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「おでんやコーナー&記憶喪失事件」
(GO! to the ophthalmology)
AOWAOW column.

 

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【セブ島の子供達を学校へ】


  • File bV  杉森さんの投稿作品 ・・・・・ 【「おでんやコーナー&記憶喪失事件」

    それは、いまから十数年前の話です。

    私は小さい頃から夢がありました。

    それは仮面ライダーになりたかったんです。

    そして、16才のある日、その夢が現実になりました。しかし、仮面はなかった。 そう、ライダーになったんです!私の家はブルジョアではなかったので、バイクは自分で払うという条件で36回払いで買いました。 初めての新車です!ホンダ CB400N ホーク3 クラス最高の40馬力で価格は当時40万ぐらいでした。シルバーメタリックの車体にダンガーニのクロスマフラー、クラス初のフロントダブルディスクでもう最高でした。

    当時、ライダー達は 日本平という山に集まりパークウエイという有料道路で速さを競っていました。当然、新人の私が先輩達にかなうわけがなく、日々努力の日が続き天性の才能(?)も手伝ってか3ヶ月ほどでトップクラス(?)になっていました。しかし、有頂天になっている本人を先輩達が心配していたんです。

    先輩達の心配は的中しました。
    時間は午後11時30分、いつもように日本平の頂上のゲートから静岡側のパークウエイを下っていきました。トンネルをぬけて、二輪スリップ注意コーナーをすぎ、おでんやのコーナーをぬけてアンデスの直線でUターンしてまた上ってくる、これを2往復ぐらいしました。言い忘れましたがパークウエイにはいくつか名前の付いたコーナーがあります。二輪スリップ注意の看板のあるコーナーは幽霊が出るので有名です。おでんやのコーナーはカーブの外側が広い空き地になっていて、その昔、そこにおでん屋台が出ていたことからそう呼ばれるようになりました。ちなみに現在は陸橋のコーナー(?)と呼ばれているようです。アンデスの直線というのは、アンデスというレストランが道路脇にあることからそう呼ばれています。

    そのアンデスの直線でUターンをして3周めの上りです。
    だいぶタイヤもあったまっていい感じで走っていました。おでんやのコーナーに差し掛かったところで、「一体、何キロぐらいで走っているんだろう。」とメーターを見たのが運のつき、「おっ、120キロじゃん!」と我ながらコーナリングスピードの速さに感心した次の瞬間、アウト側の石垣と仲良しになってしまった!!。120キロから転倒したんだから簡単に止まるはずもなく、約80メートルぐらいバイクと石垣の板挟みにあい、生きた心地はしなかった。しかし、奇跡的に怪我は両足の打撲とすりきず程度ですんだがバイクは不注意1秒1発廃車。ちなみにローンはまだ2回しか払ってなかった。

    廃車になってしまったのではしかたがない。 次のバイクを手に入れなければならない。しかし、ローンで買った新車を3ヶ月でおしゃかにして、次のバイクをすぐに買ってもいいというほどうちの親は甘くはない!。その日からバイク購入計画、アルファ作戦がはじまった。家中のいたるところにバイクのカタログを置き、顔を見ればバイクを買っていいかと聞く。ほとんどいやがらせに近い作戦だったが見事に成功!。今度、事故をしたらバイクをやめることを条件に許しが出た。さっそくバイク屋に飛んでいき、目を付けていたバイクを注文した。ヤマハRD400 2サイクルの40馬力だ!もちろん36回払い!しかし、その日は土曜日。登録ができない。しかたがない(?)ので事故をしたCBのナンバーをはずして取り付けて、るんるん気分で帰宅して明朝の日本平にそなえました。

    朝4時、まだ薄暗いなかを 2スト特有のかんだかい排気音を響かせていざ日本平へむかいました。 軽やかにシフトアップしながらまず最初のコーナーがせまってくる。まえのCBの時はこのコーナーはステップが軽くつく位寝かせて回っていた。もちろん同じバイクではないが感覚的には同じだろうと思いコーナー手前で2速シフトダウンして腰をスッと内側のおとし、バイクをペタンと寝かせた次の瞬間、リヤタイヤがすべり、そのまま転倒!。運悪く頭を強くアスファルトにぶつけ意識もうろう。気がついたらバイク屋の前で、壊れた部品を一生懸命直していました。(現場からどうやって来たのかまるで覚えてない)

    そこへバイク屋の社長が 出てきて「なんだ、また転んだのか?今度転んだらバイクやめる約束をお父さんとしたんだろう?」と言われて、私はその社長に「社長、僕このバイク買ったんだっけかぁ?」と聞いた。・・・いわゆる記憶喪失というやつ。別に「記憶喪失のフリ」をしてバイクを返品しようとしたわけではない。やはり、買ったのは事実だったらしい。幸い、今回は廃車にはならなかったが、その日から約3年の間、2台分のローンを払っていくはめになったのは言うまでもありません。

    (記憶喪失になってローンも忘れてしまえばよかった。)



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