「これが……
 十年前の県大会ベスト4のなれの果てだ……
 いくらガムシャラに練習したって……
 世の中には勝てないものはある……
 手に入らないものはあるんだって……
 十代最後のあの大会のときオレはつくづくそう思った
 だからそれからは……それなりに……
 それでも……一生懸命やってきたさ……
 でも……オレはあの日以来……
 自分にも……負け続けてるような気がする……
 いろんなものをごまかして……ごまかし続けて……
 それでも人からは順風満帆と言われ……
 堅実な人生と言われ……
 だけど気が付いてみると……
 そういったものすべてに縛られて……!!
 どんどん身動きができなくなって……!!」

「いいじゃない!!それでも……!!
 幸せになれば……!!」

「そう…… 思ってたさ……

 だけど……

 そういったものすべてがつまった このハラが……
 オレはつくづくイヤになっちまったんだ!!」

「だからって……
 どうするのよ……?」

「タケシ……まだ遅くはないと言ったよな?
もう一回ガムシャラに……やってみるよ!!

自分との勝負を……
自分に納得するために……!!」

 

この後、彼は仕事をやめ、結婚もやめトライアスロンに出場するために、また走り出します。

ただただ我武者羅に。

そのかいあって、ハワイ島の本大会に出場するんですが……

ま、あとは読んでのお楽しみって事で(笑)

さて、これを読んで「ぎくっ」ってなった人。

いまからでも遅くないらしいですよ?(笑)

ちなみに私は今ダイエットなんかしてます。

なんか私もこの「ハラ」が我慢できなくなったんで(笑)

仕事は簡単には辞められないけど(今辞めてしたい仕事があるわけじゃないし)とりあえず

できる事からやってきましょうかね。

きっと「いつだって」「まだ」だと信じよう。

 

ただ、これだけじゃまったく何の事かわからないでしょうから。補足説明ね。

この「10月の満月に一番近い土曜日」はトライアスロンの漫画です。

一冊に七つの物語。八つの章で構成されてます。

早い話しが短編集ですね。

トライアスロン……

スイム 3.84km
バイク(自転車) 179.2km
ラン 42.195km

これだけの距離を走りぬく”世界でもっとも過酷なレース”
これらの物語はどれも私にナニかを与えてくれたように思います。

 

参考資料     小学館BIG COMICS  一巻完結

           石渡 治 作

 

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