう1つのレジが置いてあるカウンターの方に置いてある。別にわざと手間を増やそうと思ってやっているわけではない。店の構造上、そこにしか置けない状態なのだ。だから、レジに来た客が中華まんを注文すると、多くの場合、店員は一度レジを離れて中華まんを取りにいくことになる。また、スチーマーの中にどの中華まんが入っているのか確認しながら注文する客は、スチーマーの前から、つまりレジから少し離れたところから、注文する。その客に他の買い物がない場合、店員がスチーマーが置いてあるレジカウンターに移動して会計を済ませればいい。しかし、他にも買い物があって、既にスチーマーから離れたカウンターにカゴが置いてあったりする場合には、客はまたこちらのカウンターまで戻って会計をしなければならない。繰り返すが、これはわざとではない。店の構造上、仕方のないことなのだ。

  ここで私は、そんな店の構造について、弁解するわけではなく、やはり、中華まんを買う客の中のおバカさんに言いたいことがあるのである。

  カゴに買い物を入れた客が、レジにやってくる。彼(彼女)は、店に来た時から、もしくは入る前から肉まんを買おうと決めていたのだろうか、カウンターにカゴを置くと同時に「これと肉まんを下さい。」と言う。そこで店員は、カゴに入った商品のバーコードをすべて読み終え、レジに肉まんを打ち込み、客に合計金額を告げる。こうすれば店員が肉まんを取りに行っている間に、客はお金を用意することができ、肉まんを持って帰った頃には清算がスムースに終るはずである。そんなことを考えながら肉まんを取りに行く。するとどうしたことだろう、スチーマーの前まで、客がついてくるではないか!そして、肉まんを袋に入れると、そこで客がお金を差し出す。
「すみません、お会計はあちらのレジで・・・」
当然の回答である。全ての商品のデータはあちらのレジに打ち込まれている、あちらのレジでなければ処理できないことくらい、コンビニの素人でも分かりそうなものである。仮に、分からなかったとしても、2つのレジが別々に作動することくらい考えられそうなものである。2つのレジが一緒に作動するのでは、レジが一つしかないのと同じことである。あちらのレジには、ご丁寧にも客の方を向いた画面に合計金額が表示されているというのに、非情にもゼロを示しているこちらのレジでお金を払おうとする客は、
一体何を考えているのだろう。

  今まで自分の目の前にいた店員が、ついさっき自分に合計金額を告げた店員が、突然自分の目の前から移動し始めた。そのことに慌てるのは分かる。だが、少し目線を先に向ければ、中華まんの入ったスチーマーを見つけることができるだろう。そして、さっき自分が中華まんを注文したことを忘れる客は、そういるわけではない。どういうわけでついてくるのか知らないが、私はオマエの教育係ではない。ましてや、オマエはコンビニの仕事を覚えようとする新人ではないはずだ。いちいちい私の行くところについてくる必要は全くない。また、早く肉まんを手にしたいのか、こちらのレジで会計を済ませようとする客!オマエがどれだけ肉まんが欲しいのか知らないが、他の買い物はどうするのだ!?

  信じられない話かもしれないが、こういう客は本当にいるのだ。わざわざ自分で余計な行動を起こして、面倒を増やすこの客の、この行動だけは、どうしても理解できない。

(2000.2.24)

 

 

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