【グァム4(ショッピング編)】
AOWAOW Essay.


 

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【セブ島の子供達を学校へ】
特定非営利活動法人プルメリア



  • File No.65【グァム4(ショッピング編)】

    朝8時。 私は妻に叩き起こされた、昨日も一昨日も叩き起こされたのだが、今日は一段と力強く、そして一時間も早く叩き起こされたのである。・・・「なぜだ?」。しばらくベッドの上でボーッとしていると、だんだん頭が動き出して来た。そうだ、今日は9時からショッピングへ行かなければならないのであった。

    思い出した様に飛び起きてバルコニーの方へ目を向けると、強い日差しに目が眩んだ。それにしてもグァムは明るい、昨日も一昨日も明るかったが今日は一段と・・・ねむい。ついに朝の海辺を散歩する事は出来なかった。明日の朝、日の出前の5時には、ここを去らなければならないのである。う〜む・・・残念である。(だったら起きろよな)

    寝坊したワケではないが、もう出掛けなければならないので、本日の朝食は無し。今日の妻はとても気合いが入っている。妻に「何のためにグァムへ来たの?」と問えば、迷うことなく「買い物」と言うであろう。つまり本日は妻の為にあるのである、正確には「今日のグァムは、妻の為だけに存在する」のであった。妻の依頼により、出発前にグァムのショッピングスポットをインターネットで調べ、現地に着いてからも各大型店舗や、モール内に出店しているブランド店をチェックし、無料バスと無料タクシーを使い分けて効率よく徘徊するスケジュールを綿密に立てていた。もちろん、それらは私のお役目なのだ、なぜなら、今回の旅のお金はすべて妻に出して頂いたからである。もちろん私が稼いだお金なのだが、妻の手に渡れば、それは「妻のお金」なのである。

    本日、目的とするブランドは「ルイ・ヴィトン」「プラダ」「フェラガモ」である。ルイ・ヴィトンくらいは私も知っていたが、プラダとかフェラガモなんていうブランドは最近知ったばかりである。プラダなんて、トヨタ・ランドクルーザー・プラドの事かと思ったくらいで、フェラガモなんてカルガモの親戚だと勘違いしていた。そう、私はブランドというものには「うとい」のであった。

    そして、同じサイフというものが、どうして何万円も違うのかも理解に苦しむのである。何万円もするサイフを買う為に、普段から「20円安いわ」とチラシをチェックしては高いガソリン代を使って遠いスーパーまで買い物に行くのである。下手をすると、中身よりもサイフの方がずっと高いままかもしれないんだぞ、と言いたい。イテ!(書いてる後ろで、妻が読んでいた、ごめんよぉ〜洒落だよぉ洒落〜。バシッ!)

    妻と子供達と妻のお母さんと親戚の叔母さん、そして昨日式を挙げた義弟の弟の奥さんを連れて、まずは9時にオープンするという「DFSグアムギャラリア」までタクシー2台に分乗して行く事にした。DFSグアムギャラリアへ行くには、無料のシャトルバスも巡回しているのだが、タクシーも無料なのである。DFSの受付でタクシーの運転手は私達がどこのホテルから来たと言うとその間の料金をDFSから貰えるという事である。だから一人一台のタクシーで行っても無料なのである。到着すると運転手は入り口の受付までついてきてDFSの受け付けでチケットを貰う。私達も受付でツアーデスクで貰ったDFSグアムギャラリアのパンフレットを見せて入場するのである。


    受付が済むなり、けっこう毛だらけ猫まっしぐら。 ご婦人方は一丸となってプラダへ向かった。私もすぐに後を追ったが、ふと振り向くと、息子がいない。受付に戻ると涙を一杯に浮かべ、顎を突き出した息子が、仁王立ちになっていた。可愛そうに遠い異国の地で、母や、いつもは優しいおばあちゃんから叔母さんまで、一瞬にして消えてしまったのである、それはそれは心細かったに違いない。しかしそれは案内兼、子守兼、荷物持ち兼、交渉係りの私の責任・・・だそうである。良いのだ、今日の私は「奴隷」としてお供をしているのだから・・・。ご婦人方にはごゆっくりブランド店巡りを楽しんで頂く事にして、私は子供を連れてひとまずDFSを出て、道を隔てた向かいにあるセブンイレブンへ行く事にした。

