離さない人
改めて言うことでもないが、コンビニは買い物をするところである。店に来た客は、自分の欲しいものの代金をレジカウンターで支払わなければならない。コンビニでの会計は、たいてい店員がカウンターに置かれた商品のバーコードをレジに読み込んでから行われる。ところが、この広い世の中、まだまだそれをご存知ない方も多くいらっしゃるようである。
缶コーヒーを片手に、スーツ姿の男性が急ぎ足でレジにやってきた。彼はレジの前でちょっとスピードを落とし、自分の持っているコーヒーが何であるかを店員に見せるようにして、カウンターに120円を置いて店を出ていこうとした。もちろんそんなことを許す店員ではない。「すみません、商品の方お預かりします。」と声をかけ、男性を引き止める。
注目して欲しいのは、彼の足は店員に声をかけらられて初めて止まったということである。誤解のないように言っておくが、これはあくまでも例である。このようにお金だけ払ってさっさと店を出ていこうとする客は、何もスーツ姿の男性だけではない。もちろん女性でもそういう客はいるし、また近くで作業をしている現場の方、移動中に急にのどが渇いてしまったヘルメットの人、などなど様々である。コーヒーなどの場合、店員は商品が何なのか、値段がいくらなのか、もちろん分からないわけではない。客が出ていった後に同じ商品を持ってきて打ち込んでもいいし、いざとなったら、レジのみで打ち込みは可能である。しかしそれはどちらも手間のかかることであり、初めから客が商品をカウンターに置いてくれれば済むことを、わざわざ手間をかけてやる理由はどこにもない。
ひどいのになると売り場から取り出したその時からペットボトルのふたを開け、飲みながらレジまでやってくる。そのあとは上記の例と同様である。おつりがある場合でも「ここに入れといて。」と募金箱を指し、飲みながら店を出て行く。この際言わせてもらうが、オマエが買おうと決めている商品でも、オマエが代金を払うまでは、店員が代金を受け取るまでは、それはオマエのものではない!何を急いでいるのか知らないが、レジに来たら商品から手を離して、一時店員に預けてもらいたいものである。そのくらいの時間も割けないほど急いでいるのなら、初めからコンビニになど立ち寄るな!それとも何か、オマエ等は今すぐそれをを飲まないと、命に関わるとか、そういったのっぴきならない理由でもあるというのか!?そんな奴等は初めから自分に必要な飲み物を買い置きしておくか、一日分の飲み物を水筒にでも入れて持ち歩いていればいいだろう。こっちだって仕事をしているのだ。スムースに行える仕事に、支障をきたす行為をする客ならば、買い物をしていただかなくても結構である。
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