A2memoの補足です。 □「ヤジロベーの足が交換可能」という意味 アルカンの構造異性体の数をヤジロベーの足をカラーパレットで塗り分けるときの 場合の数に対応させています。 下図の(1),(2)は構造異性体としては同じ物となります。これをヤジロベーの対応 で表現すると、足が自由に入れ換え可能((3),(4)は同一)ということになります。 (1) 通常の表現 (3) ヤジロベーの表現 C +−−C | | C−C−C −−> C−+−−C−C | 支点 | C−C +−−C−C | | C C (2) 通常の表現 (4) ヤジロベーの表現 C +−−C | | C−C−C −−> C−+−−C−C | | 支点 | | C C | C | | C +−−C−C 【構造異性体での表現】 【ヤジロベーでの表現】 ・写像で一致するものは同一 ・ヤジロベーの足を入れ換えただけのものは とする 同一とする ・1つのアルキル基 ・カラーパレットの中の1色 ・大きさNのアルキル基の数 ・カラーパレットの色全体(A(N)色) ・大きさの異なるアルキル基 ・カラーパレットが別なので全く別の色セット は別もの として扱う □ ヤジロベーの色塗りの場合の数 色塗りの場合を数えるのに慣れるために簡単な例を説明します。 (1)−a,(2)−b,(3)−c (以下ではこれをabcと略記) (1)3本足をa,b,cの3色に塗る方法は、1通り 一般の場合、3本の足が区別がつくときは、以下の6通りですが、 abc,acb,bac,bca,cab,cba 「足が入れ換えても同じ」というルールを適用すると、上記の例はすべて同一の abcとなる。よって、1通りしかない。 (2)3本足を2色に塗る方法は、2通り(abb,baa) 3本の足を2色に塗り分けるには、1本の足に1色、残りの2本の足に別の色を 割り当てるしかない。 1本の足の色の選びかたは、2通り(a、b)ある。 残りの2本の足の色は、残った色は1色なので選択の余地がなく、1とおり。 全体としては、2X1通りとなる。 (3)4本の足を2色に塗る方法は、3通り(abbb,baaa,aabb) 2色に塗る方法は、1本と3本に分けて塗るか、2本と2本に分けるかという選択 がある。1本と3本に分ける場合は、(2)と同様であるから2通り。2本と2本 に分ける場合は、aabbかbbaaとなるが、これらは同一となるので1通り。 全体としては、両方の合計になるので、2+1=3とおりとなる。 (4)カラーパレットに1色しかないのに、3色に塗るとは? k色のカラーパレットから3色を選ぶ組合わせは kC3 = k(k−1)(k−2)/6 となります。k=1,2の場合、この式は0となります。つまり、3色を選ぶ事は できないので0通りになります。 □ アルカンの分類の具体例 大きさ6のアルカンをすべて列挙し、重心(または仮想重心)が唯一に決定できること、 そして、それにもとずく分類をしめす。(重心を■、仮想重心を▲でしめす) (1) C−C−C−C−C−C −−> B(3,3) ▲ (2) C−C−C−C−C −−> B(3,3) ▲| C (3) C−C−■−C−C −−> B(2,2,1,0) | C (4) C−C−C−C −−> B(3,3) |▲| C C (5) C −−> B(2,1,1,1) | C−C−■−C | C B(6)=5が、B(3,3)が3種、B(2,2,1,0)とB(2,1,1,1)が 1種に分類されることがしめされた。