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神戸エコカー体験記    by 水嶋徹 1998年某月

神戸エコカー紹介パンフ  110k

神戸エコカー・新事業所「エコカーセンター」オープンのキャンペーン

期間は2/28までで、RAV−4EV、プリウスが
3時間¥2330〜24時間¥6500だそうです。

さる連休、大阪出張のついでに、神戸に帰省中の友人に案内してもらい、神戸観光をしました。
神戸を訪れたのはこれが2度目でしたが、前回来たのは震災の直後で、
四国方面に行った帰りに通過しただけでした。
今回、彼は夜景のきれいなとびきり上等な部屋を予約してくれたのですが、
大阪での仕事を終えて神戸についたのは午前2時過ぎでしたので、
最初の晩は夜景もそこそこに床に就きました。


翌朝、ポートタワーまで散歩に出かけようと外に出てみると、
ホテルの駐車場にどこか変なRAV−4がずらりと並んでいました。
だがそこはさすがEVクラブ会員、私はそれらがすぐに神戸エコカーのものと分かりました。
私が変と感じたものは、神戸エコカーの広告で黄色に塗られた、
例の回転しない広告ホイールでした(ということは他社の広告が思うように集まらないのか?)。
それからもう一つ、いやもう二点ばかり奇異に感じたのは、
グレイメタリックやホワイトという素っ気ない色のボディ色に
いろいろとステッカーが貼ってあることと
妙に腰高に見えることです。
それは多分、バネが硬い上に、後ろにマフラーや排気管がぶら下がっていないからでしょう。

実物をみるまでエコカーのことはすっかり忘れていましたが、
その時「これは絶対乗ってみよう」と思い、
ホイールに大きく記された電話番号に早速かけてみました。
電話には若い男性社員の方が応対に出て下さり、
本来は要予約なのですが、まだ十分空きがあるので、飛び込みでも大丈夫
とのことでした。そこで我々は午後に借りるつもりである旨を告げ、電話を切りました。

eyes 注)神戸エコカーのレンタカーに付いているホイールキャップは、
タイヤが回転しても中央部が回転しない。もちろん特許済み。
ここに広告を載せることでコストダウンを計ろうという物。
私もまだ実物は見たことがない。
さぞや目を引くだろうなぁ。


午前中はメリケンパークから異人館街、摩耶山ロープウェイという定番コースを散策し、
その足で営業所のある新神戸オリエンタルホテルに向かいました。
ちなみにこのホテルは、新幹線の新神戸駅の真正面にあり、
鉛筆のような細長いスタイルで、このあたりのランドマーク的存在になっており、
また摩耶山のロープウェイ駅とも直結しています。

午後二時すこし前、電話で問い合わせた場所に行ってみると、
そこはホテルのロビーの一画に、机が一つ置いてあるだけのもので、
受付の女性が座っていました。まるで駅で年賀状を売っているような光景です。

現在神戸エコカーではRAV−4LEVと、プリウスの2車種を扱っており、
ほかにも電動アシストサイクルを貸し出しています。
明石海峡大橋まで遠出するお客さんや、24時間以上借りる人にはプリウスを勧めており
六甲山までのドライブ程度であればRAV−4LEVで十分とのことです。
我々は当然RAV−4LEVを借りました。

料金はRAV−4LEVの場合、6h\7,000、12h\10,000、24h\13,000
プリウスは6h\8,500、12h\11,500、24h\14,000となっています。
またRAV−4LEVはガソリン満タンで返す代わりに、精算時に走行距離1kmあたり\5を支払います。
また、広告ホイールを1枚つけるごとに、料金が10%(4枚付ければ40%)OFFになるとのことですが、
今回は広告が集まってなかったので、割引はありませんでした。
受付のお姉さんから伺った話では、現在のところ、
松岡修造なんかをイメージキャラクターに使っているものの、
一般の知名度はまだ低く、利用率もあまりよくないとのことでした。
それでも営業できるのは行政のバックアップがあるからだそうです。

