休脳な人々

  私がバイトしているコンビニは、結構街中に建っているので、昼の時間などは近くに勤めている人たちが弁当やらパンやらを買いに殺到する。そのためいちいち「お弁当温めますか?」などと聞いてはおれず、当店ではレンジは時間を問わずセルフサービスとなっている。

  普段から店を利用している客はそのことを知っているが、ぶらりと立ち寄った客、初めての客などは弁当を買うと、温めてもらうものだと思っているのか、しばらくそこに立ちつくし、こちらが何もモーションをかけないでいるのを見ると、心配そうに「・・・あの、あっためてもらえますか?」と聞いてきたりする。またコンビニでは温めてもらうものだと決め付けているのか持ってきたときから「あっためて。」と一言投げつける客もいるが、そのような場合当店では、言い方の丁寧、不丁寧を問わず「申し訳ありません、セルフサービスとなっておりますので、あちらのレンジでお願いします。」と言うようにしている。レンジにも使い方マニュアルやちょっとした注意書きなどが貼ってあり、初めての人にも使い易いようにしてある。また、レンジ自体もそんなに難しい操作はなく、温めるものの大きさにあった時間のボタンを押せばいいだけである。私がまだバイトを始める前この店を利用した時、レンジがセルフだということに驚きはしたが、レンジは難なく使うことができた。

  ところが、カウンターから見ているとレンジを使えない客があまりにも多い。使い方が書いているのにもかかわらず、「どうやるの?」と聞いてくる。そういう客は使い方マニュアルを見ていないことが多い。何のために貼ってあると思っているのだ?オマエは日本語すら読めないとでもいうのか?頭はこういう時に使うのだ。酒を飲まない休肝日、タバコを吸わない休肺日というのがあるが、オマエ等は年がら年中休脳日なのか?コンビニが全部やってくれると思ったら大間違いだぞ!

  まぁ私が勤務している時間は、昼のようなラッシュはないのでお年寄りなど機械に弱そうな人が来て、客も少なかったら温めてあげないこともないが、一度それをやるとそれに甘んじる輩が出てくるから困りモノだ。「ちょっとあっためてくれる?分からないから・・・」ってオイ!オマエはこの前もそう言っていたではないか。何度か見ていて本当に分からないのか?分かろうとしていないのではないか。こっちだっていつもいつも暇なわけではない。客が並んでいたりして「あっためて」なんて言われてもいちいちできないこともあるのだ。

  ひどいのになると「あちらのレンジでお願いします。」と言うと「自分でやるの!?じゃぁいい。」と言って帰っていく客もいる。なにが「じゃぁいい」のだろう。自分でやるのがめんどくさいからって冷たい弁当を食べるのか?それとも自分の家のレンジで温めるから「いい」のだろうか。・・・待てよ、自分の家にレンジがあるなら機械に弱いということはないだろう、多少違うものでもレンジだと割り切って考えればコンビニのでも使ってみようと思うのではないか? やはりそういう奴等は頭を使おうとしていないのだ。

  世の中にはレンジがセルフサービスのコンビニも存在します。仕事帰りに夜食を買って帰るサラリーマンのみなさん、単身赴任で自炊もままならないお父さん、お疲れでしょうが、一休みの前にもう少し頭を使ってみましょう。きっと思っているよりずっと簡単です。やってみなければ道は拓けないのです。どうしても分からないのなら店員に一言聞いて下さい。我々もそこまで鬼ではありません。ただ我々の店に来たら、我々のルールに従って頂きたいだけなのです。 また使った後はきちんと扉を閉めるくらいはして下さい。開けっ放してお帰りになる客って結構いるんですよね・・・。

 

 

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