ネットワーク・フォックスハンティング

 

 

「ネットワーク・フォックス・ハンティング・・・
それはパソコン通信を利用し、移動するフォックス(オニ)
の居場所を推理するマルチメディアゲーム。
今回のフォックス役、瀬尾がいるのは
完成したばかりの超高層インテリジェントビル、フロンティア360。
正解をつきとめた少年わたるがここにやってきたとき、
直下型の大地震が発生!破損した巨大ビルの一室に閉じ込められ、
わたるは持っていたハンディパソコンで助けを求める……

命懸けのフォックス・ハンティングが始ろうとしていた!!」

(裏表紙の紹介文より)

 

いきなりだけど、小説読んで涙が滲んだのはこの本が初めてじゃなかったかなぁ。            
もう十数回も読んでるっていうのにいまだに泣きそうになるし。
今回もね、久々に読んでて。
それでやっぱり泣きそうになって今この文章を打ってるんですが。
ストーリーに関しては上記の文章を読んでもらえばわかると思いますが、どうでしょ。
ま、ちょっと補足してみると。

 

「わたる」は昔にかかっていた病気のため、声を失っています。

そのため普段からノートパソコンを持って、筆談代わりに使ってるんですね。

で、今回は瀬尾に連絡をとりたかったからPHSも持ってきてたんです。

(わたると瀬尾は会ったことは無く、またメールのやり取りをした事すらありません。ですが今回の

フォックス・ハンティングの正解者たちでオフ会をする予定になってたので連絡用に持ってたんです)

結局瀬尾に会えなかったんですが、なんとかフロンティアに潜りこみ、うろうろしているうちに地震に

あいます。

その際、落下した天井に足を挟まれて動けなくなってしまいます。

ビルは完成したとはいえ、まだ内装は完全に出来てるわけじゃないので、わたるは今自分が何階のどこ

にいるのかさえわかりません。

またそんな場所なので回りに誰もおらず、例えいたとしても声を失っているわたるには居場所を伝える

ことが出来ません。

そしてわたるは藁をもすがる思いで、パソコン通信に救いを求めます。


「瀬尾」は仕事でフロンティアに取材に来ていて、地震に会いました。

そしてそれと知らずにわたるともビルで会っていました。

そのためわたるの救いを求める書き込みを(知り合いから連絡を受けて)見た時、わたるの存在を疑う

ことなく救助に向かいます。

(こういう時いたずらという可能性も否定できないですからね、哀しいですけど)

実はそれだけが理由ではなく、彼は昔恋人を事故で目の前で亡くしてます。

そのトラウマもあって必死に探すのですが、なにせ巨大なビル内でのこと。

パソコン通信を使い連絡を取り合うのですが、なかなかわたるの居場所を特定する事が出来ません。

ビルの建設段階であった不正を隠すために行われる建設側の人間の妨害もあって、ますます状況が

ひどくなって行くなか、ようやく瀬尾はわたるのすぐそばにたどりつきます。

しかしすでにわたるの力は尽き掛け、すぐそばにいる瀬尾に自分の居場所を伝えることも出来ません。

今にもビルが崩れようとするなか、瀬尾は必死に探すのですが、はたして……

 

というのが大まかなストーリー。
ただ、うまく伝えられて無いと思います。
正直自分でもこれ読んでどこに感動したか、わかってもらえないだろうなって思いますし。
私が感動したところをあえて端的にいえば、人と人との繋がりってやつかな?
ただ、その辺に触れながら書くとネタバレの嵐になってしまうし、イロイロと感じた事も書か
なきゃならないんで、簡単にストーリーをまとめるだけに留めさせてもらいました。

どうにも文章が下手で申し訳無いんですが、ゼヒ読んでみて下さいな。
きっとココロになにか温かいものが残ると思いますよ。
私はこの小説を読んで自分にもなにか出来ることを探そうと思いました。

あとこの本を読んで決めた事があるんです。
それは「ネットやってみよう」って事。
それまでもパソコンは持ってたし、漠然とやってみたいなと思ってはいたんだけど、これ読んで
強く思いました。
実際にはそれからしばらくどころか結構な時間がかかったんですが、これ読んでなかったら始め
て無かったですよ、きっと。
会ったことも無く、声を聴いたことも無い人達。
でも確かに繋がる絆があるんだなって知って。
そしてネットの持っている可能性に惹かれて。
本に書かれた事全部を鵜呑みにするほど真っ直ぐじゃないけど、それでも決意するには充分でした。
そして今、始めて良かったなって思ってます。
……ちょっと話しがずれてきたんでこの辺にしときますか。
 

尚、作者の一条理希さんは「パラノイア・7」と「グラウンド・ゼロ」という二つの本も以前に
集英社ファンタジー文庫から出しています。
現在はシリーズものも出てるんですが、まだ読んだことは無いんでなんとも言えないです。
だけど、この二つは私的には文句無しにお勧め。
どちらも良い意味で「一条さんらしい」作品です。
ただ、この二つって舞台が違うだけで登場人物や設定、大筋の内容が一緒だったりしますが(^^;;

 

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