配車に来たのは、午前中電話の応対に出て下さった男性で、マネジャーの鈴木さんという方でした。
EVの取り扱いについてひと通りレクチャーを受けた後、名刺を戴きました。
私は自分がEVクラブ会員であることは告げてはいませんでしたが、
いろいろと専門的なことを聞いたので、多分そのスジの人だと思ったのでしょう。
(もっともそのスジ以外のひとはわざわざEVなんて借りないでしょうが)。


いよいよ出発です。
今回借りたRAV−4LEVは走行距離わずか1400kmの電池ビンビンのやつでした。
内装は普通のRAV−4と同じですがクーラー、カセットがついていません。
バッテリーの分、床が若干高いようでした。
それからしばらくして、リアにスペアタイヤをしょっていないことに気づきました。
シフトはDとBの2パターンでBで回生ブレーキがONになります。
またガソリン車でいうところのODスイッチで回生ブレーキの利きが調節でき、
ONにすると平地ではLレンジで運転しているように、アクセルを戻すたびにガクン、ガクンとなります。
さらに知りませんでしたがRAV−4EVはクリープがあります。

市街地を走って思ったことは、加速は十分なのですが、
スルスルと加速するので、ガソリン車のつもりで車線変更や追い越しをかけると
ほかのクルマと呼吸が合わないことがあります。
減速はやはり重さを感じます。
そして何より、痛いほどの視線を感じます。
どうやらそれは黄色いホイールに向いているようでした。

エコカーを借りると、市内の指定駐車場を3時間無料で利用できます。
30分ほど走って、我々は車を停めて遅い昼食を摂りました。
食後、友人の生まれた西宮まで車を走らせ、灘の酒蔵などを見学しました。
途中運転を交代しましたが、

彼のEVインプレッションは「ラジコンみたい」でした。

彼の行き付けの喫茶店で時間を調整した後、我々は夜景を見に六甲山へと向かいました。
バッテリーはまだまだ十分あります。山道をガンガン飛ばしました。
ヒルクライムはEVのよさがもっとも出るような気がします。
勾配に関係なく、アクセルを踏んだだけ加速します。
ロープウェイのゴンドラが大きなモーターでぐいぐい引っ張られていくような感じ
といえば分かるでしょうか。

ステアリングは重い分それなりにダルですが、高圧エコタイヤはよく鳴ってくれます。
エンジン音がしないので周囲の静けさがなおさらよく聞こえます。


さすがに山道はかなり電気を食いました。電圧もみるみる低下していきました。
標高1000m程の頂上は寒い上に、方角的に夜景がよく見えません。
実は六甲山にはもう一ヶ所、頂上からすこし下ったところにロープウェイ駅の展望台があり、
そちらの方が夜景を見るのに適しています。
我々は頂上を早々に後にして、そちらに向かって夜景を堪能しました。

帰りは回生ブレーキを利かせながら下りましたが、回生ブレーキは思っていたより強力で、
ところどころアクセルを吹かしてやらないと、後ろに行列をつくってしまいます。
そのおかげか、帰りは残量、電圧ともずいぶん回復しました。
殊に電圧計の針は目に見えて上がっていきます
。バッテリーの心配もなくなり、我々は帰路を急ぎました。

返却のとき、ボンネットの中を覗かせてもらいました。
友人は興味津々に眺めており、私はRAV−4LEVがFFであることにあらためて気づかされました。

今回は6時間利用して料金が\7.000、走行距離料金が61kmで\305、
保険\1000と消費税をあわせて\8,720でした。
更に帰り際に各種レジャー施設やホテルの割引優待券をわんさとくれました。

神戸に行った際はぜひエコカーを利用することをお勧めします。
各種サービスをうまく利用すれば、かなりおトクです。
今回は試しませんでしたが、市内の主だった観光スポットには充電スタンドがあり、充電体験ができます。
ただし、やはりメーカーのつくるEVは大変性能がよく、何の心配もなく運転できるので、
充電の必要性はあまりないかもしれません。

最後に、気づいたことをひとつ。
あまり親しくない人とEVに乗ると、赤信号で突然訪れる静寂に気まずい思いをするかもしれません。


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