colorful 2

「ラブソング」

あなたの歌
耳元で
100万回の「アイシテル」よりも
あたしを揺るがす

あなたの歌
くちびるに
100万回のくちづけよりも
あたしを奪う

あなたの歌
腕の中に
100万本のバラよりも
あたしを貫く

あなたを好きにならない
あたしなんて
いるわけがない

 

 

「年上の人」

あなたが今の私と同じ年だったとき
あなたに好きなひとはいましたか
あなたが今の私と同じ年だったとき
あなたの好きなひとはどんなひとでしたか
あなたが今の私と同じ年だったとき
あなたが好きだったひとは
今も変わらずあなたのそばにいるのでしょうか

 

 

煙草を吸う
あなたの姿を見たとき
あたしの中のこおりが
音をたててわれた
その小さなほのおで
あたしの中のろうそくに
火をつけた
恋ってきっとこんなかんじ
恋ってきっとこんなかんじ?
あなたの煙草
あたしのろうそくが
火をつけることは
あるの?

 

 

「夜」

青色信号
静かな街に
星ひとつ

黄色信号
ビルの谷間に
月ひとつ

赤色信号
暗い夜空に
お日さまひとつ

あたしの隣りに
あなたはいない

信号機が繰り返す
恋の姿

またたいて
満ちて欠けて

燃える光はやがて
闇に呑まれる

ただ

音もなく
音もなく

 

 

「鏡」

あなたが
忘れられません
そして
あなたの
真似ばかりしてしまう私が
間違いなくいるのです

あなたの
その髪も
その瞳も
その服さえも
私のものになればいいのに

 

 

ラブソング

ラブソング

あなたはきっと

歌わない

ありふれた

言葉でなんか

歌わない

 

 

「ことり」

あなたの翼をもらっても
大きすぎるこの体
飛べはしないの

あなたの翼をもらっても
遠すぎるあなたへの距離
飛べはしないの

あなたの翼をもらっても
強いだけのこの思い
届きはしないの

 

 

たかが占いに

見すかされている

自分が

悔しい

 

 

夜の歯みがきは
虫歯予防にかなり効果的
穴があいてしまわないように
毎晩 毎晩
恋愛もそのくらい
簡単だったらいいのにね

 

 

白い靴

そのまぶしさに

気後れし

私はまた

好き とも言えず

夏の恋

 

 

きっと
もっと
ずっと

確証のない
安っぽい言葉を繰り返す

どこかで
その変化に怯えながら

だけど
すきよ

 

 

「ハート型」

なめらかな部分から
ゆっくり ゆっくり
私に入り込む
鈍い痛みと共に
鋭い先端が
ころがるたびに
私を突き刺す

恋の姿そのままに

ああ それが
ハート型なのだ

恋の姿そのままに

 

 

Back