    グァムの道路は広く、 片側3車線の所も多いので、横断するのにも気合いを入れなければならない。道路の向こう側までは、40メートル以上もあるのである。日本とは違い、車は右側通行なので、いつもの様に「右を見て、左を見て」ではダメである。右を見て左を見て、もう一度右を見ると、すでに80キロくらいのスピードで車が来ているので右往左往してしまうのだ。なのでグァムでは「左を見てから右を見る」方が良い。

    朝なので、まだ比較的交通量は少なく、息子を抱いた私と娘は駆け足ですんなり横断することが出来た。セブンイレブンでカルピスウォーターとポテトチップを買い、店の前のベンチに座って朝食とした。グァムは朝の日差しから結構暑い、今日も35度くらいにはなりそうである。あまりゆっくりしていると、ホットカルピスになってしまいそうである。

    DFSグアムギャラリアは、ブランド店舗の入居数ではグァム二番目らしいのだが、ディズニーストアーや各種お土産品、安価でカジュアルなものも数多く、子供からお父さん迄楽しめる。同じブランドものにしても、各店舗の面積が広いから一番の品揃えではないだろうか。ブランドとしては「アニエス・ベー」「ヴェルサーチ」「エルメス」「カルティエ」「グッチ」「コーチ」「シャネル」「ドルチェ&ガッバーナ」「ハンティング・ワールド」「フェラガモ」「プラダ」「ポール・スミス」「DKNY」「カルバン・クライン」「M・A・C」「ディオール」などがある。

    2時間ほど経過したが、ご婦人方はまだまだ見終わってはいないらしい。しかし予定では、あと3つもショッピングセンター巡りをしなければならないので「は〜い、お時間でーす」と、次なる目的地マイクロネシアモールへ向かう事にした。DFSの店内からはタクシー乗り場とバス乗り場へと繋がっている。フロアーからエスカレーターで降りると、左に道路が見えたので外へ出てみた。タクシーは見あたらないので、どうもこちらの道路はバス乗り場の様であった。


    どこかで誰かが呼ぶ声に顔を向けると、「TAXI」と手書きで書いたプラカードを持ったチャモロのオジサンが、私達を手招きしていた。事前の情報では、ホテルやショッピングセンター発以外のタクシーには、あまり乗らない方が無難だという事であったが、他にタクシーが見あたらないので、とりあえず無線でもって呼んで貰おうとした。が、「ダイジョーブ!のれるね、アナタ前でボーイ、ダク、ワタシ運転スル(あたりまえだ)」とチャモロのオジサンは言う。

    しかし、いくら外車のセダンでも子供二人に大人5人なのだ、どう考えても一台では乗れないだろう。と、一応乗ってみて、ほらね、入らない、という事を実演しようとしたのだが、チャモロのタクシーオヤジの的確な指導で、なんと一台に8人も入ってしまった。後ろにご婦人方4人が座り、私は息子を抱いて助手席に、なんと娘などは前席と後席の間で後ろを向いたまま雲竜型でシコ踏み状態である。「ダイジョーブ!・ダイジョーブ!」。・・・イナバの物置ではないのである、ちっとも大丈夫では無い。

    しかし一人4$のバスより安い計算になるので、そのままマイクロネシアモールへ行ってもらう事にした。走り始めてチャモロのオジサンといろいろお話をしたのだが、とても気さくな良いオヤジである。タクシーはボロイが、心は錦というやつかな・・・。しかしこのタクシーはボロ過ぎた、一向にエアコンが効かないのである。8人も乗っているせいではなく、どうやらエアコンが故障している様である、その証拠にダッシュボードに小さい扇風機が取りつけられていた。これなら窓を開けた方がまだ涼しい。

    「オープン・ザ・リアウィンドォー・プリーズ」とチャモロのオジサンに言うと「オゥ!エアーコンディショナー効かなくなるね」(エアコンは故障してんだろーが!)。英語で話すのも面倒になったので、「エアコン、止めてイイから、後ろの窓、開けて」と言うと「ソーリー、アカナイネ」。う〜む、窓まで故障しているのか。仕方がないので、前の窓を全開にして暑さを凌いだ。

    マイクロネシアモールに到着するとボロタクシーのチャモロオヤジは「ワタシ・マッテル、何時迎え来るか?2ジカン?3ジカン?」と言う。う〜ん、もうお断りしたいのだが、このチャモロのオヤジに二度と会えないと思うとちょっと寂しい気がして、無意識に「1ジカン」と言ってしまった。その後、このチャモロオヤジのボロタクシーで、タモン・サンズ・プラザとアカンタモールへ行ったのだが、近いからと、タクシー代は無料にしてくれた。

    ヒルトンへも一度帰り、ホテルの前で待っていてもらって、荷物を置いて再びDFSへ。この頃になるとご婦人方も娘も、自分の乗車位置を覚えて乗り込むコツを修得し、一般観光客が三人くらいでタクシーに乗り込むのと同じくらいの時間で、速やかに7人が乗り込めるまでになっていた。DFSでは受付がタクシーチケットを出すので、タクシー代は無料になる。イナバの物置、もとい、チャモロオヤジのボロタクシーに乗ったお陰で、かなり交通費の節約が出来た。すし詰めになっていたご婦人方も「窮屈だったけど、面白いタクシーだったわね。でももう乗りたくないわ」と好評であった。


    DFSで、妻が友達に頼まれていたプラダのハンドバッグを買うと、再びエスカレーターを降りてタクシー乗り場へと向かった。そして今度こそDFSの下の駐車場側にある、ちゃんとしたタクシー乗り場からタクシーに乗ったのだが、なんとベンツのタクシーであった。もちろん7人であるから2台に分乗し、安全の上からも子供は後ろのシートへ誘導され、助手席の私はちゃんとシートベルトをする様に指示された。

    エアコンは快適に効くし、さすがベンツ。サスペンションも快適で総革張りの車内はとても広く、外の炎天下とは別世界の優雅で静かな乗り心地であった。窓から見えるタモンの街は、まるでテレビのブラウン管にでも映し出されている様である。そして何故か、ふと、あのチャモロのオヤジのオンボロタクシーが、懐かしく思えるのであった。

    さてヒルトンへ帰ると、 一服する間もなくご婦人方は、早朝からトローリングへ出掛けて一匹も釣れずにボーズで帰ってきてガックリしている新郎のお父様を引き連れ、最後の一日を最後まで有効に使うべく、駄目押しのKマート・ショッピングセンターツアーへ無料シャトルバスで出掛けた。もちろん私も子供も引き連れられたのだが、このKマートでは子供達も大喜びであった。日本のDIYの様なショッピングセンターだったので、子供達も友達用のお土産のチョコレートやオモチャなどを大量に買えたので、とても有意義であった。

    私も、ディズニー映画の「トイ・ストーリー」に出てくるラジコンカーのオモチャ(12$)や兵隊のオモチャ(3$)、そしてラジコンのクレーン(26$電池別)などを買い込んだ。新郎のお母さんも、日本ではお目にかかれないトロピカルなミトン(熱い鍋をつかむ時に使う手袋?)を、お土産用に大量に買い込んでいた。あんまり買い過ぎた為、レジへ行って計算してみてビックリ、なんと300$を超えてしまった。「Do you take VISA card?」。ホッ、カードが使えて良かった、もう手持ちのドルは100$くらいしか無いのであった。

    帰りのタクシー代は、早朝からトローリングへ出掛けて一匹も釣れずにボーズでガックリしていた新郎のお父様のおごりであった。・・・よかった。タクシーがホテルへ着くと、早朝から新郎のお父様と一緒にトローリングへ出掛けて一匹も釣れずに同じくボーズであった他の若者達が、「最後の夜はシーフードレストランへ行こう!」と、待っていた。グァム最後の晩餐は、シーフードレストランでステーキを食べて締めくくりとした。

    そしてこの食事でもって、ドルはほとんど使い果たしてしまった。残ったのは、明日の朝、足のはみ出るベッドの枕元に置く為のチップだけである。ホテルの冷蔵庫の支払いはカードだから心配は無い。ホテルへ帰ってシャワーを浴びてテラスへ出ると、下のツリー・バー(Tree bar)で奏でるライブが聞こえた。もう、この素晴らしい夜景も今宵限りなんだな・・・。東の風が心地よいテラスで、いつまでもタモン湾の夜景を眺めている私であった。

    あっ!・・・ドックレースへ行くの忘れた!

     

    おわり


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